名古屋市緑区の神社の一角の建物から雨漏りが発生!築年数が経過した庇屋根の経年劣化した瓦の葺き替え工事の様子

工事のきっかけ

名古屋市緑区にある倉庫では、雨が降るたびに雨漏りがしているとのことです。
築年数が経過している建物で、屋根の状態も交換時期を大きく超えてしまっているようです。
屋根瓦には亀裂や破損が見られ、修理のために上に登った瞬間に破損してしまうほどの状態だそうです。
このような状況から、屋根瓦の葺き替え工事を検討しているとのことで、同時に野地板も綺麗に変えて行こうと考えているそうです。
屋根の状態が悪化していると、雨漏りの被害が広がる可能性があります。
早めの修理や葺き替え工事を検討することで、建物全体を守ることができます。
専門業者に相談し、適切な対策を行うことが重要です。

建物の状況

築年数 ・・・ 築25年以上

工事費用・・・ 約45万円ほど

施工期間・・・ 約1週間ほど

建物種別・・・ 木造戸建て

ビフォーアフター

作業開始前の劣化した庇屋根瓦

作業完了後の新しい瓦屋根

施工事例で引用した現場ブログのリンク先

初動調査での注意点や契約から工事までの流れを書いています

雨漏り発生から目視による屋根点検

倉庫上の屋根から雨漏り

名古屋市緑区で、築年数が経過した建物の雨漏り問題について対応いたしました。
依頼主様からの要望に基づき、屋根瓦の葺き替え工事を検討するため、まずは屋根の点検を行いました。
お客様の安心を第一に考え、丁寧に調査を進めてまいります

倉庫上の庇屋根の目視による調査

劣化が進んだ瓦屋根の状態調査

倉庫内の雨漏りの原因は、天井板と屋根裏が兼務している造りにあることがわかりました。
そのため、直接的に雨漏りを起こしている可能性が高い屋根瓦を点検するため、脚立を使って屋根に登りました。
古すぎる屋根瓦は色褪せており、霞んで見える状態でした。
このような状態では、雨漏りの原因となる可能性が高いため、早急な対策が必要です。

ケラバ袖瓦が偏少くして落下しかけています
軒先瓦も黒ずみが出て劣化しています

建物周りから目視点検を行ったところ、屋根瓦の劣化が激しい箇所がいくつかありました。
依頼主様からは、長い間簡易型の修理しか行っておらず、屋根瓦を葺き替えるような大規模な修繕工事を行ったことは覚えていないとのことでした。
そのため、屋根瓦の劣化だけでなく、部分的に変色したり傷が入っている箇所もありました。
このような状況では、専門家による点検や適切なメンテナンスが必要です。

倉庫上の庇屋根に登って目視調査を続けました

瓦屋根に破損や欠けが多く見当たりました

建物の築年数がかなり経過しており、大規模な修繕工事が難しい状況で、小規模な修理工事が続いているとのことです。
さらに、一階の倉庫内でも雨漏りが発生しているとのことで、屋根瓦の劣化が進んでいる可能性が高いと考えられます。
屋根上から目視検査を行った結果、屋根全体に破損や破断した屋根瓦が複数枚見つかりました。
このような状態では、雨漏りが完全に止まることは難しい状況です。
劣化が進んだ屋根瓦は早急に修理が必要です。
専門業者に点検を依頼し、適切な修理方法を検討することが重要です。
屋根の状態は住まい全体の安全に影響を与えるため、早めの対応が必要です。

破損した瓦屋根に板金を差し込む作業は雨漏りの原因になりますので止めてください
破損した瓦をコーキングで修理

屋根瓦の修理方法について、以前は欠けた屋根瓦に板金を差し込む方法や亀裂している屋根瓦にコーキングボンドを塗る方法が行われていました。
コーキングボンドを塗ると一時的に雨漏りが抑えられるかもしれませんが、10年ごとの塗り替えを怠るとボンド自体が劣化し、雨漏りの原因となる可能性があります。

