【葺き替え工事】名古屋市中川区 屋根葺き替えが完工!棟瓦の最終仕上げと大棟部耐震補強施工!法改正前のリフォーム注意点

棟の最終仕上げから足場解体へ!築100年屋根葺き替え完工レポートと2025年法改正の注意点

工事のきっかけ

今回の名古屋市中川区の屋根リフォームは、「天井から雨が漏れてきた」というお客様の切実なご相談から始まりました。
現地調査に伺ったのは、なんと築100年以上の歴史あるお住まいです。

目視点検を行ったところ、いぶし瓦のズレやヒビ割れ、屋根土の劣化が全体に進行していることが判明しました。
特に、瓦の下に敷かれていた古い防水材(杉皮)の隙間が雨漏りの根本原因である可能性が高いと診断しました。
長年の経年劣化により、屋根そのものの耐震性も懸念される状態でした。

お客様は、今後も安心して長く住み続けたいとのご意向から、部分修理ではなく根本解決となる葺き替え工事をご決断されました。
この際、立派な鬼瓦は「家の顔として再利用したい」という強いご要望をいただき、強度に問題がないと判断し、お応えすることに。

一方で、役目を終えた「ガラス瓦(明かり取り)」は雨漏りリスク低減のため撤去することとなりました。
工事は、安全のための足場設置から始まり、重たい瓦と土の撤去、耐震性を高める野地板の増し張り、そして防水性を確保するルーフィングの施工へと進みました。
そして迎えた今回の棟の積み上げと完工。お客様の想いと職人の技術が結実した、美しく強靭な屋根が完成しました。

築年数 ・・・ 築100年以上

工事費用・・・ 約400万円ほど

施工期間・・・ 約1カ月ほど

建物種別・・・ 戸建て(木造)

ビフォーアフター

01.名古屋市中川区 屋根葺き替え 築年数が経過した屋根の点検。

02.名古屋市中川区 屋根葺き替え 葺き替え後の屋根。

目次

長期間にわたった築100年の屋根リフォーム工事も、いよいよ完工です。
今回は屋根の品格と強度を決める棟瓦の積み上げ仕上げから、足場解体の瞬間までをお届けします。
職人の技術が凝縮された美しい棟の通りと、強力棟金具による耐震補強は必見です。

また、これからリフォームをご検討中の皆様へ、2025年4月に施行される法改正が屋根に与える影響と、施工前に知っておくべき注意点についても施工者が詳しく解説します。

【雨漏り調査】なぜ現地確認が必要?正確な見積もりを作るための「目視点検」と敷地チェック

02.名古屋市中川区 屋根葺き替え 雨漏りした建物の点検調査を行います。

先日、雨漏りのご相談をいただいたお客様のご在宅時間に合わせて、現地調査へ伺いました。
お電話で概算をお伝えすることもできますが、より正確で無駄のないお見積りを作成するためには、やはり私たち施工者が直接現地へ赴き、建物の寸法や現状をこの目で確認させていただくことが不可欠です。

お客様へ元気よくご挨拶を済ませた後、まずは建物全体目視調査からスタートします。
築年数に対してどの程度劣化が進んでいるのか、既存の屋根材の種類や傷み具合はどうなっているのか。
一つひとつ丁寧に状態を診断していきます。

また、屋根そのものだけでなく、工事を行う際に必須となる仮設足場を設置するスペースがあるか、敷地周辺の状況確認も重要なポイントです。
搬入ルートや近隣との距離を事前に把握することで、トラブルのないスムーズな工事計画を立てることができます。
良い工事は、しっかりとした調査から。
職人さんによる無料診断を、ぜひお気軽にご利用ください。

「軒先」の波打ちは危険?築年数による瓦のズレと大棟の診断

03.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根の先端の瓦も並びがズレています。
05.名古屋市中川区 屋根葺き替え 古い棟瓦で積んだ大棟ですが通りは比較的に正常です。

屋根の目視調査を行う際、私たち施工者が真っ先にチェックするのは、屋根の最先端にある「軒先瓦(のきさきがわら)」の状態です。
ここは屋根の中でも特に負担がかかりやすい場所です。
築年数が経過したお住まいでは、経年劣化により瓦が前に押し出されてきたり、横のラインが波打つようなズレが生じていたりするケースが多々見られます。
これは、瓦を留める力が弱まっている危険なサインです。

続いて、屋根全体のバランスと、頂上にある「大棟部(陸棟)」の通り(ライン)を確認します。
かなり古い建物の場合、長い時間をかけて屋根の構造自体が歪み、それに合わせて棟も蛇行してしまっていることがよくあります。
しかし、今回の現場に関しては、大棟部の通りが比較的真っ直ぐで、構造的な歪みが少ない良好な状態であることが分かりました。

一見ただの瓦の並びに見えても、そこには建物の歴史と健康状態が表れています。
職人さんの確かな目で、お住まいの現状を正しく診断いたしますので、ご不安な方はぜひご相談ください。

