【名古屋市南区】雨漏り原因は陸屋根の防水劣化と過去の屋根材への塗装ミス!朝日ソーラー太陽光温水器の撤去も考案【点検調査】
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
陸屋根の防水切れと塗装による隙間埋め!複合的な雨漏り原因を施工者が徹底点検【名古屋市南区】
室内の雨漏り調査に続き、今回は名古屋市南区の現場にて屋根の上に登り、点検を行った様子をレポートします。
実際に目で見て確認すると、陸屋根部分では防水層が寿命を迎え、立ち上がりやドレン周りが激しく劣化していました。
さらに衝撃的だったのは、1階のカラーベスト屋根です。
過去に行われた塗装工事で、雨水を排出するために絶対必要な「隙間」が塗料で埋められていたのです。
これが雨漏りの大きな原因となっていました。
建物の構造を知り尽くした施工者として、これら複数の不具合をどのように紐解き、解決へと導くのか。
職人の視点で詳しく解説していきます。
【名古屋市南区】雨漏り原因は屋上にあり?陸屋根の防水点検と交換時期について

前回の現場ブログでは、室内の深刻な被害状況から雨漏りの発生源を予測しました。
今回はその続きとして、実際に名古屋市南区の現場にて、屋根の上に登って行った目視点検の様子を詳しくご紹介いたします。
対象となるのは、平らな形状をした陸屋根(りくやね)です。
室内への漏水状況から、この屋上部分の防水層に何らかの不具合が起きていることはほぼ間違いありません。
実は、陸屋根の防水機能には明確な「寿命」があります。
環境にもよりますが、新築や前回の工事から約15年が交換時期(メンテナンスの目安)と言われています。
この期間を過ぎて劣化サインを放置してしまうと、防水層が破断し、今回のように建物内部への深刻な雨漏りに直結してしまいます。
私たち施工者は、ただ修理するだけでなく、建物の資産価値を守るために最適なメンテナンス時期を見極めます。
経験豊富な職人さんの厳しい目で、隠れた劣化も見逃さずチェックし、お客様に安心していただける確実な施工をご提案します。
前回の現場ブログはこちらから読み戻れます↓↓↓
目次
防水工事の邪魔?使わなくなった朝日ソーラー型太陽光温水器の撤去と屋根点検


実際に屋根に登り、詳細な調査を行ったところ、やはり陸屋根全体の防水層が経年による劣化を起こしている状態でした。
全体的に表面の荒れや傷みが見られ、雨水の侵入を許してしまっています。
さらに、今回の現場で今後の課題となるのが、屋上に設置されたままの朝日ソーラー型太陽光温水器の存在です。
お客様にお話を伺うと、「もう何年も故障していて使っていない」とのことでした。
実は、こうした不要な設備が残っていると、その下が死角となり、万全な防水工事を行うことができません。
また、屋根への不要な重量負担も懸念されます。
そのため、お客様のご希望も踏まえ、新しい防水層を作る前にこの朝日ソーラー型太陽光温水器を撤去する方針で決定いたしました。
私たち施工者は、ただ雨漏りを直すだけでなく、工事の支障となる設備の処分も含めた、トータルのお見積りをご提案いたします。
邪魔な物がなくなった状態で、熟練の職人さんが隅々まで丁寧に施工することで、長持ちする確実な防水工事が実現します。
【陸屋根の弱点】屋上「立ち上がり」部分の防水剥がれに注意!雨漏りの入り口はここだった

