writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
鬼瓦がちょっとズレてる?いいえ、それが「美しく強い屋根」を作るプロの正解です

新しい鬼瓦が届き、いよいよ復旧工事がスタート。
ここで職人がこだわったのが、鬼瓦の「位置決め」です。
完成写真を見ると、下の瓦と中心が少しズレていることに気づくかもしれません。
実はこれ、屋根全体のラインを美しく見せるための高度なテクニックなのです。
名古屋市天白区の現場で行われた、奥深い日本瓦の修復工程をご紹介します。
こちら現場での初回点検の様子は?
初動調査での様子を現場ブログ・第一話目で書いています!
屋根修理のプロの技。鬼瓦の位置がズレて見える理由とは?

破損していた箇所に新しい瓦を取り付け、その上に鬼瓦を設置する作業を進めています。
ここで、私たちの仕事をご覧になった方が少し不思議に思うかもしれない、専門的なポイントについてご説明します。
完成した部分を見ると、鬼瓦の中心線が、真下の土台となる瓦の中心線からわずかにズレているのが分かります。
これは施工ミスではなく、建物の構造と屋根全体の調和を考えた、意図的な施工なのです。
実は、それぞれが合わせるべき基準点が異なります。
土台の瓦は、建物の骨格である「柱の芯」を基準に、全体の強度を考えて設置します。
一方、鬼瓦は、屋根の稜線である「既存の隅棟の芯」に合わせることで、屋根全体の美しいラインを保ちます。
このように、二つの異なる基準に合わせて設置するため、結果としてわずかな「芯ズレ」が生じます。
ただ元に戻すだけでなく、建物の構造と美観の両方を考慮して最適な施工を行うのがプロの仕事です。
漆喰とのし瓦で頑丈な棟を取り戻す職人技


鬼瓦の設置が完了し、続いて崩れてしまった隅棟本体の復旧作業に入ります。
ここは屋根の強度を保ち、雨漏りを防ぐための非常に重要な部分であり、職人の丁寧な仕事が求められます。
まず、瓦を固定するための接着剤の役割と、雨水の浸入を防ぐ防水の役割を兼ね備えた「屋根漆喰」を丁寧に塗り込みます。
その漆喰を土台としながら、「のし瓦」と呼ばれる平たい瓦を一段、また一段と慎重に積み上げていき、棟の高さを復元していきます。
そして、のし瓦を所定の高さまで積み上げ、一番てっぺんに丸い「冠棟瓦(かんむりむねがわら)」を被せて棟の形は完成です。
しかし、私たちの仕事はここで終わりではありません。
最後に、地震の揺れや強風に耐えられるよう、積み上げた瓦が横倒れしないように内部を針金でしっかりと結束します。
防水処理と清掃で、確かな安心をお届けします


隅棟の復旧作業を終え、いよいよ工事は最終段階に入ります。
頑丈になった屋根をさらに長持ちさせ、お客様に確かな安心をお届けするための、大切な仕上げの工程です。
まず、今回修理した鬼瓦と隅棟の接合部や、元からある瓦とのつなぎ目など、雨水が浸入するわずかな可能性のある箇所を、専用のコーキング材で丁寧に埋めていきます。
漆喰による防水に加えて、この念押しの防水処理を施すことで、屋根の耐久性をさらに高めます。
見えない部分のわずかな隙間も見逃さないことが、プロのこだわりです。
そして、すべての施工が完了したら、屋根の上の片付けと清掃を行います。
使用した道具や余った材料を降ろすのはもちろん、作業中に出た細かなゴミ一つ残さないよう、隅々まで綺麗にします。
【屋根修理完了】「綺麗に治してくれてありがとう」お客様の声が私たちの誇りです


屋根の上の清掃までを終え、全ての修繕工事が完了しました。
最後に、お客様へ作業完了のご報告を行います。
私たちは、ただ「終わりました」とお伝えするだけでなく、お客様に本当の安心をお届けするための大切な時間だと考えています。
お客様が普段直接見ることのできない屋根の上での作業は、工程ごとに写真で記録しています。
その写真をお見せしながら、どのような手順で、どのように修理がなされたのかを一つ一つ丁寧にご説明させていただきました。
「見える形」でご報告することで、工事の品質にご納得いただけると信じているからです。
今回のお客様からも、「写真でもわかるぐらい綺麗に治してもらって、本当にありがとう」と、大変嬉しいお言葉をいただくことができました。
お客様からの感謝の言葉と安心されたご様子を拝見することが、私たちにとって何よりの励みであり、この仕事への誇りです。
お住まいの屋根のことでお困りでしたら、いつでもお気軽にご相談ください。
FAQ(工事に関するよくある質問)
なぜ鬼瓦の芯をズラすのですか?
下の瓦は「建物の柱」を基準に置きますが、鬼瓦は「屋根の稜線(隅棟のライン)」に合わせて設置するためです。それぞれの基準が異なるため、あえてズラすことで全体のバランスを整えています。
漆喰(しっくい)はどうやって塗りますか?
棟の土台として、瓦と瓦の隙間に隙間なく塗り込みます。接着剤としての役割と、雨水の侵入を防ぐ防水の役割を兼ねています。
最後にコーキングを塗るのはなぜ?
鬼瓦と棟の接合部など、漆喰だけでは防ぎきれない微細な隙間を埋めるためです。念には念を入れた防水処理で、長持ちする屋根に仕上げます。
次回は施工事例になります!
初動調査から作業の完了までの一連の流れになります!
同じ地域で行った施工事例記事!
類似した作業で施工した現場ブログ記事!

お問い合わせ
点検調査などのご依頼及び業務内容へのご質問などお気軽にお問い合わせください








