名古屋市天白区にて築年数が経過した切妻屋根の大棟部から雨漏り!原因解明と屋根リフォームで瓦の葺き替え工事を行いました

工事のきっかけ

名古屋市天白区にお住まいの方から、二階建ての切妻屋根の大棟部から雨漏りの雨滴が発見されたという報告を受け、建物の安全性を確保するために屋根リフォームが実施されました。
この工事では、大棟部を中心に瓦の葺き直しを行い、雨漏りの原因を突き止めるための対策が取られました。
棟瓦の取り直しや積み直しは、瓦屋根にとって雨漏りを防ぐための重要な工事であり、迅速な対応が必要です。
棟部分の瓦がずれたり外れたりしている場合や、棟の倒壊が起きている場合は、雨漏りのリスクが高まるため、早めの修理が求められます。
専門業者による点検や修理を通じて、建物の健康を保ちながら安全性を確保することが重要です。
雨漏りの被害を防ぐために、適切な対策を講じることが大切です。

建物の状況

築年数 ・・・ 築50年以上

工事費用・・・ 約150万円ほど

施工期間・・・ 約3週間ほど

建物種別・・・ 木造戸建て

作業のビフォーアフター

積み上げたのし瓦を一段ずつ取り外します

冠瓦を施工して作業の完了です

施工事例で引用した現場ブログのリンク先

初動調査での注意点や契約から工事までの流れを書いています

目視調査と和瓦の大棟部を中心に瓦の葺き替え工事を行います

大棟部の最上段の冠瓦から取り外します

名古屋市天白区のお客様宅にお伺いしましたが、予定日の数日間は降水予報が0%でしたので、初動調査で雨漏りの瞬間や場所を確認する無料の目視検査ができませんでした。
お客様は、屋根を葺き替えてでも雨漏りを治したいと懇願されました。

そのため、屋根全体の葺き直し工事ではなく、大棟部を中心にして雨漏りの原因を探索し、同時に耐震補強のリフォーム工事を提案させていただきました。
有料点検の範囲になるため、お客様にお願いしてお見積りを作成し、工事金額の確認をお願いしました。

後日、お客様から作成したお見積り内容で工事の依頼をいただきました。
契約を取り交わした後、工事の工程段取りを行い、お客様の元へお伺いしました。
工事では、建物の屋根の中心部である大棟部を解体し、雨漏りの原因を探り対応していきます。
対応工事完了後、大棟部に耐震補強の屋根材を設置し、棟瓦を積み上げていく工程となります。

江戸冠瓦

瓦屋根のメンテナンス作業を行う際には、まず大棟の頂上部分に取り付けられている冠瓦(江戸冠瓦)を一本ずつ取り外していきます。
この作業では、取り外した屋根瓦のほとんどを後で再度取り付けるため、安全確保のために仮設足場の作業床の上にしっかりと固定して保管しておくことが重要です。
落下を防ぐために、慎重に作業を進めていきましょう。

積み上げたのし瓦を一段ずつ取り外します
平瓦(桟瓦)のイメージ写真

棟に積まれたのし瓦を、一つずつ丁寧に解体していきます。
その後、雨漏りの調査のために、屋根の頂点から段々に桟瓦(平瓦)を取り外していきます。

干渉する瓦などを取り桟木などを取ります

屋根の野地板合板の上には、防水紙(ルーフィング)がしっかりと貼られています。
防水紙(ルーフィング)が外れないように、桟瓦(平瓦)を施工する際には、その場から落下しないようにするために、固定打ちされた桟木(さんぎ)を一本ずつ抜いて取り外していきます。
この作業は、屋根全体に屋根土で桟瓦(平瓦)などを接着しながら施工する湿式工法と呼ばれる方法の一つです。
もう一つの方法は、屋根全体を軽量化するために、桟木を打ちながら桟瓦(平瓦)を引っ掛けて釘などで固定する乾式工法と呼ばれます。
建物への負担を減らすためや、屋根土を使った湿式工法への技術者不足もあり、現在では乾式工法が主流となっています。

雨漏りの原因となった屋根の状態を目視による点検調査を行います

防水紙の破損が雨漏りの原因でした
野地板の頂点が不足して穴があいていました

屋根の頂点部分にある防水紙(ルーフィング)が凹んだり大きな穴が開いていると、大棟部からの雨水が建物内に浸入してしまい、雨漏りの原因となります。防水紙(ルーフィング)を剥がしてみると、野地板合板が屋根の頂点まで達しておらず、隙間が開いている状態が確認されました。

大棟の作業方法の一つとして、棟瓦ではなく冠棟瓦を使用した一本棟葺き呑みを行う換気棟工法があります。
この工法では、屋根の頂点部分に隙間を作りながら作業を進めていきます。
換気棟工法は、建物の上部に暑い空気が溜まる性質を利用し、大棟部に空気抜きの穴を設けて暑い空気を強制的に外に排出する役割を果たします。