立派な「鬼瓦」は再利用できる?不要になった「ガラス瓦」の判断事例

06.名古屋市中川区 屋根葺き替え 鬼瓦はお客様のご要望で残すことになります。
04.名古屋市中川区 屋根葺き替え ガラス窓が瓦屋根の途中に施工されていました。

現地調査の際、お客様より「家の顔である立派な鬼瓦は、新しい屋根でもそのまま使ってほしい」という強いご要望をいただきました。
さっそく私たち施工者が目視で確認したところ、年数なりの汚れは見受けられましたが、致命的な破損はなく、強度もしっかりしていました。
これなら、次回の工事でも問題なく再利用できると判断いたしました。

一方で、屋根の一部には昔ながらの「ガラス瓦(明かり取り)」が設置されていました。
かつては屋根裏部屋を照らす役目がありましたが、過去の室内リフォームですでに天井が塞がれており、現在は光が届かない状態でした。

お客様にご確認したところ、「屋根裏に入ることもないため不要」とのご判断をいただきましたので、今回の工事で通常の丈夫な瓦へ交換し、雨漏りリスクを減らす提案をいたしました。

「思い出の品は残し、役目を終えた設備は見直す」。
職人さんの確かな目利きで、今の暮らしに最適な屋根プランをご提案します。

急勾配の屋根は要注意!和瓦の「ズレ」と吸水リスクを現地調査

08.名古屋市中川区 屋根葺き替え 古いこともあったが瓦のズレがありました。
09.名古屋市中川区 屋根葺き替え 施工当時の瓦はまだ精度が高くありませんでした。

今回は脚立を使って、屋根の軒先付近へアプローチを試みました。
しかし、本来であれば仮設足場の設置が必須となるほどの急勾配な屋根でしたので、安全を考慮し、脚立から確認できる範囲での点検調査を行いました。

範囲は限定的でしたが、それでも和瓦の並び(通り)には、十分すぎるほどの大きな「ズレ」が生じているのが確認できました。
これほど瓦が動いてしまう原因は、瓦を固定していた土や漆喰の接着力が失われているためです。
このズレによって生じた隙間は、雨水の格好の侵入経路となります。

さらに深刻なのは、瓦自体の耐久年数が経過し、表面の防水機能が低下している可能性です。
瓦が雨水を弾かずに吸い込んでしまうと、雨漏りのリスクは格段に跳ね上がります。

高い屋根の異変は、下からではなかなか気づけません。
少しでも不安を感じたら、無理をせず私たち職人さん施工者)による診断をご利用ください。

ヒビ割れや劣化は危険信号!部分修理ではなく「葺き替え工事」を提案した理由

10.名古屋市中川区 屋根葺き替え 経年劣化から瓦表面に亀裂が入っていました。
11.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根全体の寸法取りを行っていきます。

屋根の点検調査を進めていくと、自体に多数のヒビ割れや破損が見られ、素材そのものが限界を迎えている劣化状態であることが確認できました。

ここまで全体的に傷んでいる場合、雨漏りしている箇所だけを一時的に修繕工事で直しても、すぐに別の場所から新たな雨漏りが発生する「いたちごっこ」になる可能性が非常に高いです。
そのため今回は、長期的なコストと安心を考え、屋根を根本から新しくする葺き替え工事が最適であると判断いたしました。

正確な見積もりを作成するため、その場で屋根の寸法を隅々まで測定。
その後、撮影した写真をお見せしながら、通りのズレや劣化具合について、お客様へ丁寧にご説明させていただきました。

足場は「最初」が命!失敗できない土台設置と職人のこだわり

02.名古屋市中川区 屋根葺き替え 足場を組み立てで運搬車より材料を降ろします。
04.名古屋市中川区 屋根葺き替え 親方さんが足場の基準を考え設置します。

いよいよ屋根リフォームのスタートです。
高所作業における作業者の安全対策として欠かせない、仮設足場の設置作業からご紹介します。

まずはトラックから、今回使用する大量の足場材料を降ろし、手際よく準備を整えていきます。

足場の組み立てにおいて、最も重要で神経を使うのが「最初の土台(基準)」となる部分の設置です。
実は、この一段目の精度が足場全体の出来栄えを決定づけます。

もしここで位置や水平を適当に決めてしまうと、上へ積み上げた際に大きな歪みが生じ、最悪の場合は部材が繋がらず、すべて全解体して一からやり直しという事態にもなりかねません。

そのため、私たち施工者はこの最初の工程に一切の妥協を許しません。
正確な土台があってこそ、安全でスムーズな工事が可能になります。
見えない基礎部分にこそ全力を注ぐ、職人さんの確かな技術にご期待ください。

屋根工事の効率を変える「昇降階段」とは?狭小地での対応も解説

07.名古屋市中川区 屋根葺き替え 足場を上に組み上げていきます。
08.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根に登るための昇降階段を設置します。

しっかりとした土台が完成したら、いよいよ仮設足場を上へ上へと組み上げていきます。
屋根軒先よりも高い位置までしっかりと囲い込み、最後に設置するのが「昇降階段」です。

