名古屋市中川区【瓦屋根上げ】屋根葺き替えで新しい瓦を屋根に運ぶ荷揚げ機作業を公開!安全・技術と瓦施工のための事前準備
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
築100年の屋根葺き替え工事:瓦の荷揚げ機作業から学ぶ費用対効果と職人の段取り術
下地作りが完了し、いよいよ新しい瓦の施工が近づいてきました。
屋根葺き替え工事における次の大作業は、この重たい瓦を屋根の上へ運ぶ「荷揚げ」です。
「なぜワザワザ機械を使うの?」
「費用が高くなるのでは?」
と思われるかもしれませんが、実はこの荷揚げ機の活用こそが、工事全体の効率と安全性を高め、結果的にお客様の費用負担を減らす鍵となります。
今回は、荷揚げの舞台裏から、職人の緻密な事前準備(段取り)の重要性を徹底解説します。
【瓦葺き替え】いざ、新しい瓦を屋根の上へ!専用昇降機を使った「荷揚げ」作業の舞台裏


名古屋市中川区にて施工中の、築100年以上のお住まいでの雨漏り修理工事です。
前回までに下地処理を完璧に仕上げ、いよいよ真新しい和瓦を屋根の上へと運ぶ「荷揚げ(にあげ)」の工程に入りました。
瓦は一枚でも重量がありますが、屋根全体となると相当な重さになります。
そこで活躍するのが、私たちのような屋根専門の業者が使用する、荷揚げ専用の「組み立て式梯子(昇降機)」です。
ウィーンという音と共に、銀色に輝く新しい瓦が次々と屋根の上へと運ばれていきます。
なぜ、施工する前にまとめて運んでしまうのでしょうか?
それは、職人さんがいざ瓦を葺く(並べる)際に、手元の取りやすい位置に材料があることで、リズムを崩さずスムーズに、かつ正確に施工ができるからです。
私たち施工者は、屋根のどの位置に何枚必要かを計算し、最適な場所に「上げ越し(先行配置)」をしておきます。
良い工事は、良い準備から。無駄のない動きが、美しい屋根の仕上がりを生み出します。
前回の現場ブログはこちらから読み戻れます↓↓↓
『名古屋市中川区【屋根野地補強】屋根を強くする下地施工!野地板の増し張りとルーフィングで雨漏り対策と強度を向上』
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『名古屋市中川区【屋根目視点検】築100年の屋根雨漏り点検!瓦のズレや経年劣化を調査!葺き替え工事と部分修理の費用相場』
目次
【屋根工事の費用削減】100kgも軽々!「荷揚げ機」がお客様の負担を減らす理由

新しい和瓦を屋根へ運ぶ際、私たち施工者の強力な相棒となるのが、この「荷揚げ機(になげき)」です。
電動モーターとワイヤーを使い、最大で100kg近い材料を一気に屋根の上まで運び上げることができます。
もし、この機械を使わずにすべて職人さんが手作業(手上げ)で行ったとしたらどうなるでしょうか?
作業スピードが格段に落ちて工期が伸びるだけでなく、運搬だけのために多くの人員が必要となり、その分の作業人工代(人件費)がお客様へのご請求額に大きく上乗せされてしまいます。
つまり、この機械を使うことは、単に私たちが効率よく動くためだけではなく、無駄なコストを徹底的に省き、お客様に適正価格で工事をご提供するために必要不可欠なのです。
特に大きな屋根の葺き替え工事では、この道具の有無が費用対効果を左右します。
良い道具を使いこなし、賢く安く、高品質な工事をお届けします。
急勾配も攻略!荷揚げ機の「曲がり」部品と職人の組立テクニック


屋根の上まで材料を運ぶハシゴ(荷揚げ機)の設置には、実は重要なテクニックがあります。
地面から垂直に伸びてきたハシゴを、屋根の傾斜に合わせてカクンと方向転換させるために、「曲がり」と呼ばれる特殊な部品を取り付けます。
この部品があるおかげで、ハシゴは屋根の形状に沿って、頂点である陸棟部(りくむね)まで滑らかに伸びていくことができます。
また、ハシゴの部材には、3m・2m・1mと異なる長さのバリエーションが用意されています。
私たち施工者は、お住まいの高さや屋根の長さを瞬時に判断し、これらの部材をパズルのように最適に組み合わせて設置します。
「ウチの屋根は高いから届くかな?」
「形が複雑だけど大丈夫?」といったご心配は無用です。
どんな現場でも、機材の特性を熟知した職人さんが最適なルートを作り出し、安全確実に工事を進めてまいります。
トラック配置がカギ!スムーズな「瓦搬入」を実現する事前調査の重要性

今回の現場では、設置した荷揚げ専用ハシゴの真横に、瓦を満載したトラックをピタリと横付けすることができました。
この配置なら、トラックの荷台からハシゴへダイレクトに材料を移せるため、体力的なロスもなく、最短時間で効率よく屋根へ瓦を運ぶことができます。
しかし、すべての現場がこのようにスペースに恵まれているわけではありません。
道幅が狭かったり、障害物があったりすることも日常茶飯事です。
だからこそ、私たち施工者は最初の見積もり作成の段階で、単に屋根の状態を見るだけでなく、「足場はどこに建てるか」「搬入トラックはどこまで入れるか」といった動線のシミュレーションまで綿密に行っています。
「段取り八分」と言われる通り、工事の質は準備で決まります。
どんな立地条件でも最適な方法を導き出せるのは、現場を知り尽くした職人さんの経験があるからです。安心してお任せください。
雨養生をめくっていざ本番!新しい「和瓦」の配置と施工スタート


昨晩の雨や夜露から建物を守ってくれた、頼もしいブルーシート。
いよいよ新しい瓦を並べる作業に入りますが、私たちはこのシートをいきなり全部剥がすことはしません。
作業に必要な部分、つまり瓦を置くスペースだけを慎重にめくっていきます。
これは、万が一作業中に急な雨が降ってきても、すぐに屋根を覆って建物を守れるようにするための、施工者としてのリスク管理です。
シートをめくった場所へ、計算された必要枚数の和瓦を屋根の上へと運んでいきます(上げ越し)。
屋根の上に新しい瓦の束が整然と配置されました。
これらは単なる荷物ではなく、これから職人さんが手際よく葺いていくための重要な準備です。
さあ、いよいよここからが本番です。
下地の上に並べられた真新しい瓦を使って、屋根全体を美しく、そして雨に強い構造へと仕上げていきます。
熟練の技で生まれ変わっていく屋根の様子を、次回も詳しくお届けします。
次回の現場ブログはこちらから読み進めます↓↓↓
『名古屋市中川区【瓦屋根施工】築100年屋根のいぶし瓦葺き施工!軒先・ケラバの美しい固定と台風・地震対策の乾式工法』






