名古屋市中川区【屋根葺き替え】大量の土や下地の杉皮を施工者が手作業で安全に処理!雨漏り解決と耐震化に繋がる瓦めくり

名古屋市中川区で築100年の屋根葺き替え!瓦めくりと屋根土撤去で雨漏りの原因を断つ

前回、足場の設置が完了した名古屋市中川区の現場から、いよいよ本格的な屋根葺き替え工事レポートをお届けします。
最初に行うのは、古くなった和瓦を一枚一枚剥がしていく「瓦めくり」という撤去作業です。

実は、築100年以上の日本家屋の屋根には、の下に大量の「」が敷き詰められており、これが建物の重荷になっていることをご存知でしょうか?
今回の記事では、この重いを私たち施工者がどのように安全に降ろし、雨漏りの根本原因である下地劣化に対処していくのか、その全貌を公開します。
見えない部分だからこそ重要な「屋根のリセット工事」、その職人技をご覧ください。

【名古屋市中川区】築100年の屋根葺き替え!古い和瓦を撤去する「瓦めくり」の重要性とは?

01.名古屋市中川区 屋根葺き替え 瓦屋根を予定した範囲で取り剥がしていきます。
02.名古屋市中川区 屋根葺き替え かなり大きな切妻形状の屋根となります。

前回、安全対策としての足場設置の様子をご紹介した名古屋市中川区の現場にて、いよいよ本格的な屋根の葺き替え工事がスタートしました。
今回ご紹介するのは、最初の大仕事であり、工事の品質を左右する「瓦めくり(撤去作業)」の様子です。

築100年以上経過した和瓦の屋根は、瓦の下に大量の土が敷かれていることが多く、建物はずっと重い荷物を頭に乗せているような状態でした。
私たち施工者の手で、古くなった瓦と土を一枚一枚丁寧に撤去していくこの作業は、単なる解体ではありません。
屋根を軽量化することで、建物の耐震性を大幅に向上させ、根本的な雨漏りの原因を取り除くための重要な工程です。

熟練の職人さんが手際よく屋根を裸にしていくことで、新しい屋根を迎える準備が整います。
和瓦のメンテナンスやリフォームをご検討中の方は、建物の寿命を延ばすこの「下地のリセット」にぜひご注目ください。

【屋根工事の安全対策】落下物ゼロへ!瓦めくり前の「徹底養生」と「掃除」の工夫

03.名古屋市中川区 屋根リフォーム 落下防止として軒先から養生シートを設置します。
04.名古屋市中川区 屋根葺き替え 建物周りにもあらかじめブルーシートを敷いておきます。

屋根の上で古い瓦を撤去する「瓦めくり」の作業中は、どんなに注意していても、細かなガラや部材が屋根から落下してくるリスクがゼロではありません。
万が一、その下に人が通っていたら大変な事故につながります。
そのため、私たち施工者は作業を始める前に、必ず軒先と足場を繋ぐように隙間なく養生シートを縛り付け、落下物が地上へ落ちないよう万全の対策を行います。

また、お客様には「作業中は建物の近くを歩かないでください」と事前にお伝えし、どうしても通行が必要な場合は、必ず私たち職人さんに声をかけていただくようお願いしております。
これらはすべて、お客様とご家族の安全を守るための大切なルールです。

さらに、地面の軒下部分にはあらかじめブルーシートを広く敷き詰めます。
屋根工事では長年の土や埃が落ちてきますが、このシートがあればお庭を汚さず、作業終了後もシートを畳むだけでゴミをまとめて回収できます。
最後まできれいな現場で掃除を完了させること。
これも良い工事を行うための重要な準備の一つです。

【屋根葺き替え】古い「和瓦」の撤去作業!職人の連携が光る瓦めくりの裏側

05.名古屋市中川区 葺き替え 瓦屋根を一枚ずつ取り剥がしていきます。.JPG
06.名古屋市中川区 屋根葺き替え 取り剥がした瓦を屋根から降ろしておきます。

いよいよ、屋根の上に載っている古い和瓦を一枚ずつ手作業で剥がしていく「瓦めくり」の工程に入ります。

基本的に瓦は整然と並んでいますが、この撤去作業に関しては、実は「ここから剥がさなければならない」という絶対的なルールはありません。
その場の状況や足場の位置に合わせて、私たち施工者がお互いの動きを見ながら、阿吽(あうん)の呼吸で作業を進めていきます。

