【S瓦屋根修理と漆喰】常滑市 外壁塗装の足場で屋根点検!S瓦の隙間に新聞紙・規定外の釘など衝撃の施工不良発覚!
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
常滑市|足場で屋根点検。発覚した施工不良とS瓦の全修理記録
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『常滑市【屋根修理と漆喰】外壁塗装の「足場」で屋根点検を!調査で発覚した軒先隙間に新聞紙・規定外の釘など衝撃の施工不良』
工事のきっかけ
「そろそろ外壁の塗り替え時期かな」
そうお考えの皆様、塗装工事のために設置する「仮設足場」を、外壁のためだけに使って終わらせてしまうのは、実は非常にもったいないことをご存知でしょうか。
屋根の点検や修理を行う場合、通常はこの足場の設置費用だけで十数万円が別途必要になります。
もし外壁塗装と屋根修理を別々の時期に行うと、この高額な足場費用を二重に支払うことになってしまうのです。
先日、常滑市でまさに外壁塗装を控えていたお客様から、「工事で足場が設置されるこの機会に、普段は見られない屋根の状態も一緒に点検してほしい」という、非常に賢明なご相談をいただきました。
屋根は、お住まいの中で最も過酷な環境にさらされながら、普段はご自身の目で状態を確認することが難しい場所です。
だからこそ、専門業者が安全に登れる足場があるこのタイミングは、屋根の健康診断を行う絶好のチャンスと言えます。
もし点検の結果、何らかの不具合が見つかったとしても、このタイミングで一緒に修理を行えば、足場代をまるごと節約でき、トータルのリフォーム費用を大幅に抑えることが可能です。
私たちは、お客様の大切なお住まいを守るため、この貴重な機会を活かし、屋根の隅々まで詳細な点検を行うことを強くお勧めしています。
建物の状況
築年数 ・・・ 築20年ほど
工事費用・・・ 約30万円ほど
施工期間・・・ 約4日ほど
建物種別・・・ 戸建て(木造)
ビフォーアフター

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「外壁塗装の足場があるうちに」とご依頼いただいた常滑市での屋根点検。
しかし、私たちが足場から目にしたのは、想像を絶する光景でした。
欧風のS瓦(スパニッシュ瓦)の軒先には、雨水や鳥を防ぐ漆喰や専用部材の代わりに、なんと丸めた新聞広告が詰め込まれていたのです。
さらに、屋根の頂上(大棟)や端(ケラバ)の瓦は、防水性のない規定外の釘で固定されているという、雨漏りリスクが極めて高い施工不良も発覚しました。
この記事では、新築時の手抜き工事とも言えるこれらの危険な状態を、私たちがどのように発見し、そして「専用面戸材」の設置、瓦の「ビス止め補強」、棟や壁際の「漆喰塗り替え」といった正しい工事でどのように修繕・補強していったのか、その全工程を写真とともにつまびらかにご紹介します。
目次
外壁塗装の「足場」があるうちに!屋根の同時点検で費用を賢く節約

「そろそろ外壁塗装を」とお考えの皆様へ。
塗装工事の際、作業員の安全確保や塗料の飛散防止のために「仮設足場」が設置されますが、この足場を外壁のためだけに使うのは、実にもったいないことをご存知でしょうか。
実は、屋根の点検や修理を行う場合も、通常はこの足場の設置に十数万円の費用が別途かかります。
先日、まさに外壁塗装の工事を控えたお客様から、「工事のために足場が設置されている。
この機会に、普段見られない屋根の状態も一緒に点検してほしい」という、とても賢明なご依頼をいただきました。
ご連絡を受けて早速ご訪問し、安全対策が施された仮設足場を利用させていただき、屋根全体の詳細な点検作業を開始しました。
もし屋根に何らかの不具合が見つかったとしても、このタイミングで修理を行えば、足場代を二重に支払う必要がなくなり、大幅なコストダウンが可能です。
外壁塗装は、お住まいの屋根を同時にメンテナンスする絶好のチャンスなのです。
屋根の隙間に新聞紙!?常滑市で発見したS瓦(スパニッシュ瓦)の施工不良


