【名古屋市昭和区】庇屋根の瓦葺き替え!古い土を撤去して軽量化!全数釘打ち固定と防水処理で万全なリフォーム【庇屋根修復】
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
名古屋市昭和区の庇屋根リフォーム|土撤去で軽量化し和瓦を釘固定!美観と耐久性を蘇らせる葺き替え工事
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工事のきっかけ
今回、名古屋市昭和区にお住まいのお客様よりご相談いただいたのは、玄関や窓の上にある「庇(ひさし)」と呼ばれる小さな屋根のメンテナンスについてでした。
「毎日通る玄関の上が、なんだか古びてきた気がする」
「瓦がズレているようで、雨漏りが心配」
そんなお悩みをお持ちでした。
現地へ伺い調査を行うと、長年の風雨や紫外線にさらされた瓦は色あせ、所々でズレが生じていました。
また、瓦の隙間には苔が生え、水はけが悪くなっている状態でした。
庇屋根は面積こそ小さいものの、外壁や窓まわりからの雨水侵入を防ぐ、建物にとって非常に重要な「傘」の役割を果たしています。
ここが傷むと、壁の内部に水が回り、家全体の寿命を縮める原因にもなりかねません。
そこで私たちは、部分的な修理ではなく、古い瓦と下にある土をすべて取り除き、下地から新しく作り直す「葺き替え工事」をご提案しました。
見た目の美しさを取り戻すことはもちろん、最新の施工方法で耐震性と防水性を高め、これから先も長く安心して住んでいただける家にするためです。
お客様にもその重要性をご理解いただき、この度の工事を任せていただくことになりました。
建物の状況
築年数 ・・・ 築80年以上
工事費用・・・ 約40万円ほど
施工期間・・・ 約3日ほど
建物種別・・・ 木造戸建て
ビフォーアフター

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名古屋市昭和区の皆様、こんにちは。
お家の玄関上にある小さな屋根、「庇(ひさし)」の状態を気にされたことはありますか?
先日、昭和区の現場にて、この庇屋根の葺き替え工事を行いました。
瓦をめくってみると、そこには昔ながらの重い屋根土がびっしり。
今回の工事では、この古い土と瓦を全て撤去して建物を軽量化し、新しい和瓦を一枚ずつステンレス釘で固定する最新の工法を採用しました。
「小さな屋根だから」と手を抜くことはありません。
見えない防水シートの施工から、壁際の熨斗瓦(のしがわら)の仕上げまで、職人がこだわり抜いた作業の全貌をレポートします。
目次
【名古屋市昭和区の施工事例】玄関上の「庇(ひさし)」も限界?和瓦の葺き替えで、家の寿命と美観を取り戻す

先日、名古屋市昭和区にお住まいのお客様よりご相談をいただき、窓や玄関まわりを覆う「庇(ひさし)」のリフォーム工事を行ってきました。
普段は目線より上にあるため見落としがちですが、この小さな屋根は長年にわたり、雨風や強い日差しから建物を守り続けてきた非常に重要な場所です。
現地を確認すると、やはり経年劣化の影響で瓦のズレや損傷が進んでいました。
そこで今回は、傷んだ瓦をすべて撤去し、新しい和瓦へと全面的に葺き替える工事を実施しました。
瓦を新しくすることで、屋根本来の耐久性を盤石なものにするだけでなく、色あせていた外観も引き締まり、住まいの美観を大きく回復させることができます。
小さな屋根であっても、家を守る役割は変わりません。
私たちは一軒一軒の現状に合わせ、長く安心して暮らせるための最適な修繕をご提案しています。
瓦の下の「土」はどうする?屋根の軽量化にもつながる、丁寧な撤去と処分作業

