writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
名古屋市中川区で屋根リフォーム完工!地震に強い「強力棟」の構造と職人が魅せる美しい瓦の仕上げ
長期間にわたった築100年の屋根リフォーム工事も、いよいよ完工です。
今回は屋根の品格と強度を決める棟瓦の積み上げ仕上げから、足場解体の瞬間までをお届けします。
職人の技術が凝縮された美しい棟の通りと、強力棟金具による耐震補強は必見です。
また、これからリフォームをご検討中の皆様へ、2025年4月に施行される法改正が屋根に与える影響と、施工前に知っておくべき注意点についても詳しく解説します。
【名古屋市中川区】屋根リフォーム完工!美しい「棟」の積み上げと足場解体の瞬間

名古屋市中川区にて進めてまいりました、瓦の葺き替え工事がいよいよ大詰めを迎えました。
前回は鬼瓦の設置と棟の土台作りまでをご紹介しましたが、今回はその続き、屋根の美しさを決定づける「棟瓦」の積み上げ仕上げから、最後の仮設足場の解体までの様子をお届けします。
土台の上に、さらに数段の瓦を積み重ね、最後に頂上を覆う冠(かんむり)瓦を被せて固定します。
ここで最も重要なのが、棟全体の「通り(ライン)」です。
遠くから見ても歪みがなく、空に向かって真っ直ぐ伸びる一本の線。
これを作り出せるかどうかが、職人さんの腕の見せ所です。
南蛮漆喰や銅線を使って強固に固定し、地震や風にも強い立派な棟が完成しました。
そして、すべての検査を終え、建物を覆っていた仮設足場を慎重に解体していきます。
足場が外れ、新しく生まれ変わった美しい銀色の瓦屋根が全貌を現す瞬間は、私たち施工者にとっても感無量のひとときです。
美観と耐久性を兼ね備えた屋根リフォーム、これにて無事にお引き渡し完了です。
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目次
なぜ瓦を割る?巨大な「鬼瓦」に合わせた熨斗瓦の使い分けテクニック

土台となる二段目まで積み上がった棟の施工ですが、ここから工法が少し変わります。
三段目からは、熨斗瓦(のしがわら)を真ん中で半分に割ったもの(割のし)を使用して積み上げていきます。
通常、一般的な棟の積み上げには、この「半分に割った瓦」を積み重ねていくのが基本です。
しかし、今回の現場は屋根の両端に据えた鬼瓦が非常に立派で横幅もあるため、それに見合う高さとボリューム(重厚感)を出す必要がありました。
そのため、足元となる土台の一段目・二段目には、あえて割っていない「一枚物」の大きな瓦を採用し、どっしりとした安定感を出しています。
マニュアル一辺倒ではなく、その家の鬼瓦のサイズや屋根全体のバランスに合わせて、瓦の大きさや積み方を柔軟に変える。
これが、美しく強い屋根を作る職人さんのこだわりです。
【屋根の豆知識】空手で割るのもこれ?棟を作る「熨斗瓦」の秘密と積み上げ方

屋根の頂上にある棟(むね)を形成する短冊形の瓦、それが「熨斗瓦(のしがわら)」です。
実はこの瓦、裏側に切れ込み(線)が入っており、現場でパカッと二つに割って使用します。
私たち施工者は、これを継ぎ目が重ならないよう互い違いにする「千鳥(ちどり)」という積み方で重ねていき、最後に冠瓦(かんむりがわら)を被せて銅線やビスで強固に固定します。
こうすることで、雨水の浸入を防ぐ丈夫な棟が完成するのです。
余談ですが、空手などの演武で見かける「瓦割り」で使われるのも、実はこの熨斗瓦です。
線が入っていて割りやすい構造とはいえ、それは鍛え抜かれた人だからできること。
一般の成人男性でも怪我や骨折の危険がありますので、決して真似はしないでくださいね。
私たち職人さんは「割る」のではなく、一枚一枚丁寧に「積む」技術で、お客様の大切なお住まいを長く守り続けます。
耐震・台風対策】屋根の棟には「背骨」がある?強力棟と垂木による補強の仕組み

