常滑市【洋風瓦差し替え】強風被害!棟瓦が飛んで放置は危険!雨漏りする前に点検・修理を!瓦が飛ぶ原因「釘浮き」とは?
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
強風で瓦が飛んだ!名古屋市近郊の屋根、緊急点検と修理の重要性
「台風みたいな風で、屋根の瓦が庭に落ちて割れた!」
名古屋市やその近郊でも、このような強風による屋根被害のご相談が相次いでいます。
屋根から何かが落ちてくるのは、本当に不安ですよね。
放置すれば雨漏りにつながるかも…と心配になるのも当然です。
この記事では、実際に常滑市で発生した棟瓦の落下事例をもとに、なぜ瓦が飛ぶのか、放置するとどうなるのか、プロがどう応急処置するのかを分かりやすく解説します。
常滑市にて強風で棟瓦が落下!屋根の緊急点検と応急処置に伺いました

先日、常滑市にお住まいのお客様から「台風のような強い風で、屋根の棟瓦(むねがわら)が飛んで、庭に落ちて割れてしまった」と、ご不安な様子でご相談のお電話をいただきました。
急いで現場へお伺いし、まずは状況をお伺いしました。
下に落ちて粉々になった瓦は、お客様が危なくないようにと、すでに片付けてくださっていました。
お客様が「あそこの谷の部分が危ない状態で…」と指を差された先を見上げると、屋根の谷部の先端で、瓦が今にも落ちそうにぶら下がっている非常に危険な状態でした。
このままでは、残った瓦がいつ落下してもおかしくありません。
お客様の安全確保を第一に考え、すぐに屋根へ登らせていただき、まずは瓦がこれ以上落ちてこないよう、しっかりと固定する応急処置を行いました。
強風による屋根の被害は、放置すると雨漏りなど二次被害の原因にもなります。
「もしかしてウチも?」と少しでもご不安を感じたら、被害が広がる前に、ぜひお早めにご相談ください。
目次
屋根の棟瓦が強風で飛ぶ本当の理由。原因は「釘の浮き」かもしれません

「強い風が吹いたら、屋根の一番高い部分にある棟瓦(むねがわら)が飛んでしまった」というご相談は非常に多いです。
もちろん、台風並みの強風が直接の引き金であることは間違いありません。
しかし、築年数が経っているお住まいの場合、もっと根本的な原因が隠れていることがほとんどです。
それは「棟瓦を固定している釘の劣化」です。
屋根は常に紫外線や雨風にさらされています。
そのため、棟瓦を固定しているパッキン付きの釘が、経年劣化によって少しずつ浮いてきてしまう「釘浮き」という現象が起こることがあります。
釘が浮くと、そこから雨水が屋根の内部に侵入してしまいます。
侵入した雨水は、瓦の下にある土台の木材を湿らせ、気づかないうちに緩ませてしまいます。
土台が緩んでしまうと、釘はもう瓦を固定する力を失っています。
その結果、普段なら耐えられるはずの風でも、瓦が簡単に吹き飛んでしまうのです。
「うちはまだ大丈夫」と思っていても、見えない部分で劣化が進んでいるかもしれません。
屋根の谷樋に詰まった棟瓦!落下の危険を防ぐ緊急応急処置

屋根の点検を進めると、強風で飛ばされた棟瓦(むねがわら)が、屋根の面と面が交差する「谷樋(たにどい)」という雨水の通り道に引っかかり、数枚が固まった状態になっていました。
このまま放置すると、何かの拍子に谷樋から重い瓦が地面に落下し、人や物に当たってしまう二次被害につながる可能性があり、非常に危険な状態です。
お客様の安全を第一に考え、すぐに落下防止のための応急処置に取り掛かりました。
まず、まだ割れずに形が残っている瓦を慎重に取り出し、元々あった隅棟(すみむね)の部分に戻し、ビス釘を使ってしっかりと仮固定します。
残念ながら衝撃で割れてしまっていた瓦は、屋根の上に残しておくと危険なため、すべて土嚢袋(どのうぶくろ)に回収し、安全に地上へ降ろしました。
まずはこれ以上瓦が落ちてこないことを最優先した対策です。
屋根の被害は、こうした迅速な応急処置が被害の拡大を防ぎます。
強風で飛んだ瓦が屋根を直撃!二次被害と修理の注意点