このように、換気棟工法は建物内の暑さを和らげる効果があり、屋根の頂点部分に隙間を作ることで作業をスムーズに進めることができます。
建物のメンテナンスや修理において、適切な工法を選択することが重要です。

野地板からの補修するため防水紙もめくりました

頂点を塞ぐように合板を補強しました

屋根の頂点部分に隙間があいている場合、野地板合板を貼る作業を行うためには、周辺の防水紙(ルーフィング)を剥がしながら隙間に取り付けます。
その後、隙間に合わせてサイズを切断し、新しい野地板合板を取り付けます。
また、新しい野地板合板を固定するために、既存の野地板合板を一部切り取り、垂木が釘で打てる範囲まで出しておきます。
これにより、作業をスムーズに進めることができます。

新たに大きめのサイズで防水紙を貼っていきました
反対面も防水紙を貼っていきます

建物の頂点部分の隙間に、新しい野地板合板を切断加工したものを取り付ける作業が完了した後、防水紙(ルーフィング)を取り付けて雨漏りを防ぐ作業を行いました。
この工程により、建物の頂点部分における雨漏りのリスクを最小限に抑えることができます。

屋根の不陸直しで緩衝材を入れておきます

古い建物の場合、屋根の表面部分が波を打っていることがよくあります。
これは、建物の構造部分でそれぞれの構造材料同士がはめ込まれて建築されているため、最後の屋根瓦の重量が屋根土と合わさってそれなりの重量となるからです。
昔の大工さんたちによると、人力だけでは構造体を完璧にはめ込むことができないため、屋根の重さが自然の力として建物を強固にすると考えられています。

ただし、この重量が加わる際に、屋根全体に均等に力が加わらずに部分ごとに力が加わると、屋根の表面部分が波打つ状態になる可能性があります。
この波打つ状態の屋根に、桟木(さんぎ)を取り付ける際には、木材で加工した調整材を波打つ隙間に入れて固定釘を打ち込んでいきます。
この作業を不陸調整と呼びます。

不陸作業の方法としては、木材で加工した調整材を入れながら作業を進める方法や、屋根全体の葺き替え工事の際に、建物の構造部分である垂木の横に新しい垂木を取り付けて高さ調整と補強を同時に行う方法があります。

取り剥がしておいた桟瓦を屋根に取り付ける前に棟の準備をします

屋根の頂点部分に耐震棟の土台部分を取り付けます

【棟瓦施工前の耐震補強の重要性】
桟瓦(平瓦)を大棟際まで施工する前に、棟の耐震補強材を取り付けるための前準備を行っていきます。
大棟の中心部分に、強力棟を取り付けて行きます。
取り付ける範囲は、建物の構造部分の垂木2本分に一本取り付けて行きます。
また、構造部分にタルキが無い工法もありますが、その場合は500ミリから600ミリの範囲で取り付けて行きます。
棟瓦の施工にあたっては、しっかりとした耐震補強が必要不可欠です。

棟芯に設置する強力棟の部材説明

屋根勾配に合わせて台座を拡げます
台座の上部分に垂木を設置します

強力棟金具は、写真のような部材で、屋根の勾配に合わせて配置される部品です。
この金具の下部には、屋根に固定するための釘やビスが取り付けられる釘穴があります。
足部分に釘やビスを打ち込み、しっかり固定していきます。
また、強力棟金具の上部には台座部分があり、補強垂木をセットするように配置します。
これにより、屋根の安定性を高めることができます。

強力棟に垂木を設置したイメージです
強力棟の上部部分の穴から固定釘を打ち込みます

垂木を強力棟金具の上に設置したイメージ写真が写真の一枚目となります。
この写真では、大棟文の長さに合わせて垂木が設置されています。
また、写真二枚目には、台座部分に横から固定釘が打てる用の釘穴が設けられています。
この穴を利用して、釘やビス釘を打ち込み、タルキごとしっかりと固定していきます。
棟の施工に使用される強力棟金具は、このような仕組みで構成されています。

平瓦(桟瓦とも呼ぶ)の葺き直し作業が完了しました

平瓦を加工しながら屋根の頂点付近まで施工します

屋根工事の際には、大棟際まで桟瓦(平瓦)を丁寧に施工していきます。
しかし、桟瓦(平瓦)は一枚ずつの登り寸法が決まっているため、大棟際などでは一枚物の桟瓦(平瓦)をすんなりはめ込むことができないことがあります。
そのような場合は、桟瓦(平瓦)を切断加工しながら、必要なサイズに合わせて取り付けていきます。
工事の際には、しっかりとした対応が必要です。

