名古屋市中区【カバー工法】屋根・外壁リフォーム開始!カーポート脱着から発覚した雨樋の施工不良と安心工事の舞台裏
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
名古屋市のリフォーム現場から!足場設置で干渉するカーポート屋根の撤去方法

「飛び込みの訪問業者に『屋根が危険!』と言われて不安…」。
名古屋市中区にお住まいのお客様から、このようなご相談をいただきました。
私たちはすぐに駆けつけ、お客様のお住まいの状況を隅々まで丁寧に点検。
その結果をご報告し、最終的にリフォーム工事のご契約をいただきました。
いよいよ本格的な工事のスタートです。
屋根や外壁の大規模なリフォーム工事では、作業員の安全はもちろん、近隣にお住まいの方々への配慮も欠かせません。
そのためには、仮設足場(かせつあしば:工事現場で職人さんが安全に作業するための、組み立て式の足場のことで、工事の効率と安全を守る上で欠かせないものです)の設置が不可欠です。
しかし、今回のお客様宅には、足場を設置する場所にカーポートがありました。
そのままでは足場がカーポートの屋根にぶつかってしまうため、工事の準備として、このカーポートの屋根を一時的に取り外す作業を行うことになりました。
作業当日は、2メートルほどの大きな脚立と充電式のドリルを持参し、慎重にカーポートの屋根材を取り外していきました。
これも、安全でスムーズな工事を進めるための大切な一歩です。
お客様に安心して工事期間を過ごしていただけるよう、一つひとつの工程を丁寧に進めてまいります。
前回の現場ブログはこちらから読み戻れます↓↓↓
『名古屋市中区【カバー工法】屋根・外壁・ベランダのトラブル解決!悪質業者の手口から守る安心リフォームと施工不良の見分け方』
こちらのお客様の一連の流れで一番最初の現場ブログになります↓↓↓
『名古屋市中区【カバー工法】築17年のパミール屋根に要注意!多発する悪質訪問販売の手口と正しいリフォームの選び方』
目次
屋根・外壁リフォームの第一歩!安全のための仮設足場(かせつあしば)設置

大規模な屋根や外壁のリフォームでは、職人さんが安全に作業するために仮設足場の設置が欠かせません。
名古屋市の住宅街では、敷地の状況が様々で、足場を組む前に特別な準備が必要になることも少なくありません。
カーポートがある場合の足場設置の注意点
お客様の敷地内にカーポートがある場合、その屋根が足場設置の邪魔になってしまうことがあります。
そのため、足場設置の前に、カーポートの塩ビ製屋根(えんびせいばね:塩化ビニル樹脂というプラスチックで作られた屋根材のこと)を取り外す作業が必要になります。
私たちはお見積もりを作成する段階で、カーポートが足場設置に干渉する可能性があることをお客様に必ず事前にお伝えしています。
その際、長年の使用で劣化した塩ビ製の屋根は、取り外し作業中に割れてしまうリスクが高まります。
もし、そのような状態であれば、安全に工事を進めるためにも、取り外し後に有料になりますが、新しい屋根材への交換をご提案させていただく場合があります。
また、現在では製造されていない廃盤(はいばん:もう生産されていない状態のこと)のパターンだった場合は、同じ素材やデザインの屋根材が見つからないことがあります。
その場合は、カーポート本体を新しいものに取り替える工事をご検討いただくこともあります。
お客様の状況に合わせて、最適なご提案をいたしますのでご安心ください。
カーポート屋根の丁寧な外し方

カーポートの塩ビ製屋根は、一枚一枚がそれぞれ専用のカバーで固定されています。
このカバーを、手前側から慎重に外していくのが最初のステップです。
カバーを外す順番と理由
なぜ手前から外していくのかというと、カバーが重なり合って取り付けられていることが多く、奥からだと外しにくかったり、無理な力を加えて屋根材やフレームを傷めてしまう可能性があるからです。
このカバーを丁寧に取り外すと、その下から屋根材を固定しているビス釘(ビスくぎ:ねじのように回して使う釘のこと)の頭部分が見えてきます。
このビス釘を外すことで、ようやく屋根材を取り外せるようになります。
一見地味な作業に見えるかもしれませんが、これらの前準備は、安全かつ効率的に本工事を進めるために非常に重要です。
強引に作業を進めてしまうと、カーポートの屋根材を破損させてしまったり、予期せぬ事故につながることもあります。
私たちは一つひとつの工程を大切に、丁寧な作業を心がけています。
カーポート屋根材の特性と注意点!ビス釘(ビスくぎ)と弾力性(だんりょくせい)

ここでは、ビス釘の取り扱いと、カーポート屋根材の特性について詳しく解説します。
専用ビス釘の重要性
カーポートの塩ビ屋根は、このビス釘でしっかりと固定されています。
このビス釘は、実は近所のホームセンターで手軽に手に入るような一般的なものではありません。
カーポート専用に設計された特殊な形状をしているため、もし失くしてしまうと、取り付けが非常に困難になってしまいます。
そのため、私たちは一本一本、細心の注意を払って慎重に取り外していきます。
屋根材の「弾力性」と劣化
カーポートの屋根に使われている塩ビプラスチック製の屋根材は、取り付ける前は真っ直ぐな板状の材料です。
しかし、カーポートのアーチ状の屋根のカーブに合わせて、無理やり力を加えて曲げて取り付けられています。
この状態で直射日光による紫外線を浴び続けると、屋根材の弾力性(だんりょくせい:元の形に戻ろうとする力のこと)が失われていきます。
弾力性がなくなると、ちょっとした衝撃や風圧でも簡単に割れて破損してしまうことがあるんです。
長年の使用で劣化した屋根材は、思わぬトラブルにつながる可能性があるため、注意が必要です。
スムーズな工事のために!カーポート屋根の取り外し手順

