名古屋市南区にて築年数経過の瓦屋根が屋根裏に沈下して雨漏りが発生!入母屋形状の和瓦葺き替えのリフォーム工事
この度、名古屋市南区にお住まいのお客様より、長年にわたり雨漏りに悩まされているとの切実なご相談をいただきました。
お客様のお話によりますと、建物自体も築80年以上というかなりの年季が入っており、屋根も一度も葺き替え工事を行っていないとのことでした。
長年の風雨に晒され続けた屋根は、経年劣化が進み、雨漏りの原因となっている可能性が高いことが予想されました。
築80年以上という長い年月を、屋根は家族の暮らしを静かに見守ってきたことでしょう。
しかし、その間、雨風や厳しい日差しに耐え続け、老朽化が進んでいたことは想像に難くありません。
お客様は、長年この雨漏りに悩まされ、不安な日々を過ごされていたことと思います。
雨漏りは、建物の構造を蝕むだけでなく、住まう人の心にも大きな負担を与えます。
天井にできたシミを見上げるたびに、不安な気持ちになったことでしょう。
そこで、まずは屋根の状態を詳しく把握するため、目視検査を実施いたしました。
検査の結果、やはり屋根瓦の劣化が著しく、雨水の浸入口が複数確認されました。
特に、屋根の構造部分である野地板の傷みが深刻で、部分的な沈下や腐食も見られました。
この状態では、早急な対策が必要であると判断し、一部屋根の葺き替え工事と、野地板の補強貼りを行うこととなりました。
お客様に安心して生活していただけるよう、丁寧に作業を進めていくことをお約束いたしました。
建物の状況
築年数 ・・・ 築100年以上
工事費用・・・ 約220万円ほど
施工期間・・・ 約一か月ほど
建物種別・・・ 木造戸建て
作業のビフォーアフター

☞

施工事例で引用した現場ブログのリンク先
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『名古屋市南区にて築年数が経過した二階建て屋根から雨漏りが発生!目視による雨漏り点検と対策方法』
お客様の声としてアンケートを頂いております。こちらから行けます↓↓↓
『名古屋市南区による築年数経過による入母屋形状の和瓦屋根の葺き替え工事!雨漏り解消!お客様の喜びの声も掲載』
初動調査での注意点や契約から工事までの流れを書いています
初回点検の無料診断と有料診断の違いの説明↓↓↓
『ヤマムラ建装での目視による建物点検で無料調査と有料調査の違いの説明』
見積もりから工事完了の請求書迄の一連の流れ
『弊社で建物のリフォーム工事などの依頼から契約書の取り交わしを経て工事完了までの一連の流れ』
目次
経年劣化による屋根の沈下で雨漏りが発生したそうです

この度、名古屋市南区にお住まいのお客様より、築年数がかなり経過し、経年劣化が進んでいる建物の屋根に関するご相談をいただきました。
お話によりますと、屋根が部分的に沈下しており、それが原因で屋根瓦の隙間から雨水が侵入し、雨漏りを引き起こしているとのことでした。
雨漏りはかなり以前から発生していたそうで、特に一部屋においては、雨漏りがひどく、使用できない状態になっているとのことでした。
長年にわたり雨漏りに悩まされていたお客様のご心痛は、察するに余りあります。
そこで、まずは現状を詳しく把握するため、初動調査としてお客様のお宅にご訪問させていただき、屋根の雨漏り点検を実施させていただきました。

建物の正面、道路側から屋根の状態を確認させていただいたところ、経年劣化による瓦の傷みが原因で、屋根全体が部分的に沈下している状態が確認できました。
この状態では、雨水が屋根内部に浸入しやすい状況となっており、実際に瓦と瓦の間に隙間が生じている箇所も確認できました。
屋根に登り目視による屋根点検調査を行いました

まず、一階の屋根から屋根に上がり、入母屋屋根の西面まで移動し、雨漏りの状況を確認するための点検作業を行いました。
屋根の西面、平らな部分(平部)の一部において、屋根瓦がずり落ちて瓦に隙間が生じて浮いているように見える箇所を確認いたしました。