強風による被害は、棟瓦(むねがわら)が飛んでしまうだけでは終わりません。
点検を進めたところ、飛ばされた棟瓦が屋根の別の場所に落下し、その強い衝撃で他の屋根瓦が割れたり、先端が欠けたりしている箇所が複数見つかりました。
このように破損した瓦をそのまま放置してしまうと、割れた隙間から雨水が浸入し、雨漏りの原因となってしまいます。
そのため、破損した瓦は新しいものに交換(差し替え)する必要があります。
ここで一つ注意点があります。今回のお住まいで使用されていた屋根瓦は、現在ではあまり見られない特殊な色合いのものでした。
古い瓦や特殊な色の瓦は、すでに廃盤になっていたり、製造ロットの違いでまったく同じ色のものをご用意するのが難しいケースが多々あります。
そのため、お客様には事前に「破損した部分の瓦を差し替えると、その部分だけ新しい瓦の色が異なり、色違いが発生してしまう可能性が高いです」という現状を正直にお伝えし、ご納得いただいた上で修理方法をご提案させていただきました。
後で「聞いていなかった」とならないよう、メリットだけでなくデメリットもしっかりお伝えするのが、私たちの責任だと考えています。
廃盤?屋根瓦の「特殊色」。修理で色違いが出る理由と現実的な対処法

屋根の修理で瓦を差し替える際、築年数が経っているお住まいや、特殊な釉薬(ゆうやく)を使った瓦の場合、大きな問題に直面することがあります。それは「全く同じ色の瓦が手に入らない」という問題です。
すでに製造が終了(廃盤)しているケースが多いためです。
もし、どうしても同じ色を再現しようと特注で製作を依頼すると、場合によっては工場の金型(かながた)から作る必要があり、瓦一枚の価格が数百万円単位になってしまう可能性もゼロではありません。
これは現実的な修理費用とは言えません。
そのため、弊社ではお客様に現状を丁寧にご説明し、現在流通している瓦の中で、できるだけ違和感のない「最も近い色(近似色)」での差し替え作業をご提案しています。
瓦の落下による二次被害。ケラバ瓦の破損と潜む危険性

屋根の被害状況を詳しく調査したところ、強風で飛んだ棟瓦(むねがわら)が原因の二次被害も発生していました。
屋根の端の部分(ケラバ)に取り付けられている「ケラバ袖瓦」が、落ちてきた棟瓦と衝突し、割れてしまっていたのです。
何よりも幸いだったのは、この落下物がお客様や通行人の方に当たらなかったことです。
屋根瓦は一枚見ると小さく感じるかもしれませんが、材質は陶器製です。
見た目以上に重量があり、もし二階の高さから人の上に落ちてくれば、大怪我につながる非常に危険な事故になっていたと考えられます。
屋根のトラブルは、雨漏りだけでなく、こうした「落下の危険性」もはらんでいます。
割れた瓦の隙間から雨漏り?ケラバ袖瓦の破損と早期修理の重要性

点検を進めると、屋根の端にある「ケラバ袖瓦」が、棟瓦の衝突によって大きく割れ、隙間ができてしまっている状態でした。
この割れた隙間は、雨が降るたびに雨水が内部に入り込む格好の入り口となってしまいます。
ケラバ(屋根の端)からの雨水浸入は非常に厄介です。
屋根の内部には雨漏りを防ぐ「防水紙(ルーフィング)」が敷かれていますが、その施工状態や経年劣化の状況によっては、浸入した雨水が防水紙を乗り越え、屋根裏まで達してしまい、室内の雨漏りを引き起こす可能性があります。
今回のケースでは、このケラバ袖瓦の破損に加え、強風で吹き飛んで無くなった「棟冠瓦」や、衝撃で割れた他の「屋根瓦」もあり、屋根全体が非常に雨漏りしやすい危険な状態でした。
お客様には現状を詳しくご報告し、被害が拡大して修理費用がさらに高額になる前に、できるだけ早めの修理を行うことをご提案させていただきました。
後日、今回の被害箇所すべてを直すための修繕工事の御見積書を作成し、お客様へお渡しいたしました。
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『常滑市【洋風瓦修理】強風で屋根の棟瓦が飛散して被害!雨漏りを防ぐ応急処置とは?修理までの流れと二次被害の怖さ!』