他の職人さんの邪魔にならないよう、柔軟に立ち位置を変えて効率よく動くこと。
これこそが現場をスムーズに進める秘訣です。

剥がした大量の瓦は、そのままバラバラにするのではなく、一度屋根の上の安全な場所にまとめて「仮置き」します。
そして、ある程度の量がまとまった段階で、下に待機している運搬用トラックの荷台へと、バケツリレーのように手際よく降ろしていきます。
一見地味な作業に見えますが、こうした廃材撤去のスムーズさは工期の短縮にも直結します。
手際の良い屋根リフォームなら、ぜひ私たちにお任せください。

【屋根の軽量化】瓦の下から大量の土!「屋根土」の役割と撤去時のホコリ対策

07.名古屋市中川区 屋根葺き替え 瓦を接着させる屋根土がかなり風化しています。
08.名古屋市中川区 屋根葺き替え 風化した屋根土を土嚢袋に積んで屋根から降ろします。

瓦を一枚ずつめくっていくと、その下からさらさらとした土が現れます。
これは「屋根土(やねつち)」と呼ばれるもので、昔の日本家屋では瓦を固定する接着剤のような役割を果たしていました。

新築当時は水分を含んだ泥状で施工されており、そのズッシリとした重みが建物全体に加わることで、一種の「重し」として家を安定させる効果がありました。
しかし、長い年月を経て水分が抜け、現在は乾燥して風化し、もろい状態になっています。

今回の葺き替え工事では、この古くなった土もすべて撤去します。
ただ、乾いた土をそのまま屋根から降ろすと、周囲に大量の粉塵が舞ってしまいます。
そこで私たち施工者は、土を一つひとつ「土嚢袋(どのうぶくろ)」に詰め込んでから運び出す方法をとっています。

解体作業の性質上、どうしても完全にをゼロにすることは難しいのですが、近隣の方々へご迷惑がかからないよう、職人さんの手で可能な限り飛散を防ぐ対策を徹底して作業を進めています。

【雨漏りの真犯人】昔の防水材「杉皮」の劣化とは?2025年法改正と野地板の関係

09.名古屋市中川区 屋根葺き替え 昔の屋根の防水紙扱いだった劣化した杉皮。
10.名古屋市中川区 屋根葺き替え 劣化した杉皮をすべて取り剥がしていきます。

屋根土を撤去すると、その下から現れたのは「杉皮(すぎかわ)」です。
現代の住宅では防水シートを使いますが、築年数の古いお住まいでは、この杉の皮を防水紙の代わりとして隙間なく張り巡らせていました。

新築時は立派な防水機能を持っていましたが、長い年月で乾燥して痩せてしまい、今では所々に「隙間」ができています。
実は、表面の瓦をいくら直しても雨漏りが止まらない場合、瓦の下にあるこの杉皮の隙間が根本的な原因であるケースが非常に多いのです。
そのため、今回の工事では役目を終えた杉皮を綺麗に取り除き、屋根の下地である「野地板(のじいた)」を露出させる作業を行いました。

ちなみに、この野地板の取り扱いについて、2025年以降の法改正で基準が厳しくなることをご存知でしょうか?
大規模なリフォームで野地板自体を取り外す場合、役所への建築確認申請が必要になる可能性があります。

今回は不陸(デコボコ)直しなどの構造変更を伴わないため対象外となるケースが多いですが、私たち施工者はこうした最新の法規制もしっかり把握しています。
見えない下地の判断から法令対応まで、知識と経験豊富な職人さんがいる私たちに安心してお任せください。

【屋根下地の調整】新しい板を貼る前に!「野地板」の釘処理と掃除が重要な理由

11.名古屋市中川区 屋根葺き替え 作業した範囲を掃除して釘などを打ち込みます。

古い防水材などをすべて撤去し、建物の骨組みである野地板(のじいた)が露わになった状態で、入念な掃除を行います。
この時、単にゴミを掃くだけではありません。
私たち施工者は、古い板から浮き上がってしまっている「釘」を一本一本確認し、しっかりと打ち込んで平らな状態に戻していきます。

なぜ、この地道な作業が必要なのでしょうか?
それは、この後に行う工程で、既存の屋根の上に新しい野地板合板を重ねて貼る(増し張り)ためです。
もし古い釘が出っ張ったままだと、新しい板が浮いてしまい、屋根の強度が下がったり、仕上がりが波打ったりする原因になります。

お化粧と同じで、屋根リフォームも新しい材料を貼る前の「下地作り」が最終的な品質を決めます。
隠れてしまう部分にこそ手を抜かない、職人さんの丁寧な仕事にご期待ください。
次回はいよいよ、新しい合板の設置工事をご紹介します。


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