writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
「また枝が落ちて瓦が…」神社の社務所を襲った突風の被害
「突風で大きな木の枝が折れて、屋根に落ちてしまったんです……」
愛知県名古屋市南区にある神社様より、敷地内に建つ「社務所(しゃむしょ)」の屋根修理について、緊急のご相談をいただきました。
神社の敷地内には歴史ある巨大な樹木がそびえ立っており、強風が吹くたびに太い枝が折れては、築60年以上の社務所の屋根を直撃するという過酷な環境でした。
しかし、本当に恐ろしかったのは「枝の落下」だけではなく、過去の業者が行った「間違った応急処置」にありました。
本記事では、雨漏りを誘発する危険な『まがいものの修理跡』をプロの眼で見抜き、割れた瓦を交換するためだけに屋根の頂上(大棟)を一度解体して作り直すという、手間を惜しまない「本物の屋根修理」の全工程を詳しく解説します。
【重要】ご相談のきっかけ・工事の背景
名古屋市南区の神社の社務所から、屋根の不具合についてご相談をいただきました。
お住まいの敷地内には、建物を覆うように大きな樹木がそびえ立っており、強風が吹くたびに枝が折れて屋根に落ちてしまうというお悩みでした。
その際、枝の当たり所が悪いと、屋根瓦が割れてしまうとのことでした。
これまでに何度も平瓦が破損し、そのたびに板金を差し込んで応急処置を繰り返してきたそうです。
平瓦とは、屋根の広い面積を覆っている平らな瓦のことです。
しかし、部分的な応急処置では根本的な解決にはならず、今回は本格的な修理をしようと、私たちにご連絡をいただきました。
割れた瓦をそのままにしておくと、雨水が建物内部に侵入し、やがては雨漏りにつながってしまいます。
応急処置として板金を差し込む方法もありますが、これはあくまで一時的なものです。
適切な処置をしないと、気づかないうちに被害が進行し、最終的には大掛かりな修理が必要になるケースも少なくありません。
私たちは、お客様のお話を丁寧に伺い、まずは屋根の状態を正確に把握するための点検調査を行うことをご提案しました。
今回の現場の特殊事情とプロの解決策
- 1. 「また枝が落ちて瓦が…」神社の社務所を襲った突風の被害
- 1.1.1. 【重要】ご相談のきっかけ・工事の背景
- 2. 今回の現場の特殊事情とプロの解決策
- 3. 初動調査とプロの原因究明
- 4. 実際の施工の流れとこだわりの現場管理
- 4.1.1. 急がば回れ!瓦を安全に抜くための「大棟の一時解体」
- 4.1.2. 雨漏りを誘発する「過去の板金」撤去と正確な寸法の瓦差し替え
- 4.1.3. 雨風に負けない土台作り!「南蛮漆喰」と「針金」による緊結
- 4.1.4. 棟全体を縛り上げる!「冠瓦」の設置と強固な結束作業
- 4.1.5. 瓦のズレを防ぐコーキング点付けと、ブロワーによる完工清掃
- 5. 施工完了!お客様の喜びの声
- 5.1.1. 作業のビフォーアフター
- 6. 今回の作業内容の要点まとめと施工費用と工期の目安
- 6.1.1. 💡 今回の作業内容の要点まとめ
- 6.1.2. 施工費用と工期の目安
- 7. FAQ(工事に関するよくある質問)
- 7.1.1. 地域密着100年の実績!同じエリアのリフォーム施工事例!
初動調査とプロの原因究明


ご相談を受け、すぐに神社の社務所へ急行しました。
安全を確保して脚立で屋根に登ると、強風で落下した太い枝の直撃を受け、広い面を覆う「平瓦(ひらがわら)」や、屋根の端を守る「ケラバ袖瓦」が何枚も無惨に割れ、先端が欠けている状態でした。
しかし、それ以上に私たちの目を疑わせたのは、過去の修理跡です。割れた瓦の隙間に、ただ薄い板金がペラペラと差し込まれたり、上から被せられたりしている箇所がいくつもありました。
一見直っているように見えますが、プロの目から見ればこれは『雨漏りへのカウントダウン』です。
板金に雨水を外へ逃がす「水返し」の加工がされていないため、雨水は板金の上を滑ってそのまま屋根の内部(防水シートや木材)へとダイレクトに侵入してしまいます。
また、最も厄介だったのは、屋根の頂点である「大棟(おおむね)」のすぐ下に位置する平瓦が割れていたことです。
この瓦には大棟の重く巨大な荷重がかかっているため、隙間に板金を差し込むことすらできず、そのまま放置されていました。
「このままでは確実に内部が腐食します。割れた瓦を交換するには、上の大棟を一度解体するしかありません」と写真をお見せしながら丁寧に状況をご説明し、根本から安全を取り戻すための『瓦の差し替えと棟の部分積み直し工事』をご依頼いただきました。
実際の施工の流れとこだわりの現場管理


