名古屋市中川区【屋根葺き替え】台風に強い防災瓦の施工方法を解説!強風による浮き上がりやズレを防ぐプロの技術で安心の屋根へ
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
屋根葺き替え!台風に強い防災瓦の施工方法を徹底解説!

名古屋市中川区で進行中の屋根リフォーム工事。
この現場ブログでは、お客様のお住まいが生まれ変わる様子を連続でご紹介しています。
前回は、新しい屋根瓦を屋根の上まで運び上げる「瓦上げ」の工程をお見せしました。
いよいよ今回は、職人の腕の見せ所!
新しい「洋風平板瓦」を屋根全体に葺いていく、最も中心的な作業の様子をレポートします。
近年増加する台風や強風に備えるための「防災機能」に焦点を当てて、詳しく解説していきます。

台風から家を守る!最新の「防災瓦」とは?
こちらが、今回施工する洋風平板瓦です。
屋根の面積の大部分は、この「平瓦(ひらがわら)」と呼ばれる瓦を一枚一枚、丁寧に葺き上げて作られます。
この瓦の最大の特徴は、非常に高い耐風性能です。
瓦自体に、強風による「浮き上がり」や「ズレ」を防ぐための特別な工夫が施されています。
前回の現場ブログはこちらから読み戻れます↓↓↓
『名古屋市中川区【屋根葺き替え】新しい屋根瓦の搬入と「瓦上げ」の様子!安全第一で専用リフトを使い丁寧な作業をおこないます』
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『名古屋市中川区【瓦破損雨漏り】雨漏りトラブルを科学的に解決!サーモグラフィーと高所カメラで特定した屋根破損の真実』
目次
仕組み①:瓦同士がっちりロック!「浮き上がり」を防止


防災瓦は、下の段の瓦と上の段の瓦が、パズルのようにがっちりとかみ合う構造になっています。
上の瓦の下側にあるフックが、下の瓦の上部に設けられた「リブ」と呼ばれる突起にしっかりと引っかかります。
これにより、下から吹き上げるような強い風を受けても、瓦が持ち上げられるのを防ぎます。
※ただし、立地条件(風の通り道になっている、周りに遮る建物がないなど)や、想定をはるかに超える最大瞬間風速によっては、瓦が破損する可能性もゼロではありません。
仕組み②:下地の桟木に固定!「ズレ落ち」を防止


さらに、瓦の裏側には大きな爪が付いています。
この爪を、前回取り付けた下地材の「桟木(さんぎ)」に確実に引っ掛けることで、瓦が下方へズレ落ちるのを防ぎます。
この「ロック機能」と「引っかけ機能」の二重の対策で、屋根全体の強度を飛躍的に高めているのです。
風の影響を最も受けやすい「軒先」への特別な対策

屋根の先端部分である「軒先(のきさき)」は、風の影響を最も受けやすい場所です。
そのため、他の部分よりもさらに厳重な固定が必要となります。
軒先の一列目の瓦には、一枚一枚に専用の「耐風クリップ」という金具を取り付け、釘で桟木に強固に固定していきます。
この一手間が、台風時の安心感に繋がります。
ゲリラ豪雨にも配慮した雨樋への気配り

軒先の瓦を葺く際には、瓦の先端がどこまで出るか(出幅)も非常に重要です。
私たちは、瓦の先端が「雨樋の真ん中よりも手前」になるように調整して施工します。
なぜなら、瓦を出しすぎると、大雨の際に瓦を伝ってきた雨水が雨樋を飛び越えて、地面に直接流れ落ちてしまう「オーバーフロー」の原因になるからです。
この細やかな調整により、雨水を確実に雨樋へと導きます。
(※想定を超えるゲリラ豪雨の際は、正常な状態でもオーバーフローが起こる場合があります)
美しさと強度を両立させる、職人の丁寧な瓦葺き


洋風平板瓦は、上の段の瓦を下の段から半分ずつずらして葺いていきます。
こうすることで、瓦同士の噛み合わせがより強固になり、見た目にも美しい千鳥模様のような仕上がりになります。
一枚一枚、規定通りに釘でしっかりと固定し、瓦が浮き上がらないように丁寧に作業を進めます。


1階の屋根や玄関の屋根など、複雑な形状の部分も、瓦をその場でカット・加工しながら、建物全体に瓦を葺き上げていきます。
平瓦の施工がすべて完了しました。
次回のブログでは、屋根の端や頂点を仕上げる「役物瓦(やくものがわら)」の施工の様子をご紹介します。
どうぞお楽しみに!
次回の現場ブログはこちらから読み進めます↓↓↓
『名古屋市中川区【ケラバ袖施工】雨漏りの急所「ケラバ」の施工法を公開!防水下地と役物瓦で家を守るプロの技術!』
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