名古屋市中区【カバー工法】パミール屋根をカバー工法で安心リフォーム!アスベスト飛散なしの安全施工と隠れた劣化対策
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
名古屋市での屋根カバー工法:パミール屋根の不安を解消!

「飛び込みの訪問業者に『いずれ雨漏りする』と脅されて困っている」
—名古屋市中区にお住まいのお客様から、このような切実なご相談をいただきました。
私たちはすぐに詳細な点検を行い、お客様のお住まいの状況に最適なカバー工法(既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材を重ねて張る工事方法のこと)での屋根リフォームをご提案。
無事にご契約をいただき、いよいよ工事が本格的にスタートしました。
今回のブログでは、劣化が激しいパミール屋根材(アスベストを含んでいないスレート屋根材の一種ですが、時間が経つと表面が剥がれやすい特徴があります)の上に、新しい板金屋根材を重ねて施工するカバー工法の様子を、写真も交えながら詳しくご紹介していきます。
劣化したパミール屋根に最適な「カバー工法」とは?
カバー工法は、写真のような比較的薄い材質のスレート屋根(セメントと繊維を混ぜて作られた薄い板状の屋根材のこと)に最適な工法の一つです。
今回、お客様がこの工法を選ばれた理由の一つに、目の前の道路の交通量の多さがありました。
既存の屋根材を全て撤去する工法だと、粉じんが舞い上がったり、材料が落下する危険性があったため、より安全で近隣への影響が少ないカバー工法を選択されたのです。
アスベスト問題も解決!カバー工法の大きなメリット
さらに、昔のスレート屋根材の多くには、かつて建材に使われていたアスベスト(石綿:人体に有害なため、現在は使用が禁止されている繊維状の鉱物のこと)が含まれていました。
アスベスト含有の屋根材を全て撤去する「葺き替え」工事には、以下のような大きなデメリットが多くあります。
- 高額な撤去費用:アスベスト飛散防止のため、専用の作業服や厳重な安全対策が必要となり、作業費用がかなり高額になります。
- 高額な産廃費用:撤去した材料はアスベスト含有廃棄物として厳重に管理・処分されるため、処分費用が高くなります。
- 高額な養生ネット費用:アスベストの飛散を確実に防ぐため、専用の養生ネットが必要となり、費用がかさみます。
これらのデメリットを解消し、お客様の費用負担を抑えるために考案されたのが、スレート屋根材の上から専用の板金屋根材を取り付ける「カバー工法」なのです。
アスベストを飛散させることなく、安心・安全にリフォームできるのが最大のメリットと言えるでしょう。
ご自宅の屋根材に不安がある方は、ぜひ私たちヤマムラ建装株式会社にご相談ください。
お客様にとって最適なリフォーム方法を、費用面も含めて丁寧にアドバイスさせていただきます。
前回の現場ブログはこちらから読み戻れます↓↓↓
『名古屋市中区【カバー工法】屋根・外壁・雨樋工事の安全対策で足場設置!それから許可・安全対策まで徹底解説』
こちらのお客様の一連の流れで一番最初の現場ブログになります↓↓↓
『名古屋市中区【カバー工法】築17年のパミール屋根に要注意!多発する悪質訪問販売の手口と正しいリフォームの選び方』
目次
劣化が早い?「パミール」屋根材の注意点

お客様のお宅で確認された屋根材「パミール」。
実はこのパミール、他のメーカーが製造する「カラーベスト」(一般的なスレート屋根材の一種で、セメントと繊維を混ぜて作られた薄い板状の屋根材のこと)に比べて、新築からわずか数年で劣化が進むという報告が多数上がっているんです。
パミール特有の「層間剥離(そうかんはくり)」とは
具体的には、パミールの屋根は表面に目立つほどの裂け(さけ)や割れ(われ)が数多く発生するのが特徴です。
これは、パミールが持つ独特の層状構造が原因で、時間の経過とともに表面がミルフィーユのように剥がれ落ちてしまう「層間剥離(そうかんはくり:屋根材が層状に剥がれてしまう現象のこと)」という現象によるものです。
当時、パミールを施工した業者さんも、まさかこのような問題が発生するとは予想していなかったでしょう。
大手建築材メーカーが製造していたため、信頼して使用したものの、数年後には次々と劣化報告が上がり、対応に大変苦慮したことが容易に想像できます。
もしご自宅の屋根がパミールである場合、築年数が比較的浅くても、すでに劣化が進行している可能性があります。
特に、表面の剥がれや割れが目立つようであれば、雨漏りにつながる危険性も高まります。
ご自宅の屋根材がパミールかどうか分からない、劣化状況が気になるという方は、ぜひ一度専門業者による点検をおすすめします。
早期に適切な診断と対策を行うことで、大切なお住まいを守ることができますよ。
雨漏りから家を守る!カバー工法の要「防水紙(ルーフィング)」の重要性