急がば回れ!瓦を安全に抜くための「大棟の一時解体」


いよいよ修理工事の着工です。まずは、大棟のすぐ下で割れてしまった平瓦を交換するための下準備から始めます。
大棟には何段もの瓦と土が積まれており、その重みで下の平瓦はガッチリと押さえつけられています。
これを無理やりバールなどで引き抜こうとすると、健全な瓦まで割れてしまったり、大棟全体が崩落する大事故に繋がります。
ヤマムラ建装では横着をせず、割れた瓦の上に乗っている大棟部分を一度丁寧に解体し、荷重を完全に取り除くという「急がば回れ」の確実な手順を踏みます。
雨漏りを誘発する「過去の板金」撤去と正確な寸法の瓦差し替え


大棟を解体して安全を確保したら、雨漏りの原因となっていた過去の「不適切な板金」と、割れた平瓦・ケラバ袖瓦をすべて撤去します。
古い和瓦は、製造された年代や窯元によって微妙に寸法が異なります。
新しい瓦をそのまま差し込むと隙間ができて雨が入ってしまうため、職人が専用のディスクグラインダー等の工具を使い、既存の瓦の並びにピッタリとフィットするように新しい瓦をミリ単位で「切断・加工」してから差し込みます。
この見えない微調整が、屋根の防水性を決定づけます。
雨風に負けない土台作り!「南蛮漆喰」と「針金」による緊結


瓦の差し替えが終わったら、解体した大棟を元よりも頑丈に積み直していきます。
まずは土台として、従来の屋根土よりも防水性と接着力に極めて優れた「南蛮漆喰(なんばんしっくい)」をたっぷりと敷き詰めます。
その上に平たい「熨斗瓦(のしがわら)」を隙間なく並べますが、この時、瓦の内部に太い「針金」を通し、瓦同士をしっかりと結びつけて固定する『緊結(きんけつ)』という作業を行います。
南蛮漆喰が乾く前に針金で引っ張り合うことで、強風でもビクともしない強靭な骨格が出来上がります。
棟全体を縛り上げる!「冠瓦」の設置と強固な結束作業


熨斗瓦を数段積み上げ、隙間に南蛮漆喰を塗り込んで強固な土台を作ったら、大棟の最も高い位置に雨水の侵入を防ぐ「冠瓦(かんむりがわら)」を被せます。
そしてここが、伝統的な職人技のハイライトです。
下の段で仕込んでおいた長い針金を冠瓦の釘穴に通し、大棟全体を外側からぐるりと巻きつけるようにして力強く縛り上げます(結束)。
これにより、大棟全体が一つの一体化したブロックとなり、地震の激しい揺れや台風の突風にも耐えうる最強の棟が復活しました。
瓦のズレを防ぐコーキング点付けと、ブロワーによる完工清掃


棟の積み直しが完了したら、最終的な防水とズレ防止の仕上げに入ります。
差し替えた新しい瓦や、作業中に少し動かした周囲の瓦の裏側に、接着力と防水性に優れた「コーキングボンド」を点付けして固定します。
これにより、強風で瓦がパタパタと浮き上がる二次被害を完全に防ぎます。
さらに、冠瓦の釘穴や鬼瓦の背中にもコーキングを充填。
最後に、業務用の送風機(ブロワー)で屋根上に落ちた細かなゴミや漆喰の粉を綺麗に吹き飛ばし、約3日間に及ぶ徹底的な修復工事が完工しました。
施工完了!お客様の喜びの声
作業のビフォーアフター



「何度も枝が落ちてきて、そのたびに前の業者に板金を挟んでもらっていたんですが、それが雨漏りの原因になると聞いて本当に驚きました。
ヤマムラさんは、わざわざ屋根のてっぺんを崩してまで、割れた瓦を丁寧に交換してくれたので、職人さんの本気を感じました。
本当にありがとうございました!」

