writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
台風・強風後の屋根は大丈夫?点検で瓦の浮き・ズレ・割れ発見!

台風が過ぎ去った夜、天井の向こうから聞こえてくる「ゴンゴン」という鈍い音。
「風の音だろうか? それとも何かがぶつかっているのか?」
そんな不安な一夜を過ごされた名古屋市南区のお客様より、緊急の屋根点検依頼をいただきました。
屋根は、ただ風を受けるだけではありません。
建物の立地条件によっては、想像を超える「見えない力」が瓦を襲うことがあります。
今回は、実際の点検調査で見えてきた「異音の正体」と、強風が瓦に与える物理的なダメージについて、現場の記録を元に解説します。
- 1. 台風・強風後の屋根は大丈夫?点検で瓦の浮き・ズレ・割れ発見!
- 2. 心配になって屋根点検の依頼をいただきました
- 3. 屋根へのアプローチ!目視点検で見えた「初期症状」
- 3.1. 目視による屋根の点検調査
- 3.1.1. 屋根の上に立つと、すぐに異変が目に飛び込んできました。
- 4. 異音の正体は「ビル風」現象?隣家との隙間が生んだ破壊力
- 4.1.1. 【強風被害のメカニズム:巻き返し風】
- 4.1.2. その衝撃は凄まじく、点検の結果、以下の深刻なダメージが確認されました。
- 5. 被害拡大を防ぐために!確実な修繕プランの提示
- 5.1.1. 修繕プランをご提案
- 6. 今回の工事のまとめ (Summary)
- 6.1.1. 【名古屋市南区・台風被害点検のポイント】
- 7. FAQ(工事に関するよくある質問)
- 7.1.1. 次回の現場ブログは?
- 8. 同じ地域で行った施工事例ブログ記事!
- 9. 同作業での点検やメンテナンスを行ったブログ記事!
心配になって屋根点検の依頼をいただきました

名古屋市南区にお住いのお客様から、台風が通り過ぎて風も強かったため、屋根瓦に雨漏りになるような被害が出ていないか心配されてご連絡をいただきました。
「台風の間、屋根の方から『ゴンゴン』と、何かがきしむような、ぶつかるような変な音がして怖かったんです」
お問い合わせの第一声は、お客様の切実な不安の吐露から始まりました。
強風が吹くたびに響く異音。それは単なる風切り音ではなく、明らかに屋根の上で「重量のある何か」が動いている証拠です。

「雨漏りはまだしていませんが、あの音を聞いてしまうと…。
瓦が飛んで近所の方に迷惑をかけないか、気が気じゃなくて。」
もし屋根瓦が破損したりズレたりしていれば、次の雨で室内に雨漏りを引き起こすだけでなく、最悪の場合、瓦が落下して人身事故につながるリスクもあります。
私たちは、目に見えない屋根の上の「真実」を突き止めるため、直ちに名古屋市南区の現場へ急行しました。
点検の結果、台風の強風被害による瓦の浮きがいくつか見つかりました。
屋根の状態を確認し、必要な修理や対策を行うことが重要です。
屋根へのアプローチ!目視点検で見えた「初期症状」

『収縮ハシゴ(アップスライダー)』とは、屋根工事や板金工事などで使用される工具の一つです。
このハシゴは、屋根の軒先や外壁に立てかけて作業を行う際に活用されます。
一般的に、脚立では届かない高さや場所で使用されることが多い特徴があります。
手動で長さが伸縮するため(約4.5m~8m)、適切なサイズで使用することが重要です。
しかし、近年では安全上の理由から、屋根や外壁に立てかけての作業は危険とされ、アップスライダーの使用頻度は減少しています。
代わりに、仮設足場の設置やドローンや高所用カメラを使用した点検など、安全性を重視した作業方法が取られる傾向にあります。
目視による屋根の点検調査

