【瓦屋根点検】知多市 鬼瓦周りの漆喰劣化は雨漏りサイン!入母屋屋根の点検から棟の漆喰塗り替え補修工事!
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
【屋根の専門家が解説】名古屋の家を守る、漆喰劣化と雨漏りの全知識
工事のきっかけ
知多市にお住まいのお客様は、お城のように風格のある「入母屋屋根」の我が家を大変気に入っておられました。
しかしここ数年、気になることが一つ。
それは、通りすがりの訪問会社からではあるものの、繰り返し訪れる屋根の修理業者でした。
「奥さん、屋根の漆喰が剥がれてますよ。このままだと雨漏りします」と決まって同じことを言われるそうです。
言われるたびに不安になり、ご自身で屋根を見上げてみるものの、地上からでは黒ずんでいるように見えるだけで、本当に危険な状態なのか判断がつきません。
かといって、突然やってきた業者を安易に屋根に上げるのはもっと不安でした。
しかし、万が一雨漏りして、家の大切な柱や壁が傷んでしまったら…その修理にはもっと大きな費用がかかるかもしれない。
そんな葛藤の中、お客様は「まずは信頼できる地元の専門家に、一度ちゃんと見てもらおう」と決心されました。
そして、私たちのホームページをご覧になり、無理な営業は一切しないという姿勢に安心感を覚えてくださり、無料点検のご依頼をいただくことになったのです。
点検の結果、やはり訪問業者が指摘した通り、複数の箇所で漆喰の劣化が進行していることが判明し、今回の補修工事へと至りました。
建物の状況
築年数 ・・・ 築50年ほど
工事費用・・・ 約25万円ほど
施工期間・・・ 3日ほど
建物種別・・・ 戸建て(木造)
ビフォーアフター

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お城や歴史あるお寺を思わせる、重厚で風格のある瓦屋根。
知多市内でも、そんな美しい「入母屋屋根」のお住まいをお見かけします。
この伝統的な屋根の美しさは、見る人の心を惹きつけますが、その一方で非常に複雑な構造を持つため、専門的なメンテナンスが欠かせないことをご存知でしょうか。
特に、屋根のてっぺんや角に鎮座する「鬼瓦」の周りは、雨漏りを防ぐ「漆喰」が劣化しやすい要注意ポイントです。
「最近、屋根修理の訪問販売がよく来るようになった」「なんだか瓦の隙間が黒ずんできた気がする」もし、そんな風に感じていらっしゃるなら、それは屋根が発している重要なサインかもしれません。
この記事では、大切なお住まいを雨漏りから守るための、プロだけが知る点検のポイントと、正しい漆喰補修の知識を余すところなくお伝えします。
目次
「屋根の漆喰が剥がれていますよ」突然の訪問、本当に信じていいですか?

「近所で工事をしている者ですが、お宅の屋根の漆喰が剥がれていて危険ですよ」 知多市内でも、突然そんな言葉をかけられ、不安になった経験はありませんか?
私たちは屋根の専門家として、街中でもついお住まいの屋根の状態に目が行ってしまいます。
そして残念ながら、鬼瓦周りの漆喰が劣化しているお住まいを多くお見かけするのも事実です。
しかし、だからといって私たちが突然お宅を訪問し、危険性を指摘するようなことは決していたしません。
それはお客様の不安を不必要に煽るだけの訪問販売と同じ手法であり、地域に根差す専門家としての私たちの理念に反するからです。
屋根の状態はご自身では分かりにくいもの。
この記事では、なぜ漆喰が重要なのか、どこが劣化しやすいのか、そして本当に信頼できる業者とは何かを、専門家の視点から誠実にお伝えします。
今回点検させていただいたのは、お城や格式高い寺社仏閣にも用いられる、重厚で美しい「入母屋(いりもや)屋根」です。
この屋根は、本を伏せたようなシンプルな三角形の「切妻(きりつま)屋根」と、四方向へ傾斜する落ち着いた印象の「寄棟(よせむね)屋根」を組み合わせた、非常に複雑な構造をしています。
風格がある一方で、屋根の面やパーツの接合部が多いため、どうしても雨漏りのリスクを抱える箇所が多くなります。
特に、これからご説明する「鬼瓦」の周辺は、雨漏りの侵入口になりやすい要注意ポイントです。
雨漏りを招く、鬼瓦まわりの漆喰3つの危険サイン

