瓦をめくって絶句!あるはずの「水切り板金」がなく瓦の並びもガタガタでした

01.名古屋市天白区 ケラバ瓦修理 ケラバ袖瓦の通りが不安定に施工されています。

「塗装屋さんに『瓦が動いてますよ』と言われて…」
名古屋市天白区のお客様より、足場があるタイミングでの点検ご依頼です。

屋根の端(ケラバ)を調べてみると、雨水を流すための重要な「水切り板金」が入っていませんでした。
さらに瓦の並べ方もずさんで、雨漏り予備軍の状態。

新築時の施工不良を正し、家を守るための改修工事レポート・前編です。

屋根瓦を剥がして唖然…あなたの屋根は大丈夫?危険な施工例

02.名古屋市天白区 ケラバ修理 瓦の施工方法が良くありません。

ケラバ(屋根の端の部分)の詳しい状態を確認するため、袖瓦を丁寧に取り外していきました。
すると、その下に隠されていた光景に、私たちは思わず言葉を失いました。
そこには、およそ適切とは言えない、ずさんな施工がなされていたのです。

問題は、屋根の端に合わせて葺かれている瓦の状態です。
カットされた瓦の大きさがバラバラで、瓦同士の間に大きな隙間が生じていました。
本来であれば、瓦の列はまっすぐ綺麗に揃っていなければなりません。

この状態のまま上に袖瓦を被せても、瓦同士の重なりが不十分になり、雨水が浸入する隙間ができてしまいます。
これが雨漏りの直接的な原因となるのです。
また、瓦がしっかりと固定されないため、台風などの強風で瓦がズレたり、最悪の場合には落下したりする危険性も高まります。

屋根は見えない部分だからこそ、施工業者の技術力と知識が問われます。

その屋根工事、本当に大丈夫?瓦と下地の不適合が招く雨漏りの危険性

03.名古屋市天白区 ケラバ修理 ケラバ部の高さ調整材が奥に設定されています。

屋根の点検を進めると、さらに深刻な施工上の問題点が明らかになりました。
それは、屋根の下地に使われている「高さ調整材」という部材の使われ方です。
この部材は本来、屋根の端に取り付ける「ケラバ袖瓦」を適切な高さに固定するために設置されるべきものです。

しかし、こちらのお宅では、屋根の中央部分の瓦(平部瓦)の下に誤って設置されていました。
その結果、平部瓦が本来の位置からはみ出してしまい、屋根全体に歪みが生じていたのです。

なぜこのような施工が行われたのか。
原因は、元々の屋根の構造が、現在使われている洋風の平らな瓦(洋風平板瓦)に適していなかった可能性が考えられます。
おそらく、このお宅の屋根は、昔ながらの日本瓦のようなカーブのある瓦に合わせて設計されていたのでしょう。

屋根の構造と使用する瓦の種類が合っていないと、無理な施工が行われがちです。
一見きれいに見えても、内部では雨漏りのリスクが着実に進行しています。
ご自宅の屋根に最適な工事を行うには、こうした専門的な知識と判断が不可欠です。

【名古屋の屋根修理】雨漏りを根本から解決!プロが見えない部分にかける一手間

04.名古屋市天白区 ケラバ修理 工具を使って釘を取っていきます。
05.名古屋市天白区.ケラバ修理 ケラバ部に高さ調整で樹脂製桟木打ちます。

診断させていただいた不適切な施工状態の屋根を、正しく機能する姿へ戻すための修理工事に着手しました。
雨漏りの原因となっていたケラバ(屋根の端)からの水の浸入を防ぐため、新たに「水切り板金」という部材を取り付けます。

まず、この板金を設置するスペースを確保するため、周辺の瓦を一枚一枚丁寧に取り外していきます。
瓦はステンレス製の釘でしっかりと固定されているため、バールなどの専用工具を使い、瓦自体を傷つけないよう慎重に作業を進める必要があります。

瓦を撤去し、下地が露出したら、次はいよいよ板金を取り付けるための準備です。
屋根の骨組みである桟木(さんぎ)に正確な切り込みを入れ、板金がぴったりと納まるように加工します。
さらに、瓦の高さを正しく調整するための木材も追加で取り付けました。

一見地味な作業ですが、こうした見えない部分の下地処理をいかに丁寧に行うかが、屋根の寿命と雨漏りを防ぐための最も重要なポイントなのです。

見えない一手間が家を守る!水切り板金設置の重要性

06.名古屋市天白区 ケラバ修理 ケラバ部に水流れ板金を新たに取り付けます。
07.名古屋市天白区 ケラバ修理 水流れ板金の接続にコーキングボンド塗布します。

下地の調整が完了し、いよいよ雨漏りを防ぐための「水切り板金」を設置していきます。
この板金は、屋根の弱点となりやすい端の部分(ケラバ)からの雨水の侵入を防ぐ、非常に重要な役割を担います。