こちらは隅棟(すみむね)部の写真ですが、全面に取り付けられている鬼瓦(おにがわら)の固定が外れ、前面に倒れてしまっている状態でした。
このような状況は滅多に見られるものではありませんが、このように鬼瓦が倒れたまま放置されていると、生じた隙間から雨水が浸入し、雨漏りの原因となる可能性が高まります。
そのため、鬼瓦を元の状態に戻し、この隅棟を修理する際には、一旦すべての瓦を取り外してから、改めて積み直していく方法が一般的です。


こちらは、反対側の隅棟(すみむね)部の写真です(先ほどの隅棟部を南西の位置とすると、こちらは北西の位置になります)。
この隅棟部は、尻(しり)側において、防水処理として施されていた屋根漆喰(やねしっくい)が経年劣化によりすべて剥がれ落ちてしまい、その隙間から雨水が浸入し、雨漏りを引き起こしておりました。
こちらも、先ほどの隅棟部と同様に、すべて取り外してから改めて積み直していく作業を行います。
さらに、この隅棟部の下に施工されている屋根瓦にも、ズレ落ちて隙間が発生している箇所が見られました。
屋根の劣化具合が進んでいて屋根の上の歩行が困難になっていました

屋根瓦の劣化状態は非常に深刻で、屋根瓦の上を安全に歩行することさえ難しい状況でした。
そのため、辛うじて歩行できる範囲内で、安全に配慮しながら、目視による確認できる範囲の点検作業を進めてまいりました。
建物敷地と道路に面した部分の確認


こちらの建物は、敷地の東面と北面が道路と建物の外壁に非常に近接しており、工事の際に道路の一部を占用せざるを得ない状況でした。
そのため、地域の土木事務所に【道路占有許可書】を申請するための準備として、道路の幅寸法を計測したり、提出書類に必要な写真撮影を行いました。
雨漏りの屋根点検を終えた後、撮影した写真を用いて、お客様に屋根の状態と今後の対応についてご報告いたしました。
今回の工事のご提案内容としては、以下のとおりです。
1.入母屋屋根の四隅にある隅棟(すみむね)部はすべて取り外し、新しい棟瓦(むねがわら)を用いて施工を行います。
2.屋根の東面に見られる沈下を修復するために、葺き替え工事を行います。
3.上記の2の工事に伴い、大棟(おおむね)部もすべて取り外し、新しい棟瓦を積み直していきます。
上記以外に、お客様より北面の屋根が道路に近いため、軒先瓦(のきさきがわら)が落下しないようにしっかりと固定する作業のご依頼をいただきました。
これらのご提案内容に基づき、お見積書を作成し、お客様にお渡しいたしました。
葺き替え作業を行うことになり安全対策で仮設足場を設置します


屋根の葺き替え工事を行うにあたり、まず最初に行う重要な準備作業として、作業員の落下防止などを目的とした仮設足場の設置作業があります。
作業開始にあたっては、まず親方(おやかた)が、仮設足場の基本となる設置場所を決定していきます。
親方が設置場所を決定している間、相方(あいがた)の作業員は、各設置場所に必要な分の仮設足場材料を、作業がスムーズに進むよう、適切な場所に配置していきます。

お客様と工事請負契約書を取り交わさせていただいてから、約2~3週間ほどは、道路占有許可の申請手続きのため、地域の土木事務所へ通っておりました。
おかげさまで、無事に申請許可が下りましたので、仮設足場を設置する当日には、警備員(ガードマン)を手配し、交通整理を行ってもらいました。


道路への突出量が過度にならないよう、できる限り建物の外壁に近づけて仮設足場を設置していきます。
今回の足場設置作業は、2人一組のチームで実施しております。
一般の個人住宅における足場設置作業は、通常2人一組、もしくは3人一組程度の体制で行われることが多いです。


二階部分の屋根に手が届く高さまで、仮設足場を丁寧に組み上げていきます。
仮設足場の組み立てが完了した後、作業員の落下防止や、工具・資材等の落下による事故防止などを目的として、養生シートを道路面にしっかりと張り巡らせていきます。