長年の風雨で経年劣化が進んだ古い瓦を、一枚一枚手作業で慎重に取り外していきます。
乱雑に扱えば瓦が割れて破片が飛び散ったり、埃が舞い上がったりしてご近所のご迷惑になるため、ここは特に神経を使う工程です。
瓦をめくると、その下には大量の屋根土が敷き詰められています。
昔の工法では瓦の固定や断熱のために使われていましたが、これらを全て撤去することで屋根全体が大幅に軽くなり、地震に対する建物の揺れを抑える効果も期待できます。
掻き出した土はこまめに土嚢袋にまとめ、現場を汚さないよう配慮しながら、法令に従って適切な方法で処分します。
ただ壊すだけでなく、こうした撤去作業を丁寧に行うことで、新しい屋根のための綺麗な下地作りができるのです。
一枚ずつ手作業で。屋根を軽くする「土」の撤去と処分の話


経年劣化によって傷んでしまった古い瓦の解体から始まります。
私たちは決して機械任せにせず、職人が一枚一枚、丁寧に手作業で瓦を取り外していきます。
少し手間はかかりますが、こうすることで破片の飛散を防ぎ、安全かつ確実に作業を進めることができるのです。
瓦をめくると、その下からは大量の土が現れます。
これは「屋根土(やねつち)」と呼ばれるもので、かつての工法では瓦を屋根に接着・安定させる重要な役割を果たしていました。
しかし、新しい屋根にするためには、この役目を終えた土も全て撤去する必要があります。
取り除いた瓦や重い土は、現場を汚さないようこまめに土嚢袋(どのうぶくろ)に集め、法令に基づいて適切に処理を行います。
屋根の上を一度空っぽにし、スッキリと軽量化させること。
屋根全体に新しいの屋根野地材を取り付けルーフィングで防水作業を行います


古い屋根瓦と土を撤去し、下地である野地板が現れたら、まずは丁寧に清掃を行います。
長年の埃や塵をしっかりと取り除き、綺麗な状態にすることで、後の作業がスムーズに進みます。
清掃後、既存の野地板の上に新しい野地板を重ねて設置します。
新しい野地板は、一枚ずつ慎重に、屋根の構造を支える垂木に向かって長めの専用釘で確実に固定していきます。
この作業は、屋根の強度を保つために非常に重要です。
瓦の下に隠された「防水紙(ルーフィング)」。家の寿命を決める、隙間なき仕事


新しい野地板を庇(ひさし)屋根全体に張り終え、木の香りが漂う現場で、すぐに次の工程へと移ります。
ここからが、雨から家を守るための正念場。
防水紙(ルーフィング)の張り付け作業です。
瓦や板金が「一次防水」なら、このルーフィングは、万が一侵入した水を食い止める「最後の砦」とも言える重要な役割を担っています。
だからこそ、私たちは寸分の隙間も許しません。
シートの重ね幅を規定通りに確保し、シワが寄らないよう、息を止めるような集中力で慎重に施工していきます。
この下地処理さえ完璧であれば、仕上げ材を乗せる前でも室内への雨漏りの心配はなく、建物の耐久性も飛躍的に向上します。
「見えなくなる部分にこそ、本質が宿る」。
そう信じて、今日も一枚一枚、丁寧にシートを敷き詰めています。
新しい和瓦を一列ずつ屋根に取り付けて行きます

防水紙(ルーフィング)の施工が完了したら、次の工程として桟木(さんぎ)を規定の寸法に従い、屋根全体に打ち付けていきます。
この桟木は、和瓦をしっかりと固定するための重要な部材です。
新しい和瓦を一枚ずつ丁寧に引っ掛けながら、落下しないよう慎重に設置していきます。
今回の工事では、庇(ひさし)屋根の左端から「逆葺き」という方法で施工を進めます。
(一般的な屋根工事では、右側から施工することが多いですが、今回は屋根の形状や施工条件に合わせて逆葺きを採用しました。)
瓦を取り付ける際には、専用の固定釘を一本ずつ打ち込み、強風などで飛ばされないようしっかりと固定していきます。
「置く」から「留める」へ。全数釘打ちとステンレス線で守る、最新の和瓦施工