ケラバ袖部の専用瓦の施工の様子

冠瓦素丸のイメージ図
丸冠瓦を棟頂点際まで加工して取り付けます

建物の屋根の横幅が、桟瓦(平瓦)などを施工する際に、適切な寸法が揃わない場合、調整材として屋根瓦の上に冠瓦を取り付ける工法があります。
これにより、足りない部分に隙間ができることなく、雨水から保護されます。
今回は、元々取り付けられていた冠瓦を使用し、同様に素丸瓦を取り付けていきました。
この工法によって、屋根全体がしっかりと保護されることが期待されます。

棟芯に沿って耐震補強材の取り付け

強力棟に垂木を設置したイメージです
設置した垂木の上に耐震補強材を固定設置します

先ほど、強力な棟の台座に取り付けられた垂木の上に、樹脂製の耐震補強材を設置して固定していきます。
取り付ける際には、垂木の上面に曲がらないように標識となる通し墨を打ち付けておきます。
大棟の一列に並べた後は、耐震補強材と一緒に垂木まで到達するビス釘でしっかり固定していきます。

施工しやすいように半分に割った棟瓦

一段目の半月漆喰を塗っていきます
熨斗瓦をコーキング接着してビス釘で固定します

瓦屋根の耐震補強工事において、桟瓦(平瓦)と耐震補強材の隙間には、屋根漆喰を丁寧に塗り込んでいきます。
これにより、半月漆喰の役割を果たすことができます。

屋根漆喰がしっかりと塗布されたら、のし瓦を一枚ずつ耐震補強材の取り付けレールに合わせて設置していきます。
この際、のし瓦の裏側には接着するためのコーキングボンドを丁寧に点付けしていきます。

同時に、のし瓦に固定ビス釘を打つための穴を専用工具で開けておきます。
そして、熨斗瓦を取り付けレールに乗せた際に、ビス釘をしっかりと打ち込んで固定していきます。
しっかりとした施工により、瓦屋根の耐震性を向上させることができます。

のし瓦にからビスを耐震補強材に打ち込みます

この作業を行う際には、まずはのし瓦を一列に並べて整えます。
その上に耐震補強材を取り付けていく際には、丁寧に作業を進めていきます。
一段目と同じように、上段からビス釘を使って耐震補強材をしっかり固定していきます。
このように丁寧に施工を行うことで、屋根の耐震性を高めることができます。
読者の皆様にもわかりやすく説明するために、作業の手順を丁寧に解説していきます。

棟瓦を使って大棟部に積み上げ作業を行います

一段目と同様でコーキングとビスでのし瓦を固定します
補強材一本当たりで5本のビスを打ち込み固定します

瓦屋根の修理や補修方法について、一段目と同様な施工方法をご紹介します。
まず、のし瓦に専用工具で穴をあけながら、レール部分にコーキングボンドを点付けしておきます。
その後、ビス釘を打ちながらのし瓦を取り付けていきます。
耐震補強材は一本あたりの長さが約1mで、一本ずつ組み合わせながら取り付けていきます。
固定釘の本数は一本当たり5本以上を打ち込むことが望ましいです。
これにより、しっかりと瓦を固定し、安全性を確保することができます。

順序良くのし瓦を積み上げます

まず、順を追って、一段ずつのし瓦を丁寧に取り付けていきます。
その後、しっかりと耐震補強材を挟み込むように取り付けていきます。
今回の作業では、のし瓦を上向きにして、4段積み上げていくことになります。

積み上げた棟の最上段遺江戸冠瓦を一列並べて行きます
冠瓦を眺めのビスを打ち込んで固定します

屋根の大棟部には、江戸冠瓦を一列に並べて取り付けます。この作業では、江戸冠瓦の釘穴を使って、ビス釘で確実に固定しながら進めていきます。
このように丁寧に取り付けることで、屋根の安定性を保ちながら美しい仕上がりを実現します。

大棟を中心とした瓦の葺き替え作業の完了とお客様に完成報告

冠瓦を施工して作業の完了です

新しい瓦屋根が完成しました。
江戸冠瓦からのし瓦まで、全ての棟瓦が取り付けられ、工事は無事に完了しました。
屋根の軽量化が図られ、耐震補強材で棟瓦がしっかり固定されているため、安心してお使いいただける状態になりました。
作業道具や工具などを降ろし、余剰材を片付けた後は、屋根全体を丁寧に掃除しました。
全ての作業が完了し、お客様に工事の内容を写真を使ってご説明させていただきました。
お客様も「これで雨漏りの心配がなくなった」と喜んでくださいました。
新しい瓦屋根で安心してお過ごしいただけることを願っています。

ヤマムラ建装 株式会社では

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