「玄関上の瓦が浮いている!」家の顔である庇(ひさし)を最新の下地と和瓦で完全再生

「ご近所の方から『玄関の上の瓦が少し浮いているみたいだよ』と声をかけられて、急に心配になってしまって…」
普段の生活ではあまり上を見上げることがないため、玄関や窓の上にある「庇(ひさし)」の異変にはなかなか気づきにくいものです。

今回は、愛知県名古屋市昭和区にお住まいのお客様より、そんなご近所からの指摘をきっかけとした屋根点検とリフォームのご依頼をいただきました。
対象となるのは、築80年以上という長い歴史を刻む立派な和風の木造二階建て住宅で、一階の玄関上に設けられた庇屋根です。

「小さな屋根だから大丈夫」と油断してはいけません。
庇は雨風や強い日差しから外壁や玄関を直接守る過酷な環境にあり、もし瓦が落下すればご家族や来客に怪我をさせてしまう重大な事故に直結します。

この記事では、落下の危険性を孕んでいた初動調査から、「屋根土の全撤去による軽量化」「構造用合板による下地補強」「土を使わない乾式工法による和瓦の全数固定」まで、小さな屋根にこそ込められたプロのこだわりを余すところなくご紹介します。


【重要】ご相談のきっかけ・工事の背景

ご相談のきっかけは、ご近所の方からの「瓦が少し浮いているみたいだよ」という一言でした。
毎日通る玄関ですが、真上にある庇の状態まではなかなか気づかないものです。

名古屋市昭和区の閑静な住宅街。築年数を重ねた立派な和風住宅ですが、庇の瓦は色あせ、一部にズレが生じていました。
「もし瓦が落ちて、誰かに怪我をさせたら大変だ」 お客様はそうした不安を抱えておられました。

調査の結果、瓦の下にある「屋根土」が風化し、接着力を失っていることが判明。
部分的な修理も可能ですが、今後の安心と美観を考慮し、下地から作り直す「全面葺き替え」を選択されました。
「やるなら徹底的に綺麗にしてほしい」というお客様の想いに応えるため、私たちの腕が鳴ります。

今回の現場の特殊事情とプロの解決策

Information
  • 特殊な症状と原因: 築80年以上の歴史あるお住まいで、一階の庇屋根の瓦が経年劣化で苔生し、防水性が低下。さらに瓦の下に敷き詰められた「屋根土」が風化して接着力を失い、瓦がズレて今にも落下しそうな危険な状態でした。
  • プロの解決策①(徹底的な軽量化): 昔ながらの湿式工法で使われていた大量の屋根土と杉皮を、埃を立てないよう手作業で全て撤去。これにより屋根全体を大幅に軽量化し、建物本体への負担と地震時の揺れを軽減しました。
  • プロの解決策②(見えない骨組みを狙う補強): 昔の隙間のある野地板の上から、現代の建築基準に合う厚みのある「構造用合板」を重ね張り。その際、屋根を支える骨組みである「垂木(たるき)」の位置を正確に見極め、確実に釘を打ち込むことで盤石な下地を作りました。
  • プロの解決策③(乾式工法と逆葺き): 重い土を使わず、桟木に瓦を引っ掛けて全数釘打ちする最新の「乾式工法」を採用。ケラバ(端部)はステンレス線で緊結し、台風対策を徹底。さらに現場の収まりに合わせて左端から施工する「逆葺き」で、見た目も雨仕舞いも完璧に仕上げました。

初動調査とプロの原因究明

古い瓦を撤去し、新しい野地板と防水紙を施工して補強

「ご近所の方に瓦の浮きを指摘されて不安だ」とのご連絡を受け、すぐにお客様の元へ急行しました。
ご挨拶を済ませて玄関上の庇屋根を見上げると、確かに一部の瓦がズレてガタついているのが下からでも確認できました。

実際に脚立を立てて庇屋根の上に上がり、詳細な目視点検を行いました。
長年の風雨と強い日差しに耐えてきた瓦は表面が摩耗し、一部には苔が生え始めていました。
これは瓦が本来持っている水を弾く力が落ち、「吸水率」が高くなっている危険なサインです。
スポンジのように雨水を吸い込みやすくなった瓦は、内部の木材を腐食させる雨漏りの大きな原因となります。

さらに、ズレている瓦をそっとめくってみると、その下には大量の「屋根土」が敷き詰められていました。
昔の工法ではこの土の粘着力で瓦を固定していましたが、築80年以上の歳月を経て完全に乾燥・風化し、パサパサの砂状になって固定力を完全に失っていました。

「このままでは、次の強風や台風で瓦が落下し、大事故になりかねません」 私たちは撮影した写真をお客様にお見せしながら、部分的な補修ではなく、古い瓦と重い土を全て取り払い、屋根を軽くして最新の工法で作り直す「全面葺き替え工事」をご提案しました。

