writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
台風・強風で屋根瓦が浮いた!点検から修理コーキング固定
こちら現場での初回点検の様子は?
初動調査での様子を現場ブログ・第一話目で書いています!
台風が去った後の静けさの中、家主様の胸には「音」の記憶だけが不安として残っていました。
暴風雨の夜、頭上から響いてきた「ゴンゴン」という鈍い音。
雨漏りはしていないものの、見えない屋根の上で何かが起きていることは明白でした。
今回のご依頼は、そんな切実なSOSから始まりました。
築35年の木造住宅で起きていたのは、自然の猛威と立地条件が重なって起きた「瓦の浮き」現象。
本記事では、音の原因究明から、二度と同じ不安を抱かせないための「雨仕舞(あまじまい)を考慮した固定技術」まで、現場のリアルな息遣いと共にお伝えします。
工事のきっかけ
台風や強風が過ぎ去った後、『うちは大丈夫かな?』とご自宅の屋根を見上げる方も多いのではないかと思います。
今回ご紹介するのは、まさにそうしたご不安を抱えていたお客様からのお問い合わせでした。
台風が通過した後、お客様から『台風の間、屋根の方から“ゴンゴン”と何か物が当たるような、きしむような変な音がしていて、とても怖かった。風が強かったので屋根瓦がどうかなっていないか心配だ』という、切実なご相談をいただきました。
確かに、屋根の上で聞き慣れない音がすれば、雨漏りや瓦の落下など、最悪の事態を想像して不安になるのは当然のことです。
もし瓦が破損したり、ズレたりしていれば、次の雨で室内に雨漏りを引き起こしたり、強風で瓦が落下してご家族やご近所様に被害を及ぼす可能性もゼロではありません。
私たちは、こうしたお客様の不安を少しでも早く解消するため、迅速に無料の屋根点検にお伺いしました。
台風や強風による被害は、下から見上げただけでは分からないことがほとんどです。
だからこそ、プロの目による点検が非常に重要となります。
安全に点検を行うため、まずは屋根に登るための伸び縮みする梯子(アップスライダー)を設置できる場所を探します。
ただし、この梯子はどこにでも設置できるわけではありません。
敷地に十分なスペースがない場合や、地面が平行でない場合、またベランダなどが邪魔をして軒先に梯子をかけられない場合など、状況によっては使用できないこともあります。
今回は幸い、敷地内に安全な角度で梯子を軒先に設置できるスペースがありましたので、そこから慎重に屋根に登り、目視による点検調査を開始しました。
工事の概要・データ
| 工事場所 | 名古屋市南区 |
| 建物種別 | 木造住宅(日本瓦・和瓦) |
| 築年数 | 築35年ほど |
| 施工箇所 | 屋根全体(軒先および平部) |
| 工事内容 | ・破損瓦の差し替え交換 |
| ・コーキングボンドによるズレ固定補強 | |
| 発生症状 | 台風・強風による瓦の破損、浮き、ズレ |
| 使用部材 | 新規和瓦(補修用)、屋根用コーキング材 |
| お問い合わせ経緯 | 台風通過後の屋根点検依頼 |
| 工事費用 | 約10万円ほど |
| 施工期間 | 約1日ほど |
- 1. 台風・強風で屋根瓦が浮いた!点検から修理コーキング固定
- 1.1.1. こちら現場での初回点検の様子は?
- 1.1.2. 工事のきっかけ
- 1.1.3. 工事の概要・データ
- 1.1.4. 一目瞭然!ビフォーアフター
- 2. 見えない不安との戦い・強風一過の現場から
- 3. 伸び縮みする梯子(アップスライダー)を使って
- 4. 屋根の上で目視による点検調査
- 4.1. 強風の力で浮いた瓦屋根の状態
- 5. 破損した和瓦を新しい和瓦に差し替え交換します
- 6. 施工の核心・「爪」の勘合とコーキングの技術
- 7. 完工・強風に動じない強固な屋根へ
- 8. 今回の屋根修繕の要点まとめ
- 8.1.1. 工事のポイント
- 8.1.2. それぞれの現場ブログ記事のリスト表!
- 9. FAQ(工事に関するよくある質問)
- 10. 同じ地域で行った施工事例ブログ記事!
- 11. 同作業での点検やメンテナンスを行ったブログ記事!
一目瞭然!ビフォーアフター


