「2階の部屋が使えない…」草木が生え、沈下した築100年の入母屋屋根

「もう何年も雨漏りしていて、2階の部屋はバケツを置いたままで全く使っていないんです……」
愛知県名古屋市南区にお住まいのお客様から、非常に切実なご相談をいただきました。

ご自宅は築80年〜100年近い歴史を持つ、立派な入母屋(いりもや)造りの木造住宅。
しかし、長年雨漏りを放置してしまった結果、瓦の下の「屋根土」が水を吸って激重になり、建物の骨組みである木材が腐って折れ、屋根自体が波打つように「沈下」している非常に危険な状態でした。

本記事では、足を踏み入れるだけで崩落しそうな危険な屋根を、道路占有許可を伴う大掛かりな足場設置から始まり、腐った骨組みの矯正、最新の引掛け桟瓦葺き、そして2階雨樋の全交換に至るまで、約1ヶ月間に及ぶ「築100年の家の再生ドキュメンタリー」を余すところなく徹底解説します。


【重要】ご相談のきっかけ・工事の背景

名古屋市南区にお住まいのお客様から、長年にわたる雨漏りのお悩みを伺いました。
お話を伺うと、築80年以上という歴史あるお住まいで、一度も屋根の葺き替えをされたことがないとのことでした。
80年という長い年月、雨風や厳しい日差しに耐え、お客様の暮らしを静かに見守ってきた屋根。
その間、少しずつ老朽化が進み、ついに雨漏りという形で悲鳴をあげてしまったのでしょう。
お客様は天井に広がるシミを見上げるたびに、不安な気持ちで過ごされていたことと思います。
雨漏りは、建物を傷めるだけでなく、そこに住まう人の心にも大きな負担をかけてしまいます。
私たちはまず、その不安を少しでも早く解消するため、すぐに屋根の目視検査を実施しました。

検査の結果、やはり長年の経年劣化は想像以上でした。
屋根瓦はあちこちで劣化が進行し、雨水の侵入口が複数確認されました。
さらに深刻だったのは、屋根の土台となる野地板(のじいた)の傷みです。
雨水が野地板まで浸水し、部分的な沈下や腐食が見られました。
このままでは建物の構造にも影響が出てしまうため、お客様には屋根の一部葺き替え工事と、野地板の補強をご提案しました。

お客様は、丁寧に説明する私たちに「これでやっと安心して暮らせる」と、安堵の表情を見せてくださいました。
築80年以上の歴史あるお住まいを、これからも長く大切に守っていくため、私たちは見えない部分まで丁寧に、そして確実に作業を進めてまいります。
雨漏りのお悩みは、建物の状況やお客様の想いをしっかりと汲み取ることが大切です。

「うちの家も古いから心配…」「雨漏りしているけど、どこに頼めばいいか分からない」と不安に感じている方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。
お客様の大切な住まいを、未来に引き継いでいくお手伝いをさせていただきます。

今回の現場の特殊事情とプロの解決策

Information
  • 限界を超えた屋根の腐食と鬼瓦の転倒: 瓦の隙間から草木が生えるほど屋根土に水が溜まり、重さに耐えかねた「母屋」や「垂木」が折れて屋根が沈下。さらに隅棟の鬼瓦を留める針金が切れ、前方に転倒していつ落下してもおかしくない崩壊寸前の状態でした。
  • 狭小地での「道路占有許可」と「歩行不可の屋根」: 建物が敷地いっぱいに建っているため足場が道路にはみ出し、さらには屋根の上が腐食で歩けない(踏み抜く)という、施工のハードルが極めて高い現場でした。
  • プロの解決策(尺取り虫解体と骨格矯正): 警察や土木事務所に「道路占有許可」を申請して安全な足場を確保。腐った屋根は手前から解体しつつ新しい板を張って進む「尺取り虫方式」で安全に撤去し、折れた骨組みを新しい木材で補強して真っ直ぐな屋根のラインを復元しました。