お客様も「もし落ちて誰かに怪我をさせたら大変だから、徹底的に綺麗にしてほしい」とご納得され、工事をお任せいただくことになりました。

実際の施工の流れとこだわりの現場管理

ここからは、家の顔である玄関庇を美しく、そして強靭に生まれ変わらせる葺き替えリフォームの様子をご紹介します。
ヤマムラ建装では、瓦の扱いに長けた腕利きの協力業者と密に連携し、私たちが現場管理者として「見えない下地処理」や「全数固定の徹底」を厳しくチェックしています。

工程1:古い瓦と大量の「屋根土」の丁寧な手作業撤去

瓦や屋根土を取り外します
屋根の奥側も取り外します

まずは、経年劣化で傷んだ古い和瓦を解体します。
私たちは決して機械任せにせず、職人が一枚一枚手作業で慎重に取り外していきます。
乱雑に扱って瓦を割ってしまうと、破片が飛び散ったり激しい埃が舞い上がり、ご近所のご迷惑になってしまうからです。

瓦をめくると現れる大量の「屋根土」と、防水材として使われていた「杉皮」もすべて手作業で掻き出し、土嚢袋にこまめにまとめて適切に処分します。
この重い土を全て取り払うことで、庇屋根の重量が大幅に軽くなり、建物への負担が激減します。

STEP
1

垂木を狙った確実な釘打ちと「構造用合板」の重ね張り

既存の野地板の状態まで持って行きます
新しい野地板を取り付けて行きます

土と杉皮を撤去し、古い野地板が現れたら、まずは長年蓄積された埃を徹底的に清掃します。
綺麗に掃除をすることで、屋根を支える骨組みである「垂木(たるき)」の位置がはっきりと見えてきます。

ここからがプロの腕の見せ所です。
古い下地の上に、厚みのある頑丈な「構造用合板」を重ね張り(増し張り)していくのですが、ただ闇雲に釘を打つのではありません。
先ほど確認した「垂木」を正確に狙い、一本一本確実に長めの専用釘を打ち込んでいきます。
骨組みに届く深い固定を行うことで、強風でも絶対に剥がれない盤石な下地が出来上がります。

STEP
2

工程3:雨漏りを防ぐ最後の砦「防水紙(ルーフィング)」の施工

屋根の奥側を立ち上げてルーフィングを貼ります
屋根全体にルーフィングを貼っていきます

強固な下地が完成したら、すぐに「防水紙(ルーフィング)」の張り付け作業に移ります。
瓦が一次防水であれば、このルーフィングは万が一侵入した雨水を食い止める「最後の砦(二次防水)」です。

「小さな庇だから」と妥協することは一切ありません。
大屋根と全く同じ品質基準で、シートの上下左右の重ね幅を厳密に確保し、シワが寄らないようピンと張りながら、ハンマータッカーでバシッと固定していきます。
この隙間のない下地処理が、家の寿命を決定づけます。

STEP
3

工程4:土を使わない「乾式工法」と全数釘打ちによる瓦の固定

新しい瓦を一列ずつ並べて行きます
釘を打って瓦を固定します

防水紙の上から、瓦を引っ掛けるための「桟木(さんぎ)」を取り付けます。
そして、新しい和瓦を葺いていくのですが、今回は重い土を使わない最新の「乾式工法」を採用しました。

今回の現場では、屋根の形状と収まりを計算し、左端から順に並べる「逆葺き」という高度な手順で施工しました。
新しい瓦には専用の釘穴が開いており、一枚一枚全ての瓦をステンレス釘で桟木にしっかりと打ち込んで固定します。

さらに、風の吹き上げを最も受ける端部の「ケラバ袖瓦」には、サビに強いステンレス製の針金(緊結線)を使って下地とガッチリ結び付け、台風や地震でも絶対に落下しない防災施工を徹底しました。

STEP
4

工程5:水糸で水平を出す「熨斗瓦」と美しい「漆喰」仕上げ

壁際の奥に屋根土を盛り土します
三日月部に漆喰を塗っていきます

平場の瓦が葺き終わったら、壁際の仕上げ工程に入ります。
雨水を切るための「熨斗瓦(のしがわら)」を積み上げる前に、庇の右端から左端まで「水糸」をピンと張り、ミリ単位で水平の基準ラインを作ります。
この糸に沿って奥側に土台となる屋根土を盛り付け、瓦の下の「三日月」の形をした隙間に、真っ白な屋根漆喰を均一に塗り込みます。

その上から熨斗瓦を絶妙な力加減で押し込み、漆喰をはみ出させずにガッチリと密着させました。
この美しくキリッとしたラインが、庇屋根の品格と高い防水性を生み出します。
最後に強力なブロワーで現場を清掃し、全工程が完了です。

STEP
5

施工完了!お客様の喜びの声

作業のビフォーアフター

築年数が経過した屋根瓦
作業開始前の状態です!
完了写真
新しい瓦で葺き開け作業を行いました!

