白いラインが黒ずんでいませんか?漆喰の崩れは雨漏りの始まり

雨漏りで壁紙が捲れた

「屋根の白い部分がボロボロ落ちてくるんです……」
名古屋市熱田区のお客様より、ご相談をいただきました。

立派な入母屋(いりもや)屋根のお宅ですが、点検してみると瓦の隙間を埋める「漆喰(しっくい)」が劣化し、中の土が見えてしまっている状態でした。

漆喰は、屋根内部への水の浸入を防ぐ「蓋」の役割をしています。
これが剥がれると、そこから雨水が入り込み、やがて深刻な雨漏りを引き起こします。
今回は、入母屋屋根のメンテナンスに欠かせない「漆喰修理」についてご紹介します。

「まさか屋根が原因!?」室内雨漏りの意外な真実

入母屋形状の屋根のイメージ

室内の雨漏り状況から、「これは屋根に原因があるぞ!」と私たちは予測しました。
お客様にご了承をいただき、早速屋根に上がらせていただくと、今回のお客様のお宅は「入母屋(いりもや)屋根」という造りでした。
これは、お城の天守閣やお寺などでよく見かける、上部が本を伏せたような形の「切妻(きりづま)造り」で、その下が四方向に勾配がある「寄棟(よせむね)造り」になっている、少し複雑で風格のある屋根の形です。

この入母屋屋根で特に雨漏りしやすいのが、屋根の角の部分でいくつもの屋根面が交わる「隅棟部(すみむねぶ)」です。
特に多かったのが、施工不良による雨漏り、そして「隅棟尻部(すみむねじりぶ)」という屋根の角の終わりの部分にある、屋根漆喰(やねじっくい)の劣化や剥がれです。

屋根漆喰とは、瓦を固定したり、雨水の侵入を防ぐために使われる、白くて粘土のようなものです。
これが劣化して剥がれると、その下にある屋根土(やねつち)がむき出しになり、雨水が直接染み込んでしまうんです。
これが室内の雨漏りにつながる、というわけですね。

「うちの屋根も入母屋屋根だ…」とドキッとされた方もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください!私たちは、屋根の形状や状態に合わせた最適な修理方法をご提案いたします。

雨が当たる部分の漆喰は劣化しています

やはり、というべきか…お伺いしたお宅の隅棟尻部(すみむねじりぶ)の漆喰が劣化していました。
屋根漆喰は屋根の「縁の下の力持ち」のような存在で、塗り替えの目安は10年〜15年ごとが理想的です。

ところが、「まだそんなに傷んで見えないから」「ひび割れてないし大丈夫」と、塗り替えをせずに放置されている屋根は本当にたくさんあります。
屋根漆喰は、雨が降った時に雨水を弾き、大切な屋根と建物を守るという重要な役割を担っています。

しかし、手入れせずに放っておくと、紫外線や風雨にさらされて漆喰自体の耐久力がどんどん落ちてしまい、本来の「雨水から建物を守る」という役割を果たせなくなり、結果的に雨漏りへとつながってしまうのです。

劣化で漆喰が剥がれています

実際に漆喰が剥がれてしまうと何が起こるのでしょうか?
まさしく、今回お伺いしたお客様のケースがそうでした。

屋根漆喰が剥がれてしまうと、その下にある屋根土(やねつち)がむき出しの状態になってしまいます。
この屋根土、実は水を吸い込みやすい性質があるんです。
そのため、雨が降るたびに屋根土が雨水をどんどん吸い込み、最終的には屋根裏へと雨水が流れ込みやすくなるのです。

これが、皆さんが室内で目にする「雨漏り」の直接的な原因となります。
天井のシミや壁紙の剥がれは、この水の道のりが原因で起こっていることが多いんですよ。

想像してみてください。
大切な家が、知らず知らずのうちに雨水に侵食されている状態です。
雨漏りは、単に天井にシミができるだけでなく、家の構造材を腐らせたり、カビを発生させたりと、さまざまな問題を引き起こします。
健康被害につながる可能性もゼロではありません。