養生シートには、固定用の紐が取り付けられており、その紐を仮設足場の骨組みにしっかりと結び付けていくことで、養生シートが風などによって揺れたり、飛ばされたりしないように固定します。
ただし、台風が接近している際には、強風が通り抜けるように、上段部分の養生シートを一時的に取り外す場合もございます。
これは、強風による足場への負担を軽減し、安全を確保するための措置です。


道路占有許可申請の観点から、道路側には夜間になると自動的に点灯する【赤色灯】を設置し、仮設足場の一角には、近隣にお住まいの方々や歩行者の方々に分かりやすいように、許可を受けている旨を示す看板を掲示していきます。
この二点は、道路占有許可を得ている場合に必ず実施しなければならない事項となっております。
もし、道路にはみ出して作業が行われているにもかかわらず、上記の二点が実施されていない状況を発見された際は、お手数ですが最寄りの警察署(地域安全課または交通課)まで速やかにご連絡ください。
安全対策で仮設足場が設置されたので葺き替え作業の方に移行します


仮設足場が設置されたことにより、足元が安定し、これまで道路側からしか確認できなかった東面屋根の状況を間近で確認することができました。
近くまで来て改めて確認したところ、屋根瓦の劣化状態は予想以上に深刻で、屋根瓦の表面が劣化しているだけでなく、隙間からは草木が生えている状態でした。


こちらは隅棟(すみむね)部の作業の様子です。
取り付けられていた隅棟部の棟瓦(むねがわら)をすべて丁寧に取り外し、雨水が内部に浸入しないように、ルーフィングと呼ばれる防水シートを敷設した後、重しとして土嚢袋(どのうぶくろ)を適切に配置しておきます。


落下防止のために仮設足場を設置しているとはいえ、激しく劣化している屋根瓦の上を安全に歩行して作業を行うことは困難な状況です。
そのため、足元が比較的しっかりしている手前側から順番に、屋根瓦の撤去作業を行い、その後、野地板合板の取り付け、そして最後に防水紙の敷設作業へと進めてまいります。

この様に野地板合板が一枚入るぐらいの横幅のサイズで、瓦や屋根土などを取り剥がして屋根の補強作業に入ります。


野地板合板のサイズに合わせて、順番に屋根瓦を取り外してから、新しい野地板合板を取り付けていく作業を進めてまいります。
このように順番に同様の工事を行っていくことで、足元には強度の高い新しい野地板合板が貼られていくことになり、作業のために屋根上を歩行できる範囲が徐々に広がっていきます。
作業員が安全に移動できる範囲が広がることで、作業効率の向上にも繋がります。
ルーフィング(防水シート)が強風で飛ばされないように、仮押さえとして木材を打ち付けていくのですが、その仮押さえに使用する木材を、後工程で使用する材料などを一時的に置いておくための足場としても活用いたします。


大棟(おおむね)部においては特に、ルーフィング(防水シート)が強風で巻き上げられるのを防ぐため、土嚢袋(どのうぶくろ)に詰めた重しをルーフィングの上に重ねて配置しながら作業を進めてまいります。
これにより、ルーフィングが風で飛ばされるのを防ぎ、雨水の浸入を防ぎます。
その作業と並行して、屋根の西面の一部でズレ落ちて隙間ができていた屋根瓦に対しては、突き上げ作業を行った後、コーキングボンドでしっかりと接着固定を行っていきます。
これにより、瓦のズレによる雨漏りのリスクを軽減します。
屋根上での道具などの落下対策

屋根の先端部分である軒先(のきさき)部と、設置した仮設足場との間には、どうしても隙間が生じてしまいます。
そのため、その隙間部分にブルーシートなどの養生シートを取り付け、できる限り物などが落下しないよう、適切な対策を講じておきます。
これにより、通行人や近隣への安全を確保します。
新しい瓦を施工するために屋根全体に規定寸法で桟木を打ちます


東面の屋根全体に、新しい野地板合板とルーフィング(防水シート)の敷設作業が完了しましたら、次に屋根瓦を取り付けるための桟木(さんぎ)を、ルーフィングの上から丁寧に打ち付けていきます。
屋根が沈下していた箇所については、野地板合板を取り付ける際にできる限り元の高さまで持ち上げて補正を行いましたが、桟木を取り付ける際には、木材の端材などを活用し、微調整を行いながら水平になるように桟木を取り付けていきます。
これにより、屋根瓦が均一に美しく葺けるように、下地を丁寧に整えていきます。