私たち施工者は、可能な限りこの階段を設置することを基本としています。
なぜなら、ハシゴやジャングルジムのようによじ登るのではなく、階段があることで、作業員作業道具や材料を両手に持ったままでも、安全かつスムーズに屋根の上まで移動できるからです。
これが結果として、工事のスピードと品質向上につながります。

ただし、敷地面積が狭かったり、外壁と道路の幅に余裕がなかったりする場合は、物理的に階段が設置できないケースも稀にあります。
そのような場合でも、現場の状況に合わせて最適な昇降ルートを確保します。
どんな現場でも安全第一で環境を整える、職人さんの柔軟な対応力にお任せください。

安全対策の仕上げ!「養生シート」の役割と屋根工事に合わせた設置の工夫

10.名古屋市中川区 屋根葺き替え 設置した足場の上段部分に養生シートを貼ります。
11.名古屋市中川区 屋根葺き替え 養生シートを固定して足場作業の完了です。

仮設足場の骨組みが完成したら、最後に重要な仕上げ作業を行います。
それが、「養生シート(メッシュシート)」の設置です。
足場の周りにこのシートをしっかりと縛り付けることで、工事現場は外の世界と区切られ、いよいよ施工の準備が整います。

一般的に、このシートは塗料や埃の飛散を防ぐために使われますが、屋根のリフォーム工事においては、高所からの材料や工具の「落下防止」という極めて重要な役割も担っています。

今回の現場は、お客様の敷地が非常に広く、隣家との距離も十分に確保されていました。
そのため、建物全体を画一的に覆うのではなく、作業の中心となる屋根の上部(高所部分)を重点的にガードする形でシートを貼りました。

現場の環境や工事内容に合わせて、過不足なく最適な安全対策を講じること。
これも経験豊富な職人さん施工者)ならではの判断です。

【屋根葺き替え】古い瓦はどうなる?「瓦めくり」の手順とスムーズな撤去搬出

05.名古屋市中川区 葺き替え 瓦屋根を一枚ずつ取り剥がしていきます。.JPG
06.名古屋市中川区 屋根葺き替え 取り剥がした瓦を屋根から降ろしておきます。

足場の設置が完了し、いよいよ本格的な屋根リフォームのスタートです。
最初に行うのは、既存の古いを一枚ずつ取り外していく「瓦めくり(解体・撤去)」の工程です。

解体と言っても、ただ闇雲に壊すわけではありません。
私たち施工者は、を一列ずつ手作業で丁寧にめくり、その場で種類ごとに重ねていきます。

瓦を剥がすと、下から昔の工法で使われていた屋根土がむき出しになりますが、その土の上に一時的に廃材を仮置きすることで、足場を確保しつつ、屋根の上を散らかさずに作業を進めることができます。

そして、ある程度の量がまとまった段階で、地上で待機している処分場への配送用トラックへと手際よく運び出し、積み込んでいきます。
この「めくり」から「搬出」までの流れをスムーズに行うことが、現場を常に綺麗に保ち、工期を遅らせないための秘訣です。
体力勝負の重労働ですが、新しい屋根を迎えるための大切な準備。
経験豊富な職人さんが安全第一で進めてまいります。

埃まみれにはさせません!昔とは違う「屋根土」の撤去と近隣への配慮

07.名古屋市中川区 屋根葺き替え 瓦を接着させる屋根土がかなり風化しています。
08.名古屋市中川区 屋根葺き替え 風化した屋根土を土嚢袋に積んで屋根から降ろします。

瓦を撤去した後に現れるのが、大量の土です。
これは「屋根土(やねつち)」と呼ばれ、昔の日本家屋では瓦と屋根を密着させる接着剤のような重要な役割を果たしていました。
今回の葺き替え工事では、役目を終えたこの土もすべて綺麗に取り除いていきます。

ここで私たち施工者が最も気を使うのが、作業に伴う「(ほこり)」の飛散対策です。
実は数十年前までの現場では、剥がした土を「竹箕(たけみ)」という道具に乗せ、そのまま屋根の上から下のトラックへ豪快に投げ降ろす方法が一般的でした。
しかし、そのやり方では周囲に凄まじい砂煙が舞い上がり、ご近隣の洗濯物を汚すなど、多大なご迷惑をおかけしてしまいます。

そのため現在では、屋根の上で土を丁寧に「土嚢袋(どのうぶくろ)」に詰め込み、袋ごと密閉して静かに運び出す方法を徹底しています。
昔に比べて手間と時間はかかりますが、周囲の環境を守り、お客様に余計な気遣いをさせないための大切なルールです。
マナーと清潔さを大切にする職人さんの仕事に、どうぞ安心してお任せください。

何度直しても再発する理由…犯人は昔の防水材「杉皮」の隙間でした

09.名古屋市中川区 屋根葺き替え 昔の屋根の防水紙扱いだった劣化した杉皮。
10.名古屋市中川区 屋根葺き替え 劣化した杉皮をすべて取り剥がしていきます。

屋根土を取り除いた後、昔の防水紙の役割をしていた「杉皮材(すぎかわ)」も全て剥がしていきます。
新築当時は隙間なく施工され、高い防水性を誇っていましたが、長い年月による経年劣化で杉皮自体が痩せてしまい、現在では所々に隙間が開いてしまっているのが現状です。