劣化したパミール屋根材の上から新しい板金屋根材を施工するカバー工法。
この工法で最も重要となるのが、既存の屋根材の上に防水紙(ルーフィング:雨水が建物の中に入り込むのを防ぐ防水シートのこと)を隙間なく貼っていく作業です。
防水紙は、万が一新しい屋根材の下に雨水が浸入しても、建物内部への雨漏りを防ぐ、非常に大切な役割を担っています。
パミール特有の固定方法
通常の屋根材に防水紙を貼る際は、ハンマータッカー(建築用の大型ホッチキスのような工具)を使って固定することが一般的です。
しかし、表面が剥離しやすいパミール屋根材の場合、ハンマータッカーの針ではしっかりと固定できません。
そこで、私たちは電動工具の釘打ち機を使用し、特殊な釘を防水紙に打ち込みながら固定していきます。
この特殊な釘は、通常の釘よりも抜けにくく、パミール屋根材の上でもしっかりと防水紙を固定できるため、安心して次の工程へと進むことができます。
この防水紙の貼り付けと固定は、普段目に見えない部分の作業ですが、屋根の防水性能を左右する非常に重要な工程です。
どんなに優れた屋根材を使っても、その下の防水層がしっかりしていなければ、建物を雨漏りから守ることはできません。
軒先(のきさき)から雨水をシャットアウト!「水切り板金(みずきりばんきん)」の役割

劣化したパミール屋根に防水紙を貼る作業と同時に、もう一つ重要な工程を進めます。
それは、屋根の先端部分、つまり軒先(のきさき:屋根の端で、建物の壁よりも外側に出ている部分のこと)に専用の水切り板金(みずきりばんきん:雨水を適切に排水するために設置される金属製の部材のこと)を取り付ける作業です。
この専用水切り板金は、屋根カバー工法において非常に重要な役割を担っています。
もし、この水切り板金を取り付けないと、その後に設置していく専用の板金屋根材(金属製の新しい屋根材)を適切に施工することができません。
水切り板金は、屋根に降った雨水が軒先からスムーズに排出されるように誘導し、建物の内部に水が浸入するのを防ぐ「縁の下の力持ち」のような存在です。
これがなければ、せっかくの新しい屋根材もその防水性能を十分に発揮できず、雨漏りの原因となってしまう可能性が高まります。
そのため、この軒先専用の水切り板金は、カバー工法では必ず取り付けなければならない部材なんです。
屋根の見た目を美しく、機能性を高めるケラバ袖の水流れ板金


屋根全体に防水紙(ルーフィング)を貼り終えたら、次に重要な工程へと進みます。
それは、屋根の妻側(建物の側面で屋根の勾配が低い側)の先端部分、ケラバ袖部(けらばそでぶ:屋根の端の、雨樋がない側の部分のこと)に水流れ板金(みずながればんきん:屋根の端に取り付けられ、雨水を適切に流し、見た目を整える金属製の部材のこと)を取り付けていく作業です。
洋風平板瓦(ようふうへいばんがわら:平らで洋風なデザインの瓦のこと)のような厚みのある屋根材だけでなく、今回のスレート屋根のような薄いタイプの屋根材でも、ケラバ袖部に水流れ板金を取り付けることは非常に重要です。
これがないと、雨水がスムーズに流れず、建物内部への浸入リスクが高まります。
私たちのようなプロの職人さんが施工する際には、こうした板金は問題なく取り付けられるのでご安心ください。
しかし、ご自身でDIYを行う場合は、このケラバ水流れ板金の取り付けを絶対に忘れないでくださいね。
さらに、この板金が風などでずり落ちたりしないよう、板金屋根の端材(はざい:工事で余った材料のこと)で作った吊り子(つりこ:板金をしっかりと固定するための金具のこと)を使って固定します。
こうした細やかな工夫が、屋根の耐久性を高め、お客様に長く安心して暮らしていただくための秘訣なんです。
変形屋根の雨水対策!雨樋から水流れ板金の変更する重要性


既存の屋根で、敷地の関係で斜めになった部分の屋根には、しっかりと雨樋(あまどい:屋根から流れる雨水を集めて排水する設備のこと)が設置されていました。
これは、斜めの屋根から流れ落ちてくる大量の雨水を受け止め、適切に排水するための重要な配慮です。
雨樋がなければ、雨水が直接地面に落ちてしまい、外壁を汚したり、基礎部分を傷めたりする原因になります。
但し今回は、既存の雨樋を取り外して、雨水の流れを最適化するため、水流れ板金(みずながればんきん:雨水を適切に流すための金属製の部材のこと)を取り付けました。
お客様のお宅の屋根は少し特殊な斜めの形状をしていたため、工夫が必要な作業となりました。
まず、屋根の斜めになっている部分に防水紙(ルーフィング)を一度斜めに貼っていきます。
これは、複雑な屋根の形状に合わせて防水層を確実に形成するための重要な工程です。
その後、この斜めに貼った防水紙の上に、先ほどお話しした水流れ板金を取り付けました。
この水流れ板金は、雨水がスムーズに流れるように誘導し、既存の雨樋へと適切に導く役割を果たします。
このようにして部分的な防水対策と水路の確保ができた後、屋根全体に防水紙を丁寧に貼り巡らせていきました。
変形屋根の場合、雨水の流れを正確に予測し、適切な位置に雨樋や水切り板金などを設置することが非常に重要です。
少しの設計ミスや施工不良が、後々の雨漏りや建物全体の劣化につながることも少なくありません。
一見すると複雑な作業に思えるかもしれませんが、私たちはどのような屋根の形状にも対応できるよう、長年の経験と技術を活かしています。
細部にまでこだわり、雨水の流れをコントロールすることで、お客様の大切な住まいを雨漏りから確実に守ります。
カバー工法の準備万端!「屋根上げ」作業と見えない部分の品質

