【谷交換作業】名古屋市南区 瓦の下に防水紙がない?衝撃の施工ミスを完全修復!原因調査から谷樋・棟の工事までの全貌
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
【完全版】名古屋市の雨漏り修理|原因調査から完工までの全記録
工事のきっかけ
今回、名古屋市南区にお住まいのお客様から私たちがいただいた最初のご相談は、「天井に雨染みが出ているわけではないのですが、どうも屋根裏で雨漏りしているような感覚があるんです」という、少し珍しいものでした。
強い雨が降るたびに、ポタポタという具体的な音ではないものの、どこか湿ったような気配を感じ、気のせいだろうか、と何度もご自身に問いかけたそうです。
しかし、その漠然とした不安は消えることなく、次第に大きくなっていきました。
「もし見えないところで家が腐っていたらどうしよう」「このまま放置して、ある日突然、天井が抜け落ちるようなことになったら…」。そんな静かな恐怖が、お客様の心にずっと重くのしかかっていました。
ご家族の安全な暮らしを守るため、そして何より、この言いようのない不安から解放されたいという一心で、意を決して専門家による屋根の無料点検を申し込まれた、というのが今回の工事の始まりでした。
私たちは、お客様が抱えるその「見えない不安」の正体を必ず突き止め、絶対的な安心をお届けすることをお約束し、現地へお伺いしました。
建物の状況
築年数 ・・・ 築35年以上
工事費用・・・ 約30万円ほど
施工期間・・・ 約3日間ほど
建物種別・・・ 戸建て(木造)
ビフォーアフター

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「天井に雨染みはない。でも、なぜか雨漏りの気配がする…」
皆様は、ご自宅に対してこのような、言葉にし難い不安を感じたことはありませんか?
今回は、名古屋市南区のお客様から寄せられた、そんなミステリアスなご相談から始まった、ある屋根の物語です。
一見、美しく健全に見える南欧風のスパニッシュ瓦の屋根。
しかし、私たちプロの目による調査が進むにつれ、その下に隠されていた衝撃の事実が次々と明らかになります。
谷樋の施工不良、不適切な応急処置、そして、瓦を剥がして初めて発覚した「信じられない施工ミスの連続」。
この記事では、その雨漏りの根本原因を突き止める調査の過程から、二度と雨漏りを起こさないための完璧な修理工事が完了するまでの一部始終を、多数の写真と共に徹底的に解説します。
目次
【名古屋市南区の雨漏り点検】スパニッシュ瓦の雨漏り原因は谷樋の隙間でした


先日、名古屋市南区にお住まいのお客様から「天井にシミはないが、屋根裏で雨漏りしている感覚がある」とのご相談を受け、早速、屋根の無料点検にお伺いしました。
拝見したお住まいは、南欧風の美しいデザインで人気のスパニッシュ瓦(S形瓦)でした。
この瓦は独特の波形が特徴ですが、その形状ゆえに施工には専門的な知識が不可欠で、わずかな施工ミスが雨漏りに直結しやすいデリケートな屋根材でもあります。
調査を進めると、屋根の面と面がぶつかり雨水が集まる「谷樋」という部分の周辺に、明らかな施工不良が見つかりました。
本来、谷樋の縁は瓦を小さく加工して隙間ができないように丁寧に葺くのですが、その重要な加工瓦が全く設置されておらず、下地が見えるほどの隙間ができていました。
この隙間から、特に強い雨の際に瓦の波形の膨らんだ部分を伝って、雨水が内部に浸入していたことが雨漏りの原因と考えられます。
見た目では分からない細部の施工不良こそ、雨漏りの根本原因となります。
少しでも不安を感じたら、手遅れになる前にぜひ私たち専門家にご相談ください。
雨漏りの原因は瓦の亀裂と…雀の巣!?