常滑市のお客様が外壁塗装の足場設置のタイミングで屋根点検をご依頼されたのは、まさに最良の判断でした。
早速、足場をお借りして屋根の先端部分(軒先)から点検を始めたところ、私たちは目を疑うような「不良施工」を発見しました。
こちらのお宅で使われていたのは、欧風のデザインが特徴的な「スパニッシュ瓦(S瓦)」です。
この瓦は山谷のカーブが非常に大きいという特性があります。
そのため、屋根の先端である軒先部分には、どうしても構造上の大きな隙間ができてしまいます。
通常、この隙間は雨水や鳥などの侵入を防ぐために、「漆喰(しっくい)」を塗り込んだり、瓦の形状に合わせた「専用の面戸(めんど)」という部材を取り付けて塞ぐのが正しい施工方法です。
しかし、こちらのお宅でされていたのは、その隙間に丸めた新聞広告紙を無造作に詰め込むという、信じられない作業でした。
これは、屋根の知識がある専門業者であれば絶対にやらない手抜き工事です。
新築当時の施工業者が、非常に心無い業者だったことがうかがえます。
軒先と雨樋の隙間が狭い!漆喰が塗れない屋根の最適な修理方法

屋根の先端(軒先)部分の修理計画を立てるにあたり、私たちは現場の状況を詳細に確認しました。
そこで判明したのは、屋根瓦の先端と、そのすぐ下にある「雨樋(あまどい)」との隙間(クリアランス)が非常に狭く、作業スペースがほとんど確保できないという問題です。
このような隙間は、通常「屋根漆喰(しっくい)」をコテなどの道具を使って塗り込み、塞ぐのが一般的です。
しかし、この現場の状況では物理的に道具が入らず、漆喰を奥までしっかりと充填する作業が行えません。
もし無理に表面だけを塗っても、すぐに剥がれたり、本来の防水性能を発揮できなかったりする可能性が高いと判断しました。
そこで私たちは、漆喰を塗り直す方法ではなく、この瓦の形状(S瓦)専用に作られた、プラスチック製の「軒先面戸材(のきさきめんどざい)」を取り付ける工法を選択する方針を固めました。
これなら狭いスペースでも確実に取り付けが可能で、隙間をしっかりと塞ぎ、雨水や鳥などの侵入を長期的に防ぐことができます。
現場の状況に応じた最適な材料と工法を選ぶことが、確実な修理につながります。
屋根瓦に「間違った釘」?点検で発覚した雨漏りリスクの高い施工不良


常滑市のお宅で屋根の点検を進めていくと、軒先の新聞紙の件に続き、さらに信じられない施工不良が見つかりました。
それは、屋根の「端側(ケラバ袖瓦)」や、屋根の最も高い「頂点(大棟瓦)」といった、お住まいを風雨から守る上で非常に重要な部分でのことです。
これらの瓦を固定している釘を詳細に確認したところ、本来その場所に使用すべき規定の釘(ビス)ではなく、全く指定外の釘が使われていたのです。
屋根瓦の固定には、防水パッキンが付いた専用ビスなど、釘穴から雨水が侵入しないよう工夫された部材を使用するのが鉄則です。
しかし、ここで使われていたのは、雨水が容易に入り込んでしまう不適切な釘でした。
これでは、釘を伝って雨水が屋根の内部に侵入し、下地材の腐食や深刻な雨漏りを引き起こす直接的な原因となります。
普段見えない場所だからこそ、専門家の厳しい目で細部までチェックすることが不可欠です。
壁と屋根の隙間「土居のし」の漆喰劣化を発見!写真報告で安心のご依頼