屋根全体に防水紙(ルーフィング)を貼り終え、雨水対策を万全にしたら、次は屋根の端にあるケラバ袖部(けらばそでぶ:屋根の端の、雨樋がない側の部分)にも、しっかりと水流れ板金(みずながればんきん:雨水を適切に流すための金属製の部材)を取り付けていきます。
お客様宅の屋根は少し変則的な形状をしていましたが、私たちはこの特性に合わせて、雨水の流れや雨漏り対策を徹底して行いました。
水流れ板金は、屋根に降った雨水を適切に排水するための重要な役割を担っており、たとえ複雑な形状の屋根であっても、この部分の施工を怠ることはできません。


敷地がいっぱいで、さらにカーポートの屋根が建物に接しているため、重い材料を高い場所へ運ぶための荷揚げ機(にあげき:工事現場で重い材料を高い場所に運ぶための機械)である昇降ハシゴの設置場所が非常に限られていました。
私たちは、通行人やご近所の方々のご迷惑にならないよう、細心の注意を払いながら昇降ハシゴを設置しました。
しかし、今回使用するカバー工法専用の板金屋根材は長さがあるため、狭い場所では荷揚げ機での搬入が難しいことが判明しました。
そこで、私たちは別の方法を採用しました。安全対策のために設置した仮設足場(かせつあしば:工事現場で職人さんが安全に作業するための組み立て式の足場)の作業床を使い、職人さんが手作業で一段ずつ材料を屋根へと運び上げる「屋根上げ」作業を行うことにしたのです。
これまでに、古い屋根材パミールの上に新しい防水層となる防水紙を隙間なく貼り付け、さらに雨水を適切に流すための水切り板金や水流れ板金を丁寧に設置してきました。
また、作業足場への干渉を防ぐためカーポートの屋根を一時的に取り外し、安全を確保した上で、新しい板金屋根材を屋根へと運び上げる「屋根上げ」作業も無事に完了しました。
これらの地道な準備作業は、全てお客様に長く安心して暮らしていただける、高品質な屋根リフォームを提供するための大切な工程です。
見えない部分の施工品質こそが、建物の寿命を大きく左右すると私たちは考えています。
これで、カバー工法を施工するための前準備が全て整いました。
次回からの現場ブログでは、いよいよこのカバー工法専用の板金屋根材を、実際に屋根に施工していく様子を詳しくご紹介していきます。
新しい屋根がどのように生まれ変わるのか、ぜひご期待ください。
屋根のことでお困りのことがあれば、いつでもお気軽にヤマムラ建装株式会社にご相談くださいね。
豆知識:切妻屋根(きりづまやね)の各部位の名称と役割

お客様宅の屋根工事で登場する「切妻屋根(きりづまやね:本を伏せたようなシンプルな三角屋根のこと)」の各部位の名称と、それぞれの役割についてご紹介します。
ご自宅の屋根が切妻屋根の方は、ぜひ参考にしてくださいね。
まず、屋根の先端部分を「軒先部(のきさきぶ)」と呼びます。
ここは台風などの強風に巻き上げられやすい場所なので、しっかりと耐風対策を施すことが重要です。
次に、切妻屋根の両端部分を「ケラバ袖部(けらばそでぶ)」と呼びます。
この部分も軒先部に匹敵するほど強風の影響を受けやすく、対策を怠ると屋根材が飛散する可能性が高まります。
私たちは、これらの風を受けやすい部分には特に注意を払い、強固な施工を心がけています。
そして、切妻屋根の最も高い頂点部分が「大棟部(おおむねぶ)」です。
この大棟部には、雨水の浸入を防ぐために、上から覆いかぶせるような材料が使われます。
例えば、瓦屋根なら冠瓦(かんむりがわら:棟の最上部に使われる瓦のこと)、金属屋根なら棟板金材(むねばんきんざい:棟部分を覆う金属製の板材のこと)などが一般的です。
この部分の対策を怠ると、雨漏りが発生しやすくなるため、非常に重要な箇所となります。
このように、屋根は各部位がそれぞれの役割を果たすことで、建物全体を雨風から守っています。
ご自宅の屋根のことで気になる点がありましたら、どんなことでもお気軽にご相談くださいね。
次回の現場ブログはこちらから読み進めます↓↓↓
『名古屋市中区【カバー工法】屋根リフォーム!カバー工法で費用と工期を抑え、雨漏り知らずの丈夫な屋根に!』
ヤマムラ建装 株式会社では