強風が吹いたことにより、屋根瓦が浮いたり欠けたりしている状況を確認しました。
その原因の一つとして、隣家の外壁が近すぎて強風が吹いた際に外壁に当たり、捲られた風が屋根瓦にぶつかっている可能性が考えられます。
この捲られた風が屋根瓦に当たった瞬間に、一部の屋根瓦が浮いてしまい、その反動で他の部分が破損したのかもしれません。
屋根の点検を怠らず、隣家や周囲の状況も考慮して、安全を確保するようにしましょう。
屋根の点検において、最も確実なのは「至近距離での目視」です。
ドローンや高所カメラも有効ですが、瓦の微妙な浮きやガタつきを指先で確認するには、人間が登るのが一番です。
今回は、敷地内に梯子をかけるスペースが確保できたため、「伸縮ハシゴ(アップスライダー)」を使用しました。
※敷地が狭い場合や屋根勾配が急な場合は使用できないこともありますが、今回は安全に軒先へアクセスできるルートを確保できました。
屋根の上に立つと、すぐに異変が目に飛び込んできました。
- 瓦の列が乱れている: 整然と並んでいるはずの瓦が、波打つようにズレている。
- 明らかな浮き: 下地の土や木が見えそうなほど、瓦が持ち上がっている箇所がある。
- 砂埃の堆積: 浮いた瓦の隙間から風が入り込み、内部に砂や埃が溜まっている。


瓦屋根の場合、強風などの影響で瓦同士がたたきつけられると、陶器製の瓦は割れて破損してしまう可能性があります。
特に、瓦が浮いてしまった状態でたたきつけられると、瓦の先端部分が一番弱いため、割れやすくなります。
このような状況では、注意が必要です。
強風や自然災害時には、屋根の状態を定期的に点検し、メンテナンスを行うことが重要です。
安全を考えると、瓦屋根の状態は常に確認しておくことが大切です。


「激しい強風が原因で、屋根瓦が浮いたりズレたりしております。浮いた時に、隣の屋根瓦に乗っかってしまっているのも一部ではありました。」
強風によって屋根瓦が浮いたりズレたりすることがあります。
特に隣の屋根瓦に乗っかってしまう状況も発生していました。
このような状況では、屋根の安全性に大きな問題が生じる可能性があります。
強風による被害を最小限に抑えるためには、早めの対策が必要です。
屋根の点検や修理を行うことで、より安全な状態を保つことができます。
是非専門家に相談して、適切な対策を行ってください。

強風によって屋根瓦が浮いてしまい、その隙間に砂埃が溜まっていました。
作業を行う際には、この砂埃を掃除しておくことが必要です。
強風による被害は意外と見過ごされがちですが、細かな部分まで確認しておくことが重要です。
屋根のメンテナンスは安全を守るためにも欠かせませんので、しっかりと対策を行っていきましょう。
異音の正体は「ビル風」現象?隣家との隙間が生んだ破壊力

なぜ、このお宅の屋根だけがこれほど激しく損傷したのか?
屋根の形状や方角を確認していく中で、ある一つの「決定的な要因」が浮かび上がりました。
それは、「すぐ隣に建つ隣家の外壁」の存在です。
【強風被害のメカニズム:巻き返し風】
今回の現場は、隣の家の外壁がすぐ近くに迫っていました。
- 台風の強風が隣家の外壁に激突する。
- 行き場を失った風が、壁を伝って強烈な勢いで巻き上がる(ビル風のような現象)。
- その風がお客様の屋根瓦を下から突き上げる。
この現象により、屋根の上では瞬間的に「真空状態(負圧)」が発生し、重い瓦が吸い上げられるように浮き上がります。
そして風が止んだ瞬間、浮いた瓦が屋根の下地に叩きつけられる。
お客様が聞いた「ゴンゴン」という異音の正体は、まさに「浮き上がった瓦が、屋根に落下して叩きつけられる音」だったのです。
その衝撃は凄まじく、点検の結果、以下の深刻なダメージが確認されました。
- 瓦の先端破損: 叩きつけられた衝撃で、瓦の最も弱い先端部分が欠けている。
- 重なり合い: 浮いた拍子に、隣の瓦の上に乗り上げてしまっている(将棋倒しの前兆)。
- 釘の浮き: 瓦を持ち上げる力で、固定釘が抜けかけている。
これはもはや「自然な劣化」ではなく、明確な「風災(自然災害)」と言える状況でした。
被害拡大を防ぐために!確実な修繕プランの提示