約3日間の工期を経て、落下の危険があった庇屋根の葺き替え工事が無事に完了しました。
色あせてガタついていた古い瓦が、いぶし銀に輝く美しい最新の和瓦へと生まれ変わり、重い土がなくなったことで建物の安全性も大きく向上しました。

お客様

「小さな屋根の工事なのに、下地の板から防水のシートまで、大きな屋根と同じように本当に丁寧に作業してくれて感謝しています。
土がなくなって屋根が軽くなったのも安心ですし、何より玄関の雰囲気が見違えるほど立派になって驚きました。
ご近所さんに『綺麗になったね』と褒められましたよ!」

ヤマムラ建装

「玄関上の庇はまさに『家の顔』ですから、水平のラインや漆喰の美しさには職人ともども徹底的にこだわりました!
昔のように土の上に置くだけではなく、全ての瓦をステンレスの釘や針金でガッチリ固定する最新の工法で仕上げましたので、もう台風が来ても落下する心配はありません。
安心してお過ごしくださいね!」

今回の作業内容の要点まとめと施工費用と工期の目安

💡 今回の作業内容の要点まとめ

  • 【症状】築80年以上の庇屋根で、屋根土が風化して接着力を失い、瓦がズレて落下の危険性があった
  • 【下地補強と軽量化】大量の古い屋根土を全撤去して屋根を大幅に軽量化。垂木を狙って構造用合板を張り、下地を面で補強
  • 【最新の防災施工】土を使わない「乾式工法」を採用し、全瓦をステンレス釘で固定。ケラバ部分はステンレス線で緊結し耐風性を強化
  • 【現場管理】現場の収まりに合わせた「逆葺き」の採用と、水糸を使った寸分違わぬ水平ライン、はみ出しのない美しい漆喰仕上げを徹底

施工費用と工期の目安

📍 工事場所愛知県名古屋市昭和区
🏡 建物種別木造二階建て戸建て
⏳ 築年数築80年以上
🎯 施工箇所一階の玄関・窓上の庇(ひさし)屋根
⚠️ 発生状況(原因)経年劣化による瓦の吸水率上昇と、屋根土の風化に伴う瓦のズレ・浮き
📞 お問い合わせの経経緯「ご近所から玄関上の瓦が浮いていると指摘されて不安になった」とのご相談
🛠️ 施工内容既存瓦・屋根土撤去、野地板合板重ね張り、ルーフィング施工、乾式工法による新しい和瓦の葺き替え、熨斗瓦・漆喰仕上げ
🧱 使用部材新しい和瓦(日本瓦)、構造用合板(野地板)、防水紙(ルーフィング)、桟木、ステンレス釘・緊結線、屋根漆喰
📅 施工日数約 3日間
💴 施工価格約 40万円

ヤマムラ建装では、名古屋市昭和区をはじめとする地域に密着し、大屋根はもちろん、今回のような玄関上の「庇(ひさし)」といった小さな屋根の工事であっても、一切の妥協なく最高品質の施工をご提供しています。

庇は外壁や玄関を雨から守る重要な役割を持っています。
「瓦が少しズレているだけ」と放置してしまうと、思わぬ落下事故や壁内への雨漏りなど、取り返しのつかない被害を招くことがあります。
私たちは、信頼できる協力業者と共に、見えない骨組みへの確実な固定や最新の防災工法を用いて、お客様の大切なお住まいとご家族の安全を守り抜きます。

「うちの庇の瓦も古くなってきたな」
「台風の前に一度プロに見てほしい」
そのようなご心配事がありましたら、ぜひ創業100年以上の歴史と実績を持つヤマムラ建装にご相談ください。

現地調査とプロによるお見積もりは無料で行っております。
小さなご相談でも誠心誠意対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。


新しい和瓦は地震や台風で落ちませんか?

ご安心ください。現代の施工方法(乾式工法)では、全ての瓦をステンレス釘やビスで桟木(さんぎ)に固定します。昔のように「置くだけ」ではないため、強風や揺れに非常に強くなっています。

「庇(ひさし)」だけの工事でも頼めますか?

はい、もちろんです。庇屋根は壁からの雨漏りを防ぐ重要な場所です。規模の大小に関わらず、丁寧な工事をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

逆葺き(ぎゃくぶき)とは何ですか?

通常とは逆の、左側からを葺いていく手順のことです。屋根の形状やの割り付け(収まり)を計算し、最も美しく雨仕舞いが良い状態にするために、現場の状況に合わせて採用します。


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ヤマムラ建装㈱ 代表取締役 顔写真
私が点検調査にお伺いします!


名古屋市南区を中心に、屋根工事・雨漏り修理・リフォームなら、創業100年以上の実績を持つ当社へ!名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
明治末期創業からの技術を受け継ぎ、地元で5,000件以上の施工実績を誇る「住まいの専門家」です。

フリーダイヤル番号のロゴマーク

【主な対応業務】
屋根工事: 葺き替え、漆喰補修、雨漏り修理(かわらぶき技能士)
外装工事: 外壁塗装、ベランダ・屋根防水、雨樋工事、電気工事
その他の業務も(大工工事、キッチン、トイレ、浴室リフォーム等)一度ご相談してください。


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