アスベストを封じ込める防水紙施工と雨漏りを防ぐ板金固定

前回は棟板金の撤去などの前準備をお伝えしましたが、今回は屋根の寿命を左右する「防水紙(ルーフィング)」の敷設作業です。
板金屋根の下に隠れてしまう部分ですが、実はここが雨漏りを防ぐ本当の要。

古い屋根材が非常に硬く、通常の道具では歯が立たないという現場ならではの課題に対し、私たちがどのような工夫で挑んでいるのか。
建物の安全を守り、アスベストを確実に封じ込めるための緻密な施工の様子を、現場のリアルな視点から詳しく解説していきます。

こちら現場での初回点検の様子は?

初動調査での様子を現場ブログ・第一話目で書いています!

【知多市】アスベストが心配な古い屋根材も重ね葺きのカバー工法で安心!

writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔 知多市の屋根リフォーム!カバー工法の隠れた重要工程を全公開 知多市にお住まいの方から、古い屋根のリフォーム…

雨漏りを防ぐ最重要工程「防水紙(ルーフィング)」の敷設

01.知多市 カバー工法 軒先板金に沿って板金屋根材を取り付けます。

知多市にて、アスベスト(石綿)を含む経年劣化した古いカラーベスト屋根のリフォームを進めています。
今回は、既存の屋根を撤去せずに上から新しい屋根材を被せる「カバー工法」を採用して施工中です。

前回のブログでは、カバー工法のための重要な「前準備」として、古い棟板金(むねばんきん)の撤去や、屋根の先端である軒先(のきさき)への専用板金の取り付け作業をご紹介しました。
これらの下準備が完了し、いよいよ屋根の防水性能を根本から高める最重要工程に入ります。
屋根材(板金)が一次防水だとすれば、この防水紙は万が一の浸入を防ぐ「二次防水」であり、家の雨漏りを防ぐ最後の砦とも言える部分です。

今回は、先日取り付けた軒先板金を基準(目印)としながら、寄棟(よせむね)と呼ばれる四方向に傾斜のある屋根の全面に、新しい「防水紙(ルーフィング)」を隙間なく丁寧に貼り付けていく作業の様子をご紹介いたします。

屋根カバー工法の防水紙。アスベスト飛散防止にもなる重要な役割

03.知多市 カバー工法 軒先板金を基準にルーフィングを貼ります。

屋根全体の防水の要(かなめ)となる「防水紙(ルーフィング)」を敷設していきます。

まず、屋根の先端である軒先(のきさき)部分から作業を始めます。
先日取り付けたカバー工法専用の軒先板金の上から、しっかりと重ねて被せるように防水紙を貼っていきます。
この防水紙は、万が一、屋根材の下に雨水が入り込んだとしても、建物内部への浸入を防ぐ「二次防水」という非常に重要な役割を持っています。

さらに、アスベスト(石綿)を含む古いカラーベスト屋根のカバー工法においては、もう一つ重大な目的があります。
それは、この後、新しい板金屋根材をビス(釘)で固定する際の「アスベスト飛散防止」です。
ビスは防水紙を貫通して古いカラーベストまで達しますが、防水紙が屋根全体を覆っていることで、ビス打ちの際にアスベストが飛散するのを防ぐ「封じ込め」の役割も果たします。

カバー工法の防水紙(ルーフィング)施工。硬いカラーベスト屋根ならではの「一工夫」

04.知多市 カバー工法 ルーフィングを少しだけ控えて施工して置きます。

屋根の防水性を担う「防水紙(ルーフィング)」を敷設する際、カバー工法ならではの細かな調整が非常に重要です。

まず、屋根の先端である軒先(のきさき)部分。
ここでは、新しい板金屋根材を専用の「軒先板金」にしっかり引っ掛けて固定する必要があります。
そのため、防水紙がその隙間に巻き込まれてしまわないよう、あえて防水紙を軒先の先端よりも少し手前に控えて(短めに)貼り付けます。

また、通常、防水紙はハンマータッカー(建築用の大型ホッチキス)を使って下地に固定していきます。

しかし、今回の下地は古い「カラーベスト」。
非常に硬い屋根材のため、ホッチキスの針が全く刺さりません。
そのため、硬いカラーベスト屋根に防水紙を確実に、そして適切に固定するには、通常とは異なる「一工夫」が必要となるのです。

硬いカラーベスト屋根に防水紙を固定する「一工夫」

05.知多市 カバー工法 押さえようの釘を打ち込みルーフィングを固定します。

硬いカラーベスト屋根にはハンマータッカー(ホッチキス)が効かないため、「一工夫」が必要だとお伝えしました。
今回はその具体的な方法をご紹介します。

まず、先ほどの作業で出た軒先板金の端材(破片)を、小さな四角いサイズにカットして、簡易的な固定金具をたくさん作っておきます。
防水紙(ルーフィング)を敷設した後、この小さな板金片を防水紙の上に置き、その上から釘を打ち込んで下地のカラーベストに固定していきます。

釘の頭だけでは、風で防水紙が煽られて破れてしまう可能性がありますが、この板金片が「押さえ」の役割を果たし、広い面で防水紙をしっかり固定します。
この後、上から新しい板金屋根材を施工すれば、防水紙がズレ動く心配は一切なくなります。
見えない部分ですが、確実な施工のための大切な工程です。

屋根カバー工法の前準備完了!雨仕舞の要「ケラバ袖板金」の取り付け

06.知多市 カバー工法 ケラバ袖部に専用の水流し板金を取り付けます。
07.知多市 カバー工法 ケラバ袖鈑金の外側から固定釘を打ち込みます。

屋根の防水紙(ルーフィング)を敷設した後、屋根カバー工法の下準備の最終工程に入ります。
今回の寄棟(よせむね)屋根には、「ケラバ袖部」と呼ばれる屋根の端の斜めになった部分があります。
ここには、雨水を適切に処理するための専用部材「水流れ板金(ケラバ板金)」を取り付けます。

この作業は、必ずルーフィングを貼り終えた後に行うのが鉄則です。
この順序を守ることで、板金の下に防水紙が敷かれ、確実な雨仕舞(あまじまい)が実現します。

固定も万全を期します。
屋根側から「吊り子(つりこ)」という固定金具で板金を引っ張りながら釘で固定し、さらに外側からも釘を打って、板金自体が強風などで絶対に動かないよう頑丈に仕上げます。
これで、新しい板金屋根材本体を施工するための「前準備」がすべて完了しました。


カバー工法に使う防水紙は、普通の屋根用と同じですか?

はい、基本的には高品質な粘着式や高耐久のルーフィングを使用しますが、カバー工法では古い屋根材との相性を見て最適な種類を選定します。

カラーベストが硬いと、固定が不十分になりませんか?

いいえ。記事にある通り、板金の端材を使った「面固定」を行うことで、通常の施工以上に強固に防水紙を固定することが可能です。

雨が降っても防水紙だけで大丈夫ですか?

はい。防水紙を正しく敷設した後は、そのままでも一時的な雨漏りを防ぐ能力があります。この上に板金が載ることで、より強固な防水となります。

次回の現場ブログ記事の内容は?

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