屋根点検では、特に雨漏りのリスクが高い「外壁と屋根が接する部分」も入念に調査しました。
この場所は「土居のし部」と呼ばれ、熨斗瓦(のしがわら)が二段に積まれ、雨水の侵入を防ぐ板金が取り付けられている重要な箇所です。
しかし、その熨斗瓦の下を支えている「屋根漆喰(しっくい)」が経年劣化を起こし、さらに先端部分の漆喰も腐食して剥がれかけている状態でした。
壁際の漆喰がこのように劣化すると、隙間から雨水が壁内部へ侵入し、雨漏りを引き起こす重大な原因となります。
私たちは、これらすべての点検結果を、撮影した写真をお客様にお見せしながら詳しくご報告いたしました。
その上で、今回必要となる修理作業、補修、そして補強工事の内容をすべて盛り込んだお見積書を作成し、その場でお渡しして丁寧にご説明させていただきました。
お客様も現状にご納得いただき、正式に工事のご依頼をいただく運びとなりました。
軒先の施工不良を解消!専用「プラスチック面戸」で隙間を確実に塞ぐ


お客様から正式にご依頼をいただき、屋根の修繕工事を開始しました。
まず着手したのは、点検時に最大の問題点として発覚した、屋根の先端(軒先)部分です。
こちらには、経年劣化した古い漆喰(しっくい)だけでなく、絶対にあってはならない「新聞広告紙」が詰め込まれていました。
私たちはまず、これらの不要な異物や劣化した漆喰をすべて丁寧に取り除き、隙間をクリーンな状態にすることから始めました。
そして、きれいにした軒先瓦の隙間に、新たにこの瓦の形状(S瓦)専用に作られた「プラスチック製面戸材(めんどざい)」を取り付けていきます。
この面戸材は、単に隙間に嵌め込むだけではありません。
軒の先端にある「破風板(はふいた)」と呼ばれる部分に対し、専用の「固定ビス」をしっかりと打ち込み、面戸材ごと強固に固定していきます。
これにより、部材が将来脱落する心配がなく、雨水や鳥、虫などの侵入経路となる隙間を、長期間にわたって確実に塞ぐことができます。
屋根の台風・地震対策!瓦を「ビス止め」で強固に固定する補強工事


軒先の修理と同時に、屋根面全体の強度を高めるための補強工事も進めていきます。
これは、近年の大型台風や地震による瓦のズレや飛散を防ぐために非常に重要な作業です。
まず、S瓦の形状に合わせて、瓦の盛り上がった山側の部分に、専用のキリ(先端ビット)を取り付けた電動ドリルで慎重に下穴をあけていきます。
この際、瓦二枚につき一本という基準で、適切な位置に穴をあけていくのがポイントです。
次に、その穴へ「パッキン付きの専用ビス釘」を打ち込みます。
このビスは、防水用のパッキンが付いているため、あけた穴から雨水が侵入するのを確実に防いでくれます。
そして、このビスを瓦の表面だけでなく、その下にある屋根下地材の「野地板(のじいた)」にまでしっかりと到達させ、強固に固定します。
この地道な作業を屋根全体に行うことで、瓦一枚一枚が下地と一体化し、屋根全体の耐風性・耐震性が格段に向上するのです。
雨漏りの危険信号!外壁と屋根の隙間「土居のし」の漆喰(しっくい)補修


屋根全体の補強工事と並行して、雨漏りのリスクが非常に高い「外壁と屋根が接している部分」の修繕も行いました。
この場所は「土居のし部」と呼ばれ、熨斗瓦(のしがわら)が二段に積まれ、雨仕舞(あまじまい)の板金が取り付けられている重要な箇所です。
点検の際、この熨斗瓦の下を支えている「屋根漆喰(しっくい)」が、経年劣化によって腐食し、剥がれ落ちている状態でした。
特に雨水が当たりやすい先端部分は劣化が激しく、破損して取れかかっている危険な状態でした。
このまま放置すれば、壁と屋根の隙間から雨水が内部へ侵入する原因となります。
そこで、まずは専用の道具を使い、劣化した古い漆喰を丁寧にかき出して除去します。
そして、下地を整えた上で、新しい屋根漆喰を奥までしっかりと隙間なく塗り込み、防水性を回復させました。
このような地道で細かい部分の補修こそが、お住まいを雨漏りから守るために最も重要です。
屋根の頂上「大棟」の施工不良!瓦を外し内部から漆喰(しっくい)を修理