漆喰に亀裂が入っています
雨が当たりやすい所は劣化しやすいです

屋根漆喰の劣化は雨漏りの大きな原因とお伝えしてきましたが、特に注意が必要な場所があります。
それは、雨水が当たりやすく、劣化が進みやすい箇所です。

具体的には、このような場所にひび割れが入ったり、傷みが出やすいんですよ。

  • 隅棟の尻部分(すみむねのしりぶ):前回も少し触れましたが、屋根の面と面が交わる角の部分です。雨水が集まりやすく、漆喰に負担がかかりやすい場所です。
  • 鬼瓦と棟瓦の設置点(おにがわらとむねがわらのせっちてん)鬼瓦とは、屋根の頂上部分や端にある装飾性の高い瓦のこと。棟瓦(むねがわら)は、屋根のてっぺんを覆っている瓦です。この二つの瓦が接する部分は、雨水が流れ込みやすく、漆喰の劣化が進みやすい傾向にあります。

これらの場所は、残念ながら地上からは見えにくい、いわば屋根の「隠れた弱点」と言えるかもしれません。
だからこそ、「うちの屋根は大丈夫」と思っていても、気づかないうちに劣化が進行しているケースが少なくないのです。

屋根の漆喰は、私たち人間の肌のようなもの。
紫外線や風雨に常にさらされ、少しずつダメージを受けています。
特に、雨が当たりやすい部分は、肌荒れしやすいのと同じように、劣化が激しくなりがちです。

「あわや大惨事!」発見された危険な劣化箇所

鬼瓦周辺の劣化状態
平瓦は無事でした

屋根の点検を進めていくと、やはり発見しました。
特に劣化が進んでいたのは、大棟(おおむね)鬼瓦(おにがわら)が接する部分に塗られていた屋根漆喰です。

大棟とは、屋根のてっぺんを通る、一番高い棟のこと。
そして鬼瓦は、その大棟の両端などに取り付けられている、装飾が施された瓦ですね。
まさに屋根の「顔」とも言える部分ですが、ここも雨水が当たりやすく、漆喰がボロボロになり、今にも剥がれ落ちそうな状態でした。

もしこの漆喰が完全に剥がれてしまったら、雨水が直接屋根の内部に入り込み、もっと大きな被害につながる可能性がありました。
まさに「あわや大惨事」といった状況です。
幸いにも、平瓦部(ひら-がわらぶ)、つまり屋根の大部分を覆っている平らな瓦には、割れや破損は見られませんでした。
全体的に見ても、屋根瓦自体の施工はとても丁寧にされていることが分かりました。

これは、普段の雨漏り診断でもよくあるパターンです。
屋根全体が悪いわけではなく、雨水の集中しやすい特定の場所の劣化が、雨漏りの原因になっていることが少なくありません。

失敗しない!屋根漆喰塗り替え工事の鉄則「重ね塗りは絶対にNG」

重ね塗りは汚くなるデメリットがあります
漆喰の重ね塗りは止めた方が良いです

さて、屋根漆喰の塗り替え工事について、絶対に知っておいていただきたい大切なことがあります。
それは、「古い漆喰の上から新しい漆喰を重ねて塗る」という作業は、絶対に避けてください!

「え、なんで?」と思われるかもしれませんね。
実はこの重ね塗りが、かえって雨漏りの原因を作ってしまうことがあるんです。

正しい漆喰の塗り替え工事は、必ず!現在の古い漆喰を全て剥がしてから、新しい漆喰を塗り直すのが鉄則です。
以前の工事で古い漆喰の上に新しい漆喰を重ね塗りしてしまったため、漆喰が不自然にはみ出している屋根をよく見かけます。
特に、熨斗瓦(のしがわら)という、棟(屋根のてっぺんの盛り上がった部分)に使われる平たい瓦の、一段目の位置からはみ出しているケースが多いですね。

これがなぜダメなのかというと、熨斗瓦同士にはわずかな隙間があります。
そこに雨水が入ってしまい、重ね塗りされた漆喰の「裏側」に回り込んでしまうんです。
裏側に回った雨水は、そのまま棟の奥へと侵入し、最終的に屋根裏への雨漏りを引き起こす原因となりかねません。

本来、屋根漆喰を塗る適切な位置は、だいたい2段目の熨斗瓦の先端と同じくらいの場所です。
そのため、古い漆喰の上に重ね塗りしようとすると、まず間違いなく適切な位置からはみ出してしまい、雨水が侵入する「落とし穴」を作ってしまうことになるのです。
「漆喰の塗り替え」と一言で言っても、正しい知識と確かな技術が必要です。
安易な方法で済ませてしまうと、結局は高額な修理費用がかかることになりかねません。