経年劣化による屋根の沈下で雨漏りが発生したそうです

瓦屋根が屋根裏に沈下していました
前方に転倒した隅棟部の鬼瓦の様子

ご友人からのご紹介でご連絡をいただき、すぐに現場の調査へ伺いました。 立派な入母屋屋根ですが、道路から見上げただけでも、二階の東面屋根が大きくV字に波打って沈下しているのが分かりました。

ハシゴをかけて慎重に屋根へ登ろうとしましたが、瓦がズレて隙間だらけになっており、そこからなんと青々とした草木が生い茂っていました。
これは、内部の「葺き土」が雨水をたっぷり吸い込み、完全に泥へと還っている証拠です。
さらに、屋根の四隅(隅棟)を飾る巨大な鬼瓦の固定針金がサビて切れ、前方にバタンと転倒しているという恐ろしい光景も目の当たりにしました。

瓦を踏むとフワフワとしており、これ以上進むと屋根を踏み抜いて1階まで転落する危険があったため、安全な庇部分からの目視調査に留めました。
お客様には「瓦だけの問題ではなく、屋根の骨組み(母屋や垂木)が折れています。
土を全て降ろして屋根を軽くし、骨組みから直す葺き替え工事が必要です」と写真をお見せしながらご説明。
その明確な診断と具体的な提案にご納得いただき、家を救うための大規模工事をお任せいただくことになりました。

実際の施工の流れとこだわりの現場管理

反対側にも崩れた隅棟部がありました
隅棟下の平瓦がズレていました

道路占有許可の取得とガードマン配置による「安全な足場設置」

ガードマンも手配しました
足場の材料を流用して看板を掲示できる場所を作ります

敷地いっぱいに建物が建っているため、足場を組むとどうしても東側と北側の前面道路に部材がはみ出してしまいます。
無許可での設置は道路交通法違反となるため、事前に管轄の土木事務所や警察署へ『道路占有許可』と『道路使用許可』を申請しました。
許可を得た上で、工事期間中はガードマンを配置し、歩行者や自転車の安全を確保。
夜間には足場に赤色保安灯を設置するなど、近隣への配慮を徹底した上で、2階の屋根まですっぽりと覆う強固な仮設足場を組み上げました。

STEP
1

踏み抜き注意!手前から野地板を張って進む「尺取り虫解体」

雨養生として防水紙を貼っていきます
サイズごとに取り剥がします

いよいよ古い瓦と、水を吸って数トンの重さになった屋根土、そしてボロボロの杉皮の撤去(めくり)を開始します。
しかし、下地が腐っているため屋根の上を歩き回ることはできません。

そこで、「手前の瓦と土を剥がす」→「そこに分厚い新しい野地板(11mm合板)を張る」→「その新しい板の上に乗り、次の奥の瓦を剥がす」という、まるで尺取り虫のような特殊な工程を採用。
時間がかかっても転落事故を絶対に起こさない、徹底した安全管理で解体を進めました。

STEP
2

雨漏りで折れた「母屋・垂木」の補強と沈下した屋根の骨格矯正

屋根が沈下して崩れていました
安定しない屋根を新しい野地板合板を貼っていきます

瓦と土を全て撤去すると、屋根が沈下していた原因がはっきりと姿を現しました。
屋根の水平方向を支える「母屋(もや)」と、縦方向を支える「垂木(たるき)」が長年の雨漏りで完全に腐食し、ポッキリと折れていたのです。
折れた部分に新しい強靭な木材を添え木として当てて補強し、できる限り元の高さまで屋根を持ち上げます。
不陸(ふりく)調整材を使って段差をなくし、沈んで波打っていた屋根の「骨格」を真っ直ぐに矯正して復元しました。