いよいよ和瓦の本体施工に入ります。現代の瓦には、上部に釘を通すための専用の穴が設けられています。
私たちはこの穴を活用し、一枚一枚、確実に釘を打ち込んで固定していきます。
昔のように「土の上に置くだけ」ではないため、強風や台風の際でも瓦が浮き上がったり飛ばされたりする心配がなく、屋根全体の安全性は格段に高まります。
さらに、風の影響を最も受けやすい屋根の端部分、「ケラバ袖瓦(そでがわら)」の固定には特に神経を使います。
ここではサビに強いステンレス製の針金を使用し、下地と瓦をガッチリと緊結(きんけつ)します。
万が一のズレや落下を物理的に防ぐための、絶対に省けない重要な工程です。
こうした見えない固定作業の積み重ねこそが、数十年先も安心して住み続けられる、高い耐久性を持った屋根を生み出すのです。
熨斗瓦を使って壁際部の隙間に施工して行きます

新しい和瓦の設置が完了した後、仕上げ工程として窓枠の木製手すり下部の外壁際に熨斗瓦(のしがわら)を積み上げる作業を行います。
熨斗瓦の先端部分に合うように水糸を張り、庇(ひさし)屋根の両端が水平になるよう丁寧に位置を調整します。
その後、熨斗瓦を積み上げる際の高さ調整と接着を兼ねた屋根土を設置し、一枚ずつ慎重に熨斗瓦を並べていきます。
瓦をしっかりと固定するため、上から軽く押さえながら作業を進めます。
この工程を丁寧に行うことで、美しく整った仕上がりとなり、庇屋根の耐久性も向上します。
美しさは「三日月」に宿る。熨斗瓦(のしがわら)と漆喰で仕上げる、強い屋根の秘密


屋根の表情を決める重要な仕上げ、それが熨斗瓦(のしがわら)の設置です。
瓦を積み上げるそのラインの下、独特な「三日月」の形をした隙間に、真っ白な屋根漆喰を均一に、そして丁寧に塗り込んでいきます。
その上から瓦を慎重に重ねていくのですが、ここは指先の感覚が頼りです。絶妙な力加減で「ぐっ」と押さえ込み、漆喰と瓦を密着させて固定します。
この時、漆喰が前方にはみ出してしまわないよう、コンマ数ミリ単位で調整を繰り返します。
はみ出しのないキリッとしたラインは、庇屋根(ひさしやね)の見た目を美しく引き締めるだけでなく、雨水の侵入を防ぎ、耐久性を高めるための必須条件なのです。
細部へのこだわりが、何十年と続く安心を作ります。
【完工のご報告】「想像以上!」のお声を頂きました。庇(ひさし)屋根が和瓦で美しく再生


おかげさまで、天候にも恵まれ、庇(ひさし)屋根の葺き替え工事がすべて滞りなく完了いたしました。
最後のお引き渡しでは、普段地上からは見えにくい屋根の上の様子を、工程ごとに撮影した写真でご確認いただきながら、どのような処置を行ったのか詳しくご説明させていただきました。
いぶし銀に輝く新しい和瓦をご覧になったお客様からは、「想像以上に素晴らしい仕上がりで、大変満足しています」と、私たちにとって一番嬉しいお言葉をいただくことができました。
ただ修理するだけでなく、家の品格まで高めることができた瞬間です。
小さな屋根一つでも、住まいの印象は劇的に変わります。
これからも一つひとつの現場に誠実に向き合い、お客様に心から安心していただける丁寧な施工を積み重ねてまいります。
FAQ(よくある質問)
Q1. 新しい和瓦は地震や台風で落ちませんか?
A. ご安心ください。
現代の施工方法(乾式工法)では、全ての瓦をステンレス釘やビスで桟木(さんぎ)に固定します。
昔のように「置くだけ」ではないため、強風や揺れに非常に強くなっています。
Q2. 「庇(ひさし)」だけの工事でも頼めますか?
A. はい、もちろんです。
庇屋根は壁からの雨漏りを防ぐ重要な場所です。
規模の大小に関わらず、丁寧な工事をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
Q3. 逆葺き(ぎゃくぶき)とは何ですか?
A. 通常とは逆の、左側から瓦を葺いていく手順のことです。
屋根の形状や瓦の割り付け(収まり)を計算し、最も美しく雨仕舞いが良い状態にするために、現場の状況に合わせて採用します。
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