名古屋市昭和区【セメント瓦修理】その棟瓦の針金固定は危険!台風や地震で落下する前に施工不良の原因と正しい修理方法

突然の瓦落下にご注意!築20年以上の家に潜む「針金固定」の危険性

01.名古屋市昭和区 棟の付き直し 施工ミスした棟瓦のやり直し作業。

先日、名古屋市昭和区にお住まいのお客様から「屋根の瓦がズレて、今にも落ちてきそうで怖い」という緊急のご相談を受け、屋根リフォームを視野に入れた点検にお伺いしました。

屋根に上がって調査すると、原因はすぐに判明しました。
「モニエル瓦」という種類のセメント瓦を固定している針金が、経年劣化によって錆びて切れてしまっていたのです。
約20年以上前の屋根工事では、瓦を針金で固定する方法が広く採用されていましたが、当時の針金は年月と共に耐久性が低下し、このように切れてしまう事例が少なくありません。

固定を失った重い瓦は、地震の揺れや台風などの強風によって簡単にズレ動き、最悪の場合は地上へ落下してしまいます。
ご家族はもちろん、お隣様や通行人の方を巻き込む事故にも繋がりかねない、非常に危険な状態でした。

現在の屋根リフォームでは、錆びにくく耐久性の高いビスで瓦を一枚一枚しっかりと固定する方法が主流です。
築20年以上経過したお住まいで一度も点検をされていない場合、同じリスクを抱えている可能性があります。
大きなトラブルになる前に、ぜひ一度、無料の屋根診断をご検討ください。.

その棟瓦針金固定は危険信号!台風で飛ばされる前の屋根診断を

02.名古屋市昭和区 棟の付き直し 棟瓦を針金で緊結のため劣化で切断寸前です。

屋根全体の調査を進めていくと、前回見つかった瓦のズレだけでなく、屋根の頂上部分を覆う「棟瓦(むねがわら)」にも、深刻な問題が隠されていることがわかりました。

なんと、屋根を風雨から守る最も重要な棟瓦が、針金で縛られているだけで固定されていたのです。
モニエル瓦のような洋風瓦の場合、棟瓦は本来、防水性の高いパッキン付きのビスで下地にしっかりと打ち付けて固定するのが、現在の標準的な工法です。

古い針金は、長年の紫外線や風雨に晒されることで伸びたり、錆びて強度が低下したりします。
固定力が緩んだ棟瓦は、地震の揺れや、特に近年の大型化する台風の強風を受けた際に、一気に剥がされて飛散する危険性が極めて高くなります。

そのため、私たちはこの危険な状態を解消するため、棟を一度解体して内部から正しく作り直す屋根リフォームをご提案します。
特に1980年代から1990年代中頃に建てられたお住まいでは同様の施工が多く見られます。

棟瓦を剥がして発覚。雨漏りを招く「スカスカな内部構造」とは

03.名古屋市昭和区 棟の付き直し 棟内部の施工ミスが問題です。

棟瓦を正しい工法で固定し直すため、まずは既存の棟瓦を一枚ずつ慎重に取り外していきます。
そして姿を現した棟の内部を見て、私たちはこのお住まいが抱えていた雨漏りリスクの根本原因を目の当たりにしました。

本来、棟の内部は漆喰などでしっかりと土台が作られていなければなりませんが、こちらでは中心の木材に薄い板を打ち付け、それを壁代わりにして少量の漆喰を塗るという、簡略化された工法が採用されていました。
そのため、棟の内部はほとんどが空洞という、非常に脆弱な状態でした。

この工法は、漆喰の使用量を減らせるという施工側の都合によるものですが、長期的な観点では大きな問題を抱えています。
まず、内部が空洞のため棟全体の強度が不足します。
さらに、漆喰を支える下地の板が経年劣化で腐ると、そこが水の浸入口となり、雨漏りを引き起こしてしまうのです。

今回のリフォームでは、この問題のある内部構造をすべて解体・撤去し、現在の基準に則った頑丈で防水性の高い棟へと生まれ変わらせます。

プロはここまで見抜く!屋根の施工不良その驚くべき原因とは?

04.名古屋市昭和区 棟の付き直し 漆喰などの材料を減らす目的で手抜き作業。

前回発覚した脆弱な棟の内部を根本から作り直すため、まずは解体作業から始めます。
中心の木材や下地板、古い漆喰などを丁寧に取り除き、下地をクリーンな状態にしていきます。

この作業を進める中で、私たちは当初からの疑問であった「なぜ本来使うべきビスではなく、針金で棟瓦を固定したのか」という、もう一つの施工不良の核心に迫ることができました。

その原因は、棟の中心にある下地木材の「高さ不足」にありました。
下地が低すぎたために、上から棟瓦を被せると大きな隙間が生まれ、通常の長さのビスでは届かない状態だったのです。
当時も特注の長いビスは存在しましたが、おそらくは手間やコストを優先した結果、安易に針金で縛って固定するという方法が取られてしまったのだと推測されます。

