writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
天井のシミは氷山の一角!屋根の上で起きていた「瓦のズレ」と「塗装の限界」


「天井にシミができて、瓦もズレている気がする…」
名古屋市瑞穂区のお客様より、不安なご相談をいただきました。
駆けつけて屋根に登ると、瓦の列がガタガタに歪み、過去に塗った塗装もボロボロに剥がれていました。
これは、屋根が寿命を迎えているサインです。
なぜ「修理」ではなく「葺き替え」が必要なのか。
プロの診断レポートをお届けします。
- 1. 天井のシミは氷山の一角!屋根の上で起きていた「瓦のズレ」と「塗装の限界」
- 2. 【屋根点検のサイン】瓦のズレや棟の波打ちは劣化の危険信号です
- 3. 屋根点検はここまで見る!建物を傷つけない専門家の調査とは
- 4. 屋根塗装の剥がれは危険信号!葺き替え工事が必要な劣化サインとは
- 5. 軒先の瓦のズレ、放置すると落下の危険も
- 6. 隣家との隙間は大丈夫?屋根と外壁「取り合い」の雨漏り点検
- 7. 古い家の屋根修理|廃盤になった瓦はどうする?
- 8. 屋根のコーキング補修は要注意!根本解決のための葺き替え工事とは
- 9. FAQ(工事に関するよくある質問)
- 9.1.1. 次回の現場ブログ記事の内容は?
- 10. 同じ地域で行った施工事例記事!
- 11. 類似した作業で施工した現場ブログ記事!
【屋根点検のサイン】瓦のズレや棟の波打ちは劣化の危険信号です

ご自宅の屋根を、下からじっくりと見上げたことはありますか?
先日、点検に伺ったお宅では、玄関の真上にあたる二階の屋根に、経年劣化による危険なサインが見られました。
まず、屋根全体の瓦の列が、本来あるべき真っすぐな状態ではなく、少しずつズレてしまっていました。
さらに、屋根の一番高い部分である「大棟(おおむね)」という重要な箇所を確認すると、棟瓦が波打つように歪んでいる状態でした。
これらは、長年の雨風や紫外線の影響で、瓦を固定している部材や下地が深刻なダメージを受けていることを示しています。
このような瓦のズレや歪みを放置してしまうと、隙間から雨水が浸入し、雨漏りや建物の構造部分の腐食につながる恐れがあります。
また、台風などの強風時に瓦が飛散し、二次被害を引き起こす危険性も高まります。
「瓦の並びが少しおかしいかも?」と感じたら、それは専門家による点検のタイミングです。
屋根点検はここまで見る!建物を傷つけない専門家の調査とは


お客様の大切な住まいを傷つけることのないよう、専門スタッフが細心の注意を払って調査を行います。
今回は、実際の点検の様子を一部ご紹介します。
まず、玄関の屋根に安全対策を施した脚立をかけ、一階の屋根へと上がります。
そこから、普段は目の届かない建物の裏手、南側の屋根まで隈なく状態を確認していきました。
特に、経年劣化が著しく進んでいる屋根は非常にデリケートな状態です。
瓦一枚一枚の強度を見極め、足の置き場を慎重に選びながら移動することで、点検による新たな破損を防ぎます。
ただ歩くだけでも神経を使う作業ですが、これも正確な診断には欠かせないプロセスです。
その後、ベランダへ渡り、角度を変えて南面の屋根を再度チェックするなど、あらゆる視点から劣化のサインを見逃しません。
屋根塗装の剥がれは危険信号!葺き替え工事が必要な劣化サインとは


屋根瓦の表面塗装が経年劣化によって広範囲にわたり剥がれ落ちている状態でした。
塗装は、単に屋根を美しく見せるためだけのものではありません。
瓦自体を雨水や紫外線から保護し、防水性能を維持するという大切な役割を担っています。
その塗装が剥がれてしまうと、瓦が直接ダメージを受け、雨水を吸い込みやすい状態になります。
これにより瓦の劣化が急速に進み、雨漏りのリスクが格段に高まってしまいます。
特に劣化の激しい箇所では、瓦の表面がほとんどなくなり、素材が剥き出しになっていました。
ここまで症状が進行していると、部分的な補修や再塗装では根本的な解決は困難です。
軒先の瓦のズレ、放置すると落下の危険も