調査を終え、撮影した写真をお客様にお見せしながら報告を行いました。
「まさか、こんなに割れていたなんて…」 お客様は驚かれていましたが、同時に「音がした原因」がはっきりしたことで、安堵の表情も浮かべていらっしゃいました。
私たちは、この状況を放置すれば「雨漏り」や「瓦の落下」は時間の問題であると判断しました。
修繕プランをご提案
- ズレ直し(整列): 乱れた瓦の列を、手作業で一枚一枚正しい位置に戻す。
- 破損瓦の交換: 割れてしまった瓦は、雨水の浸入経路となるため、新しい瓦へ差し替え交換を行う。
- 【重要】コーキング固定: 今後、同じような強風が吹いても瓦が浮かないよう、瓦同士を**コーキングボンド(接着剤)**で強力に固定する。
特に3つ目の「コーキング固定」は、隣家の影響を受けやすいこの立地において、必須の対策です。
単に戻すだけでなく、「二度と同じ恐怖を感じさせない屋根」に仕上げる。
それが私たちの提案です。
これらの提案を補足も交えてお客様に説明し、それを元にお見積りを作成させていただきました。
今回の工事のまとめ (Summary)

屋根の上で起きていることは、地上からは決して見えません。「音」は建物からのSOSサインです。
【名古屋市南区・台風被害点検のポイント】
火災保険の適用: 今回のような「風災」は、加入している火災保険が適用できる可能性が高い。
異音は危険信号: 強風時に「ゴンゴン」「ガタガタ」と音がしたら、瓦が浮いている可能性大。
立地条件がカギ: 隣家との距離が近い場合、風の「巻き返し」による被害を受けやすい。
早期発見が節約の鍵: 瓦が飛んでしまう前にズレを直せば、修理費用は最小限で済む。
FAQ(工事に関するよくある質問)
瓦をコーキングで固定すると雨漏りしませんか?
正しい方法で行えば大丈夫です。瓦の正面部分を全て塞いでしまうと雨水の逃げ道がなくなり雨漏りの原因になりますが、私たちは雨水の流れを計算し、盛り上がった山部のみにコーキングを塗布して固定するため、安全に強度を高めることができます。
台風や強風で屋根が壊れた場合、火災保険は使えますか?
はい、多くの火災保険には「風災」の補償が含まれており、台風や強風による破損には適用されるケースが多いです。ただし、ご加入のプランによりますので、まずは保険証券をご確認いただくか、担当者様へお問い合わせいただくことをお勧めします。
隣の家の屋根瓦が飛んできて自宅が壊れた場合、相手に修理費を請求できますか?
基本的に、自然災害(不可抗力)による場合は、お隣へ賠償を求めることは法的に難しいケースが一般的です。そのため、ご自身の火災保険を使って直すことになる可能性が高いです。だからこそ、自分の家から瓦を飛ばして近隣にご迷惑をかけないよう、日頃の点検と固定などの対策が重要になります。
次回の現場ブログは?
破損した和瓦の交換(差し替え)作業と、今後の被害を防ぐためのコーキングによる接着固定の様子!
同じ地域で行った施工事例ブログ記事!
同作業での点検やメンテナンスを行ったブログ記事!

名古屋市南区を中心に、屋根工事・雨漏り修理・リフォームなら、創業100年以上の実績を持つ当社へ!名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
明治末期創業からの技術を受け継ぎ、地元で5,000件以上の施工実績を誇る「住まいの専門家」です。

【主な対応業務】
屋根工事: 葺き替え、漆喰補修、雨漏り修理(かわらぶき技能士)
外装工事: 外壁塗装、ベランダ・屋根防水、雨樋工事、電気工事
その他の業務も(大工工事、キッチン、トイレ、浴室リフォーム等)一度ご相談してください。

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