棟の土台となる瓦を積む前に、私たちは屋根の頂点(陸棟部)の中心に、「強力棟(きょうりょくむね)」という特殊な補強金具をあらかじめ設置しました。
今回は、この金具がどのように屋根を守るのか、その重要な仕組みについて解説します。
強力棟の上部には、木材を受け止めるための「支え」が付いています。
ここに、棟全体の芯材となる長い「垂木(たるき)」を通し、しっかりと固定します。
人間に例えるなら、屋根のてっぺんに一本の太い「背骨」を通すようなイメージです。
その後、この垂木を包み込むように、両側からのし瓦を積み上げて内部に入れ込んでいきます。
こうすることで、金具・木材・瓦がガッチリとした一体構造となり、地震の揺れや台風の強風にも耐えうる、非常に頑丈な棟が完成します。
表面からは見えなくなってしまう部分ですが、この内部の補強こそが、家の安全を左右する最も大切な工程です。
構造を知り尽くした職人さんによる、こだわりの施工にご安心ください。
【屋根の耐震化】金具と木材でガッチリ固定!「強力棟」への垂木設置イメージ


こちらの写真は、屋根の頂上を支える重要な補強作業のイメージとなります。
今回使用しているのは「強力棟(きょうりょくむね)」と呼ばれる専用の金具です。
ご注目いただきたいのは、この金具の上部に作られた「台座」部分です。
ここには、棟の芯材となる木材(垂木)をピッタリと収めるためのスペースが設けられています。
作業手順としては、まずこの台座に垂木をセットします。
そして、ただ載せるだけではありません。横方向から固定用の釘やビスを打ち込み、金具と木材を完全に一体化させます。
こうすることで、地震の揺れや強風にもビクともしない、強靭な棟の「背骨」が出来上がるのです。
完成すると瓦の中に隠れてしまいますが、この一本の垂木と金具の結合が、屋根全体の安全性を大きく左右します。
私たち職人さんは、こうした見えない内部構造の設置作業にこそ、細心の注意を払って施工しています。
雨漏りを防ぐ「互い違い」の積み方と、鬼瓦に合わせた高さ調整の極意


棟の土台が決まったら、のし瓦を一段ずつ丁寧に積み上げていきます。
この時、単純に重ねるのではなく、継ぎ目が上下で重ならないよう「互い違い」に配置していくのがポイントです。
これにより、隙間からの雨水の浸入ルートを複雑にし、棟内部への水をシャットアウトする強い防水構造を作り上げます。
そして、どこまで積むかという「高さ」の決定には、職人さんの美的センスが問われます。
基本の段数はありますが、今回のように立派なサイズの鬼瓦を使用する場合、屋根全体のバランスを見て段数を調整することが多々あります。
ここで私たちが最も大切にしている鉄則があります。
それは、「一番上の冠瓦(かんむりがわら)の高さが、鬼瓦の頭(最上部)を越えないようにすること」です。
棟が鬼瓦より高くなってしまうと、見た目のバランスが崩れ、屋根の風格が損なわれてしまいます。
鬼瓦を主役として立てつつ、雨仕舞いもしっかり行う。
その絶妙な高さを現場で見極めるのが、私たち施工者のこだわりです。
地震に勝つ!「冠瓦」のビス固定と屋根を一体化する補強術

熨斗瓦(のしがわら)を予定の高さまで積み上げたら、いよいよ棟作りの最終工程です。
積み上げた瓦の頂上を覆うように、「冠瓦(かんむりがわら)」を一列に美しく並べていきます。
ここで私たち施工者が行う重要な作業が「ビス釘」による固定です。
ただ被せるだけではありません。
冠瓦の一枚一枚に丁寧に穴を開け、そこから長いビス釘を垂直に打ち込んでいきます。
狙うのは、棟の内部にあらかじめ仕込んでおいた芯材である「垂木(たるき)」です。
上から芯材に向けて貫通させ、ガッチリと固定することで、積み上げた瓦の層が一つにまとまり、棟全体の強度が飛躍的に向上します。
バラバラの瓦を強固な一つの塊にするこの補強こそが、台風や地震でも崩れない強い屋根の秘訣です。
最後まで気を抜かない職人さんの技で、安心の屋根が完成しました。
真っ直ぐな「棟」の美しさ!2025年法改正とこれからの屋根リフォームの注意点

