名古屋市中川区【屋根目視点検】築100年の屋根雨漏り点検!瓦のズレや経年劣化を調査!葺き替え工事と部分修理の費用相場
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
名古屋市中川区の築100年平屋で雨漏り点検!いぶし瓦の劣化と南面葺き替え工事の現地調査
「天井から雨が漏れてきた」…そんな不安な時、まず何をすべきでしょうか?
今回は、名古屋市中川区にお住まいのお客様よりSOSをいただき、なんと築100年以上という歴史ある平屋の現地調査へ伺いました。
一見美しい日本家屋のいぶし瓦ですが、長年の風雪により「ズレ」や「ひび割れ」が発生し、それが雨漏りの直接的な原因となっていました。
修理といっても、全部直すべきか、部分的に直すべきか悩みますよね。
この記事では、実際の点検写真をもとに、私たち施工者がどのように原因を特定し、お客様の予算や想いに合わせた最適なプラン(今回は南面のみの葺き替え)をご提案したのか、その裏側を詳しくレポートします。
【名古屋市中川区】築100年以上の平屋で雨漏り点検!いぶし瓦の経年劣化と対策

先日、名古屋市中川区にお住まいのお客様より「天井から雨が漏れてきた」とのご連絡をいただき、現地調査へ伺いました。
お住まいは、なんと築100年以上という歴史ある平屋建て。
さっそく脚立を設置し、切妻屋根の点検調査を入念に行いました。
屋根には、日本家屋特有の美しいいぶし瓦が使用されていました。
いぶし瓦は耐久性に優れていますが、100年という長い歳月の中で、凍て割れやズレ、漆喰の剥離といった経年劣化が避けられません。
今回の雨漏りも、こうした屋根全体の傷みが主な原因である可能性が高いと判断しました。
お客様も今後の安心を考慮され、一時的な補修ではなく、根本的な解決策となる葺き替え工事をご検討されており、今回はそのお見積りを作成することになりました。
歴史ある大切なお住まいを長く守り続けるためには、私たち職人さんによる定期的な診断と、早めのメンテナンスが欠かせません。
「うちは大丈夫かな?」と思われた方は、ぜひお気軽にご相談ください。
目次
- 1 名古屋市中川区の築100年平屋で雨漏り点検!いぶし瓦の劣化と南面葺き替え工事の現地調査
- 2 【雨漏り調査】原因特定は「目視」が鍵!失敗しない屋根業者の選び方
- 3 軒先瓦の「ズレ」は危険信号!和瓦の劣化リスクと対策
- 4 【屋根リフォーム】古くなった「ガラス瓦」の撤去と「棟瓦」の点検報告
- 5 【屋根葺き替え】思い出を繋ぐ!立派な「鬼瓦」の再利用と職人の技
- 6 【屋根点検の裏側】「5.5寸〜6寸」は急勾配!職人が教える安全な調査の判断基準
- 7 【屋根の危険信号】和瓦がズレる4つの原因とは?軒先・ケラバの固定が重要な理由
- 8 【屋根の寿命】瓦は30年が目安?ヒビ割れや吸水リスクから見る「葺き替え」のタイミング
- 9 【屋根葺き替え】「南面だけ直したい」は可能?写真で納得!部分工事のお見積り作成事例
【雨漏り調査】原因特定は「目視」が鍵!失敗しない屋根業者の選び方

雨漏りの原因を正確に特定するためには、いきなり修理を始めるのではなく、まずは徹底的な目視による点検調査が何より重要です。
水が浸入する場所は、必ずしも屋根の真上からとは限りません。
私たち施工者は、屋根そのものはもちろん、外壁や接合部など、建物の周り全体を注意深く観察し、漏水箇所の可能性が高いポイントを一つひとつ確認します。
もちろん、下からの観察だけでなく、後ほど実際に屋根の上に登って、ズレや割れがないか細部まで状況を調査します。
万が一、雨漏りが発生した際、焦って対応するとかえって状況を悪化させてしまうこともあります。
被害を拡大させないためにも、確かな目を持つ職人さんがいる、信頼できる屋根業者に依頼することが解決への近道です。
大切なお住まいを守るため、早期発見・早期対応を心がけましょう。
軒先瓦の「ズレ」は危険信号!和瓦の劣化リスクと対策

