writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
地域の宝である山車を次世代へ!築100年を超える建物の屋根全面葺き替えプロジェクト
「大切な山車が雨に濡れてしまうのではないかと不安で…」
名古屋市緑区にある由緒ある神社の保存会様より、大切に受け継がれてきた「山車殿(だしでん)」の屋根修理に関する切実なご相談をいただきました。実は今回のお客様は、以前一階の庇屋根の葺き替えをお任せいただいた方であり、私たちの仕事ぶりを信頼していただき、今回はその「第二期工事」として大屋根の全面改修をご依頼いただきました。
築100年以上が経過した立派な木造倉庫ですが、長年の風雨により昔ながらの和瓦は限界を迎え、雨水が内部へ侵入している状態でした。
この記事では、伝統的な和瓦の美しさをそのままに、最新の下地補強と耐震工法(強力棟金具・南蛮漆喰など)を用いて建物を蘇らせた、約10日間にわたる徹底的な屋根リフォームの全貌をご紹介します。
【重要】ご相談のきっかけ・工事の背景
今回の工事のきっかけは、地域で親しまれてきた山車殿の維持管理に関するご相談でした。
これまでにも小規模な修理を繰り返しながら大切に維持されてきましたが、どうしても避けられないのが「屋根の経年劣化」です。
山車殿は高さがあるため、地上からの目視では屋根の正確な状態を把握することが難しく、さらに山車を保護するためのブルーシートが遮蔽物となり、内部からの雨漏り確認も困難な状況にありました。
点検の結果、かつて主流だった「単窯(たんがま)」で焼かれた古い瓦に、多数のひび割れや表面の剥離現象が見つかりました。
これらの傷みは、長年の気温変化や雨風にさらされた結果であり、放置すれば建物の骨組みそのものを腐食させる大きなリスクとなります。
「地域の宝である山車を、何としても雨から守り、次世代へ最高の状態で繋いでいきたい」という保存会の皆様の強い願い。
その想いに応えるため、表面的な補修ではなく、根本から建物を守るための「屋根瓦の全面葺き替え工事」をご提案させていただく運びとなりました。
安全性を高める足場設営から、耐震性を考慮した最新工法への転換まで、建物の寿命を延ばすための挑戦がここから始まりました。
今回の現場の特殊事情とプロの解決策
- 1. 地域の宝である山車を次世代へ!築100年を超える建物の屋根全面葺き替えプロジェクト
- 1.1.1. 【重要】ご相談のきっかけ・工事の背景
- 2. 今回の現場の特殊事情とプロの解決策
- 3. 初動調査とプロの原因究明
- 4. 実際の施工の流れとこだわりの現場管理
- 4.1.1. 足場設置と近隣への徹底した配慮
- 4.1.2. 古い和瓦・屋根土・杉皮の撤去と徹底した清掃
- 4.1.3. 野地板の重ね張りとルーフィングによる下地強化
- 4.1.4. 樹脂製桟木と強力棟金具による耐震下地の構築
- 4.1.5. 瓦の加工と乾式工法による全数固定の和瓦葺き
- 4.1.6. 南蛮漆喰と針金緊結による大棟・鬼瓦の耐震施工
- 4.1.7. 雀口の面戸材封鎖と細部の防水仕上げ・最終清掃
- 5. 施工完了!お客様の喜びの声
- 5.1.1. 作業のビフォーアフター
- 6. 今回の作業内容の要点まとめと施工費用と工期の目安
- 6.1.1. 💡 今回の作業内容の要点まとめ
- 6.1.2. 施工費用と工期の目安
- 7. FAQ(よくある質問)
- 7.1.1. 地域密着100年の実績!同じエリアのリフォーム施工事例!
初動調査とプロの原因究明


ご相談を受け、まずは山車殿の屋根裏と大屋根の現状を徹底的に点検しました。
屋根裏の木材には、長年の雨漏りによって蓄積された黒ずみが広がっており、大切な山車を雨から守るためにブルーシートが被せられているという痛ましい状態でした。
実際に屋根に登って和瓦を確認すると、昔ながらの「単窯(たんがま)」で焼かれた瓦特有の焼きムラによる経年劣化が進み、表面がポロポロと剥がれ落ちる「剥離現象」や、無数の亀裂・破断が発生していました。
また、屋根の頂上である大棟(おおむね)の施工にも構造的な問題が潜んでいました。
本来、瓦を積み上げる際には雨水を逃がすためのわずかな隙間(散り)を設けるのですが、過去の施工では瓦同士が密着しすぎており、水の逃げ場がなく内部へ吸い込まれる状態になっていました。
さらに、端に据えられた鬼瓦の漆喰には苔が繁殖し、固定力が失われていました。
これらの症状から、部分補修ではいずれ別の場所から雨漏りが再発すると判断し、下地から全てを作り直す「全面葺き替え工事」をご提案させていただきました。
実際の施工の流れとこだわりの現場管理
足場設置と近隣への徹底した配慮