桟木(さんぎ)を屋根全体にしっかりと取り付けることができましたら、屋根工事専門の業者向けに設計された荷台付き昇降用はしごを設置し、必要な枚数分の屋根瓦を屋根上へと運び上げていきます。


屋根上での取り付け作業で使用する屋根瓦を、あらかじめ屋根に荷揚げしておくことで、作業中に必要な屋根瓦がすぐに手元に来るように配置しておきます。
これにより、作業効率が向上し、スムーズに作業を進めることができます。
ここまでの一連の作業が、屋根瓦の施工を行うための事前準備と言えるでしょう。
新しい瓦で屋根全体を施工して行きます



屋根瓦の施工に使用する主な瓦の種類として、以下の三種類があります。
- 屋根の先端部分、横一列に取り付けていく【万十軒先瓦(まんじゅうのきさきがわら)】
- 屋根の大部分を占める平らな部分(平部)に使用される【桟瓦(さんがわら)または平瓦(ひらかわら)】
- 入母屋屋根の箕甲(みのこう)部分に使用される【万十掛け瓦(まんじゅうかけがわら)】
基本的には上記の三種類の瓦を使用いたします(補助的に他の種類の瓦も使用する場合があります)。


屋根の先端部分である軒先(のきさき)瓦を取り付けながら、屋根の平らな部分を覆う桟瓦(さんがわら)(平瓦とも呼ばれます)を取り付けていく作業を進めてまいります。
この2種類の屋根瓦によって、屋根の大部分、約90%が覆われることになります。


入母屋屋根の両端にある、箕甲(みのこ)部と呼ばれる箇所に、掛け瓦(かけがわら)を取り付けていく作業を行います。
昔の屋根土を用いた施工方法(湿式工法)では、屋根土で瓦同士を接着しながら挟み込み、さらに落下防止のために掛け瓦の釘穴部分に針金を通して緊結していました。
しかし、現在では屋根土を使用しない【乾式工法】が主流となっているため、釘穴にビス釘をしっかりと打ち込んで固定していく方法を採用しています。
これにより、より強固に瓦を固定し、耐震性や耐風性を高めることができます。

屋根全体に屋根瓦の取り付けが完了しましたら、続いて棟(むね)を積み上げるための材料置き場として、足場板をしっかりと固定して設置しておきます。
この足場板があることで、棟瓦の材料や副資材などを安全に置いておくことが可能になります。
それ以外にも、作業員の屋根上での移動や歩行スペースとしても大変重宝します。
隙間を塞ぐ冠瓦とその冠瓦に座る鬼瓦


屋根の両端に位置する箕甲(みのこ)部分では、桟瓦(さんがわら、平瓦とも呼ばれます)と掛け瓦(かけがわら)の間に取り付け隙間が生じているため、その隙間から雨水が浸入しないように、冠瓦(かんむりがわら)を取り付けていきます。
今回は、紐丸瓦(ひもまるがわら)を使用して取り付け作業を進めてまいります。

箕甲(みのこう)部分の冠瓦(かぶせがわら)、特に紐丸瓦(ひもまるがわら)の取り付けが完了しましたら、大棟(おおむね)部の棟芯(むねしん)と紐丸瓦が接合する箇所に、鬼瓦(おにがわら)を設置していきます。
鬼瓦が前方に倒れないように、棟瓦を積み上げていく段階で、棟芯から複数本の針金線をより合わせたものを予め出しておきます。
鬼瓦の背中部分には、針金を通して縛り、しっかりと固定できる箇所がありますので、その箇所に先程の針金を通して縛り付けていきます。
これにより、鬼瓦がしっかりと固定され、落下を防ぎます。