実は、古い日本家屋で「瓦を差し替える修繕工事を何度しても雨漏りが止まらない」というケースの多くは、瓦ではなく、この下地にある杉皮材隙間が根本的な原因です。
瓦の隙間から浸入した雨水が、劣化して穴だらけになった下地を通り抜けてしまうため、表面だけを直しても水は別の隙間から入り込み、雨漏りが再発してしまうのです。

だからこそ、私たち施工者は、古い下地を徹底的に撤去し、現代の確実な防水環境へと作り変える根本解決をお勧めしています。
原因不明の雨漏りにお悩みの方は、古民家の構造を熟知した職人さんへぜひご相談ください。

【屋根の耐震化】ただの板じゃない?厚さ12mmの「野地板合板」で叶える屋根の補強工事

03.名古屋市中川区 屋根葺き替え 前日までの瓦めくり工事した屋根の状態。
04.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根の補強で新しく野地板合板を貼ります。

古くなった瓦と土を全て撤去し、瓦めくりの作業が無事に完了しました。
ここですぐに次の工程へ…といきたいところですが、私たち施工者はまず、長年の埃やチリを完全に取り除くため、屋根全体の掃除を徹底して行います。
何事も「きれいな下地」があってこそ、良い仕事ができるからです。

清掃が終わり、さっぱりとした屋根の上から、新しい「野地板合板(のじいたごうはん)」を隙間なく張り合わせていきます。
今回使用するのは、厚さ12ミリという非常に分厚く頑丈な構造用合板です。
これを屋根全体に取り付けることで、単なる新しい瓦の下地としてだけでなく、建物全体の歪みを抑え、剛性を高める強力な補強材としての役割も果たします。

地震や台風に強い屋根は、表面の瓦だけでなく、こうした見えない下地から作られます。
家を骨組みからガッチリと固める、職人さんによる安心の補強工事
これで新しい瓦を迎える準備は万端です。

強風に負けない「増し打ち」固定と、雨漏りを防ぐ「ルーフィング」の正しい貼り方

05.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根に貼った野地板合板に釘打ち機で増し打ちします。
07.名古屋市中川区 屋根葺き替え 野地板合板に重ねてルーフィングを貼ります。

新しい野地板合板の配置が決まったら、ここからが強度の見せ所です。
私たち施工者は、屋根を支える骨組みである「垂木(たるき)」の位置を正確に狙い、強力な釘打ち機を使って、通常よりも釘の数を増やす「増し打ち」作業を行います。

構造体である垂木まで深く釘を効かせることで、合板と建物がガッチリと一体化します。
これにより、台風などの強風で相当な力が加わっても、決して剥がれることのない強靭な屋根下地が完成するのです。

下地の固定が終わると、次は防水の要となる防水紙、「ルーフィング」の施工に移ります。
貼る順番には絶対のルールがあります。
雨水は上から下へと流れるため、必ず屋根の一番下である軒先部からスタートし、頂上の陸棟部に向かって、階段状に重ねながら貼り進めていきます。

この「下から上へ」の手順を守ることで、継ぎ目からの浸水を防ぐ確実な防水層が出来上がります。
見えなくなる下地こそ、職人さんの技術と知識が詰まっています。

波打つ軒先を真っ直ぐに!「ルーフィング」と「軒板」で整える下地造り

09.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根の先端から頂点までルーフィングを貼ります。
10.名古屋市中川区 屋根葺き替え 新しく軒板を貼りつ通りを正しく戻します。

野地板合板での補強が終わったら、次は防水の要であるルーフィング(防水シート)を貼っていきます。
ポイントは「重ね代」です。
下から上へとシートを一定幅で重ね合わせることで、雨水の侵入を許さない正しい施工方法を徹底します。

続いて、屋根の先端である軒先部に「軒板(破風板)」を取り付ける作業です。
実は、築年数が経過したお住まいは、屋根の骨組みである垂木経年劣化で波打ってしまっていることが多くあります。
そのままでは新しい瓦もガタガタに並んでしまいます。

そこで私たち施工者は、新しい軒板を定規のように真っ直ぐに取り付けることで、下地の歪みを強制的に補正します。
このひと手間を加えることで、仕上げの軒先瓦がビシッと一直線に並び、美しく雨に強い屋根が完成するのです。
見えない歪みまで直す、職人さんの細やかな技術にご注目ください。

地震に強い屋根の秘密!「衣摺(きずり)」と「桟木」が支える安全構造

11.名古屋市中川区 屋根葺き替え 垂木に沿って目印の衣摺を取り付けます。
12.名古屋市中川区 屋根葺き替え 瓦を施工するための桟木を取り付けます。

防水シートであるルーフィングを貼り終えたら、次は屋根の骨組みである垂木(たるき)の位置に合わせて、「衣摺(きずり)」と呼ばれる木材を打ち込んでいきます。
これはシートを固定すると同時に、頑丈な骨組みの位置を可視化する大切な工程です。