STEP
3

土から木へ!ルーフィングと「桟木」による最新の屋根下地作り

取付けた合板の上から防水紙を貼ります
屋根全体に規定寸法で桟木を打って行きます

骨格が真っ直ぐになった新しい野地板の上に、雨水から家を守る防水紙(ルーフィング)を隙間なくタッカーで張り詰めます。
昔は接着剤代わりに「屋根土」を大量に乗せていましたが、現代の葺き替えでは土は一切使いません。
代わりに、瓦を引っ掛けるための木材「桟木(さんぎ)」を、屋根の寸法に合わせて正確な間隔で打ち付けていきます。
この「引掛け桟瓦葺き工法」により、屋根の重量は劇的に軽くなり、お住まいの耐震性が格段に向上します。

STEP
4

強風に勝つ「全数ビス固定」と入母屋特有の掛け瓦施工

軒先瓦を固定して桟瓦を施工して行きます
瓦を施工後の通りが通っています

電動の荷揚げ機を使って、新しい和瓦を屋根の上にバランス良く配置します。
軒先から順番に、瓦の裏の「爪」を桟木に引っ掛けながら、表面の穴から「ビス釘」を打ち込んで1枚残らず全数固定していきます。
これにより、台風や地震でも絶対にズレない屋根になります。

また、入母屋屋根の側面にある曲線の壁「箕甲(みのこ)」部分には、L字型の特殊な「掛け瓦」を隙間なく施工し、雨風が当たりやすい屋根の側面を美しく守り抜きます。

STEP
5

南蛮漆喰と千鳥積みで作る強靭な「大棟・隅棟」と鬼瓦の緊結

一段目の土台部分をのし瓦で取り付けます
積み上げた棟の最上段には冠瓦を取り付けます

平瓦が葺き終わると、屋根の頂点である「大棟」と、四隅へ下る「隅棟」の積み上げです。
土台の芯材に、防水性と接着力に優れた「南蛮漆喰(なんばんしっくい)」をたっぷりと盛り、その上にのし瓦を積んでいきます。

この時、雨水の侵入を防ぐために上下の継ぎ目が重ならないよう「互い違い(千鳥積み)」にし、各段ごとに「散り(少しのズレ)」を設けて美しい台形を作り上げます。
転倒していた鬼瓦も、芯材から出した太い針金で背中をガッチリと縛り上げ、もう二度と倒れないよう強固に緊結しました。

STEP
6

足場を活かした「2階雨樋全交換」と隙間のコーキング防水処理

古い雨樋と樋吊りを取り替え
新しい雨樋と樋吊りを取り付けて行きます

屋根が美しく仕上がった後、足場が架かっている「今」を最大限に活かし、サビてボロボロになっていた2階の雨樋と固定金具(樋吊り)を全て新品に交換しました。
足場代の節約になる賢いリフォームです。

最後の仕上げとして、鬼瓦の背中や瓦の接続部、ビスの頭などに防水コーキングボンドを丁寧に打ち込み、隙間を完全にシャットアウト。
ブロワーで屋根上の木屑や土埃を綺麗に清掃し、土木事務所へ「道路占有完了報告書」を提出して、約1ヶ月に及ぶ大工事が完璧に完了しました。

STEP
7

施工完了!お客様の喜びの声

作業のビフォーアフター

瓦の葺き替え工事の作業開始前
瓦の葺き替え工事完了後
お客様

「雨漏りが酷くて諦めていた2階の部屋が、また使えるようになって本当に嬉しいです!
見積もりも分かりやすく、職人さんの丁寧な仕事ぶりのおかげで、波打っていた屋根が見違えるほど真っ直ぐで綺麗になりました。
社長さんの誠実な対応にも大満足です!」

ヤマムラ建装

「長期間の工事、お疲れ様でした!
屋根の骨組みからしっかり直し、土も無くして軽くしましたので、地震が来てももう安心ですよ。
2階の雨樋も新品になり、見えない隙間もコーキングで塞ぎました。
これからは蘇ったお部屋でゆっくりお過ごしくださいね!」

