writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
「塗装業者が瓦を割った?」軽量化の代償である脆い平板瓦の悲劇
「外壁塗装が終わったのはいいけれど、屋根の瓦が何枚も割れているみたいで……」
東浦町にお住まいのお客様から、ご不安でいっぱいの声でご相談をいただきました。
外装工事などで屋根に足場を組んだり、作業員が歩いたりした際に瓦が割れてしまうトラブルは少なくありません。
しかし、今回の原因は単なる「作業員の不注意」だけではありませんでした。
お客様の屋根に使用されていたのは、数十年前の「瓦の軽量化ブーム」の際に極限まで薄く作られた『F形平板瓦』。
業界内でも「人が乗っただけでパカッと割れるほど脆い」と有名な、いわくつきの屋根材だったのです。
本記事では、この非常にデリケートな廃盤瓦の広範囲な破損という絶望的な状況から、信頼できる代替品を探し出し、干渉する隅棟(すみむね)や室外機下まで完璧に差し替えて雨漏りを防いだ、誠実な修繕プロセスのすべてを詳しく解説いたします。
【重要】ご相談のきっかけ・工事の背景
今回の工事のきっかけは、東浦町にお住まいのお客様からいただいた「外装工事中に屋根瓦が割れてしまったようだ」というご相談でした。
実際に屋根に登って点検を行ったところ、そこには想像以上に広範囲な破損が広がっていました。
特に注目すべきは、使用されていたのが数十年前に流行した「軽量化されたF形瓦」であった点です。
当時のメーカーは既に倒産しており、この瓦は業界内では非常に脆いことで知られていました。
塗装作業時の足場設置や、作業員が歩いた際の僅かな重みでもパカッと割れてしまうほどデリケートな状態だったのです。
お客様は「見た目には分からなかったけれど、こんなに割れていたなんて……」と非常に驚かれていました。
しかし、このまま放置すれば雨漏りは時間の問題です。
エアコン室外機の下や軒先など、死角となっていた箇所の損傷もすべて写真に収め、現状をありのままにお伝えしました。
瓦メーカーが倒産して存在しないため全く同じ瓦は手に入りませんが、サイズが合う代替品をご提案。
お住まいを雨から守り抜くため、根本的な差し替え補修を行うことになりました。
今回の現場の特殊事情とプロの解決策
- 1. 「塗装業者が瓦を割った?」軽量化の代償である脆い平板瓦の悲劇
- 1.1.1. 【重要】ご相談のきっかけ・工事の背景
- 2. 今回の現場の特殊事情とプロの解決策
- 3. 初動調査とプロの原因究明
- 4. 実際の施工の流れとこだわりの現場管理
- 4.1.1. 鋭利で危険な割れ瓦の撤去と代替瓦の正確なフィッティング
- 4.1.2. 緩勾配の弱点を克服する「コーキングボンド接着」
- 4.1.3. 難易度の高い「隅棟」と「室外機下」の干渉瓦の解体・復旧
- 4.1.4. 新しい南蛮モルタルでの漆喰補修と、天窓の的確な応急処置
- 5. 施工完了!お客様の喜びの声
- 5.1.1. 作業のビフォーアフター
- 6. 今回の作業内容の要点まとめと施工費用と工期の目安
- 6.1.1. 💡 今回の作業内容の要点まとめ
- 6.1.2. 施工費用と工期の目安
- 7. FAQ(工事に関するよくある質問)
- 7.1.1. 地域密着100年の実績!同じエリアのリフォーム施工事例!
初動調査とプロの原因究明


「瓦が割れているから見てほしい」とのSOSを受け、東浦町の現場へ急行しました。
屋根に上がってみると、そこには目を疑うような光景が広がっていました。
平場はもちろん、エアコンの室外機の下や、屋根の斜めのラインを構成する「隅棟」、そして足場を解体した跡と思われる「軒先」に至るまで、至る所の平板瓦(F形瓦)に深刻な亀裂が入っていたのです。
割れた箇所には、お客様ご自身や塗装業者が貼ったと思われる「防水テープ」や「コーキング」で応急処置がされていました。
しかし、割れた瓦の断面はガラスのように鋭利で、素人が屋根の上で作業するのは滑落や大怪我に繋がる非常に危険な行為です。
また、表面をテープで塞いでも、内部に侵入した水は防ぎきれません。
私たちヤマムラ建装では、創業100年の経験から、この薄型F形瓦が「いかに割れやすいか」を熟知しており、過去に営業マンから提案されても耐久性を懸念して一切取り扱ってきませんでした。
その脆さが、今回の外装工事をきっかけに一気に露呈してしまった形です。
お客様に、この瓦の時代背景や業界の裏事情、そしてメーカーが倒産しており同じ瓦がない事実を正直にお伝えしました。
その上で、「サイズが合う代替の瓦」を探し出し、根本的な差し替え交換を行う安全な修理プランをご提案し、ご納得いただいて工事をスタートすることになりました。
実際の施工の流れとこだわりの現場管理