まず、屋根全体の瓦を詳しく確認したところ、長年の雨風や紫外線の影響による無数の亀裂(クラック)が見つかりました。
一見すると些細なひび割れに見えても、雨水はこうした隙間から確実に内部へと浸入し、じわじわと雨漏りを引き起こす原因となります。
さらに、前回ご報告した谷樋周りの施工不良によって生じた隙間から、雀などの小鳥が屋根裏に侵入し、巣を作っていた形跡も発見されました。
屋根の隙間は、鳥たちにとって雨風をしのげる格好の棲家になってしまうのです。
鳥の巣は、それ自体が水分を含んで下地を腐食させるだけでなく、水の流れを堰き止めて雨漏りを悪化させたり、ダニや害虫の発生源になったりと、二次的な被害を引き起こすため大変危険です。
【その補修、逆効果かも?】屋根の防水テープが招くもっと怖い雨漏りの話

施工不良や鳥の巣の他にも、私たち専門家として看過できない痕跡が見つかりました。
それは、経年劣化で亀裂が入った瓦の上から、防水テープのようなもので応急処置を施した跡です。
しかし、太陽の紫外線や雨風に常に晒される屋根の上では、市販のテープはひとたまりもありません。
粘着力は失われ、無残に剥がれかけた状態になっており、防水機能は完全に失われていました。
雨漏りの根本的な解決には、割れた瓦を新しいものに交換するしかありません。
なぜ当時このような一時しのぎの処置がされたのか、今となっては理由は定かではありません。
しかし、確かなのは、その場しのぎの不適切な補修が、かえって問題の発見を遅らせ、屋根の下地材の腐食といった、より深刻な事態を招く危険性があるという事実です。
【たかが釘、されど釘】棟瓦の雨漏りを招いたたった一本の釘の話

現在、棟瓦を固定する際には、釘の頭にゴムパッキンが付いた防水仕様のビスを使用するのが常識です。
このパッキンが釘穴を完全に塞ぎ、雨水の侵入をシャットアウトします。
しかし、この現場で使われていたのは、防水機能が全くないただの鉄釘でした。
これでは釘を打った穴そのものが、雨漏りの入り口になってしまいます。
せめてもの対策として釘の頭をコーキング材で埋める処理がされていればまだしも、そのひと手間さえ省かれており、まさに無防備な状態でした。
目先のコストを優先した結果、このような施工になったのかもしれません。
しかし、見えない部分で使う釘一本にこだわるかどうかで、屋根の寿命は大きく変わります。
業者を選ぶ際には、見積もりの安さだけでなく、どのような材料で、なぜそれを使うのかを明確に説明できる業者を選ぶことが、お住まいの将来を守ることに繋がります。
まだ漏れてないから大丈夫?瓦の下に隠れた『雨漏り予備軍』の恐怖

瓦を数枚剥がして内部の防水紙(ルーフィング)の状態を確認しました。
そこで私たちが目にしたのは、雨漏りを防ぐ最後の砦であるべき防水紙が、経年劣化でパリパリになり、めくれ上がっているという危険な状態でした。
下地である野地板が露出し、防水機能は失われていましたが、幸いにもこの箇所が直接の原因となる雨漏りはまだ発生していませんでした。
しかし、次の大雨でいつ雨漏りが始まってもおかしくない、まさに「雨漏り予備軍」と言える状況です。
私たちは、これらすべての調査結果を写真と共にお客様へ詳しくご報告し、考えられる修理方法を複数パターン作成したお見積書でご提案しました。
それぞれのメリット・デメリットをご説明し、じっくりとご検討いただいた結果、今回は谷樋の交換を含む屋根リフォーム工事をご依頼いただくことになりました。
瓦を剥がして愕然。雨漏りを招いた致命的な施工ミスとは

まずは長年の雨漏りの原因となっていた「谷樋(たにどい)」を交換するため、周辺の瓦を一枚ずつ丁寧に剥がす作業から着手します。
しかし、作業を開始してすぐに、私たちは目を疑う光景を目の当たりにしました。
なんと、雨漏りを防ぐ最後の砦であるべき防水紙(ルーフィング)が、雨水を排水するための谷樋鉄板の上に被さるという、通常ではありえない順番で施工されていたのです。
本来、防水紙は谷樋の下に敷き込み、瓦の下に侵入した水を谷樋へと正しく導く役割を果たします。
この順番が逆では、防水紙を流れてきた水が行き場を失い、下地材に直接染み込んでしまいます。
これでは雨漏りが起きて当然という状態でした。
私たちは、単に部材を交換するだけでなく、こうした隠れた施工不良も見逃さず、すべて是正していきます。
愕然…谷樋の下に『防水紙がない』衝撃の事実