常滑市での屋根修繕工事は、屋根の最も高い頂上部、「大棟(おおむね)」の作業に移りました。
ここでも、点検時に発覚した深刻な施工不良が潜んでいました。
なんと、棟瓦(むねがわら)を固定している釘が、本来使用すべき防水パッキン付きの専用品ではなく、全く規定外の不適切な釘が使われていたのです。
これでは固定力が弱いだけでなく、釘穴から雨水が侵入する原因にもなります。
そこで私たちは、まずこの間違った釘を慎重に抜きながら、大棟瓦を一枚一枚丁寧に取り外していく作業から開始しました。
表面的な補修ではなく、根本から問題を解決するためです。
棟瓦がすべて取り外されると、内部の土台(屋根土)が現れます。この土台を保護し、防水性を高めるために、新しい屋根漆喰を奥までしっかりと塗り直し、棟の基礎部分を強固に作り直しました。
見えない部分ですが、この作業が雨漏りを防ぎ、棟全体の耐久性を高めるために不可欠な工程です。
棟瓦を「専用ビス」で強固に固定!雨漏りさせない正しい屋根修理


内部の漆喰(しっくい)を塗り直し、基礎を整えた屋根の頂上(大棟)に、取り外していた棟瓦(むねがわら)を一列に並べ直し、固定していきます。
この固定作業こそが、屋根の耐久性を左右する重要なポイントです。
以前の施工では、防水性のない指定違いの釘が使われていましたが、私たちは防水用の「パッキンが付いた専用ビス釘」を使用します。
これを電動ドリルで一本一本確実に締め付け、棟瓦を下地に強固に固定していきます。
この専用ビスは非常に固定力が高いため、棟瓦一枚に対して一本打ち込むだけで十分な耐風性・耐震性を確保できます。
そのため、以前の施工で開けられていた不要な釘穴や、今回使用しない古い釘穴が残ることになります。
私たちは、この余った釘穴を雨漏りの原因にしないよう、すべて「コーキングボンド」で隙間なく完全に塞ぎ、徹底した止水処理を行いました。
正しい部材で確実に固定し、不要な穴は確実に塞ぐ。
これがプロの雨漏り対策です。
屋根修理工事完了!常滑市のお客様から「心配がなくなった」と喜びの声

屋根の頂上である大棟瓦(おおむねがわら)のビス固定作業がすべて完了し、常滑市での屋根修繕工事は無事に終了となりました。
私たちは、屋根の上に上げていた作業道具や、使い終わった材料の余りなどをすべて慎重に地上へ降ろします。
そして最後に、屋根全体を電動工具の「ブロワー(送風機)」を使って徹底的に清掃しました。
作業中に出た細かなホコリやゴミを隅々まで吹き飛ばし、きれいな状態でお引き渡しができるよう整えます。
清掃が完了したところで、お客様にお声がけし、工事完了のご報告をさせていただきました。
その際、私たちが作業工程ごとに撮影していた工事写真をお見せしながら、「点検で発覚した問題箇所を」「どのように修理・補強したのか」を詳しくご説明いたしました。
お客様は、「新築時の不良施工には本当に腹が立ちますね。でも今回、見えないところまできちんとした作業を行っていただけたのが写真でもよく分かり、ようやく心配がなくなりました」と、大変喜んでくださいました。
お客様にご安心いただけることが、私たちの何よりの励みになります。
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『常滑市【屋根修理と漆喰】外壁塗装の「足場」で屋根点検を!調査で発覚した軒先隙間に新聞紙・規定外の釘など衝撃の施工不良』