あらかじめ加工した屋根の骨組みである桟木に、屋根の下側(軒先)からてっぺん(大棟)に向かって、この水切り板金を丁寧に取り付けていきます。
万が一、瓦の下に雨水が入り込んでしまっても、この板金が受け皿となって水をキャッチし、そのまま軒先の雨樋まで安全に排水してくれる仕組みです。

水切り板金は長い一枚板ではないため、何本かを重ねて設置します。
その際、板金と板金のつなぎ目から水が漏れることのないよう、接続部分には防水用のコーキングを隙間なく充填し、接着します。
こうした見えない部分の確実な防水処理こそが、長期にわたって安心できる屋根を作るための秘訣です。

職人技が光る瓦の現場加工!雨漏りを許さない精密な一手間

08.名古屋市天白区 ケラバ修理 瓦を工具で切断加工しておきます。
09.名古屋市天白区 ケラバ修理 同様に瓦を加工して一段ずつ登ります。

内部の防水処理が完了したら、次に取り外しておいた瓦を元の位置に葺き直していきます。
この時、単に元に戻すわけではありません。屋根の端の部分(ケラバ)にぴったりと隙間なく収めるため、瓦を一枚一枚、現場で加工する重要な工程があります。

使用するのは「ディスクグラインダー」という、高速回転する刃を持つ専用の電動工具です。
この工具を使って、硬い瓦を屋根の形状に合わせてミリ単位で正確に切断していきます。
もし少しでも寸法がずれてしまえば、そこに隙間が生まれ、新たな雨漏りの原因になりかねません。
そのため、熟練の技術と集中力が求められる作業です。

このように、現場の状況に合わせて丁寧に加工した瓦を葺き上げていくことで、屋根全体の防水性と耐久性が格段に向上します。
一見地味に見えるこの精密な作業こそが、お住まいを長期間にわたって風雨から守るための大切な一手間なのです。

ビス1本の打ち方で変わる!雨漏りを再発させない技

10.名古屋市天白区 ケラバ修理 ケラバ袖瓦を一枚ずつ取り付けて行きます。
11.名古屋市天白区 ケラバ修理 ケラバ袖瓦の側方側にもビスで固定します。

屋根全体の瓦を葺き直し、いよいよ雨漏り修理の最終仕上げとなる「ケラバ袖瓦」の取り付け工程に入ります。
これは屋根の端を覆う重要な部分で、固定方法ひとつで屋根の寿命が大きく変わります。

以前の工事では、瓦の側面から釘が打ち込まれているだけでした。
今回はより防水性と固定力を高めるため、瓦の上部に専用のドリルで穴を開け、ゴムパッキン付きのビスでしっかりと固定していきます。
このパッキンが水の侵入をシャットアウトし、ビス穴からの雨漏りを防ぎます。

また、元々あった側面の釘穴も無駄にはしません。
ただし、すべての穴を再利用するわけではないのがプロのこだわりです。
内部の構造を熟知した上で、手前の穴は固定のためにビスを打ちますが、奥の穴はビスを打ちません。

なぜなら、奥までビスを貫通させると、内部に新設した防水用の板金を傷つけ、新たな雨漏りの原因を作ってしまうからです。
そのため、奥の穴は防水性の高いコーキング材で丁寧に埋め、水の侵入経路を完全に断ちます。

美しさは丁寧な仕事の証。雨漏りを防ぐ屋根工事

12.名古屋市天白区 ケラバ修理 軒先から大棟までケラバ袖瓦を全て取り付けます。

屋根の頂上部分である大棟の際まで、一枚一枚丁寧にケラバ袖瓦を取り付け、ついに全ての修復作業が完了いたしました。
雨漏りの原因となっていた下地の問題を根本から解決し、内部には新たな水切り板金を設置。
その上で瓦を葺き直したことで、お住まいを長期的に守るための防水性能が格段に向上しました。

そして、丁寧な修理は屋根の機能性だけでなく、その見た目にも表れます。屋根の端から頂上まで、瓦のラインが一直線に美しく揃っているのがお分かりいただけるでしょうか。
この真っ直ぐなラインこそ、見えない下地から正確に施工されている何よりの証拠です。

機能性と美観の両方を回復させること。それが私たちの目指す屋根修理です。
大切なお住まいのことでお悩みがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。


水切り板金(捨て板金)がないとどうなる?

屋根の端から入った雨水が排水されず、直接下地(木材)に染み込んでしまいます。長期間放置すると、軒先の腐食や雨漏りの原因になります。

なぜ板金が入っていなかったの?

築25年以上前の洋風瓦の施工では、知識不足やコストカットで板金を省くケースが稀にありました。また、瓦の割り付け(並べ方)も無理やり合わせた形跡がありました。

どんな工事をするのですか?

端の瓦を一度外し、下地を加工して「水切り板金」を入れます。その後、瓦を正しい寸法にカットし直し、パッキン付きビスで固定して復旧します。

次回の現場ブログ記事の内容は?

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