一つひとつの工程で正しい判断と施工を行うこと。
その積み重ねが、お住まいの寿命を大きく左右します。

地震や台風に負けない屋根へ!「強力棟金具」で実現する頑丈な棟の作り方

05.名古屋市昭和区 棟の付き直し 棟に強力棟金具を設置します。
06.名古屋市昭和区 棟の付き直し 金具の上に補強の垂木材を設置します。

棟の施工不良の根本原因が下地木材の「高さ不足」にあると判明しました。
今回の工程では、この問題を完全に解決し、地震や台風にも負けない強固な棟の土台をゼロから作り直していきます。

その要となるのが「強力棟金具」という、亜鉛めっき鋼板製の専用部材です。
まず、この金具を棟の中心線に沿って等間隔に設置し、屋根の下地とがっちり固定します。
この金具が、これまで不足していた高さを正確に補い、さらに棟全体の強度を飛躍的に高めるという、二つの重要な役割を担います。

強力棟金具を設置後、その上に新しい下地木材(垂木)を載せ、金具に設けられた穴を通して長いビスでしっかりと固定します。
これにより、下地木材が屋根の構造体と一体化し、横からの力にも非常に強い、安定した棟の骨格が生まれます。

見えない部分にこそ、現代の基準に合った部材と確かな技術を投入する。
これが、お住まいを長持ちさせるための私たちのこだわりです。

防水性と強度が格段に違う!棟を守る「南蛮漆喰」の効果とは

07.名古屋市昭和区 棟の付き直し タルキに沿って漆喰を塗っていきます。

強力棟金具によって再構築された頑丈な棟の骨格。
今回は、この土台の防水性と強度をさらに高め、雨水の侵入を完全にシャットアウトするための重要な工程に入ります。

ここで使用するのが「南蛮漆喰(なんばんしっくい)」という、非常に優れた建材です。
これは従来の白い漆喰にセメントなどを配合したもので、格段に高い防水性と強度を誇ります。
以前のような内部が空洞だった工法とは違い、私たちはこの南蛮漆喰を使って、中身の詰まった頑丈な棟の土台を形成していきます。

新しく設置した下地木材の両脇に、南蛮漆喰をたっぷりと、そして隙間なく塗り込んでいきます。
モニエル瓦との接点から雨水が吹き込むことがないよう、棟内部の空間を漆喰で埋め尽くし、水の通り道を完全に塞ぎます。
これにより、強力な防水層と安定した土台が同時に完成します。
元の状態より、もっと強く、もっと長持ちする屋根へ。

もう針金には頼らない!ビス固定で実現する「災害に強い棟」の完成

08.名古屋市昭和区 棟の付き直し パッキン付きビスを打ち込み棟瓦を固定します。

頑丈な下地と防水性の高い土台が完成し、いよいよ棟瓦の設置、リフォーム工事の総仕上げに入ります。
かつて針金で頼りなく固定されていた棟瓦を、もう二度とズレたり飛んだりしないよう、現代の正しい工法でがっちりと固定していきます。

工事の初めに丁寧に取り外しておいた棟瓦を、新しく作った棟の頂上に被せ、一枚ずつ順番に取り付けます。
そして、棟瓦の穴を通して、防水性能の高いパッキン付きの太いビスを、下地の木材に直接、力強く打ち込んでいきます。

この確実なビス固定が可能になったのは、まさしく「強力棟金具」で下地の高さを調整したからです。
以前はスカスカだった棟瓦と下地の隙間は完全になくなり、ビスが両者を完璧に連結できるようになりました。
これこそ、長年の問題の根本的な解決がなされた瞬間です。

針金による応急処置のような固定から、理論に基づいた確実なビス固定へ。
これで、近年の激しい台風や地震の揺れにも耐えうる、強く美しい棟が完成しました。

「これでやっと安心できる」お客様の一言が私たちの誇りです

09.名古屋市昭和区 棟の付き直し 棟瓦一本ずつにビスを打ち込んでいきます。
10.名古屋市昭和区 棟の付き直し ブロアー

全ての棟瓦を一本一本ビスで確実に固定し、名古屋市昭和区で進めてきた屋根リフォーム工事が、ついに完了しました。
屋根の上の道具や材料をきれいに片付け、最後にブロワーで屋根全体を清掃します。
お客様に気持ちよくお過ごしいただくため、後片付けまで丁寧に行うのが私たちの信条です。

そして、工事完了後はお客様へのご報告の時間を何よりも大切にしています。
工事中に撮影した写真をお見せしながら、問題があった箇所と、それをどのように修理して強化したのかを詳しくご説明します。
見えない部分の工事だからこそ、すべてを「見える化」することが、本当の安心につながると考えています。

「いつ瓦が落ちてくるかと、毎日不安でした。しっかり直してくれたのが写真でよく分かって、これでやっと胸をなでおろせます。」
お客様からいただいたこの一言と安堵の表情が、私たちにとって最高の報酬です。

お客様の不安を、確かな技術と誠実な報告で「安心」に変えること。
それが私たちの使命です。
屋根に関するお悩みがあれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

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