屋根リフォームの第一歩は、安全かつ高精度な作業を行うための仮設足場の設置です。
山車殿は神社の敷地内にありましたが、大量の資材を搬入するための大型トラックの出入りや、金属パイプをハンマーで打ち付けるカンカンという騒音や振動がどうしても発生してしまいます。
そのため、事前の近隣へのご挨拶と状況説明を徹底し、皆様のご理解をいただきながら作業を進めました。
足場は「土台」が命です。
現場の地盤の固さや高低差を見極め、寸分の狂いもなくベースを固定し、建物をぐるりと囲むように強固に組み上げました。
完成すれば見えなくなる足場ですが、「安全な現場づくり」こそが高品質な施工を生み出すという、私たちの絶対的なこだわりです。
古い和瓦・屋根土・杉皮の撤去と徹底した清掃


足場が完成し、本格的な解体作業に入ります。まずは大棟から軒先に向かって、古い和瓦を一枚ずつ手作業で剥がしていきます。
瓦の下には、昔の接着剤代わりであった大量の「屋根土(葺き土)」と、防水材として使われていたボロボロの「杉皮」が敷き詰められていました。
今回は作業人数を確保し、屋根からトラックの荷台へと瓦を手渡しで繋ぐ「人海戦術」を採用して安全かつ効率的に搬出しました。
この非常に重たい土と瓦を全て撤去することで、築100年を超える建物の骨組みにかかる負荷を劇的に軽減します。
撤去後は、長年蓄積された土の粉やゴミをホウキで隅々まで念入りに清掃し、次の工程に向けて真っさらな状態を作り上げました。
野地板の重ね張りとルーフィングによる下地強化


清掃して露出した既存の野地板(屋根の板)の上に、新しい構造用合板(コンパネ材)を「重ね貼り」していきます。
隙間や段差が一切できないよう緻密に張り合わせることで、屋根全体の剛性が飛躍的に高まり、地震や台風にも強い強靭な骨組みへと生まれ変わります。
その強固な土台の上に、雨漏りを防ぐ最後の砦となる「ゴムアスルーフィング(防水紙)」を敷き詰めます。
規定よりもシートの重ね幅を広く取り、万全の防水層を構築しました。
一日の作業終わりには、突然の雨から建物を守るため、厚手のブルーシートで厳重な雨養生を毎日欠かさず行うなど、徹底した現場管理を実施しています。
樹脂製桟木と強力棟金具による耐震下地の構築


ルーフィングの上には、瓦を引っ掛けて固定するための「桟木(さんぎ)」を等間隔で打ち付けていきます。
昔は木材が主流でしたが、私たちは万が一の浸水時でも決して腐食することのない「樹脂製桟木」を採用し、数十年先を見据えた耐久性を確保しています。
さらに、屋根の頂点である大棟部分には、耐震性を高めるための「強力棟金具」と「棟芯材」を建物の骨組みに向けてガッチリと固定します。
昔のように土の重さや漆喰の粘りだけに頼るのではなく、強固な金属の芯を一本通すことで、激しい揺れが起きても瓦が崩れにくい最新の耐震構造を作り上げました。
瓦の加工と乾式工法による全数固定の和瓦葺き


いよいよ、新しい和瓦を葺き上げていく工程です。
作業効率を上げるため、事前に必要な枚数の瓦を屋根の上に等間隔で配置する「上げ越し」という段取りを行います。
軒先には雨水をスムーズに雨樋へ流す専用の軒先瓦を設置し、ケラバ(屋根の端)や棟際などの複雑な部分は、職人がグラインダーを用いて一枚ずつ現場で切断加工し、ピッタリと納めます。
現代の「乾式工法」では、平瓦を右から左へ、そして下から上へと一列ずつ、専用のビスや釘を使って桟木に全数固定していきます。
瓦の重なりを絶妙に計算しながら葺き上げるこの緻密な手仕事が、強風で瓦が飛散するのを防ぎ、雨漏りを許さない強固な屋根面を形成します。
南蛮漆喰と針金緊結による大棟・鬼瓦の耐震施工


屋根の風格を決める「大棟」の積み上げです。
昔の屋根土の代わりに、軽量で防水性・接着性に極めて優れた「南蛮漆喰」をたっぷりと使用します。
熨斗瓦(のしがわら)を半分に割って積み上げ、中心に南蛮漆喰を詰めることで圧倒的な強度を持たせます。
さらに、瓦の段の間に緊結用のステンレス線(針金)を仕込み、棟全体を一本に縛り上げるように固定。
両端の重厚な鬼瓦も、裏側から数本のステンレス線を束ねて強固に引っ張り、転倒防止の処置を徹底しました。
最後に、頂上の丸冠瓦を「防水パッキン付きビス」で棟芯材に打ち込み、ネジ穴からの浸水リスクを完全に断ち切ります。
雀口の面戸材封鎖と細部の防水仕上げ・最終清掃