屋根の一番先端にあたる「軒先部(のきさきぶ)」。
ここは雨風の影響を最も強く受ける場所であり、一般的に和瓦の中でも専用の部材が使われています。
今回の目視点検で特に気になったのが、この軒先の並びに生じていた「ズレ」です。
長い年月を経たお住まいでは、全体的な経年劣化によって瓦が動き、ラインが波打ってしまうことがあります。
また、新築当時の施工精度が影響しているケースもゼロではありません。
原因がどちらにあるにせよ、建物の最前線である軒先が不安定な状態にあることは、今後のお住まいにとって決して良いことではありません。
ここから雨水が浸入したり、強風で瓦が落下したりするリスクが高まるからです。
屋根の不調は下から見上げても分からないことが多いものです。
だからこそ、経験豊富な職人さんによる的確な診断が必要です。
少しでも不安を感じたら、まずはご相談ください。
【屋根リフォーム】古くなった「ガラス瓦」の撤去と「棟瓦」の点検報告


建物全体を目視点検した際、屋根全体に年数なりの劣化が見られました。
特筆すべきは、昔の天窓代わりである「ガラス瓦(明かり取り)」の存在です。
すでに長年の汚れが付着して採光の役目を果たせていないため、今回のお客様のご要望通り、工事の際に撤去して塞ぐことになりました。
不要になった開口部を確実に塞ぐことは、将来の雨漏り対策としても有効です。
また、屋根の頂上部分である「陸棟(りくむね)」も詳しく調査しました。
長い年月が経っているにも関わらず、ズレが少なく一直線に並んでいる点は、新築当時の施工レベルの高さが伺えます。
しかし、棟瓦の一枚一枚はすでに限界を迎えてボロボロの状態です。
そのため、今回は既存の良さを活かすのではなく、新しく積み直す工事が必要と判断しました。
一見きれいに見えても、素材の寿命は見逃しません。
こうした細かな判断ができるのも、私たち職人さんによる現地調査の強みです。
【屋根葺き替え】思い出を繋ぐ!立派な「鬼瓦」の再利用と職人の技

屋根の点検を進める中で、ひと際目を引いたのが、屋根の頂点に鎮座する立派なサイズ感の「鬼瓦」でした。
他の瓦には経年劣化が見られましたが、不思議なことにこの鬼瓦に関しては、目立つほどの劣化が見当たらず、まだまだ現役で家を守り続けられる良好な状態を保っていました。
お客様からも「家の顔であるこの鬼瓦だけは、新しい屋根になっても残してほしい」という強いご要望をいただきました。
そこで、今回の葺き替え工事では、瓦をすべて新しくするのではなく、この鬼瓦を慎重に取り外し、新しい屋根に再利用する計画で進めることになりました。
リフォームは、単に古くなったものを捨てるだけではありません。
お客様の愛着や家の歴史を大切にしながら、柔軟な工事プランを提案できるのも、私たち職人さんの腕の見せ所です。
「一部だけ既存の部材を使いたい」といったこだわりのご相談も、ぜひお任せください。
【屋根点検の裏側】「5.5寸〜6寸」は急勾配!職人が教える安全な調査の判断基準

