天井のシミ、ただの汚れではありません!「温度」で見える雨漏りの真実

01.東浦町 瓦葺き替え 天井板から内壁まで雨水が浸入しています。

「天井にシミができて、ポタポタ水が…」
東浦町のお客様より、緊急の雨漏り相談をいただきました。

築60年近い立派な和風住宅。
一見丈夫そうな瓦屋根ですが、室内では深刻な事態が進行していました。
私たちは最新の「サーモグラフィカメラ」を駆使し、目に見えない壁の中の水分まで徹底的に調査。

古い瓦屋根が抱えるリスクと、診断の様子をお伝えします。

築年数が経過した屋根の危険信号「葺き替え工事」未実施の雨漏り調査

02.東浦町 瓦葺き替え 築年数が経過して瓦が交換時期を超えています。

雨漏り点検のご依頼をいただいたお客様のお宅へご訪問し、ご挨拶の後、まずは現在の雨漏りの状況について詳しくお話を伺いました。

お聞きしたところ、この建物は代々大切に受け継いでこられた、とても思い入れのあるお家だそうです。
お客様の代になってからも、これまで必要に応じて簡単な屋根リフォームは行ってきたとのことでした。
しかし、屋根材全体を一度新しくする「葺き替え(ふきかえ)工事」といった根本的な工事は、まだ実施されていなかったそうです。

お話の後、建物の外に出て、まずは玄関先から屋根全体を見上げさせていただきました。
目視で確認したところ、屋根瓦はかなりの築年数が経過している様子で、一見して、屋根材が持つ本来の耐用年数(交換時期)を過ぎている可能性が高い状態に見受けられました。
部分的な補修だけでは防ぎきれない雨漏りの原因が、屋根全体に隠れているかもしれません。

天井全体に広がる雨染み!雨漏りが和室の内壁まで。屋根裏の腐食が心配な点検調査

03.東浦町 瓦葺き替え 天井板全体に雨水が拡がっていました。

お客様にご案内いただき、実際に雨漏りが発生しているというお部屋を拝見させていただきました。

お客様が指し示された天井を見上げると、天井板の広い範囲に雨水が侵入した跡がくっきりと残っており、雨漏りが深刻な状態であることが分かりました。
この雨染みの濃さや広がり具合から、一朝一夕ではなく、かなり長い期間にわたって雨水が内部に入り込んでいたことが推測されます。

さらに詳しく拝見すると、雨水は天井板の端(壁際)まで達し、そこから内壁を伝ってしまっている痕跡も見受けられました。
ここまで室内に被害が及んでいるとなると、単に天井板だけの問題では済まない可能性が非常に高いです。

最も懸念されるのは、天井裏にある屋根の「構造部分」です。
和風住宅の多くは、屋根を支える重要な柱や梁に木材が使われています。
木材は雨水に長期間さらされると腐食が始まり、建物の強度そのものにも影響を及ぼす危険性があります。
早急に屋根裏の状態も確認し、被害の全容を把握する必要があります。

見えない雨漏りも発見!サーモグラフィカメラが捉えた天井裏の温度差

04.東浦町 瓦葺き替え サーモグラフィーカメラで天井を撮影。
05.東浦町 瓦葺き替え 紫色が雨水が入って冷えている所です。

室内の目視点検で天井や壁の雨染みを確認した後、次はいよいよ「天井裏」の見えない部分の調査を進めます。
私たちは、より正確な状況を把握するため、スマートフォンに取り付けられる専門機材「サーモグラフィカメラ」を使用しました。

このサーモグラフィカメラは、物質の表面温度を感知し、その温度差を色で表示してくれる優れものです。
例えば、雨漏りしていない正常な天井裏は、室内の熱がこもっているため、撮影するとオレンジ色や黄色といった暖色系で映し出されます。

一方、もし雨漏りが発生していると、どうなるでしょうか。
雨水が溜まっている箇所や、水を含んで湿っている木材は、周囲よりも温度が低くなります。
そのため、サーモグラフィカメラでその部分を撮影すると、そこだけ「青色」や「紫色」といった寒色系でくっきりと表示されます。

このように、天井板を直接剥がしたりしなくても、温度の違いを捉えることで、現在雨水がどこまで広がっているのか、被害の範囲を科学的に推測することが可能になります。

雨の日の雨漏り点検!屋根に登れなくても高所カメラなどで調査します!

屋根点検道具03

点検調査にご訪問した当日は、あいにくの雨模様でした。
「雨の日に点検できるの?」とご心配されるかもしれませんが、実は雨漏り調査にとっては、雨水がどこから入っているかをリアルタイムで確認できる貴重な機会でもあります。
室内側からは、天井裏で雨水が侵入している様子をはっきりと確認でき、雨漏りの経路を予測しやすくなりました。

もちろん、雨で濡れた屋根に登るのは大変危険ですので、直接のぼることはできません。
そこで私たちは、地上から屋根の状態を確認できる「高所撮影用カメラ」を準備し、撮影を開始しました。
この専用カメラを使えば、2階建ての建物までなら安全に屋根の隅々まで目視検査が可能です。

なお、最近多い3階建ての住宅などで高所カメラが届かない場合は、点検のために仮設足場(お客様負担)が必要になるか、または敷地に余裕があればドローンを使って調査できる場合もあります。
マンション等では点検口から屋根に出られることもありますので、建物の状況に合わせて最適な調査方法をご提案しています。