工事の最終仕上げとして、見落とされがちな「雀口(すずめぐち)」の対策を行いました。
軒先瓦の裏側にできるこの隙間を放置すると、鳥が侵入して巣を作り、瓦のズレや衛生面での問題を引き起こします。
今回は専用の「軒先面戸材」を設置して隙間を物理的にシャットアウトしました。
また、鬼瓦と棟の接合部など、雨水が侵入しやすい複雑な箇所にはコーキングボンドを丁寧に充填して防水性を高めています。
全ての施工を終えた後、道具を片付け、屋根全体をホウキやブロワーで徹底的に「葺き掃除」しました。
最後の一拭きまで心を込めて美しく整え、足場を解体して、ようやく新しい山車殿の屋根がその全貌を現しました。
施工完了!お客様の喜びの声
作業のビフォーアフター



「以前の一階庇屋根の時も丁寧でしたが、今回の大屋根工事も見事な仕上がりですね。
見積もりや説明が分かりやすく、本当に納得してお願いできました。」

「ありがとうございます。
築100年以上の大切な山車殿ですので、重たい土を降ろして軽量化しました。
強力棟金具や南蛮漆喰、全数ビス固定といった最新の耐震工法で葺き替えさせていただきました。」

「作業内容がとにかく丁寧で、職人さんの真面目な仕事ぶりに感動しました。
何もかも任せても安心できます。次は外壁の工事もお願いしたいと思っています!」
今回の作業内容の要点まとめと施工費用と工期の目安
💡 今回の作業内容の要点まとめ
・築100年以上の山車殿の屋根から大量の古い屋根土と瓦を撤去し、建物を劇的に軽量化。
・既存の野地板の上に構造用合板を重ね貼りし、腐食しない樹脂製桟木を用いて下地剛性を強化。
・強力棟金具、南蛮漆喰、針金緊結を用いた最新の耐震工法で、地震や強風に強い大棟を構築。
・鳥の侵入を防ぐ雀口の面戸材設置や、パッキン付きビスによる固定など、細部の防水処理を徹底。
施工費用と工期の目安
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 📍 工事場所 | 愛知県名古屋市緑区 |
| 🏡 建物種別 | 木造倉庫(山車殿) |
| ⏳ 築年数 | 築100年以上 |
| 🎯 施工箇所 | 屋根全面(和瓦・切妻屋根) |
| ⚠️ 発生状況(原因) | 古い単窯和瓦の経年劣化(剥離・亀裂)、棟の散り不足による雨漏り、屋根土と漆喰の寿命 |
| 📞 お問い合わせの経緯 | 以前一階庇屋根を葺き替えしたお客様からの「第二期工事」としてのご相談 |
| 🛠️ 施工内容 | 足場設置、古瓦・屋根土・杉皮撤去、野地板重ね貼り、ルーフィング施工、強力棟金具設置、和瓦全数固定葺き替え、南蛮漆喰・緊結施工、雀口面戸材設置 |
| 🧱 使用部材 | 構造用合板、ゴムアスルーフィング、樹脂製桟木、強力棟金具、新和瓦、南蛮漆喰、防水パッキン付きビス、ステンレス緊結線、軒先面戸材 |
| 📅 施工日数 | 約10日間 |
| 💴 施工価格 | 約180万円 |
私たちヤマムラ建装は、信頼できる腕利きの協力業者とタッグを組み、徹底した現場管理のもとで高品質な施工をご提供しています。
築100年を超えるような歴史的建造物から一般住宅まで、建物の構造を熟知したプロが、その家に最も適したリフォームプランをご提案いたします。
名古屋市緑区や近郊エリアで、屋根の雨漏りや瓦のズレ、漆喰の劣化にお悩みの方は、ぜひ一度ヤマムラ建装の無料点検をご利用ください。
皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております!
FAQ(よくある質問)
Q1:晴れている日に雨漏り点検をしても、原因はわかるのでしょうか?
A:はい、可能です。直接雨が漏る瞬間は見られなくても、瓦のひび割れ、表面の剥離、漆喰の崩れなどを確認することで、浸入経路を特定できます。私たちは目視による多角的な点検で「見えないリスク」を可視化します。
Q2:最近の瓦工事は、昔と何が違うのですか?
A:大きな違いは「重さ」と「固定方法」です。昔の「土」を使った工法から、現在は土を使わない「乾式工法」に変わっています。屋根が軽くなり、一枚ずつビスで固定するため、地震や台風に非常に強い構造になります。
Q3:工事中の音や車両の出入りが心配です。
A:足場の設営や瓦の運搬時には、どうしても金属音や車両の出入りが発生します。そのため、私たちは事前の近隣挨拶と丁寧な説明を徹底し、地域の皆様にご理解をいただけるよう最大限の配慮を尽くしております。
地域密着100年の実績!同じエリアのリフォーム施工事例!

名古屋市南区を中心に、屋根工事・雨漏り修理・リフォームなら、創業100年以上の実績を持つ当社へ!名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
明治末期創業からの技術を受け継ぎ、地元で5,000件以上の施工実績を誇る「住まいの専門家」です。

【主な対応業務】
屋根工事: 葺き替え、漆喰補修、雨漏り修理(かわらぶき技能士)
外装工事: 外壁塗装、ベランダ・屋根防水、雨樋工事、電気工事
その他の業務も(大工工事、キッチン、トイレ、浴室リフォーム等)一度ご相談してください。

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