いよいよ本格的なカーポート屋根の取り外し作業がどのように進むのか、その具体的な手順をご紹介します。
丁寧な取り外しと養生(ようじょう)
カーポートの塩ビ製屋根は、手前から順にカバーを外し、その下の固定ビスを慎重に取り外しながら、一枚ずつ剥がしていきます。
この際、外した屋根材をただ放置するわけにはいきません。
作業の邪魔にならず、なおかつ屋根材を傷つけないように、カーポートの足元に養生材(ようじょうざい:資材を保護するためのシートやマットなどのことです)を敷き、その上に丁寧に置いていきます。
「塩ビ屋根を外す → 作業の邪魔にならない場所に移動させる → 作業用の脚立を次の段に移動する → 再び塩ビ屋根の取り外し作業」という流れを繰り返し、全ての屋根材を安全に取り外していきます。

私たちは、作業用の脚立をこまめに移動させながら、手前から一番奥まで、全ての塩ビ屋根を一枚ずつ慎重に取り外していきました。
脚立への昇り降りを繰り返し、安全に細心の注意を払いながら作業を進めます。
地道な作業ですが、これも大切な住まいを守るための第一歩です。
全ての屋根材を取り外し終えたら、次に重要なのがその保管場所です。
取り外したカーポートの材料は、工事期間中、お客様の車庫の一番奥に、作業の邪魔にならないよう一箇所にまとめて置いておきました。
リフォーム工事が完了し、再びカーポートの屋根を元通りに取り付け直すまで、この場所で大切に保管します。
衝撃!カーポート雨樋(あまどい)に潜む新築時の施工不良

お客様のお宅で、屋根や外壁のリフォーム準備を進める中で、お客様からご依頼いただいたカーポートの点検も行いました。
すると、ここにも驚くべき問題が隠れていました。
雨樋(あまどい)が機能しない!砂埃で詰まった衝撃の原因
カーポートの塩ビ製屋根に降った雨水は、本来なら雨樋(あまどい:屋根から流れてくる雨水を集め、地面に排水するための設備のこと)を通ってスムーズに流れるはずです。
しかし、点検してみると、その雨樋が大量の砂埃で完全に詰まっており、雨水が全く流れない状態になっていました。
なぜこんなことになっているのか、詳しく調べてみると、その原因は新築時の施工不良にあることが判明しました。
新築時にカーポートを設置した元請け業者さんが、雨樋に雨水が流れるための勾配(こうばい:傾斜のこと)を全くつけていなかったのです。
そのため、雨水は流れずに滞留し、砂埃が溜まり放題になっていたのです。
「安かろう悪かろう」はカーポートも例外ではない
お客様のお話では、このカーポートも建物の新築と同時に、同じ元請け業者さんで設置したとのことでした。
残念ながら、このような「水が流れない雨樋」は、施工の未熟さを示す典型的な例です。
本来であれば、プロとして勾配の重要性を理解し、適切な施工を行うべきです。
カーポートも大切な財産の一部です。
もし、ご自宅のカーポートの雨樋に水が溜まる、流れが悪いといった症状があれば、初期の施工に問題がある可能性も考えられます。
雨樋が機能しないと、雨水がカーポート周辺に溜まり、基礎部分の劣化やコケの発生にもつながりますので、早めに点検を依頼し、適切な処置を行うことをおすすめします。
カーポート雨樋(あまどい)の応急処置と根本解決


実は、この雨樋の勾配の問題を完全に解決するためには、既存のカーポートを基礎部分から撤去し、新しいカーポートに交換するしかありません。
なぜなら、雨樋の勾配はカーポート本体の構造に組み込まれているため、部分的な修理では対処が難しいからです。
お客様も将来的にカーポートの交換を検討されていたこともあり、今回はまず、できる限りの応急処置を行うことになりました。
一時的な解決策「ブロワー」による清掃
そこで、雨樋に詰まった砂埃などを、電動工具のブロワー(強力な風を吹き出す機械のこと)で吹き飛ばしながら、簡易的な清掃を行いました。
これにより、一時的ではありますが、雨水が流れやすくなりました。
この清掃作業は、あくまで一時的な対策です。
根本的な解決には至りませんが、お客様が今後のカーポート交換を検討されるまでの間、少しでも不便なくお過ごしいただけるよう、できる限りのサポートをさせていただきました。
カーポートの雨樋の詰まりや水はけの悪さにお悩みでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
名古屋市および名古屋市近郊で、お客様の状況に応じた最適な解決策をご提案し、安心の住まいづくりをサポートいたします。
次回の現場ブログはこちらから読み進めます↓↓↓
『名古屋市中区【カバー工法】屋根・外壁・雨樋工事の安全対策で足場設置!それから許可・安全対策まで徹底解説』
ヤマムラ建装 株式会社では