その上から、新しいを引っ掛けるための横木、「桟木(さんぎ)」を正確な寸法(ピッチ)で水平に取り付けていきます。
この桟木こそが、瓦屋根の強度を決める最重要パーツです。
新しいは、裏面にある「爪」をこの桟木にガッチリと引っ掛け、さらに釘穴から桟木に向けて釘を打ち込み、二重に固定します。

ただ載せるだけだった昔の工法とは異なり、建物と瓦を一体化させるこの構造なら、地震や台風でもズレ落ちる心配はありません。
見えなくなる下地の寸法管理こそ、職人さんの腕の見せ所。私たち施工者のこだわりの施工にご安心ください。

効率アップの秘訣!「瓦の上げ越し」と運搬用ハシゴの活用術

02.名古屋市中川区 屋根葺き替え 新しい瓦を屋根に上げ越して置きます。
08.名古屋市中川区 屋根葺き替え 使用する枚数位の瓦を屋根に上げ越します。

頑丈な下地が完成したら、いよいよ新しい屋根の上へと運び上げる「荷揚げ」の工程です。
私たちは、昇降用のハシゴ(荷揚げ機)を設置し、その真横にを満載したトラックをピタリと横付けします。
こうすることで、地上から屋根上へ、最短距離でスムーズに材料を送り込むことができます。

この時、ただ漫然と運ぶのではありません。実際にを葺く(施工する)位置を計算し、必要な枚数をあらかじめ屋根の上に分散して配置しておきます。
これを専門用語で「上げ越し(あげごし)」と呼びます。

職人さんが作業する際、手元のすぐ近くに材料がある状態を作ることで、無駄な動きがなくなり、施工のスピードと精度が格段に向上するのです。
「段取り八分」と言いますが、スムーズな工事はこうした準備で決まります。

屋根の顔を決める「万十軒瓦」とは?爪と釘で守る強固な固定技術

04.名古屋市中川区 屋根葺き替え 軒先瓦には釘二本打ちで固定します。
02.名古屋市中川区 屋根葺き替え 新しい瓦を屋根先端に一列に並べます。

いよいよいぶし瓦の本格的な施工に入ります。 現代の瓦工事は、単に瓦を載せるだけではありません。
あらかじめ屋根に固定した桟木(さんぎ)に、瓦の裏にある「爪」をガッチリと引っ掛け、さらに釘穴固定用の釘を打ち込むことで、地震や強風に負けない強固な屋根を作り上げます。

作業は、屋根の最下部である軒先部から始まります。
切妻屋根の顔とも言えるこの場所には、専用の軒先瓦を一列ずつ横に流れるように取り付けていきます。
軒先瓦には家紋入りや草花柄など様々な意匠がありますが、今回は伝統的で親しみやすい丸みを帯びたデザインの「万十軒瓦(まんじゅうのきがわら)」を採用しました。

この最初の一列をビシッと真っ直ぐに通すことが、屋根全体の仕上がりの美しさを決定づけます。
機能美を追求する、職人さんの技術が光るこだわりの瓦葺きにご注目ください。

【台風に強い屋根】端っここそ重要!「ケラバ袖瓦」のビス固定と施工のポイント

06.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根の右端ケラバ袖瓦を取り付けます。
07.名古屋市中川区 屋根葺き替え ケラバ袖瓦を取り付けビスで固定打ちします。

軒先の次は、屋根の右端にあたる「ケラバ袖部」の施工に移ります。
風の抵抗を最も受けやすいこの場所には、専用の「ケラバ袖瓦(大袖瓦)」を使用します。
手順としては、水の流れに逆らわないよう、下の軒先部から頂点の陸棟部に向かって、一枚ずつ階段を登るように丁寧に取り付けていきます。

そして、ここからが強度の要です。
並べた瓦の表面にドリルで穴を開け、側面のケラバ袖破風板(はふいた)に向けて、長いビス釘を打ち込みガッチリと固定していきます。

ただ瓦を載せるだけでなく、建物本体と瓦をネジで一体化させることで、安定性が飛躍的に高まります。
台風などの強風でもめくれ上がらない強い屋根作りは、こうした細部の手間を惜しまない職人さん施工者)の確かな技術に支えられています。

屋根の端が一番危ない?瓦の「落下」を防ぐビス釘固定の重要性

11.名古屋市中川区 屋根葺き替え ケラバ袖瓦を一枚ずつ釘で打ち込み固定します。
12.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根の左端にも専用のケラバ瓦を取り付けます。

右側に続き、左側のケラバ袖瓦も同様に施工していきます。
瓦同士が重なる部分の釘穴への固定に加え、陸棟部まで積み上げた後、さらに表面からビス釘を打ち込んでガッチリと固定します。

なぜここまで厳重に留める必要があるのでしょうか?
それは、切妻屋根の構造上、軒先部ケラバ袖部の瓦は屋根の縁から少し外側に飛び出して設置されているからです。
この「飛び出し」部分は、台風などの強風時に下から激しく煽られやすく、屋根の中で最も風の影響を受ける弱点となります。