悪質業者から家を守る!お客様に「知恵」を

訪問業者13

残念ながら、中にはお客様の知識不足につけ込み、手抜き工事を勧めてくる悪質な業者も存在します。
特に、飛び込み訪問の漆喰塗り業者や悪徳訪問リフォーム会社は、以前お話しした「屋根漆喰の重ね塗り」を勧めてくる傾向があります。

なぜ彼らが重ね塗りを好むかというと、それは作業工程が短縮でき、格安で下請けの職人さんに仕事をさせられるからです。
しかし、お客様には高額な費用を請求し、結果的に手抜き工事で雨漏りを再発させる、といったトラブルが後を絶ちません。

大切な住まいを守るためにも、私たちはお客様に「知恵」を持っていただきたいと考えています。
もし怪しい業者が訪問してきたり、見積もりを出してきた際には、ぜひ次の2つの「合言葉」を伝えてみてください。

  1. 「屋根漆喰の重ね塗りは絶対にやめてください!」
  2. 「作業完了後に、作業中の写真を撮影した工事完了報告書を必ずまとめて渡してください!」

この2つの言葉を伝えた時点で、ほとんどの悪質な業者は、何かしら言い訳をして逃げ出すはずです。
なぜなら、彼らは手抜き工事がバレることを恐れているからです。

適正なリフォーム会社であれば、お客様の不安を解消するために、工事内容を細かく説明し、写真付きの報告書もきちんと提出するのが当たり前です。
弊社でも、このような屋根漆喰の塗り替え工事を、正しい工法で丁寧に行っています。

お客様の声「こんな風になっているとは知らなかった!」

点検報告

雨漏りの点検作業が終わった後、お客様には撮影した写真を見てもらいながら、現在の屋根の状態を詳しくご説明しました。
やはり、屋根漆喰(やねじっくい)が剥がれて下地の屋根土(やねつち)がむき出しになっている箇所が確認できました。
さらに、これから劣化が進みそうな屋根漆喰のひび割れなども、写真で具体的に見ていただきました。

お客様からは「こんな風になっているとは知らなかった!」と驚きの声も聞かれました。
普段なかなか見ることのできない屋根の上だからこそ、写真で現状をしっかり確認していただくことが、今後の対策を考える上で非常に大切だと考えています。

ご説明後、これらの状況を踏まえた屋根漆喰の塗り替え工事について、具体的なお見積もりを作成し、後日改めてお客様にお渡ししました。
私たちは、ただ修理をするだけでなく、お客様に「なぜ今この修理が必要なのか」を写真や専門知識に基づいて、分かりやすく説明することを重視しています。
大切なお住まいの雨漏りに関するお悩み、ぜひ私たちにご相談ください。


次回の現場ブログ記事の内容は?

【名古屋市熱田区】漆喰修理|ボロボロの屋根土も修復!入母屋屋根の防水メンテナンス

writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔 漆喰の下も見ていますか?「屋根土」から直す本物のメンテナンス 「白く塗るだけなら自分でもできそう?」 いいえ…


 「漆喰(しっくい)」とはどこの部分ですか?    

棟(屋根のてっぺん)と瓦の隙間を埋めている、白い三日月形の部分です。瓦を固定し、雨水が中の土に入らないように防水する重要な役割があります。

漆喰が剥がれるとどうなりますか?

内部の「屋根土」が雨水を吸って流出し、棟がズレたり崩れたりする原因になります。また、吸い込んだ水が屋根裏に回り、雨漏りに直結します。

「詰め直し(つめなおし)」と「上塗り(うわぬり)」の違いは? 

「上塗り」は古い漆喰の上から塗る方法ですが、すぐに剥がれるため推奨しません。弊社では、古い漆喰を綺麗に取り除いてから新しく塗り直す「詰め直し(積み直し)」を行います。


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ヤマムラ建装㈱ 代表取締役 顔写真
私が点検調査にお伺いします!


名古屋市南区を中心に、屋根工事・雨漏り修理・リフォームなら、創業100年以上の実績を持つ当社へ!名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
明治末期創業からの技術を受け継ぎ、地元で5,000件以上の施工実績を誇る「住まいの専門家」です。

フリーダイヤル番号のロゴマーク

【主な対応業務】
屋根工事: 葺き替え、漆喰補修、雨漏り修理(かわらぶき技能士)
外装工事: 外壁塗装、ベランダ・屋根防水、雨樋工事、電気工事
その他の業務も(大工工事、キッチン、トイレ、浴室リフォーム等)一度ご相談してください。

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