陸棟部(りくむね)の積み上げ作業が無事に終わり、これにて今回の新しい和瓦による葺き替え工事がすべて完了いたしました。
今回は、下地に野地板合板を増し張りして補強を行ったことで、屋根の土台が平らになり、結果として棟瓦もビシッと真っ直ぐに通った美しい仕上がりとなりました。
ここで、これからリフォームをお考えの皆様に少し専門的な、しかし大切なお知らせがあります。
2025年4月より、建築基準法の改正が施行されます。
これにより、大規模なリフォーム工事を行う際、これまで不要だった建築確認申請や、建築士による設計・工事監理が必要となるケースが増えてきます。
特に築年数の古い建物で、屋根全体が波打っているような場合、これまでは職人さんの判断で構造(垂木など)から直して水平を出していましたが、法改正後はその「直し作業」が簡単にできなくなる可能性があります。
もし構造部分の修正が制限されると、不陸(ふりく=凸凹)を完全に直すことが難しくなり、新しい瓦を積んでも屋根の通りを真っ直ぐに出すことが物理的に不可能になることも考えられます。
「ウチの家はどうなるの?」とご不安な方は、ぜひ現地調査の際に私たち施工者へお気軽にご質問ください。
法改正を見据えた最適なプランをご提案させていただきます。
【完工の儀】立つ鳥跡を濁さず!屋根リフォーム最後の仕上げは「徹底清掃」と足場解体

長期間にわたった屋根リフォーム工事も、ついに全ての加工作業が終了しました。
しかし、瓦を葺き終えたからと言って、それで終わりではありません。
私たち施工者にとっては、ここからが工事の品質を締めくくる大切な時間です。
まずは、屋根の上に上げ越していた電動工具や余った材料、そして作業の足場として使用していた足場板などを、一つひとつ慎重に地上へ降ろしていきます。
屋根の上を何もない状態に戻した後は、仕上げの清掃です。
風圧でゴミを飛ばす専用のブロアーという工具を使い、瓦の隙間や表面に残った細かな木屑や埃を徹底的に吹き飛ばします。
ピカピカに磨き上げられた屋根を確認し、最後に作業員の安全確保のために設置していた仮設足場を解体します。
足場のメッシュシートが外れ、生まれ変わった我が家の全貌が現れる瞬間は、お客様にとっても私たち職人さんにとっても感動的な瞬間です。
これで全ての工程が完了です。
見違えるように美しくなった屋根の下で、これからも安心してお過ごしください。
FAQ(よくある質問)
Q1. 屋根の「棟(むね)」とはどこの部分ですか?
A1. 屋根の頂上部分にある、山形になっている一番高い場所のことです。
屋根の面と面が合わさる部分を覆い、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を持っています。
Q2. 「強力棟」を使うと、なぜ地震に強くなるのですか?
A2. 強力棟は、専用の金具と芯材(木材)を使って棟を屋根の構造体と一体化させる工法だからです。
従来の泥だけで固める工法と違い、金具とビスで固定するため、地震の揺れや強風でも崩れにくくなります。
Q3. 2025年の建築基準法改正で、屋根リフォームはどう変わりますか?
A3. 大規模な修繕を行う際に、建築確認申請などが必要になるケースが増えます。
特に屋根の歪みを直すような構造に関わる工事のハードルが上がる可能性があるため、気になる方は早めのご相談をおすすめします。
初動調査の雨漏り点検から作業の流れまでを施工事例で紹介しています↓↓↓


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