実は、昔の建物の多くはこの「ビス止め」施工がなされておらず、強風で瓦が浮き上がり、最悪の場合は落下してしまう事故が後を絶ちません。
私たち職人さんは、見えない内部の釘と表面からのビス釘、このダブルの対策で災害に強い屋根仕上げを徹底しています。
「ウチの屋根は大丈夫かな?」とご不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。

瓦は「釘の打ち方」で変わる!平瓦の固定技術と陸棟部の隙間処理

13.名古屋市中川区 屋根葺き替え 一枚ずつ上に昇るように瓦を施工します。

いよいよ屋根の大部分を占める「平瓦(桟瓦)」の施工に入ります。
現代の主流である乾式工法では、現場の状況に合わせて左右どちらからでも柔軟に施工が可能ですが、最も重要なのはその固定方法です。

私たち施工者は、単に釘を打つのではなく、列ごとに打つ位置をずらして「ひし形」になるようを打ち込んでいきます。
こうすることで、瓦同士が互いに隣の瓦を押さえ合う力が生まれ、強風にも耐える強固な屋根になります。

そして、屋根の頂点である陸棟部(りくむね)に向け、軒先から順に積み上げていきます。
最後の一枚はどうしても半端な隙間ができやすいため、ここが職人さんの腕の見せ所です。

この隙間は雨漏りの最大の原因となるため、その場の寸法に合わせて瓦をミリ単位で加工切断し、特注サイズの瓦を作ってピタリと納めます。
見えない隙間を徹底的に無くす。
この細かなこだわりが、長期間安心できる屋根を作り上げます。

なぜ反対側もめくるの?「陸棟部」の雨仕舞と耐震補強の秘密

02.名古屋市中川区 屋根葺き替え 作業範囲が屋根の半面だがルーフィングを折れ返します。
03.名古屋市中川区 屋根葺き替え 職人さんが一番良い施工方法が無いか思案中です。

今回は、お客様のご要望に合わせて切妻屋根の片面(半面)のみを新しくする葺き替え工事を行っています。
ここで一つ、重要な施工ポイントがあります。
私たちは工事対象ではない反対側の屋根についても、頂上(陸棟部)付近の瓦をあえて数段分だけ一時的にめくる処置を行いました。

「工事しない側は触らなくていいのでは?」と思われるかもしれませんが、これには明確な理由があります。
最大の目的は、確実な「雨仕舞(あまじまい)」です。
屋根の頂点である棟芯で、防水シート(ルーフィング)を山折りにし、反対側までしっかり被せ込まないと、隙間から雨水が浸入し、将来的な雨漏りの原因となってしまうからです。

さらに、棟を支えるための耐風・耐震補強金具を構造体に固定するためにも、このスペースの確保は不可欠です。

手間を惜しんでここを省略すれば、良い屋根は作れません。
今回は3段分を解体し、防水と補強を万全に施しました。
新旧の瓦が接する難しい部分も、現場を知り尽くした職人さんが最適な納め方を考案し、丁寧に桟瓦を施工していきます。

【大棟工事】屋根の美しさは「一段目」で決まる!南蛮漆喰と熨斗瓦の重要な関係

05.名古屋市中川区 屋根葺き替え 瓦同士の接着で南蛮漆喰を置きました。
06.名古屋市中川区 屋根葺き替え 積み上げる棟瓦の土台となる一段目の様子。

いよいよ屋根の頂上、大棟(おおむね)を積み上げる工程に入ります。
ここで接着剤兼土台として活躍するのが「南蛮漆喰(なんばんしっくい)」です。

これは従来の漆喰にセメントなどを配合した現代の強力な材料で、数日で石のように固まり、桟瓦棟瓦を強固に一体化させます。
また、単に接着するだけでなく、微妙な高さ調整を行ったり、瓦の隙間を埋めたりする重要な役割も担っています。

この漆喰の上に、土台となる「熨斗瓦(のしがわら)」を慎重に据えていきます。
実は、この「一段目」の設置こそが、棟上げの中で最も神経を使う瞬間です。
土台となるこの部分が少しでも失敗して歪んでしまうと、その上に積み上げる大棟全体の通り(ライン)がガタガタになり、見た目も安定性も大きく損なわれてしまうからです。

土台は「一枚物」で強くする!鬼瓦に合わせた熨斗瓦の積み方とズレ防止の秘策

07.名古屋市中川区 屋根葺き替え 二段目以降の棟瓦を積み上げて行きます。
08.名古屋市中川区 屋根葺き替え 対面同士の棟瓦同士を針金で緊結しておきます。

棟の土台となる一段目と二段目の施工では、通常のように割った瓦ではなく、あえて割っていない「一枚物」の大きな熨斗瓦(のしがわら)を使用しています。
これは、今回使用する鬼瓦が立派なサイズであり、それに負けない陸棟部の幅と重厚感を出すための判断です。
三段目からは通常の「割った瓦」を使いますが、マニュアル通りではなく、現物のバランスを見て最適な施工を行うのが職人さんの流儀です。