屋根の格式を高める「鬼瓦(おにがわら)」ですが、その周辺は雨漏りを防ぐ「漆喰」が劣化しやすい場所です。
点検時には、以下の3つのポイントを特に注意深く確認します。
危険サイン1:鬼瓦の「背面」|常に風雨にさらされる最前線

屋根のてっぺんにある鬼瓦は、設置の際にどうしても棟の瓦との間にわずかな隙間が生まれます。
この隙間を漆喰で塞ぎ、雨水の侵入をブロックしているのです。
しかし、この場所は遮るものが何もなく、常に雨風や紫外線を直接浴びるため、他の場所より格段に劣化が早く進み、ひび割れや黒ずみが現れやすいのです。
危険サイン2:鬼瓦の「台座下」|湿気がこもりやすい要注意箇所


屋根の角にある鬼瓦は、「台座」と呼ばれる土台の上に設置されています。
この台座周辺はパーツが複雑に組み合わさるため、雨水が溜まりやすく、湿気がこもりやすい環境です。
そのため、漆喰が水分を吸って脆くなり、ボロボロと剥がれ落ちる劣化が特に激しく現れる傾向があります。


屋根の角を構成する「隅棟(すみむね)」が途中で終わるデザインの場合、棟瓦の断面である「小口(こぐち)」がむき出しになります。
この部分を漆喰で蓋をする処理を「葺き終い(ふきじまい)」と呼びます。
この漆喰が剥がれ落ちると、棟の内部に雨水が直接侵入し、屋根の骨格である野地板を腐らせ、最終的に深刻な雨漏りを引き起こします。
漆喰の小さなひび割れから始まった劣化も、放置すればこのように建物の構造自体を脅かす深刻な事態に繋がります。
【写真で見る】美しさと耐久性を両立する、漆喰塗り替え工事の全工程
劣化を発見した場合、どのような工事を行うのでしょうか。
正しい手順が、屋根の寿命を大きく左右します。
STEP1:すべてはここから!古い漆喰の完全撤去と徹底清掃


まず、劣化した古い漆喰を専門の道具で丁寧に剥がしていきます。
周囲の瓦を傷つけないよう、漆喰にだけ的確に力を加える繊細な作業は、まさに職人技です。
剥がした後の破片や粉塵が残っていると、新しい漆喰がしっかり密着しないため、ハケなどを使って徹底的に清掃します。
この下準備こそが、長持ちする仕上がりの秘訣です。
STEP2:プロの一手間!下地作りと新しい漆喰の塗り込み


下地を清掃したら、いよいよ新しい漆喰を塗り込みます。
私たちは、漆喰の密着性を高めるために「葺き土(ふきつち)」と呼ばれる下地材を先に施工することがあります。
その屋根の状態を的確に見極め、最善の工法を選択するのがプロの仕事です。
職人が丁寧に練り上げた漆喰を、専門の鏝(こて)で美しく仕上げていきます。
一度の足場で徹底補修!トータルコストを抑える賢いメンテナンス計画

今回のお住まいでは、一階と二階を合わせて合計九か所の隅棟で同様の漆喰劣化が見られました。
同じ時期に施工された漆喰は、いずれ同じように寿命を迎えます。
足場を組む機会に、劣化の可能性がある箇所をすべてメンテナンスすることは、将来の再発リスクを防ぎ、何度も足場を組む費用をなくすことに繋がります。
これは、お客様の長期的なコスト負担を軽減するための、最善のご提案です。
工事完了!真っ白に蘇った屋根と、お客様の安心の笑顔


屋根全体の漆喰塗り替え工事が完了しました。鬼瓦の台座下など、細部まで美しく仕上げ、屋根全体の健全性を取り戻します。
後日、工事中の写真をお見せしながらご報告した際には、お客様から「見違えるように綺麗になって本当に嬉しいです」と、喜びに満ちたお言葉をいただくことができました。
お客様の安心の笑顔こそが、私たちの仕事の誇りです。
どんな些細なことでも、気になった際にはお気軽にご相談ください。
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『知多市【瓦屋根点検】屋根漆喰の剥がれ・ひび割れ、訪問業者の指摘は本当?雨漏り危険な劣化サイン漆喰と修理の適切な時期』
お客様にご協力していただいたアンケート(お客様の声)はこちらから読めますよ↓↓↓
『【瓦屋根点検】知多市 悪質な訪問営業に雨漏りすると怖がらされた!瓦屋根の点検調査と漆喰工事後のアンケートのお願い』
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