鋭利で危険な割れ瓦の撤去と代替瓦の正確なフィッティング

工事は、防水テープで一時しのぎされていた無数の割れ瓦を撤去する作業から始まります。
薄く割れやすい瓦は、取り外す際にも破片が飛び散りやすく、断面が刃物のように鋭利になっているため、周辺の正常な瓦を傷つけないよう慎重に抜き取っていきます。
撤去した箇所には、事前に探し出しておいた「代替の平板瓦」を差し込んでいきます。
表面の意匠(デザイン)こそ元の瓦とは少し異なりますが、縦横の寸法は完璧に一致する同等品です。
サイズが合うため、既存の瓦との間に不自然な隙間が生じることなく、パズルのように綺麗に収めることができました。
緩勾配の弱点を克服する「コーキングボンド接着」


このお宅の屋根は、勾配が約3寸(約16度)と比較的緩やかな造りでした。
勾配が緩いと、大雨や強風の際に雨水が瓦の表面を伝って上に逆流し、重なり部分から内部へ侵入しやすくなるという弱点があります。
そこで、新しい瓦を差し込む際、ただ置くのではなく、瓦と瓦が重なり合う接触面に専用の「コーキングボンド」をたっぷりと塗布しました。
これにより、瓦同士が強力に接着されて隙間が完全に塞がり、雨水の逆流をシャットアウトします。
見えない部分のひと手間が、雨漏りしない強い屋根を作るのです。
難易度の高い「隅棟」と「室外機下」の干渉瓦の解体・復旧


平場の瓦は比較的差し替えやすいですが、最も技術を要するのが「隅棟(すみむね)」周辺の差し替えです。
割れた平瓦の上に棟瓦や漆喰が重なって干渉しているため、そのままでは抜けません。
まずは干渉している隅棟の瓦と古い漆喰を一時的に解体。
平瓦を差し替えた後、再び正確に棟を組み直すという高度な作業を行いました。
また、一階屋根に乗っていたエアコンの室外機の下にも割れた瓦がありました。
これは新築時の設置段階から負担がかかって割れていた可能性が高いです。
室外機を専用の木材で少しだけ浮かせ、その僅かな隙間から割れた瓦を抜き取り、新しい瓦を滑り込ませて安全に復旧しました。
新しい南蛮モルタルでの漆喰補修と、天窓の的確な応急処置


隅棟を復旧する際、剥がした古い漆喰の代わりに、防水性と耐久性に優れた黒色の「南蛮モルタル」を新しく塗り込みました。
「古い部分は白いのに、新しく塗ったところが黒いと目立つのでは?」とご心配されるかもしれませんが、古い漆喰も元々は黒色で、長年の風雨で色が抜けて白くなったものです。
新しく塗った漆喰も、数年かけて徐々に周囲と馴染む白っぽい色へと変化していきます。最後に棟冠瓦をビス釘で強固に固定しました。
また、点検時に天窓(トップライト)の「水下スカート」に劣化による穴が開いているのを発見しました。
お客様からは「将来的には天窓自体を撤去するかもしれない」と伺っていたため、今回は大掛かりな交換は避け、コーキング材で穴を塞ぐ的確な応急処置にとどめ、費用負担を抑えた誠実な対応で工事を完了しました。
施工完了!お客様の喜びの声
作業のビフォーアフター



「外壁塗装の後に瓦が割れていると分かった時は、費用がいくらかかるか本当に不安でした。
でも、ヤマムラさんが瓦の脆い性質や、倒産して同じ瓦がない理由などを正直に分かりやすく説明してくれたので納得できました。
価格も適正で、約束通りの期間できれいに直していただき、大満足です!」

