【大府市】増築した瓦屋根の「継ぎ目」に潜む罠!瓦のサイズ違いが生んだ雨漏りルートを封鎖せよ

「銅板の穴」だけじゃない。増築が招いた屋根の歪みと、完全止水への処方箋

前回までのあらすじ:屋根の裏側に潜んでいた闇

「そういえば昔、部屋を広げたくて増築したんです」
お客様のその一言が、調査の新たな突破口となりました。
前回発見した谷板金の穴は、いわば決定的な「傷」ですが、屋根全体を見渡すと、慢性的な「歪み」とも言える問題箇所が浮き彫りになってきたのです。

それは、増築によって継ぎ足された屋根と、元々の屋根がぶつかり合う「境界線」。
今回の記事では、新旧の瓦が複雑に絡み合う接続部で起きていた雨漏りのメカニズムと、それを根本から断つための技術的提案について詳報します。

違和感の正体。「増築」の境界線

大府市 点検 増築した瓦屋根の継ぎ手部分

谷板金の調査を終え、視線を屋根全体に移した時のことです。
瓦の並びに、明らかに不自然な段差があることに気づきました。

「ここが、増築の境目ですね」
屋根の上では、建物の歴史が地層のように現れます。
手前側は築50年の古い瓦、奥側は増築時の比較的新しい瓦。
一見うまく繋がっているように見えますが、瓦の規格(サイズ)や種類が微妙に異なるため、本来あるべき「噛み合わせ」が機能していません。

特に深刻だったのは、新旧の屋根が接するライン上の「横ズレ」です。
当時の職人が無理やり位置を合わせたのか、経年劣化で建物自体が動いたのか。
瓦と瓦の間に指が入るほどの隙間が空いており、横殴りの雨が降れば、ここから雨水が入り放題の状態になっていました。

屋根の下へ潜入。下地と雨樋の悲鳴

大府市 点検 瓦を数枚めくります

「表面だけでなく、中も見てみましょう」
私たちは許可をいただき、問題箇所の瓦を数枚めくって内部調査を行いました。

そこには、予想通りの現実がありました。瓦の下にある「屋根土(やねつち)」は風化して砂のように崩れ、防水の最後の砦である「防水シート(ルーフィング)」も劣化してボロボロの状態。
これでは、瓦の隙間から侵入した水を防ぐことはできません。

さらに、屋根の先端に目を向けると、雨樋(あまどい)にも異常が見られました。
樋を支える金具(樋吊り)が錆びて折れ、雨樋自体が軒先から外れかかっています。
これでは屋根から落ちた雨水を適切に排水できず、外壁にバシャバシャと水を浴びせかけることになります。

増築部の隙間、下地の寿命、雨樋の破損。
この家は、複数の要因が絡み合って「雨漏り」というSOSを出していたのです。

隙間を埋める秘策。「冠瓦」という提案

大府市 点検 継手の段違いを直す提案をしします

すべての原因が出揃いました。
ここからは解決策の提示です。
単に隙間をコーキングで埋めるような一時しのぎはしません。
私たちが提案したのは、構造的に雨水をシャットアウトする工法です。

提案の核心:冠瓦(かんむりがわら)の新設
新旧の瓦がぶつかる境界ラインに、「冠瓦」と呼ばれる半円形の瓦を一列に新設します。
規格違いの瓦同士を無理に噛み合わせるのではなく、上から冠瓦で覆うことで「蓋」をしてしまうのです。
これにより、隙間からの浸水を物理的に防ぐだけでなく、屋根のデザイン的にも引き締まった印象になります。

もちろん、前回発見した「谷板金の交換」や「漆喰の塗り替え」、そして「雨樋の補修」もセットにした、屋根全体のトータルリフォームプランを作成しました。

ポイント

:増築屋根の雨漏りは、瓦の『規格違い』による隙間が原因です。
コーキングで埋めるのではなく、板金や冠瓦で上からカバーする『雨仕舞(あまじまい)』の設計が重要です。

【結】診断完了。再生へのロードマップ (H2)

大府市 点検 屋根の谷部から雨漏りしているそうです

「ここまで詳しく調べてもらったのは初めてです」 撮影した写真と見積書をご覧になったお客様は、驚きと共に納得の表情を浮かべてくださいました。

今回提示したプランは以下の通りです。

  • 谷板金交換: 穴の開いた銅板を、高耐久ステンレスへ。
  • 増築部の処理: 境界線に冠瓦を設置し、隙間を完全封鎖。
  • 漆喰補修: 崩れた漆喰を詰め直し、瓦の結束力を強化。
  • 雨樋修理: 腐食した金具を交換し、正常な排水ラインを確保。

記事のまとめ

  • 増築のリスク: 新旧の屋根の継ぎ目は、瓦のサイズ違いにより隙間ができやすい最大のウィークポイント。
  • 下地の寿命: 瓦だけでなく、下の「屋根土」や「防水シート」の劣化が雨漏りを決定づける。
  • 雨樋の重要性: 樋吊り金具の腐食は見落としがちだが、外壁を守るために修理が必須。
  • 正しい処置: 隙間をただ埋めるのではなく、「冠瓦」などで構造的に水を防ぐ提案がプロの仕事。


Q1. 増築した家は雨漏りしやすいというのは本当ですか?

はい、リスクは高まります。古い屋根と新しい屋根の接合(取り合い)部分は構造が複雑になりやすく、地震や経年劣化で動きが生じると隙間ができやすいため、定期的な点検が欠かせません。

Q2. 瓦の下の「土」が砂のようになっていますが、大丈夫ですか?

危険な状態です。昔の「土葺き工法」の土が接着力を失っており、瓦がズレたり落下したりする原因になります。今回は部分的な補修ですが、将来的には葺き替えも検討が必要です。

Q3. 雨樋が少し外れているだけですが、修理は必要ですか?

必要です。外れた樋を放置すると、本来流れるべきでない場所に雨水が集中し、外壁の汚れやひび割れ、雨漏りの二次被害を招く原因になります。



ヤマムラ建装㈱ 代表取締役 顔写真
私が点検調査にお伺いします!

名古屋市南区を中心に、名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
創業100年以上の技術を受け継ぎ、雨漏り修理から外壁塗装まで、すべて私が責任を持って担当します。

最近やり始めた趣味はゴルフと筋トレ。
お客様の「困った」を解決し、笑顔にするのが私の仕事です。
【保有資格】かわらぶき技能士・ 増改築相談員/ 【趣味】ゴルフ・筋トレ


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