古い谷樋を完全に撤去したところ、さらに衝撃的な事実を目の当たりにしました。
なんと、屋根で最も雨水が集中し、絶対に防水が必要な谷樋の下に、あるべきはずの防水紙(ルーフィング)が全く施工されていなかったのです。
屋根の防水の心臓部とも言える場所が、下地である野地板むき出しの、完全に無防備な状態でした。
これでは雨漏りが起きて当然です。
長年この仕事に携わっておりますが、これほど杜撰な施工は滅多にありません。
しかし、原因が明確になった以上、あとは私たちが責任を持って完璧な防水層を再構築するだけです。
早速、むき出しになっていた野地板の上に、新しく高性能な防水紙を丁寧に貼り付けていきます。
屋根の頂点である棟から軒先に向かって、水の流れを計算しながら隙間なく施工し、二度と雨漏りが起きない頑丈な下地を作ります。


次いで雨水の通り道となる新しい「谷樋板金」を設置しました。
しかし、私たちの雨漏り対策はこれで終わりではありません。
近年の大型台風や予測不能な集中豪雨に備えるため、私たちはさらに念を入れた防水対策を標準仕様としています。
それが、谷樋の両脇に取り付けるスポンジ状の「水密材」という防水部材です。
これは、万が一、谷樋の許容量を超えるほどの雨水が流れ込んだ際に、水が勢い余って瓦の下へ浸入するのを防ぐ、いわば最後の防波堤の役割を果たします。
先行で施工した防水紙、今回設置した谷樋板金、そしてこの水密材。
私たちは、このトリプルガードで水の侵入経路を完全に遮断し、雨漏りの再発リスクを徹底的に排除します。


いよいよ工事の最終段階、取り外していた瓦を元に戻す「葺き直し」作業に入りました。
今回の雨漏りの大きな原因となっていたのが、谷樋周りの瓦の隙間でした。
私たちは、以前の施工で欠落していた小さな加工瓦を一枚一枚正確に作り直し、隙間ができないよう丁寧にはめ込んでいきます。
これにより、雨水の侵入経路を完全に塞ぎ、美しい外観を取り戻します。
さらに、葺き直した瓦は全て、針金でしっかりと緊結していきます。
この地道な作業が、台風シーズンの強風や地震の揺れから瓦のズレや落下を防ぐ、非常に重要な安全対策となるのです。
ただ元通りにするのではなく、以前よりも災害に強い屋根にすること。
それが私たちの使命です。
伝統の屋根土工法か、最新の南蛮漆喰か?棟工事の最適な選択


まず、棟の芯となる木材の両脇に「屋根土」をしっかりと塗りつけ、この上に葺く冠瓦を安定させるための頑丈な土台を形成します。
その後、この屋根土を雨水から保護し、瓦同士を接着するために、上から防水性の高い「漆喰」を丁寧に塗り重ねていきます。
これが古くから伝わる伝統的な工法です。
ちなみに、近年ではこの屋根土の役割も兼ね備えた、より耐久性の高い「南蛮漆喰」だけで仕上げる工法も主流となっています。
どちらの工法にも長所があり、お住まいの状態や瓦の種類、ご予算に応じて最適な方法を選択することが重要です。
私たちは、こうした伝統的な技術と最新の知識の両方を駆使して、あらゆる屋根に最善のご提案をいたします。
【名古屋市南区の屋根修理が完工】「これで安心」お客様の笑顔が私たちの誇りです

漆喰工事を終え、いよいよ名古屋市南区の屋根修理も最後の仕上げです。
屋根の頂点である「棟瓦」を復旧させ、長きにわたった雨漏りとの戦いを締めくくります。
仕上げとして、以前の点検で問題となっていた、棟瓦を固定していた防水機能のない釘をすべて抜き取りました。
そして、代わりにパッキン付きのステンレス製ビスを一本ずつ確実に打ち込み、瓦を固定。
谷樋だけでなく、考えられる雨漏りのリスクをすべて解消し、将来の安心を確実なものにします。
こうして、雨漏り点検から始まったS形瓦の谷樋交換リフォームの全工程が、無事に完了いたしました。
工事完了のご報告に伺うと、お客様が安堵の表情で「もうこれで雨漏りの心配をしなくていいのですね」と仰ってくださいました。
このお言葉と笑顔こそが、私たちの何よりの喜びであり、誇りです。
一連の工事ブログを最後までご覧いただき、ありがとうございました。
長雨や台風の季節を前に、屋根にご不安をお持ちの方は、どんな些細なことでも結構ですので、ぜひ私たち専門家にご相談ください。
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『名古屋市南区【谷交換作業】スパニッシュ瓦の意外な弱点とは?谷樋の施工不良から防水紙の劣化まで解明!放置は危険です』

