【大府市の雨漏り調査】なぜ直らない?緩勾配屋根に潜む塗装と施工の罠

大府市にお住まいのお客様より、「押入れの天井から雨水が垂れてくる」との緊急のご連絡をいただき、私たちが現場へ急行しました。

雨漏りは、単に「屋根に穴が開いている」という単純な理由ばかりではありません。
今回のように、家の構造と屋根材の相性(勾配)を無視した施工や、良かれと思って行った過去の塗り替えメンテナンスが、逆にあだとなって雨漏りを引き起こしているケースが多々あります。

私たちは、お客様の大切な資産を守るため、屋根の上に上がり、普段は見えない場所で何が起きているのかを徹底的に目視確認します。
今回は、その衝撃的な調査の一部始終を、実際の写真を交えて解説します。

目視だから分かる真実!屋根の構造と雨漏りメカニズムの徹底解明

屋根全体の目視点検を開始

04.大府市 点検 屋根の方に上がり目視による点検調査を行いました。

まずは梯子をかけ、屋根の上に上がって全体の状況を確認する目視点検からスタートします。
今回のお客様の屋根は、金属屋根と瓦屋根が混在しているような複雑な形状をしていました。
一見すると、綺麗に塗装されており、大きな破損はないように見えます。

しかし、私たちのような建物の構造を知り尽くした人間が見ると、違和感を感じるポイントがいくつもありました。
雨漏りの原因を特定するためには、全体を俯瞰して見るだけでなく、一枚一枚の屋根材の状態や、水の流れ方を想像しながら調査を進める必要があります。
ここから細部への調査へ移行します。

緩すぎる勾配が生むリスク

05.大府市 点検 かなり緩い屋根勾配で屋根材が施工されていました。

屋根を上から確認して、すぐに大きな問題点に気づきました。
この屋根は、勾配(屋根の傾斜)が極端に緩いのです。

本来、このような屋根材を使用する場合、雨水をスムーズに流すためにある程度の傾斜が必要です。
しかし、こちらの屋根はほぼ平らに近く、これでは雨水が滞留しやすくなってしまいます。
水が流れ落ちずに屋根の上に留まる時間が長ければ長いほど、屋根材の継ぎ目や小さな隙間から水が浸入するリスクは格段に高まります。

これは、屋根材の選定ミス、あるいは設計段階での無理な施工と言わざるを得ません。
緩勾配の屋根には、それに適した金属屋根などを選定する必要があるのです。

防水処理がされていない危険な隙間

08.大府市 点検 水上側の一番頂上部分では屋根材の隙間が防水作業がなされていません。

屋根の最も高い部分、いわゆる「水上(みずかみ)」側の取り合い部分を接写しました。
矢印の先をご覧ください。
驚くべきことに、屋根材と壁側の取り合い部分に、何の防水処理も施されていない大きな隙間が確認できました。

屋根の頂点部分は、屋根に降った雨を受け止める最初の砦です。
ここに隙間があれば、強風を伴う雨の際、水は容易に内部へと吹き込んでいきます。

通常であれば、板金を取り付けたり、シーリング材で密閉したりする「雨仕舞い(あまじまい)」という処理が必要です。
この基本的な施工不良が、長年にわたり建物内部へ水を招き入れていた可能性が高いと判断しました。

異種屋根材との取り合い部の劣化

12.大府市 点検 古い屋根部分との取り合い施工が怪しそうです。

ここは、増築や改修などで異なる屋根材同士がぶつかる「取り合い」と呼ばれる部分です。
この場所は最も雨漏りが起きやすいウィークポイントの一つです。

写真を確認すると、板金の下にある木材が黒く変色し、腐食が始まっているのが分かります。
これは、長期間にわたって雨水が浸入し続けていた証拠です。

既存の古い屋根と新しい屋根を接続する際の処理が甘く、雨水の逃げ道が確保されていないため、内部で水が溜まり、木部を腐らせてしまったのでしょう。
単に表面を塞ぐだけでなく、見えない部分の腐食状況まで考慮した補修計画が必要です。

軒先にも口を開けた浸入経路

09.大府市 点検 屋根の先端軒先側も隙間があいていました。

今度は屋根の下側、軒先(のきさき)部分の調査です。
こちらも同様に、屋根材の下地に大きな隙間が空いているのが確認できました。
「屋根の下側だから雨は入らないのでは?」と思われるかもしれませんが、台風などの強風時には、雨は下から上へと巻き上げられます。