今回の現場は平屋のお住まいでしたので、まずは軒先部に脚立を設置し、そこから屋根の状態を確認するアプローチをとりました。
しかし、実際に屋根に近づいてみると、その屋根勾配(傾斜の角度)は5.5寸から6寸ほどあることが分かりました。
建築用語で言うところの急勾配にあたり、この角度になると屋根の上で普通に立つことすら困難になります。
滑落のリスクが高まるため、私たち施工者の安全基準として、本来は足場なしで登るべきではない勾配です。
無理をして万が一の落下事故などが起きれば、お客様に多大なご迷惑をおかけすることになります。
そのため今回は、安全を最優先し、脚立から確実に確認できる軒先周辺の重点的な点検調査とさせていただきました。
「屋根ならどこでも登れる」わけではありません。
現場の状況を冷静に判断し、安全かつ確実な方法を選択できるのも、経験を積んだ職人さんならではの責任ある対応です。
屋根の傾斜が急でご不安な方も、まずは正直な診断ができる私たちにご相談ください。
【屋根の危険信号】和瓦がズレる4つの原因とは?軒先・ケラバの固定が重要な理由


先日の点検調査で、軒先部周辺の和瓦の並び(通り)が、縦横ともに大きくズレているのを確認しました。
経年劣化した切妻屋根で、なぜこのように瓦が動いてしまうのでしょうか?
その理由は一つではありませんが、現場でよく見られる主な原因は以下の通りです。
まず、昔の施工では軒先瓦を固定釘で止めていないケースが多く、年月とともに瓦自体の重みで前に押し出されてしまうことです。
また、接着剤の役割をしていた屋根土が風化して痩せてしまい、固定力を失うこともズレを加速させます。
中には、当時の施工段階で最初から並びが甘かったというケースも考えられます。
特に和瓦の屋根は、外周部分である軒先やケラバ(袖部)を釘や針金線でしっかり固定しないと、そこから緩んで屋根全体のズレに繋がってしまいます。
瓦の乱れは雨漏りの予兆です。「屋根が波打っている気がする」と感じたら、構造を熟知した職人さんがいる私たち施工者へお早めにご相談ください。
【屋根の寿命】瓦は30年が目安?ヒビ割れや吸水リスクから見る「葺き替え」のタイミング

屋根の点検を進めると、屋根瓦の表面に細かいヒビ割れが発生しているのが確認できました。
これは明らかな経年劣化のサインです。
しかし、もっと怖いのは目に見えない変化です。
古くなった瓦は、表面の機能が低下し、本来持っていた水を弾く力が失われてしまいます。
その結果、瓦自体が水を吸いやすくなり(吸水)、雨水が内部へ染み込んでしまうのです。
こうなると、瓦は家を守る役割を十分に果たせなくなってしまいます。
瓦の種類や精度にもよりますが、一般的に築30年〜40年が経過したお住まいは、屋根全体が寿命を迎えている可能性が高いです。
雨漏りが起きてからでは修繕費用もかさむため、この時期を目安に、既存の屋根を丸ごと新しくする葺き替え工事を検討されることを強くおすすめします。
適切な交換時期を見極めるためにも、経験豊富な職人さんがいる私たち施工者へ、まずは診断をご依頼ください。
【屋根葺き替え】「南面だけ直したい」は可能?写真で納得!部分工事のお見積り作成事例

屋根のリフォームを検討される際、「予算を抑えたい」「特に傷んでいる箇所だけ直したい」と考えるのは自然なことです。
今回のお客様からも、切妻屋根の片側、特に日差しや雨風の影響を受けやすい「南面(半面分)」だけを対象とした葺き替え工事の見積もりが欲しい、という具体的なご要望をいただきました。
私たち施工者は、こうした部分的な工事のご相談にも柔軟に対応いたします。
まずは正確な費用を算出するため、屋根全体の寸法を丁寧に測り、点検調査を完了させました。
その後、実際に屋根の上で撮影した写真をお客様にお見せしながら、現在の状況を一つひとつご説明させていただきました。
口頭の説明だけでなく、普段見えない屋根の上を写真で確認いただくことで、「なぜ工事が必要なのか」を深く納得していただけたと感じています。
最終的に、お客様のご希望通り「南面のみの葺き替え」という内容で、最適なプランを作成しお渡ししました。
「全部変えないといけないのかな?」と迷われている方も、現場を知り尽くした職人さんが最適な方法をご提案しますので、まずはお気軽にご希望をお聞かせください。
次回の現場ブログはこちらから読み進めます↓↓↓
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