割れた屋根瓦に板金を差し込んだとしても、雨水が依然として侵入する可能性があることに注意が必要です。
実際には、板金を差し込むことで雨水の浸入範囲が広がり、雨漏りの箇所が増える可能性も考えられます。
そのため、屋根瓦の修理においては、板金を差し込むだけの簡単な工事ではなく、慎重な対応が必要です。
雨漏りの二次被害を避けるためにも、専門家に相談して適切な修理方法を選択することが重要です。

屋根全体が劣化した状態の瓦でした

屋根の無料点検をご依頼いただいたお客様へ、点検の結果報告をさせていただきました。
お客様もお感じの通り、屋根瓦の劣化が進んでおり、修理の手段としては葺き替え工事しかありませんことをお伝えいたしました。
葺き替え工事に関するお見積書を作成し、後日お時間を作っていただきお渡しに伺います。
屋根の状態を正確に把握し、安心してお住まいいただけるよう、丁寧に対応させていただきます。

一階部分の倉庫がある庇屋根の瓦の葺き替え作業

瓦の撤去工事でもある葺き替え工事を行います

屋根工事のお見積りをいただき、契約を取り交わした後、作業の段取りを行うためにお伺いしました。
今回は一階部分であり、仮設足場の設置が難しいため、仮設足場を設置せずに作業を進めることにしました。
古びた屋根瓦とその下に敷かれていた屋根土を順番に取り外していきました。
破損した屋根瓦や屋根土は、土嚢袋に入れて屋根から降ろしていきました。

劣化した瓦と屋根土などを取ります
たけみのイメージ写真

土嚢袋を使用することで、屋根土などの埃があまりたたなくなります。
昔の屋根のめくり作業では、竹で編んだ大きな塵取り(竹箕【たけみ】)が使われていました。
この竹箕のようなもので、屋栋土を固め取っていきます。
その後、建物敷地ギリギリに運搬トラックをつけて、屋栋の上から荷台に向けて投げ捨てられていました。
そのため、埃が舞いやすい状況もありましたね。

当時の屋根の防水扱いだった杉皮材

杉皮材を押さえていた棒などを取り除きます

屋根の野地板の上に、現在の防水紙の代わりに、杉皮材を屋根全体に敷いていました。
ただ、その杉皮材にはデメリットもあります。
杉の皮材のため、屋根全体に敷くには押さえ棒と呼ばれる固定材を均等に打っていかなければなりません。
また、経年劣化により杉皮材が腐食し細くなると、一枚ずつの隙間が段々と開いてしまいます。

屋根土を使った湿式工法の場合、このようなデメリットがあります。
このような屋根の施工をされている建物で雨漏りが発生した場合、屋根瓦の葺き替え工事しか修繕手段がないのです。
雨漏りの原因として、杉皮材の経年劣化や隙間の問題が挙げられます。
修理の際には、丁寧な作業が必要です。

端から順序良く杉皮材を取り除きます
屋根の野地板の状態にします

屋根の防水の役割をしていた杉皮材と固定押さえていた木材を、順番に取り除く必要があります。
屋根の端側から丁寧に杉皮材を取り外していくことが重要です。
杉皮材を取り剥がすと、屋根の構造部分でもある野地板が露わになります。
野地板は屋根の実質的な下地であり、古くは幅の狭い杉板を隙間を開けて並べて固定していました。

野地板に隙間が開いていました

昔の建物では、プレカットの様なきっちり切断加工ができなかったため、野地板はきちんと取り付けられておらず、意外にも隙間があいている状態で屋根が作られていました。
しかし、今では野地板に合板を貼ることで隙間が少なくなっています。
それでも、隙間だらけの野地板が雨漏りの原因になることもあります。
屋根の中の話なので、こうした作業を行うためには屋根の葺き替え工事が必要です。