これを「吹き上げ」と言います。 この隙間から入り込んだ雨水は、防水シートの裏側へと回り込み、確実に野地板や天井裏へと到達します。
軒先の納まり(仕上げ方)が非常に雑であり、どの角度から雨が降っても耐えられるような設計になっていないことが、今回の雨漏りの複合的な要因の一つとなっています。

塗装が招いた最悪の結末

07.大府市 点検 屋根の頂点部分の水上側も点検調査を行います。
06.大府市 点検 屋根材の上から塗装されて屋根材同士の重なり隙間が埋まっていました。

屋根の頂点から斜面にかけての調査中に、決定的な問題を発見しました。
この屋根は過去に塗装メンテナンスが行われていますが、その施工方法に大きな誤りがあります。

2枚目の写真(拡大図)をご覧ください。屋根材の重なり部分が、塗料によってべったりと埋まってしまっているのが分かりますか?
実は、屋根材には雨水を排出するための適度な「隙間」が必要です。
この隙間を塗料で塞いでしまうと、入った雨水の逃げ場がなくなり、毛細管現象によって水が屋根材の裏側へと吸い上げられてしまいます。
これを防ぐために「タスペーサー」という部材を入れて隙間を確保するのがセオリーですが、それがされていません。
良かれと思って行った塗装が、皮肉にも雨漏りを悪化させる直接的な引き金となってしまったのです。

室内で進行する腐食の恐怖
02.大府市 点検 押入れの中で雨漏りが発生していました。
01.大府市 緩勾配屋根点検 セキスイU型屋根材の雨漏りが発生して点検に伺いました。

屋根の上での「状況証拠」をもとに、実際に雨漏りが発生している室内の押入れと天井裏を確認しました。
押入れのベニヤ板(写真1枚目)には、水が流れた跡がくっきりと残り、板が湿気でめくれ上がっています。

さらに天井裏(写真2枚目)を覗くと、断熱材が水を吸って変色し、その上の木材やベニヤ板も黒ずんでいます。
これは一時的な雨漏りではなく、屋根の施工不良や不適切な塗装によって、長期間にわたり水が浸入し続けていたことを物語っています。
湿気を含んだ木材はシロアリの好物にもなるため、建物の寿命を縮める前に、屋根の根本的な葺き替えや改修工事が急務となる状態です。

笠木の劣化も見逃さない

13.大府市 点検 屋根上の笠木鈑金の接続部のコーキングも厚みが無くて心配になります。

最後に、屋根の立ち上がり部分にある「笠木(かさぎ)」と呼ばれる板金の点検です。
板金の継ぎ目に施されたコーキング(白いゴム状の詰め物)にご注目ください。
非常に薄く施工されており、すでに劣化して切れかかっている部分も見受けられます。
ここから水が入ると、壁の内部をつたって雨漏りします。

コーキングは単に塗れば良いというものではなく、長期的な防水性を保つために必要な「厚み」と「接着面積」を確保する技術が求められます。
屋根材本体だけでなく、こうした付帯部の施工精度も、建物を守るためには極めて重要です。


Q1. 屋根の勾配(傾斜)が緩いと、なぜ雨漏りしやすいのですか?

A. 傾斜が緩いと雨水がスムーズに流れ落ちず、屋根の上に留まる時間が長くなるからです。
水はけが悪いと、わずかな隙間や劣化箇所から水が浸入するリスクが高まります。
緩勾配には、それに対応した防水性の高い金属屋根などを選ぶ必要があります。

Q2. 屋根塗装をしたら雨漏りしたと聞きましたが、本当ですか?

A. 残念ながら、知識のない業者が施工すると起こり得ます。
薄い屋根材(スレートなど)の場合、塗装で重なり目の隙間を埋めてしまうと、雨水の逃げ道がなくなり、毛細管現象で水が内部に吸い上げられて雨漏りします。
これを防ぐには「縁切り」や「タスペーサー」という工程が必須です。

Q3. 点検は目視だけで大丈夫なのでしょうか?

A. 初動の調査では、経験豊富なスタッフによる目視点検が非常に有効です。
屋根の形状、部材のズレ、塗装の状態、水の流れなどを総合的に判断します。
必要に応じて散水調査などを行い、原因を特定していきます。



ヤマムラ建装㈱ 代表取締役 顔写真
私が点検調査にお伺いします!

名古屋市南区を中心に、名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
創業100年以上の技術を受け継ぎ、雨漏り修理から外壁塗装まで、すべて私が責任を持って担当します。

最近やり始めた趣味はゴルフと筋トレとAIを勉強中。
お客様の「困った」を解決し、笑顔にするのが私の仕事です。
【保有資格】かわらぶき技能士・ 増改築相談員/ 【趣味】ゴルフ・筋トレ


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