土台となる一段目の棟瓦、熨斗瓦(のしがわら)を取り付けていくために、棟の中心線である棟芯(むねしん)に沿って、南蛮漆喰(なんばんしっくい)(漆喰とセメントが含有されたもの)を通常よりも多めに配置しておきます。
南蛮漆喰は、通常の漆喰に比べて強度と防水性に優れており、棟瓦をしっかりと固定する役割を果たします。
その南蛮漆喰にしっかりと接着させるように、半分に割った棟瓦、熨斗瓦(のしがわら)を一枚ずつ丁寧に両側から取り付けていきます。
この作業を繰り返すことで、強固な棟が形成されます。


棟瓦(むねがわら)の大部分を構成しているのし瓦(のしがわら)ですが、通常は一枚の瓦をほぼ半分に割り、棟部分に丁寧に積み上げていきます。

屋根の棟(むね)部を仕上げる工程として、少しずつ葺き土(ふきつち)を盛りながら、棟の内部、すなわち真ん中の隙間ができるだけ小さくなるように注意しながら、のし瓦(のしがわら)を丁寧に積み上げていきます。
この作業により、棟の強度を高め、雨水の浸入を防ぎます。


棟(むね)部の最上段には、棟冠瓦(むねかんがわら)と呼ばれる瓦を、棟の一番上段に一列に沿って取り付けていきます。
棟瓦の中でも最上部に位置し、重要な役割を担う部分です。
今回は、棟冠瓦の種類の中でも、比較的平たい形状をしている伏間冠瓦(ふすまかんがわら)を使用いたしました。

少しばかり自慢させていただくことになりますが、熟練した技術を持つ職人が作業を行うと、積み上げられた棟部の接続部分が非常に綺麗に、そして真っ直ぐに仕上がります。その仕上がりは、一目瞭然です。
入母屋形状で四方行ある隅棟部に新しい棟瓦で施工します


屋根の瓦葺き替え作業を行った箇所の隅棟(すみむね)部では、古い屋根瓦と新しく取り付けた屋根瓦の境界部分を、適切に加工してから取り付けてあります。
その上から重ねるように、鬼瓦(おにがわら)と棟瓦(むねがわら、のし瓦)を取り付け、丁寧に積み上げていきます。


まず、棟瓦(のしがわら)を丁寧に積み上げていき、最上段に冠瓦(かんむりがわら)を取り付けていきます。
今回の工事で使用する冠瓦は、素丸瓦(すまるがわら)と呼ばれるもので、先ほど使用した紐丸瓦(ひもまるがわら)とよく似た形状をしています。
このように、隙間などを塞ぐ役割を持つ棟冠瓦ですが、屋根の形状や構造によっては、複数の種類の棟冠瓦が使い分けられる場合もございます。

☞

西面の屋根にある、古い屋根瓦がそのまま残っている方の隅棟(すみむね)部にも、新しい棟瓦(むねがわら)を取り付ける作業を行いました。
こちらの作業における懸念事項は、土台となっている屋根瓦が古く、劣化が進んでいるため、作業中の歩行によって破損させてしまう可能性があることでした。
そのため、職人には細心の注意を払いながら作業を進めるよう指示し、慎重に作業を進めてもらいました。
鬼瓦の背中部分や棟瓦などの接地点に隙間があります


鬼瓦(おにがわら)と積み上げた棟瓦(むねがわら)との設置箇所は、施工上どうしても若干の隙間が生じてしまいます。
その隙間からは雨水が浸入しやすいため、以前の施工方法では、この部分に屋根漆喰(やねしっくい)を巻き付けるように塗布していました。
近年では、コーキングボンドを使用して隙間を埋めながら接着していく方法が主流となっています。
屋根漆喰に関しては、約10~15年ほどで経年劣化により剥がれてしまい、再び隙間が見える状態になることが一般的です。
一方、コーキングボンドは、硬化するとゴム状になるため、雨水に対しては比較的強い性質を持っていますが、乾燥するまでに埃やゴミなどが付着してしまうと、完全に除去することが難しくなります。
コーキングボンドもまた、屋根漆喰と同様に、約10~15年後には経年劣化する可能性もございます。
定期的な点検とメンテナンスが重要となります。