そして、ここで重要なのが「乾燥待ち」の対策です。
接着剤である南蛮漆喰が完全に固まるまでの間、瓦の重みでどうしても外側に広がろうとする力が働きます。
そこで私たちは、熨斗瓦同士を針金でガッチリと縛り上げ、乾燥中にズレが起きないよう物理的に固定します。
このひと手間を惜しまないことで、将来にわたって歪みのない、美しく安定した棟が完成するのです。

【鬼瓦の再利用】台座は特注できる?既存の瓦を残すメリットと職人の判断基準

02.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根の端側に鬼瓦の台座を設置します。
03.名古屋市中川区 屋根葺き替え 台座を針金で緊結固定して設置します。

切妻屋根のシンボルである鬼瓦。その足元に「台座」と呼ばれる部材があるのをご存知でしょうか?
これは鬼瓦が鎮座するための椅子のような役割を果たしており、通常はある程度大きなサイズの鬼瓦に使用されます。
標準サイズの鬼瓦でも、ご希望であれば特注で台座を作成して取り付けることは可能ですが、一品物の製作となるため費用がかなり高額になる点は注意が必要です。

また、屋根リフォームの際によくご相談いただくのが、「今ある鬼瓦を捨てずに再利用したい」というご要望です。
今回のように劣化や破損が少なければ、再び屋根に載せることは可能です。
しかし、見た目はきれいでも強度が落ちていたり、水を吸いやすくなっていたりする場合は、将来の耐久性雨漏りのリスクを考慮して、残念ながら再利用をお断りするケースもございます。

巨大な「三つ組み鬼瓦」を一体化!針金一本で決まる美しい仕上がり

04.名古屋市中川区 屋根葺き替え 台座と鬼瓦の角度を合わせて設置します。
05.名古屋市中川区 屋根葺き替え 屋根に設置した針金を伸ばし鬼瓦を緊結します。

台座の準備が整ったら、いよいよ主役である鬼瓦を鎮座させます。
ただ置くだけではありません。
台座の角度と鬼瓦の足の角度がピタリと合うよう、ミリ単位で向きや傾きを微調整し、最も美しく見える位置を探りながら据え付けていきます。

ちなみに、今回使用している立派な鬼瓦は、一つの塊ではなく、左右と中心の三つの部品から成る「三つ組み」と呼ばれるタイプです。
これを屋根の上で一つの頑丈な鬼瓦に組み上げるのですが、ここで重要なのが「結束」の技術です。
私たち施工者は、背面の穴を通して複数本の針金(銅線)を使い、三つの部材を強烈な力で縛り上げていきます。

この締め付けが甘いと、部材同士に不格好な隙間が開いてしまい、美観だけでなく耐久性にも影響します。
バラバラの部品を、まるで最初から一つの瓦であったかのように隙間なく一体化させる。
ここにも、経験豊富な職人さんの腕と力が試される重要な工程があります。

【鬼瓦の固定】地震でも落ちない!「針金」の結束術と職人の力技

06.名古屋市中川区 屋根葺き替え 鬼瓦の背中部分に針金を縛れる場所があります。

位置が決まった鬼瓦を、絶対に動かないよう屋根に完全固定します。
ここで使用するのは、強度を出すために複数本を束ねて寄った太い針金線(銅線など)です。

鬼瓦の背中(裏側)には、あらかじめ結束用の穴が設けられています。
私たち施工者は、この穴に針金線を通し、屋根の躯体から伸ばした線と連結させていきます。
この時、ただ結ぶだけではありません。職人さんは全身の力を使い、針金線を強烈に引っ張り上げながら、緩みが一切出ないようにガッチリと縛り上げていきます。

この「締め上げ」にはかなりの力量とコツが必要ですが、ここで妥協すると地震や強風で瓦が倒壊・落下する原因になります。
見えない裏側で、汗をかきながら行うこの力強い結束作業こそが、お住まいの安全を支える要です。
災害に強い屋根づくりは、私たちにお任せください。

美しさはバランスにあり!巨大な「鬼瓦」に合わせた熨斗瓦の積み方

02.名古屋市中川区 屋根葺き替え 続いて棟瓦で積み上げ作業を進めて行きます。

棟の土台部分(二段目まで)が完成し、作業は三段目以降の積み上げへと進みます。
通常、この段階からは熨斗瓦(のしがわら)を半分に割ったものを使用し、互い違いに積み上げていくのが基本です。

しかし、屋根工事に「絶対」はありません。
今回の現場のように、使用する鬼瓦が横幅も広く立派なサイズの場合、通常の積み方では棟のボリュームが負けてしまいます。
そこで私たち施工者は、土台部分にあえて割っていない「一枚物」の大きな熨斗瓦を採用し、の高さと重厚感を出す工夫を施しました。

鬼瓦の存在感に合わせて、瓦の種類や積み方を柔軟に変える。
単に積むだけでなく、屋根全体のプロポーションを美しく整えることも、熟練した職人さんの大切な仕事です。
こだわりの日本瓦施工なら、ぜひ私たちにお任せください。