今回の作業内容の要点まとめと施工費用と工期の目安

💡 今回の作業内容の要点まとめ

  • 築100年近い入母屋屋根の沈下と雨漏りを、骨組み(母屋・垂木)の補強と不陸調整で真っ直ぐに矯正。
  • 狭小地のため行政から「道路占有許可」を取得し、ガードマンを配置して安全に足場を設置。
  • 踏み抜き防止のため、野地板を張りながら進む「尺取り虫方式」で、数トンの重い屋根土と瓦を安全に撤去し軽量化。
  • 桟木を使った全数ビス固定、南蛮漆喰による棟積み、2階雨樋の全交換など、最新技術で耐震・耐風屋根へ再生。

施工費用と工期の目安

項目詳細情報
📍 工事場所愛知県名古屋市南区
🏡 建物種別木造二階建て(和瓦・入母屋屋根)
⏳ 築年数築80年〜100年以上
🎯 施工箇所二階屋根の葺き替え(東面メイン)、大棟・全隅棟の積み直し、二階雨樋全交換
⚠️ 発生状況(原因)経年劣化による屋根土の吸水・重みで母屋と垂木が腐食・折損し屋根が沈下。鬼瓦の固定針金切れによる転倒
📞 お問い合わせの経緯ご友人からのご紹介(長年の雨漏りで2階の部屋が使えないためご相談)
🛠️ 施工内容道路占有足場設置、瓦・土撤去(尺取り虫解体)、骨組み補強、野地板新設、ルーフィング・桟木打ち、瓦ビス固定、棟積み(南蛮漆喰)、雨樋交換
🧱 使用部材新規和瓦(平瓦、軒先瓦、掛け瓦、のし瓦、冠瓦、鬼瓦)、11mm野地合板、構造用木材、アスファルトルーフィング、南蛮漆喰、新規雨樋一式
📅 施工日数実働約1ヶ月ほど
💴 施工価格約220万円ほど

今回は名古屋市南区での、雨漏りで骨組みが折れて沈下した築100年の入母屋屋根を、耐震補強と葺き替えによって見事に蘇らせた大工事の事例をご紹介しました。
「古くて屋根が歪んでいるから、もう建て替えるしかないのかな…」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
今回のように、腐った骨組みを補強し、重い土を降ろして最新の工法で葺き替えることで、歴史あるお住まいの寿命をさらに何十年も延ばすことが可能です。

ヤマムラ建装では、狭小地での「道路占有許可」の取得から、屋根の踏み抜きを防ぐ「尺取り虫解体」、そして美しい入母屋屋根を復元する熟練の職人技まで、すべての工程において一切の妥協を許さない徹底した現場管理をお約束します。
雨樋交換など足場を活かした無駄のない提案も得意としております。
相見積もりも大歓迎ですので、屋根の沈下や長年の雨漏りでお悩みの方は、ぜひお気軽に無料点検をご利用ください!


築100年の古い家でも工事できますか? 

はい、可能です。ただし、今回のように下地(骨組み)まで傷んでいるケースが多いため、単なる瓦交換ではなく、野地板や垂木の補強を含めた「葺き替え工事」が必要になります。

葺き替えのメリットは?  

重い土を取り除くことで屋根が軽量化され、耐震性が向上します。また、防水シート(ルーフィング)も新しくなるため、雨漏りの心配が根本から解消されます。

費用はどれくらいかかりますか?

今回のケースでは、下地補強や雨樋交換も含めて約220万円です。屋根面積や使用する瓦、補強の度合いによって変動しますので、まずは現地調査をご依頼ください。


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ヤマムラ建装㈱ 代表取締役 顔写真
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名古屋市南区を中心に、屋根工事・雨漏り修理・リフォームなら、創業100年以上の実績を持つ当社へ!名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
明治末期創業からの技術を受け継ぎ、地元で5,000件以上の施工実績を誇る「住まいの専門家」です。

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【主な対応業務】
屋根工事: 葺き替え、漆喰補修、雨漏り修理(かわらぶき技能士)
外装工事: 外壁塗装、ベランダ・屋根防水、雨樋工事、電気工事
その他の業務も(大工工事、キッチン、トイレ、浴室リフォーム等)一度ご相談してください。


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