隅棟(すみむね)部においても、鬼瓦(おにがわら)の背中部分にコーキング塗布を行っていきます。
この作業により、鬼瓦と隅棟の間の隙間を埋め、雨水の浸入を防ぎます。
大棟(おおむね)部でも同様の作業を行いましたが、上段に取り付けた棟冠瓦(むねかんがわら)を固定するために使用している針金線が出てきている釘穴についても、コーキングボンドで丁寧に埋めておきます。
これにより、釘穴からの雨水の浸入を防ぎ、屋根の防水性を高めます。


こちらは、入母屋屋根の四方向にある隅棟(すみむね)部の中でも、特に上段(尻部分)が切断加工された状態になっている箇所です。
このままの状態では、切断面から雨水が浸入してしまうため、屋根材を適切に加工し、隅棟の上段部分に取り付けてしっかりと固定することで、雨水の浸入を防ぐ対策を施します。

隅棟(すみむね)部の尻(しり)部分に取り付けられた、加工された屋根材と積み上げられた隅棟部の間には、どうしても若干の隙間が生じます。
この隙間から雨水などが浸入するのを防ぐため、コーキングボンドを丁寧に塗布し、隙間を埋めるとともに、屋根材同士をしっかりと接着していきます。


屋根の両端部分に位置する箕甲(みのこう)に取り付けられた、紐丸瓦(ひもまるがわら)を固定するために、パッキン付きのビス釘を丁寧に打ち込んでいきます。


お客様のご要望にお応えし、道路側の屋根の軒先瓦が落下しないよう、専用の工具を用いて軒先瓦の先端に穴を開ける作業を行いました。
紐丸瓦と同様に、パッキン付きのビス釘を丁寧に打ち込み、しっかりと固定いたしました。
劣化した雨樋を仮設足場があるうちに取り替えします

一階の屋根部分については、脚立などを用いて交換作業を行うことができました。
しかしながら、二階の屋根に取り付けられている雨樋に関しては、安全に作業を行うために仮設足場の設置が不可欠となります。
ここで皆様に知っていただきたいのは、屋根のリフォームで仮設足場を設置する場合、雨樋の交換作業や外壁塗装の塗り替えなども同時に行うことをお勧めするということです。
なぜなら、工事を別々に行うと、その都度仮設足場の設置費用が発生してしまうからです。
仮設足場の費用は、一般的に約25万円から約50万円以上と高額になり、それぞれの作業に費用が加算されてしまいます。
例えば、屋根のリフォームで足場を組んだ際に雨樋の交換も行えば、足場代は一度で済みます。
後日、雨樋だけを交換するために再度足場を組む必要がなくなり、大幅なコスト削減につながります。
このように、同時に行うことができる工事は、できるだけまとめて行うことで、費用を抑えることができるのです。

☞

既存の雨樋部材、および雨樋を支えている樋吊り金具をすべて撤去いたします。
その後、樋吊り金具から雨樋本体に至るまで、すべての部材を新しいものに交換する工事を行います。

樋吊りの固定作業では、まず屋根の構造体であるタルキの位置を確認し、適切な位置に固定用のビスを用いて丁寧に打ち込んでいきます。
これにより、樋が安定して設置されるようにします。


雨水を集めて下へ流す役割を持つ集水器も、この度新しく交換いたしました。
集水器に雨水がスムーズに流れ込むように、2枚目の写真でご覧いただける通り、雨樋の中央部分を若干高く、両端を低く取り付けております。
これにより、雨水が自然と両端に集まる仕組みとなっております。
もちろん、この雨樋の取り付け方は、適切な施工方法に基づいたものでございます。
くれぐれも、「雨樋が真っ直ぐに取り付けられていない!」や「雨樋の中央が曲がっている!」といったご指摘は、ご容赦いただければと存じます。
もし取り付けに関してご不明な点がございましたら、「雨樋はこのように取り付けるものなのですか?」と丁寧にお尋ねいただければ、職人も親切にご説明させていただくかと存じます。