【耐震・台風対策】屋根の棟には「背骨」がある?強力棟と垂木による補強の仕組み

04.名古屋市中川区 屋根葺き替え 耐震補強で強力棟金具にタルキを設置します。

瓦を積み上げる前に、私たちは屋根の頂点(陸棟部)の中心に、「強力棟(きょうりょくむね)」という特殊な補強金具をあらかじめ設置しました。
今回は、この金具がどのように屋根を守るのか、その重要な仕組みについて解説します。

強力棟の上部には、木材を受け止めるための「支え」が付いています。
ここに、棟全体の芯材となる長い「垂木(たるき)」を通し、しっかりと固定します。
人間に例えるなら、屋根のてっぺんに一本の太い「背骨」を通すようなイメージです。

その後、この垂木を包み込むように、両側からのし瓦を積み上げて内部に入れ込んでいきます。
こうすることで、金具・木材・瓦がガッチリとした一体構造となり、耐久性はもちろん、地震の揺れにも強い耐震性の高いが完成します。

表面からは見えなくなってしまう部分ですが、この内部の補強工事こそが、家の安全を左右する最も大切な工程です。
構造を知り尽くした職人さんによる、こだわりの施工にご安心ください。

雨漏りを防ぐ「互い違い」の積み方と、鬼瓦に合わせた高さ調整の極意

07.名古屋市中川区 屋根葺き替え 順序良く棟瓦を積み上げて行きます。
08.名古屋市中川区 屋根葺き替え 棟頂点に冠棟瓦を一列並べて行きます。

棟の土台が決まったら、のし瓦を一段ずつ丁寧に積み上げていきます。
この時、単純に重ねるのではなく、継ぎ目が上下で重ならないよう「互い違い(千鳥)」に配置していくのがポイントです。
これにより、隙間からの雨水の浸入ルートを複雑にし、棟内部への水をシャットアウトする強い防水構造を作り上げます。

そして、どこまで積むかという「高さ」の決定には、職人さんの美的センスが問われます。
基本の段数はありますが、今回のように立派なサイズの鬼瓦を使用する場合、屋根全体のバランスを見て段数を調整することが多々あります。
ここで私たちが最も大切にしている鉄則があります。それは、「一番上の冠瓦(かんむりがわら)の高さが、鬼瓦の頭(最上部)を越えないようにすること」です。

棟が鬼瓦より高くなってしまうと、見た目のバランスが崩れ、屋根の風格が損なわれてしまいます。
鬼瓦を主役として立てつつ、雨仕舞いもしっかり行う。その絶妙な高さを現場で見極めるのが、私たち施工者のこだわりです。

【棟の仕上げ】地震に勝つ!「冠棟瓦」のビス固定と屋根を一体化する補強術

09.名古屋市中川区 屋根葺き替え 冠瓦の頂点から内部の垂木に向かってビスを打ち込みます。

熨斗瓦(のしがわら)を予定の高さまで積み上げたら、いよいよ棟作りの最終工程です。
積み上げた瓦の頂上を覆うように、「冠棟瓦(かんむりむねがわら)」を一列に美しく並べていきます。

ここで私たち施工者が行う重要な作業が「ビス釘」による固定です。
ただ被せるだけではありません。
冠棟瓦の一枚一枚に事前に釘穴を開け、そこから長いビス釘を垂直に打ち込んでいきます。
狙うのは、棟の内部にあらかじめ仕込んでおいた芯材である「垂木(たるき)」です。

上から芯材に向けて貫通させ、ガッチリと固定することで、積み上げた瓦の層が一つにまとまり、全体の強度が飛躍的に向上します。
バラバラの瓦を強固な一つの塊にするこの補強こそが、台風や地震でも崩れない強い屋根の秘訣です。
最後まで気を抜かない職人さんの技で、安心の屋根が完成しました。

屋根リフォーム最後の仕上げは「徹底清掃」と足場解体

01.名古屋市中川区 屋根葺き替え 棟瓦で棟を積み上げていきます。
11.名古屋市中川区 屋根葺き替え 足場を解体して屋根リフォームの完成です。

長期間にわたった屋根リフォーム工事も、ついに全ての作業が終了しました。
しかし、瓦を葺き終えたからと言って、それで終わりではありません。
私たち施工者にとっては、ここからが工事の品質を締めくくる大切な時間です。

まずは、屋根の上に上げ越していた電動工具や余った材料、そして作業の足場として使用していた足場板などを、一つひとつ慎重に地上へ降ろしていきます。
屋根の上を何もない状態に戻した後は、仕上げの清掃です。
風圧でゴミを飛ばす専用の電動工具(ブロアー)を使い、瓦の隙間や表面に残った細かな木屑や埃を徹底的に吹き飛ばします。

ピカピカに磨き上げられた屋根を確認し、最後に作業員の安全確保のために設置していた仮設足場解体します。
足場のメッシュシートが外れ、生まれ変わった我が家の全貌が現れる瞬間は、お客様にとっても私たち職人さんにとっても感動的な瞬間です。

これで全ての工程が完了です。
見違えるように美しくなった屋根の下で、これからも安心してお過ごしください。


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