【名古屋市南区】台風直後の屋根点検!見逃されがちな瓦のズレを暴き、職人技のコーキングで完全固定した全記録
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
強風に耐え抜く屋根へ。瓦の「爪」と「接着」で守る修繕ドキュメント

台風が過ぎ去った後の青空の下、名古屋市南区のお客様から一本の電話が入りました。「風の音が凄くて、屋根がどうなっているか心配で…」。地上から見上げても変化は分かりませんが、屋根の上では数ミリの「ズレ」が建物の寿命を縮める致命傷になり得ます。
私たちは直ちに現場へ急行。そこで目にしたのは、自然の猛威によって静かに、しかし確実に蝕まれた瓦の姿でした。本記事では、破損した瓦を単に交換するだけでなく、二度と同じ被害を出さないための「見えない固定技術」に焦点を当て、その施工の一部始終を公開します。安易な修理で終わらせない、現場のリアルをご覧ください。
前回の現場ブログでもある、初回訪問での点検調査の様子を読み戻れます↓↓↓
https://yamamura-kensou.com/work-blog/blog482
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見えない不安との戦い・台風一過の現場から

「昨晩の風は本当に怖かった。何も落ちてはいないけれど、一度見てほしいんです」
お客様の声には、目に見えない場所への不安が滲んでいました。
名古屋市南区の住宅街、一見すると何事もなかったかのように静まり返っていますが、私たちの経験上、台風後の屋根が無傷である保証はどこにもありません。
現場に到着し、まずは地上からの目視確認を行いますが、決定的な異常は見当たりません。
しかし、これこそが落とし穴です。
瓦の破損やズレは、実際に屋根に上がり、至近距離で確認しなければ発見できないケースが大半だからです。
私たちは建物の配置を確認し、幸いにも敷地内に確保できたスペースへ「アップスライダー(伸縮式ハシゴ)」を慎重に設置しました。
ヘルメットの顎紐を締め直し、材料を担いで屋根へと続く動線を確保します。
ここからが、本当の診断の始まりです。

「地上からは綺麗に見えても、屋根の上では瓦が浮いていることがよくあります。
『念のため』の点検が、家を守る最善手です」
屋根上の実態調査・わずかな「ズレ」が示す危険信号

屋根に足を乗せた瞬間、靴底から伝わる感触で瓦の状態を探ります。
一歩一歩慎重に進みながら点検を進めると、恐れていた事態が明らかになりました。
一見整然と並んでいるように見える和瓦ですが、細部を確認すると、強風の煽りを受けて2枚の瓦の先端が欠損している箇所を発見。
さらに深刻だったのは、破損箇所以外の瓦にも生じていた「浮き」と「ズレ」です。
強風が外壁に当たり、逃げ場を失って巻き上がる「ビル風」のような現象が起きた際、瓦は下から持ち上げられます。
この力によって瓦同士の噛み合わせが狂い、本来あるべき位置から数センチずれていました。
このわずかな隙間こそが、雨水を侵入させる最大の入口となります。
放置すれば防水シートが腐食し、室内への雨漏りは時間の問題でした。
原因は明確です。
物理的な衝撃と、風圧による持ち上げ。
私たちは現状を写真に収め、最適な修繕プランを構築しました。
施工の核心・「爪」の勘合とコーキングの技術


ここからが施工のハイライトです。
単に新しい瓦を置くだけでは、修理とは呼べません。
1. 瓦の差し替えと「爪」の重要性
まず、破損した瓦を慎重に取り除きます。
新しい瓦を差し込む際、最も神経を使うのが瓦の裏面にある「爪」の勘合(かんごう)です。
この爪を野地板側の桟木(さんぎ)や隣の瓦に確実に引っ掛けなければなりません。
手探りで爪の位置を確認し、「カチッ」と収まる感触を確かめます。
これが不十分だと、瓦は簡単に浮き上がり、最悪の場合は落下事故につながります。
2. コーキングによる化学的固定
構造的な固定に加え、今回はコーキングボンドによる補強を行いました。
ここでのポイントは「塗る場所」と「塗らない場所」の見極めです。
- 側方部(横): 隣り合う瓦同士をボンドで接着。これにより瓦が一体化し、強風時の飛散リスクを劇的に低減させます。
- 正面部(山): ここが技術の分かれ目です。瓦の正面(下端)を全て塞いでしまうと、瓦内部に入った雨水の逃げ道を塞ぎ、逆に雨漏りを誘発します。私たちは「盛り上がった山部のみ」にコーキングを点付けしました。
完工・強風に動じない強固な屋根へ

すべての瓦の差し替えと、計算されたコーキング固定が完了しました。
ズレていた瓦列は定規で引いたように真っ直ぐに整列し、接着された瓦たちは一枚の強固な板のように屋根全体を覆っています。
手で揺すっても、ビクともしない安定感を確認しました。
地上に降り、撮影した施工前・施工中・施工後の写真をお客様にご覧いただきました。
「こんなに割れていたなんて…写真を見てゾッとしました。
でも、しっかり直してもらえて安心しました」と、安堵の表情を浮かべていただけました。
今回の工事は、単なる「交換」ではなく、自然災害に対する「防御力」を高めるリフォームとなりました。
今後、再び台風が来ても、この屋根なら家を守り抜いてくれるはずです。
記事のまとめ (Summary)
今回の屋根修繕の要点まとめ

今回の現場は、目視だけでは発見できない台風被害の恐ろしさと、正しい施工手順の重要性を再確認する事例でした。
工事のポイント
早期発見: 地上から見えない破損やズレは、屋根上点検でしか発見できない。
確実な施工: 瓦の交換時は、裏面の「爪」を確実に引っ掛けることが落下の絶対防止策。
防水の鉄則: コーキング固定は「水の逃げ道」を考慮し、全面を塞がない技術が必要。
保険適用: 強風による被害は、火災保険が適用される可能性が高いため確認が必須。
FAQ(よくある質問)
Q1. 瓦が1枚割れただけでも修理は必要ですか?
はい、必要です。たった1枚の破損やズレから雨水が浸入し、屋根の下地(防水シートや野地板)を腐食させる原因になります。
被害が拡大する前の部分補修がコストを抑える鍵です。
Q2. 瓦のコーキング補強は自分でもできますか?
おすすめしません。
記事内でも触れた通り、雨水の排水経路(水の逃げ道)を誤って塞いでしまうと、雨漏りを引き起こすリスクが高まります。
適切な位置と量を見極める専門知識が必要です。
Q3. 点検や見積もりにお金はかかりますか?
初動調査(目視点検)とお見積もりの作成は無料で行っております。
被害状況を写真で報告し、必要な工事内容をご提案してから契約となりますので、ご安心ください。

名古屋市南区を中心に、名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
創業100年以上の技術を受け継ぎ、雨漏り修理から外壁塗装まで、すべて私が責任を持って担当します。
最近やり始めた趣味はゴルフと筋トレ。
お客様の「困った」を解決し、笑顔にするのが私の仕事です。
【保有資格】かわらぶき技能士・ 増改築相談員/ 【趣味】ゴルフ・筋トレ