「ありがとうございます!
とてもデリケートな瓦でしたが、代替品を使ってコーキングでしっかり接着固定しましたので、もう雨水が逆流する心配はありません。
室外機の下や天窓の応急処置もバッチリです。
これからも安心してお過ごしくださいね!」
今回の作業内容の要点まとめと施工費用と工期の目安
💡 今回の作業内容の要点まとめ
- 他業者の歩行によって広範囲に割れた、耐久性の低い廃盤品「F形平板瓦」の損傷を特定。
- メーカー倒産により同じ瓦がない中、寸法がピタリと合う代替瓦を用意し、美しく正確に差し替え。
- 緩勾配による雨水の逆流を防ぐため、瓦の重なり部分にコーキングボンドを塗布して徹底接着。
- 隅棟の一時解体や室外機下の交換など、高度な技術で難所をクリアし、天窓の穴もお客様の将来を見据えて応急処置。
施工費用と工期の目安
| 項目 | 詳細情報 |
|---|---|
| 📍 工事場所 | 愛知県東浦町 |
| 🏡 建物種別 | 木造戸建て(洋風平板瓦屋根) |
| ⏳ 築年数 | 築20年以上 |
| 🎯 施工箇所 | 屋根瓦全般(平場、隅棟周辺、室外機下、軒先)、天窓水切り部 |
| ⚠️ 発生状況(原因) | 軽量化により脆いF形瓦の特性、他業者の歩行や足場解体時の衝撃による広範囲な瓦の破損 |
| 📞 お問い合わせの経緯 | HPより(瓦が割れており、点検や修繕の費用に不安を感じてお問い合わせ) |
| 🛠️ 施工内容 | 割れ瓦の撤去、代替平板瓦の差し替え、コーキング接着固定、隅棟の一時解体と漆喰(南蛮モルタル)補修、天窓応急処置 |
| 🧱 使用部材 | 代替平板瓦、南蛮モルタル(黒色)、屋根用コーキングボンド、ビス釘 |
| 📅 施工日数 | 実働約3日間ほど |
| 💴 施工価格 | 約15万円ほど |
今回は愛知県東浦町での、他業者の歩行によって割れてしまった廃盤F形平板瓦の差し替え修理事例をご紹介しました。
「屋根の瓦はどれも同じように丈夫」と思われがちですが、製造された時代やメーカーによっては、今回のように人が乗っただけで簡単に割れてしまう非常にデリケートな屋根材が存在します。
外壁塗装やアンテナ工事の後に「なんだか屋根がおかしい」と感じたら、ご自身で登らずに、必ず屋根に精通した専門家にご相談ください。
ヤマムラ建装では、業界の裏事情や建材の歴史も熟知しており、お客様の屋根の本当の状態を隠さずにお伝えします。
倒産して手に入らない瓦でも、代替品を探し出し、現状の予算とライフプランに最も合った誠実な修理をご提案いたします。
相見積もりも大歓迎ですので、屋根の破損や雨漏りの不安がございましたら、ぜひお気軽に無料点検をご利用ください!
FAQ(工事に関するよくある質問)
F形瓦(平板瓦)はすべて割れやすいのですか?
いいえ、そうではありません。数十年前に特定のメーカーが軽量化のために厚みを極限まで薄くした製品があり、それらが非常に脆いことが問題となっています。現在のF形瓦は耐久性が改善されており、安心してご使用いただけます。
屋根瓦が数枚割れているだけなら放置しても大丈夫ですか?
大変危険です。1枚の割れから雨水が侵入し、下地の防水シートを傷め、木材を腐食させます。気づいた時には手遅れで、大規模なリフォームが必要になるケースも多いため、早めの差し替えをおすすめします。
メーカーが倒産していても修理は可能ですか?
はい、可能です。今回のように、寸法が完全に一致する代替品を選定することで、屋根の機能を完全に回復させることができます。形状やサイズを見極めるには、現場での正確な計測が不可欠です。
地域密着100年の実績!同じエリアのリフォーム施工事例!

名古屋市南区を中心に、屋根工事・雨漏り修理・リフォームなら、創業100年以上の実績を持つ当社へ!名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
明治末期創業からの技術を受け継ぎ、地元で5,000件以上の施工実績を誇る「住まいの専門家」です。

【主な対応業務】
屋根工事: 葺き替え、漆喰補修、雨漏り修理(かわらぶき技能士)
外装工事: 外壁塗装、ベランダ・屋根防水、雨樋工事、電気工事
その他の業務も(大工工事、キッチン、トイレ、浴室リフォーム等)一度ご相談してください。

お問い合わせ
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