【東海市】天井に広がる雨染みの謎!築年数不明の屋根で見た「剥離」と「職人の痕跡」【点検調査作業】
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
雨漏りの真犯人は「劣化」か「人災」か!屋根上で見た衝撃の光景

「最初は小さなシミだったんです。でも、最近のゲリラ豪雨で一気に広がってしまって…」
東海市のご夫婦から届いたその声には、長年の不安が滲んでいました。
新築以来、一度も人の手が入っていない屋根。天井に広がる不気味な雨染み。
私たちは直ちに現地へ急行しました。
室内でのサーモグラフィー調査、そして屋根上での目視点検。
そこで私たちが目撃したのは、単なる瓦の老朽化だけではありませんでした。
焼き物の限界を超えた「剥離」、そして何十年も前の職人が残した「不可解な施工跡」。
雨漏りの原因を突き止めるまでの緊迫の調査記録を公開します。
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静かに広がる天井の「黒い影」!


「新築から一度も手入れをしていないんです。見てもらうのが怖いような気もして…」
現場に到着し、まず通されたのはリビングでした。
お客様の指差す先、天井板にはくっきりと雨水の痕跡が刻まれています。
「以前から気にはなっていたんですが、ここ数回の激しい雨で急にシミが大きくなりまして。さすがに怖くなって連絡しました」
長年住み慣れた我が家だからこそ、「まだ大丈夫だろう」という心理が働いてしまうのは無理もありません。
しかし、雨水は正直です。
天井にシミが出るということは、すでに屋根の防水機能が破綻し、屋根裏を通過して室内まで水が到達している証拠。
事態は想像以上に深刻である可能性が高いのです。
まずは科学の目、サーモグラフィーカメラを起動します。
目に見えない壁裏や天井裏の温度変化を可視化し、水の通り道を特定するためです。
しかし、数日晴天が続いていたため、明確な水分反応は得られず。
やはり、根本原因が眠る「屋根の上」へ直接登るしかありません。
屋根上で見た「瓦の崩壊」

ベランダをお借りし、脚立をかけて慎重に屋根の上へ。
瓦の表面に足を乗せた瞬間、靴底から伝わる感触に違和感を覚えました。ザラリとした脆い感触。
視線を落とすと、そこには衝撃的な光景が広がっていました。
屋根全体に並ぶ瓦の表面が、まるで皮を剥かれたように「剥離(はくり)」していたのです。
本来、建物を守るはずの瓦の表面がボロボロと剥がれ落ち、素焼きの内部が露出しています。
これは単なる経年劣化だけではありません。
考えられる原因は、当時の製造工程にあります。
昔の瓦製造は、現在のような安定したライン生産ではなく、小さな窯で焼かれることも珍しくありませんでした。
焼成温度が不安定な窯で焼かれた瓦は、数十年という時間を経て、冬場の凍結と融解を繰り返すうちに内部から破壊されてしまうのです。
新築時?の「不可解な痕跡」を発見

さらに調査を進めると、劣化とは異なる「奇妙な施工跡」が見つかりました。
瓦の一部に、明らかに昔補修されたような亀裂があり、その上からコーキングボンドが塗られていたのです。
お客様に確認しても「修理なんて頼んだ覚えはない」とのこと。
推測ですが、新築工事中に職人が誤って割ってしまい、交換せずにボンドで隠してそのまま引き渡した可能性があります。
そして、決定的な問題箇所に行き当たりました。
屋根の端部分、「ケラバ袖瓦(そでがわら)」周辺です。
本来、瓦と瓦は隙間なく噛み合うように設計されています。
しかし、この現場のケラバ部分は、強引に段差をずらして施工されていました。
昔は電動工具(グラインダー)がなく、タガネと金槌で手作業加工していました。
手間を惜しんだ職人が、加工をサボって瓦の位置をずらすことで帳尻を合わせ、結果として「雨水の侵入口」となる隙間を作ってしまっていたのです。
点検終了。下された診断は…
屋根全体を回り、写真を撮り終える頃には、雨漏りのシナリオが頭の中で完成していました。
点検調査の内容!
- 瓦の寿命: 凍害による表面剥離で防水性が低下。
- 施工不良: ケラバ周辺の強引な納まりによる隙間からの浸水。
- 隠蔽工作: 新築時の割れ補修跡の劣化。
これらが複合的に絡み合い、限界を超えた雨水が天井へと溢れ出したのです。
梯子を降り、撮影した写真をお客様にお見せしました。
ボロボロになった瓦のアップ、隙間だらけの袖瓦。
モニターを見つめるお客様の表情が曇ります。
「ここまで酷いとは…。もっと早く相談すればよかった」
しかし、後悔しても瓦は元に戻りません。
今必要なのは、応急処置ではなく、根本的な解決策です。
私たちは、この屋根を再生させるための具体的なプラン作成に取り掛かりました。
記事のまとめ!!

点検調査を行って調査のポイント!
- 雨染みは氷山の一角: 天井のシミが大きくなった時は、すでに屋根の防水機能は限界を迎えている。
- 瓦の「剥離」: 昔の瓦(特に焼成温度が不均一なもの)は、経年で表面が剥がれ、急激に劣化が進むことがある。
- 施工不良の時限爆弾: 新築時の無理な施工(ケラバのズレなど)が、数十年後に雨漏りとして表面化するケースがある。
- 調査の重要性: 劣化の原因が「寿命」なのか「人災」なのかを見極めなければ、正しい修理はできない。
FAQ(よくある質問)
Q1. 天井にシミができたら、すぐに修理が必要ですか?
はい、急を要します。
シミが見える時点で、屋根裏の断熱材や木材はすでに濡れており、腐食やカビ、シロアリの原因になります。
Q2. 瓦の表面が剥がれるのはなぜですか?
古い瓦に見られる現象で、焼成温度のムラや、瓦内部の水分が凍結・膨張を繰り返す「凍害(とうがい)」が主な原因です。
塗装では直せないため、交換が必要です。
Q3. 昔の施工不良はよくあることですか?
残念ながら、珍しくありません。
昔は基準が曖昧だったり、電動工具がなく加工を省略したりするケースがありました。
現在の基準で正しく手直しする必要があります。
Q5. サーモカメラは必ず雨漏り箇所を見つけられますか?
条件によります。
雨が降った直後など水分が残っていれば高確率で特定できますが、晴天が続いて乾燥していると反応が出ないことがあります。
そのため、目視点検との併用が必須です。

名古屋市南区を中心に、名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
創業100年以上の技術を受け継ぎ、雨漏り修理から外壁塗装まで、すべて私が責任を持って担当します。
最近やり始めた趣味はゴルフと筋トレ。
お客様の「困った」を解決し、笑顔にするのが私の仕事です。
【保有資格】かわらぶき技能士・ 増改築相談員/ 【趣味】ゴルフ・筋トレ