ベランダから南面の屋根を点検した際に、見過ごせない重要な劣化サインを発見しました。
それは、屋根の先端部分である「軒先(のきさき)」の瓦から、上に向かって3~4段の瓦の列が、明らかに斜めにズレてしまっている状態でした。
これは、長年の雨風の影響で軒先の瓦を固定している釘などが緩み、その上に乗っている瓦全体の重さに耐えきれなくなってしまったことが原因と考えられます。
土台となる部分が崩れたことで、瓦が将棋倒しのように歪んでしまったのです。
この状態を放置すると、ズレた瓦の隙間から雨水が浸入し、雨漏りや下地の腐食を引き起こします。
それだけでなく、台風や地震の際には、瓦が滑り落ちて落下する二次被害につながる大変危険な状態です。
ご自宅の屋根を下から見上げた際に、少しでも瓦のラインに歪みを感じたら、それは屋根からのSOSサインかもしれません。
隣家との隙間は大丈夫?屋根と外壁「取り合い」の雨漏り点検


お隣の建物との距離が近く、ご自宅の屋根が隣家の外壁に接しているというケースも珍しくありません。
このような建物同士の接続部分は「取り合い」と呼ばれ、雨漏りを防ぐ上で非常に重要な点検ポイントとなります。
築年数が経過しており、屋根と隣家の壁が接している状態でした。
このような箇所には、雨水の浸入を防ぐために「板金(ばんきん)」と呼ばれる金属の板が取り付けられ、専門的な防水処理が施されています。
この施工を「雨仕舞(あまじまい)」といい、建物の寿命を大きく左右する大切な部分です。
私たちは点検の際、屋根の表面だけでなく、建物の北面なども含めた全ての取り合い部分をチェックします。
板金に浮きや変形はないか、隙間を埋めるシーリング材が劣化していないかなど、プロの目で入念に確認することが、雨漏りのリスクを未然に防ぐ鍵となります。
古い家の屋根修理|廃盤になった瓦はどうする?

築年数が経過したお住まいの屋根を点検すると、過去に修理した箇所だけ違う種類の瓦が使われていることがあります。
これは、デザイン性の高い古い瓦がすでに生産終了(廃盤)となり、同じものが入手困難になっているためです。
もちろん、特注で一枚から瓦を焼き直すことも理論上は可能です。
しかし、それには高額な費用がかかるだけでなく、完成までに数ヶ月という長い期間を要します。
また、焼き物の特性上、色ムラが出たり、既存の瓦と完全に同じデザインに仕上げることが難しかったりという現実的な課題もあります。
そのため、雨漏りなどの緊急性を要する修理や、コストを抑えたい修繕工事の場合、お客様とご相談の上で、現在流通している製品の中から色や形が最も近い瓦を代替品として使用するのが一般的です。
私たちは、お客様のご予算やご要望を第一に考え、機能性はもちろん、仕上がりの見た目にも配慮した最適な修理方法をご提案いたします。
屋根のコーキング補修は要注意!根本解決のための葺き替え工事とは

屋根点検の際、瓦のズレなどをコーキング材で接着・補強している応急処置を見かけることがあります。
これは、瓦の固定が緩んで落下の危険が生じた際に、一時的な対策として行われたものと考えられますが、根本的な解決にはなっていません。
軒先瓦の周辺にこのような補修跡が見られました。
しかし、屋根全体の調査を進めると、下地を含めた劣化が深刻なレベルに達していることが判明しました。
この状況をお客様にご報告したところ、お客様ご自身も将来を考え、屋根全体の葺き替え工事を検討されていたとのことでした。
特に、「地震のことも考えて、これからは軽くて強い屋根材にしたい」という明確なご希望をお持ちでしたので、私たちはその想いを第一に考えました。
現在の瓦屋根に比べて重量が格段に軽い金属屋根材など、耐震性や耐久性に優れた複数の選択肢をご提案し、それぞれの特徴と費用を明記したお見積もりを作成いたしました。
その場しのぎの修理ではなく、お客様の未来の安心につながるご提案をすること。
FAQ(工事に関するよくある質問)
天井にシミがあるだけで葺き替えが必要?
シミがある時点で屋根裏には雨水が侵入しています。今回の場合は瓦全体のズレや劣化が激しく、部分修理では再発リスクが高いため、葺き替えが最善と判断しました。
瓦がズレているのはなぜ?
築年数が経ち、瓦を固定している土や釘の力が弱まったためです。特に地震や台風の振動で徐々にズレが大きくなり、雨水の侵入口を作ってしまいます。
塗装すれば直りませんか?
残念ながら、塗装は「美観」を良くするもので「防水」ではありません。すでに劣化して水を吸っている瓦に塗装しても、根本的な解決にはならず、すぐに剥がれてしまいます。
次回の現場ブログ記事の内容は?
同じ地域で行った施工事例記事!
類似した作業で施工した現場ブログ記事!

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