屋根の上での詳細な調査を続けていくと、陸屋根(平らな屋上)の構造上、最も重要とも言える部分に致命的な欠陥を見つけました。
それは、屋上の外周部分にあたる「立ち上がり」と呼ばれる箇所の防水層です。
本来、壁際までしっかりと密着していなければならない防水シートが、経年劣化によりかなり緩んでしまっていました。
詳しく見てみると、単なる緩みを超えて、端の方は既に剥がれ始めていると言っても過言ではない危険な状態です。
この「立ち上がり」部分は、床面と壁面のつなぎ目であり、雨水が溜まったり跳ね返ったりするため、非常に負荷がかかりやすい場所です。
ここが剥がれると、そこが雨水の侵入口となり、防水層の裏側へ水が回り込んでしまいます。
私たち施工者は、平場(床面)だけでなく、こうした端部の異変を決して見逃しません。
一見平気そうに見える屋根でも、熟練の職人さんの厳しい目でチェックすれば、こうした雨漏りの決定的な予兆が隠れているのです。
早急な改修が必要です。
【雨漏りの急所】屋上やベランダの「ドレン」は大丈夫?排水口の劣化は危険信号


陸屋根の屋上防水において、命綱とも言えるのが、雨水を外部へ排出するためのドレン(排水口)です。
今回の調査で特に気になったのが、このドレン周りの状況でした。
パイプと防水層の繋ぎ目が、目視でもはっきりと分かるほど激しく劣化し、隙間が生じていました。
実は、屋上やベランダで発生する雨漏りの原因として、このドレン廻りの不具合はトップクラスに多いのです。
異素材が組み合わさる場所であるため傷みやすく、ここが機能しなくなると、逃げ場を失った水が建物内部へ侵入してしまいます。
まさに雨漏りの「ホットスポット」と言えるでしょう。
私たち施工者は、平らな面だけでなく、こうした「水の出口」を最優先にチェックします。
ここからの漏水を防ぐには、専用の部材を用いた「改修ドレン工事」など、専門的な技術が必要です。
熟練の職人さんによる適切な修理で、ウィークポイントを確実に克服しましょう。
カラーベストの「隙間」を埋めるのはNG!雨漏りを引き起こす原因とは


調査の結果、1階屋根の雨漏り原因の一つは、十数年前に他社で行われた塗装工事にあることが判明しました。
当時、「防水効果がある」と説明されたそうですが、厳密には屋根塗装の主な目的は「美観と保護」であり、雨漏りを止める機能はありません。
それどころか、当時の業者は痛恨のミスを犯していました。
カラーベストという屋根材を塗る際、絶対に確保しなければならない「上下の隙間」を塗料で埋めてしまっていたのです。
この隙間は、内部に入った雨水を排出するための重要な「水抜き」の役割を持っています。
ここが塞がれると、行き場を失った水が逆流し、屋根裏へと回って室内への漏水を引き起こします。
点検後、お客様に写真をお見せして状況をご説明し、今回は以下の2点を合わせた修理をご提案しました。
- 老朽化した陸屋根全体の新しい防水工事
- カラーベストの隙間を再び開ける作業(縁切り)
私たち施工者は、建物の構造を正しく理解しています。
熟練の職人さんによる適切な処置で、間違った工事による被害をリセットするお見積りを作成いたしました。
FAQ(よくある質問)
Q1. 陸屋根の防水工事は、どんな工法で行うのですか?
A. 建物の状態や既存の防水層の種類によって、「ウレタン防水」「シート防水」など最適な工法が異なります。
現地調査で下地の状態をしっかり見極めた上で、一番長持ちする方法をご案内します。
Q2. 以前塗装した屋根が「縁切り」されているか確認できますか?
A. はい、確認できます。
もし隙間が塗料で埋まっている場合は、雨漏り予備軍の状態です。
点検は無料で行っておりますので、ご不安な方はお気軽にお声がけください。
Q3. 雨漏りしていなくても、15年経ったら工事が必要ですか?
A. 雨漏りしてからでは、建物内部の木材まで腐食し、修理費用が高額になってしまう恐れがあります。
被害が出る前に防水層を新しくする「予防メンテナンス」が、結果的にお家を安く長く守ることにつながります。
次回の現場ブログはこちらから読み進めます↓↓↓