※ ドローンの飛行禁止空域や飛行するための申請試験に合格しているなど条件により使えない場合もございます

屋根点検で判明!重い棟瓦は地震で崩れる?安全な「一本棟工法」とは

06.東浦町 瓦葺き替え 大棟部の積み上げた棟瓦も劣化していました。
08.東浦町 瓦葺き替え 棟瓦一本葺きだと棟がこじんまりと見えてしまいます。

高所カメラでの点検を進めると、屋根の最も高い部分である「大棟(おおむね)」の状態が確認できました。
多くの瓦が立派に積み上げられていますが、残念ながらこちらも耐用年数を大きく経過している様子です。
現状では、大型の台風による強風や、大きな地震の揺れによって、この重い棟瓦が崩れ落ちてしまう可能性も否定できません。

そこで最近の屋根リフォームで推奨されるのが、棟の重量を軽くして防災性を高める「一本棟工法(いっぽんむねこうほう)」です。
これは、瓦を高く積み上げる従来の工法とは違い、横幅の広い「冠瓦(かんむりがわら)」という専用の瓦一本で棟を仕上げる方法です。

この工法は、屋根が軽くなるため建物への負担が減り、万が一の自然災害時も瓦の落下リスクを限りなく減らせます。
さらに、施工の手間や費用面でもメリットが大きいです。
見た目が少しスッキリ(こじんまり)としますが、安全性を重視するお客様には最適な工法です。

屋根瓦のコーキング固定(ラバーロック工法)は注意!将来の費用にも影響が?

今回の点検で、以前お客様が行った「簡単な屋根リフォーム」というのが、屋根瓦同士をコーキングボンドで接着固定する「ラバーロック工法」であったことが分かりました。

この工法は、瓦のズレを一時的に抑える目的で行われることがありますが、私たち専門家の視点からは、あまり推奨できないリフォーム方法でもあります。

理由の一つは、コーキング材の耐用年数です。
使用されるボンドは永久にもつわけではなく、紫外線や雨風の影響で約10年ほどで劣化が始まってしまいます。

さらに重要なのは、将来的なコストの問題です。
いつか屋根全体の葺き替え工事を行う際、このコーキングが接着された屋根瓦は、通常の瓦として処分することができません。
「コーキングボンドが付着した瓦」として扱われ、産業廃棄物の処理費用が通常よりも高額になってしまうのです。
当然、その追加費用はお客様のお見積もり金額にも影響してしまいます。
手軽に見える補修が、将来的に大きな負担とならないよう、リフォーム内容は慎重に検討することが大切です。

割れてないのに雨漏り?古い屋根瓦が水を吸う「耐用年数」の落とし穴。

10.東浦町 瓦葺き替え 軒先に使用されている瓦はまだ程度が良いです。

高所カメラによる点検を続けると、屋根の端にある「軒先瓦(のきさきがわら)」にも深刻な問題が見つかりました。
一見、横のラインは真っ直ぐに揃っていますが、本来必須であるはずの釘や針金による固定が一切されていなかったのです。

現状は、以前行われたラバーロック工法(コーキング接着)によって、かろうじて瓦が押さえつけられている状態です。
しかし、このコーキングが劣化すれば、軒先の瓦がズレ始め、最悪の場合、屋根全体のズレや落下の危険性も考えられます。

これにて目視点検は終了し、撮影した写真をお客様にご覧いただきながら、現状を詳しくご説明しました。

今回のお宅では、屋根瓦に目立った破損や亀裂はありませんでした。
しかし、天井では実際に雨漏りが起きています。
私たちは、その原因を「屋根瓦そのものの耐用年数超過」にあると判断しました。
古い瓦は、水を弾く力が失われ、雨水をスポンジのように吸い込んでしまうことがあります。
その吸い込んだ水が瓦の裏側を伝い、屋根裏、そして天井へと達して雨漏りを引き起こしていたと考えられます。

瓦が割れていないのに雨漏りする、というのは納得されにくいかもしれませんが、古い建物では非常に多いケースです。
部分的な補修では解決が難しく、根本的な対策として「屋根瓦の葺き替え工事」をご提案しました。
まずはお見積もりを作成し、お客様にご確認いただく予定です。


サーモグラフィ調査とは何ですか?

物体の表面温度を色で可視化するカメラを使った調査です。雨水が含まれている場所は温度が低く(青く)映るため、壁を壊さずに雨漏り範囲を特定できます。ただし、断熱材などが入っている場合は特定できない可能性もあります。

瓦が割れていなくても雨漏りしますか?

はい。古い陶器瓦は経年で水を吸いやすくなり、その下の防水材(杉皮など)も劣化していると、瓦が割れていなくても雨水が浸透して雨漏りします。

雨の日でも点検できますか?

屋根には登れませんが、室内の雨漏り状況確認や、高所カメラを使った外部調査は可能です。むしろ雨漏りの症状が出ている時は原因特定に役立ちます。

次回の現場ブログ記事の内容は?

【東浦町】雨漏り原因は「屋根土」の劣化?古い和瓦と土を撤去して下地をリセット

writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔 瓦の下は「砂」だらけ!?雨漏りを招く劣化した屋根土と杉皮の正体 葺き替え工事のスタートは、古い屋根の解体か…


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