「大切な社務所をお守りできて良かったです!
板金を挟むだけの修理は本当に危険なので、今回見つけることができて不幸中の幸いでした。
棟も南蛮漆喰と針金でガッチリと積み直しましたし、瓦もコーキングで留めてあります。
これからは強い風が吹いても、安心してお過ごしくださいね!」
今回の作業内容の要点まとめと施工費用と工期の目安
💡 今回の作業内容の要点まとめ
- 突風による木の枝の直撃で割れた和瓦と、雨漏りを誘発する過去の「不適切な板金処置」を徹底的に撤去。
- 大棟のすぐ下にある割れた瓦を安全に交換するため、手間を惜しまず大棟を一度解体する「急がば回れ」の施工を実施。
- 新しい瓦を寸法に合わせて加工して差し替え、ズレ防止のために裏側をコーキングボンドで強固に点付け固定。
- 防水性の高い「南蛮漆喰」と「針金の緊結・結束」を用いて、地震や台風に強い強靭な大棟をゼロから積み直し。
施工費用と工期の目安
| 項目 | 詳細情報 |
|---|---|
| 📍 工事場所 | 愛知県名古屋市南区 |
| 🏡 建物種別 | 木造平屋(神社敷地内の社務所・和瓦の切妻系屋根) |
| ⏳ 築年数 | 築60年以上 |
| 🎯 施工箇所 | 社務所屋根の平瓦・ケラバ袖瓦の差し替え、および大棟の部分解体・積み直し |
| ⚠️ 発生状況(原因) | 突風で折れた樹木の枝の直撃による瓦破損、および過去の業者による不適切な応急処置(板金差し込み) |
| 📞 お問い合わせの経緯 | 強風で枝が落ちて瓦が割れてしまったため、本格的な修理をご相談 |
| 🛠️ 施工内容 | 不適切板金の撤去、大棟の解体、瓦の加工・差し替え(コーキング点付け固定)、南蛮漆喰と針金による棟の積み直し・結束、完工清掃 |
| 🧱 使用部材 | 新規平瓦・ケラバ袖瓦・冠瓦、南蛮漆喰、緊結用針金、コーキングボンド |
| 📅 施工日数 | 実働約3日間ほど |
| 💴 施工価格 | 約20万円ほど |
今回は名古屋市南区での、突風による枝の直撃で破損した社務所屋根を、大棟の解体と積み直しによって根本から完全復旧した事例をご紹介しました。
「割れた瓦の隙間に板金を挟むだけ」「上からコーキングを塗るだけ」といった、その場しのぎの応急処置は、後々取り返しのつかない雨漏りや木材の腐食を引き起こす危険な行為です。
ヤマムラ建装では、お客様の大切な建物を守るため、どんなに手間がかかっても「正しい工法」にこだわり抜きます。
瓦一枚の交換から、見えない土台(南蛮漆喰や針金)の強化まで、信頼できる協力業者と共に妥協のない本物の職人技をご提供します。
過去の修理跡に不安がある方や、台風後の屋根の点検をご希望の方は、ぜひお気軽に当社の無料点検をご利用ください!
FAQ(工事に関するよくある質問)
棟を積み直すと費用は高くなりますか?
表面的な補修(コーキング等)よりは高くなりますが、瓦を交換するために必須の工程である場合、長い目で見れば最もコストパフォーマンスの良い(再発しない)修理方法です。
工事期間はどれくらいですか?
今回のような部分的な積み直しと瓦交換であれば、約1日〜2日で完了します。参拝の邪魔にならないよう、迅速に施工します。
風災保険(火災保険)は使えますか?
「台風」や「飛来物」による破損は、火災保険の補償対象になる可能性が高いです。申請用の写真撮影や書類作成もサポートいたします。
地域密着100年の実績!同じエリアのリフォーム施工事例!

名古屋市南区を中心に、屋根工事・雨漏り修理・リフォームなら、創業100年以上の実績を持つ当社へ!名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
明治末期創業からの技術を受け継ぎ、地元で5,000件以上の施工実績を誇る「住まいの専門家」です。

【主な対応業務】
屋根工事: 葺き替え、漆喰補修、雨漏り修理(かわらぶき技能士)
外装工事: 外壁塗装、ベランダ・屋根防水、雨樋工事、電気工事
その他の業務も(大工工事、キッチン、トイレ、浴室リフォーム等)一度ご相談してください。

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