見えない不安との戦い・強風一過の現場から


地上からは綺麗に見えても、屋根の上では瓦が浮いていることがよくあります。
『念のため』の点検が、家を守る最善手です
「昨晩の風は本当に怖かった。何も落ちてはいないけれど、一度見てほしいんです」
お客様の声には、目に見えない場所への不安が滲んでいました。
名古屋市南区の住宅街、一見すると何事もなかったかのように静まり返っていますが、私たちの経験上、台風後の屋根が無傷である保証はどこにもありません。
現場に到着し、まずは地上からの目視確認を行いますが、決定的な異常は見当たりません。
しかし、これこそが落とし穴です。瓦の破損やズレは、実際に屋根に上がり、至近距離で確認しなければ発見できないケースが大半だからです。
私たちは建物の配置を確認し、幸いにも敷地内に確保できたスペースへ「アップスライダー(伸縮式ハシゴ)」を慎重に設置しました。
ヘルメットの顎紐を締め直し、材料を担いで屋根へと続く動線を確保します。
ここからが、本当の診断の始まりです。
伸び縮みする梯子(アップスライダー)を使って

『アップスライダーを利用した屋根点検の注意点』
写真のような、伸び縮みする梯子(アップスライダー)を設置できる場所を探して、屋根の先端部分でもある軒先部に梯子をかけました。
アップスライダーを軒先にかけてから、安全確保をして屋根に登って点検を行っていきました。
ただし、アップスライダーが使えない状況もあります。
設置する敷地がない場合や平行でない場合、アップスライダーを設置する角度が取れない場合、基礎が高くて屋根が高くなってしまっている場合、ベランダなどで軒先部に梯子が設置できない場合などが挙げられます。
その他、設置できない場合があるため、状況に応じて判断して設置できるかどうかを考えてみます。
屋根の上で目視による点検調査

屋根に登って調査してみたら、やはり屋根瓦が浮いていたり落ちたときの反動で破損していました。
台風の時の強風と、この屋根の横に隣家の外壁が有ったため、外壁に当たった戻り風が屋根瓦の方に来て、お互いがぶつかり合って余計に突風となって屋根瓦を浮かしていったのかと推察されます。
なお、台風の時に屋根瓦が浮きやすい場合で、こちらの屋根とお隣の家の外壁が近かった場合、ほぼ90%以上の確率で屋根瓦が浮いているかと思われます。


屋根瓦の前方部分にある隙間から、突風が入り込むことによって屋根瓦の裏側と野地板の間で、真空状態になってしまって軽い竜巻状態になって、屋根瓦が浮いたりズレたり飛んで行ったりします。
その屋根瓦が浮いた時に、そのまま同じ場所に屋根瓦が落ちたときの衝撃で、屋根瓦の先端が割れてしまい破損します。
台風が通り過ぎたときは、写真のように屋根瓦が浮いたり割れていたりします。
強風の力で浮いた瓦屋根の状態


突風で浮いた屋根瓦の状況について調査しました。
突風によって屋根瓦が浮いて隣の屋根瓦に乗っかる状態になっていました。
今回の屋根点検が早めに行われたおかげで、被害を防ぐことができましたが、もし家の誰もが気づかずに屋根瓦が浮いたままだった場合、次の台風が来るとその浮いた屋根瓦を中心に一気に屋根瓦が飛んでしまう可能性があります。

瓦が強風で上に向けて押されてしまい、屋根瓦がズレてしまっています。
上段にズレているため、ズレた屋根瓦の上に瓦が重なりが多くなり、隙間ができています。
ここの隙間も、次回の台風などの強風が入り込むと、屋根瓦が飛散する原因となり得ます。
お客様への点検報告として、浮いた屋根瓦は戻すように付け直し、破損している2枚の屋根瓦は新しいものに交換するように修理することを提案させていただきました。
その提案内容で、お見積りを作成してお客様にお渡ししました。
破損した和瓦を新しい和瓦に差し替え交換します

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【瓦屋根の交換作業について】
突風が吹いた時に浮きあげられた屋根瓦が、その場に落ちたときの衝撃で先端が破損した瓦屋根に対して、新しい瓦屋根で取り替えして交換修理を行いました。
瓦屋根の交換作業について、製造メーカー発表で同じ色の瓦屋根だとしても、時代と共に色がズレている時もありえます。
それ以外にも、既存の瓦屋根が紫外線などで色落ちしている場合があるため、新しい瓦屋根と言っても色合いも同じにならないことはありえますのでご了承お願いします。
施工の核心・「爪」の勘合とコーキングの技術