新しい野地板合板を重ねて取り付けます
固定釘を打ち込んで完了となります

野地板を掃除する際には、まずほうきなどで軽く掃除を行ってください。
その後、野地板の上に重ねるように、屋根全体に野地板合板を貼っていきます。
貼っていく際には、固定釘を打ち込むための目安として、墨を打っていきます。
この目安寸法は、屋根の構造部分である垂木の位置となります。
屋根の裏側には垂木や母屋が見えることもありますが、しっかりと固定することで屋根全体が強固になりますね。

倉庫上の庇屋根に新しい瓦屋根を取り付ける前準備

防水紙や桟木を取り付けます

瓦屋根の補修工事を行う際には、まず既存の野地板に重ねるように合板を取り付けます。
その上に防水紙(ルーフィング)を丁寧に貼っていきます。
次に、屋根瓦を施工するための桟木を規定の寸法で取り付けていきます。
工事が進んでいったら、必要な枚数の新しい屋根瓦を屋根にあげ越しておきます。
こうして丁寧に作業を進めることで、しっかりとした補修工事が行われ、安心して屋根をご利用いただけます。

軒先の方から瓦を一枚ずつ取り付けます
瓦を屋根全体に施工しました

屋根の上に上げ越した屋根瓦を使いながら、屋根の先端部分でもある軒先部に専用の軒先瓦を取り付けて行き、そのまま屋根全体に屋根瓦を取り付けて行きます。
今回の地域では、そこまで雪も降らなくて尚且つ屋根に積雪するほどの大雪になることも、そこまでないので雪止め屋根材の方は取り付けは致しませんでした。

屋根工事の際には、屋根瓦や軒先瓦の取り付けに注意が必要です。
特に雪の多い地域では雪止め屋根材の取り付けが重要となりますが、今回の地域ではその必要がないことを考慮し、雪止め屋根材は取り付けないことにしました。
安全性を考慮しながら工事を行うことが大切です。

雪止めが一体化した雪止め瓦
屋根の雪止めに雪が止まっています

もしも雪止め屋根材を取り付けることを検討されている場合、その効果やコストについて検討されている方もいるかもしれませんね。
大雪の時には非常に有効な屋根材ですが、毎年の積雪量や地域の降雪状況によっては、必要性が変わってくるかもしれません。
また、雪止め屋根材の取り付けには一定の費用がかかるため、ランニングコストも考慮する必要があります。

一方で、今回の依頼主様の所では、一階庇屋根部付近に雪がたまることで被害が発生する可能性が低いとのことで、雪止め屋根材の取り付けを見送ったということですね。
そのような場合は、必要のない費用をかけることなく、適切な判断をされたと言えるでしょう。
安全面やコスト面を考慮した上で、最適な選択をすることが重要ですね。

瓦屋根を施工した後の作業

雨樋を瓦から飛び出させた針金線で縛って固定します

二階屋根から流れてくる雨水を一階の屋根の雨樋に受け渡すための竪樋部分は、しっかりと固定する必要があります。
そのため、屋根瓦の奥の方から出てきた針金で縛って固定していく作業を行いました。
これにより、外れたり飛ばされたりすることを防ぐことができます。
安心してご利用いただけるよう、しっかりと固定しております。

屋根の端側の瓦をビスなどで打ち込んで固定します
壁際周辺の瓦しっくいも塗っておきます

屋根瓦一枚ずつには、固定の釘を打ち込んでいますが、屋根全体のズレ防止に固定ビスを打って行います。
具体的には、屋根の先端部分である軒先瓦や屋根の両端であるケラバ袖瓦に、固定のビスを打ち込んでいきます。
これによって、屋根瓦のズレを防止することができます。
さらに、壁際部にも屋根漆喰を塗り、雨水が流れ込まないように防水処理を施していきます。

掃除などを行い完了
電動の掃除道具ブロワー

屋根葺き替え工事が完了するまでの流れは、屋根から使った道具や工具、余剰材料を片付け、ブロワーで吹き掃除を行います。
そして、工事が完了したことを依頼主様にお伝えし、作業中に撮影した写真を使って工事の内容を説明します。
依頼主様も、古くなった屋根が新しくなり、喜んでいました。
新しい屋根で快適な暮らしを送れることを願っています。

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