今回は、雨樋の中でも竪樋(たてどい)の交換工事についてご紹介いたします。
竪樋とは、屋根に降った雨水を垂直に地面へと導く役割を担う部分です。
今回のお宅では、一階の屋根が干渉していたため、竪樋をまっすぐ下ろすことが難しい状況でした。
そこで、数か所にコーナー部分(エルボ)を取り付けることで、雨水をスムーズに排水できるように工夫されていました。
また、柱に取り付けられている樋吊り(といづり)と呼ばれる金具にも、若干違和感が見受けられました。
そのため、今回は樋吊り金具ごと竪樋を新しく交換する工事を行うこととなりました。
雨樋は、常に太陽の直射日光にさらされる可能性があるため、多く使用されている塩化ビニール製の材質は、経年劣化により腐食し、硬化してしまうことがあります。
そのため、10〜15年ごとに塗装を施して保護していくか、状況に応じて早めに交換工事を行うことが、雨樋を長持ちさせるためには大切です。
作業完了後に屋根に上げ越した材料や道具を降ろして作業範囲を掃除します

屋根上からの荷下ろし作業について
屋根上では、作業に使用した様々な道具や材料が一時的に置かれています。
具体的には、作業道具、工具、そして材料の余剰材などです。
これらの物品は、作業の進捗に合わせて、屋根上から安全に降ろしていく必要があります。
荷下ろしの手順は以下の通りです。
- 材料の荷下ろし: まず、屋根上に残っている材料をすべて降ろします。
この際、落下による事故を防ぐため、慎重に作業を行います。
具体的には、- 重量のある材料は、屋根工事専用のハシゴにて降ろします。風の強い日は、載せた物が落下しないように注意します。
- 足場板の撤去: 材料をすべて降ろし終えたら、屋根上に設置している足場板を撤去します。
足場板は、作業員の安全を確保するために重要な役割を果たしていますが、作業終了後は不要となるため、安全に降ろします。
この際も、落下防止に十分注意し、- 足場板を固定している金具などを確実に外してから降ろす。足場板を降ろす際には、下に人がいないことを確認する。
これらの作業は、常に安全を最優先に行われます。作業員は、安全帯などの保護具を着用し、落下防止のための措置を講じた上で作業を行います。
また、作業前には必ず安全ミーティングを行い、作業手順や注意点などを共有することで、事故防止に努めています。


屋根の上に置いてあるものを全て地上に降ろした後、電動工具のブロワーを用いて屋根全体を清掃いたします。

☞

瓦屋根の葺き替え工事を含む建物リフォーム作業が、おかげさまで無事完了いたしました。
工事期間中、作業員の安全確保のために設置しておりました仮設足場の解体作業を行ってまいります。
お客様に工事の完了などの報告

お客様に工事の完了をお伝えさせていただきました。
工事中に撮影した写真をまとめ、工事完了報告書としてお客様にご説明とご報告をさせていただきました。
お客様は写真を見ながら、「ここまで綺麗にしてもらったので、雨漏りにはもう心配しなくていいですね」と大変喜んでいただきました。
これでお客様が安心してお住まいいただけることを嬉しく思います。
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『名古屋市南区にて築年数が経過した二階建て屋根から雨漏りが発生!目視による雨漏り点検と対策方法』
お客様の声としてアンケートを頂いております。こちらから行けます↓↓↓
『』
ヤマムラ建装 株式会社では


ご説明も含めたブログのリンク先
初回点検の無料診断と有料診断の違いの説明↓↓↓
『ヤマムラ建装での目視による建物点検で無料調査と有料調査の違いの説明』
見積もりから工事完了の請求書迄の一連の流れ
『弊社で建物のリフォーム工事などの依頼から契約書の取り交わしを経て工事完了までの一連の流れ』
コラムブログも書いています
悪徳・悪質訪販業者やリフォーム会社について書いたコラム
『突然来訪する飛込み訪問業者や悪質訪問リフォーム業者などの無料点検詐欺への対策方法』
仮設足場や材料を道路に置いておくための道路占有許可申請など
『仮設足場や材料などが敷地外の道路などに出る時は必ず道路使用許可や道路占有許可をとりましょう』
少しだけ火災保険をかけることの必要性について書いています
『名古屋市南区にて台風ぐらいの強風で被害があった時の火災保険!和瓦の破損などの修理!』