ここからが施工のハイライトです。
単に新しい瓦を置くだけでは、修理とは呼べません。
1. 瓦の差し替えと「爪」の重要性
まず、破損した瓦を慎重に取り除きます。
新しい瓦を差し込む際、最も神経を使うのが瓦の裏面にある「爪」の勘合(かんごう)です。
この爪を野地板側の桟木(さんぎ)や隣の瓦に確実に引っ掛けなければなりません。
手探りで爪の位置を確認し、「カチッ」と収まる感触を確かめます。
これが不十分だと、瓦は簡単に浮き上がり、最悪の場合は落下事故につながります。
2. コーキングによる化学的固定
構造的な固定に加え、今回はコーキングボンドによる補強を行いました。
ここでのポイントは「塗る場所」と「塗らない場所」の見極めです。
- 側方部(横): 隣り合う瓦同士をボンドで接着。これにより瓦が一体化し、強風時の飛散リスクを劇的に低減させます。
- 正面部(山): ここが技術の分かれ目です。瓦の正面(下端)を全て塞いでしまうと、瓦内部に入った雨水の逃げ道を塞ぎ、逆に雨漏りを誘発します。私たちは**「盛り上がった山部のみ」**にコーキングを点付けしました。
完工・強風に動じない強固な屋根へ

すべての瓦の差し替えと、計算されたコーキング固定が完了しました。
ズレていた瓦列は定規で引いたように真っ直ぐに整列し、接着された瓦たちは一枚の強固な板のように屋根全体を覆っています。
手で揺すっても、ビクともしない安定感を確認しました。
地上に降り、撮影した施工前・施工中・施工後の写真をお客様にご覧いただきました。
「こんなに割れていたなんて…写真を見てゾッとしました。
でも、しっかり直してもらえて安心しました」と、安堵の表情を浮かべていただけました。
今回の工事は、単なる「交換」ではなく、自然災害に対する「防御力」を高めるリフォームとなりました。
今後、再び台風が来ても、この屋根なら家を守り抜いてくれるはずです。
今回の屋根修繕の要点まとめ

今回の現場は、目視だけでは発見できない台風被害の恐ろしさと、正しい施工手順の重要性を再確認する事例でした。
工事のポイント
早期発見: 地上から見えない破損やズレは、屋根上点検でしか発見できない。
確実な施工: 瓦の交換時は、裏面の「爪」を確実に引っ掛けることが落下の絶対防止策。
防水の鉄則: コーキング固定は「水の逃げ道」を考慮し、全面を塞がない技術が必要。
保険適用: 強風による被害は、火災保険が適用される可能性が高いため確認が必須。
それぞれの現場ブログ記事のリスト表!
FAQ(工事に関するよくある質問)
台風の時に屋根から音がしたのはなぜですか?
強風で屋根瓦が持ち上げられ、元の位置に戻る際に「ゴンゴン」と音がすることがあります。これは瓦が浮き上がっているサインであり、放置すると次の台風で飛散する恐れがあるため、早めの点検が必要です。
瓦を交換する場合、全く同じ色の瓦になりますか?
全く同じ色にするのは難しい場合があります。新しい瓦と、長年紫外線にさらされて色あせた既存の瓦では、どうしても色味に差が出てしまいます。また、製造時期によって微妙に色が異なることもありますので、その点はご了承ください。
瓦をコーキングで固定すると雨漏りしませんか?
正しい方法で行えば雨漏りはしません。瓦の全面を塞ぐのではなく、「山」の部分だけにコーキングボンドを塗ることで、雨水の逃げ道を確保しつつ、強力に固定することができます。間違った塗り方をすると逆に水が溜まる原因になるので、知識のある職人による施工が重要です。
同じ地域で行った施工事例ブログ記事!
同作業での点検やメンテナンスを行ったブログ記事!

名古屋市南区を中心に、屋根工事・雨漏り修理・リフォームなら、創業100年以上の実績を持つ当社へ!名古屋市と近郊都市で活動する「ヤマムラ建装株式会社」5代目の山村です。
明治末期創業からの技術を受け継ぎ、地元で5,000件以上の施工実績を誇る「住まいの専門家」です。

【主な対応業務】
屋根工事: 葺き替え、漆喰補修、雨漏り修理(かわらぶき技能士)
外装工事: 外壁塗装、ベランダ・屋根防水、雨樋工事、電気工事
その他の業務も(大工工事、キッチン、トイレ、浴室リフォーム等)一度ご相談してください。

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