名古屋市緑区 築100年超え!お寺の屋根から雨漏りが発生したので修繕作業!劣化状況と工事の全工程を解説

築100年を超えるお寺の屋根は、長年の風雨により瓦の劣化やズレが目立ち、雨漏りを引き起こしていました。
天井裏まで雨水が浸透し、建物の骨組みである垂木を腐食させるなど、被害は深刻でした。
そこで、今回は越屋根部分を中心に、屋根瓦の葺き替え工事と防水処理を行うことになりました。
築100年以上のお寺の雨漏り屋根点検の様子!

名古屋市緑区のお寺から、屋根の雨漏りに関するご相談をいただきました。
築年数を重ねた建物は、屋根瓦の劣化が顕著で、雨漏りを引き起こしていました。
屋根裏を調査したところ、雨水が天井板にまで浸透し、屋根の骨組みである垂木を腐食させていることが判明しました。
長年の雨漏りが建物の構造に深刻なダメージを与えている状況です。
早急な対応が必要と判断し、詳細な調査と修繕計画のご提案をさせていただくことになりました。

築年数が古いお寺では、一般的な住宅のような天井板が設けられていない場合が多く見られます。
そのため、屋根の構造部材である垂木や野地板の裏側が直接見える状態でした。
これは、建物の構造上、雨漏りが起きた際に内部への浸水が比較的早く進行しやすいことを意味します。
今回のケースでも、長年の雨漏りが垂木を腐食させ、建物全体の耐久性低下に繋がっていることが確認できました。
古い建物特有の構造を理解し、適切な修繕を行うことが重要です。
瓦屋根の方を高所カメラで撮影しました

住職の方から許可をいただき、瓦屋根上の雨漏りの状態を詳しく確認しました。
今回ご依頼いただいた建物は、本堂ではありませんでしたが、立派な越屋根を持つ大きな屋根が特徴的でした。
越屋根とは、屋根の上に設けられた小さな屋根のことで、採光や換気の役割を果たします。
しかし、複雑な構造であるため、雨漏りの原因となる箇所も多く、注意が必要です。
今回の点検では、越屋根を中心に、瓦のひび割れやズレ、漆喰の劣化などを入念にチェックしました。

越屋根の土台部分にあたる熨斗瓦に劣化が見受けられました。
熨斗瓦とは、屋根の棟部分に使われる瓦のことで、雨水の浸入を防ぐ重要な役割を担っています。
この部分が劣化すると、雨漏りに直結する可能性が高くなります。
特に越屋根は、複雑な構造をしているため、雨水が溜まりやすく、瓦の劣化も進行しやすい傾向があります。
今回の点検では、熨斗瓦のひび割れやズレ、漆喰の剥がれなどを確認しました。
これらの劣化は、放置すると雨漏りの原因となるため、早急な補修が必要です。
越屋根とは

越屋根とは、屋根の上に設けられた小さな屋根のことを指します。
その立ち上がり部分を利用して、採光や換気を行うのが特徴です。
現代の住宅で例えるならば、換気口や天窓に近い役割を持っています。
今回のお寺では、越屋根から差し込む光が室内を明るく照らしていました。
しかし、この越屋根は構造が複雑なため、雨漏りの原因になりやすいという側面も持ち合わせています。
特に、築年数が古い建物の場合、越屋根の土台部分である熨斗瓦の劣化が進み、雨水が浸入しやすくなっているケースが見られます。
越屋根は、建物のデザイン性を高め、快適な室内環境を実現する上で重要な役割を果たしますが、定期的なメンテナンスが欠かせません。
瓦の雨漏り点検


寺社仏閣の屋根は、長い年月をかけて維持されてきた歴史の証です。
そのため、部分的な修繕を繰り返しながら、全体の構造を維持していくのが一般的です。
今回のお寺の屋根でも、一部の瓦が新しいものに交換されており、過去に修繕が行われたことが確認できました。
しかし、長年の風雨や地震の影響で、瓦の固定が外れ、ズレ始めている箇所も見受けられました。
特に、年数の経過した瓦は、固定力が低下しやすく、このような状態になることが少なくありません。
瓦のズレを放置すると、雨漏りの原因となるだけでなく、瓦が落下して人や建物に被害を与える可能性もあります。
また、建物の美観を損ね、資産価値の低下にもつながりかねません。
寺社仏閣の屋根は、その構造上、定期的な点検と適切なメンテナンスが欠かせません。
瓦のズレやひび割れなど、小さな不具合でも放置せずに、早めに専門業者に相談することが大切です。


経年劣化により、屋根瓦に縦方向の亀裂が入り、破損している箇所が見受けられました。
このような亀裂は、雨水の侵入経路となりやすく、建物内部の腐食に繋がる可能性があります。
破損箇所には、応急処置としてコーキングボンドが塗布されていましたが、コーキング材自体も10年から15年ほどで劣化が始まるため、長期的な解決策としては不十分です。
ここで少し話が逸れますが、現代の住宅で使用されているサイディング外壁も同様に、継ぎ目部分にコーキング材が使用されています。
こちらも耐久年数は10年から15年程度であり、定期的なメンテナンスが必要です。
外壁塗装と同時に、コーキングの打ち替えも検討されることをお勧めします。
お近くのシーリング工事専門店や塗装業者にご相談ください。
降り棟の先端の鬼瓦が・・・

鬼瓦が一つ脱落しているのを発見しました。
最近ではあまり見られなくなった入母屋屋根の「降り棟」の先端部分に取り付けられていた鬼瓦です。
降り棟とは、大棟から斜めに降りてくる棟のことで、その先端には装飾として鬼瓦が設置されることがあります。
鬼瓦は、建物の装飾としての役割だけでなく、魔除けや防火の意味も込められています。
しかし、経年劣化や地震、台風などの影響で、固定が緩み、落下してしまうことがあります。
特に、降り棟の先端に設置された鬼瓦は、風雨に晒されやすく、落下の危険性が高い場所です。
今回、鬼瓦が脱落していたのは、経年劣化による固定の緩みが原因と考えられます。
鬼瓦の脱落は、建物の美観を損ねるだけでなく、落下した鬼瓦が人に当たったり、建物を傷つけたりする危険性もあります。
早急に専門業者に依頼し、修理を行うことが重要です。

今回、お寺の屋根修繕をご提案するにあたり、住職様のご要望と建物の状態を考慮し、最適な方法を検討しました。
まず、住職様からは「できるだけ小規模で済ませたい」とのご要望がありました。
また、鬼瓦の脱落は、住職様も把握されていなかった箇所であり、新たに鬼瓦を取り付けるには、降り棟の一部解体が必要となるため、大掛かりな工事は避けたいと考えました。
さらに、専門的な理由から割愛しますが、鬼瓦の修理以外にも、屋根全体の状態を考慮する必要がありました。
これらの点を踏まえ、点検で撮影した写真をご覧いただきながら、住職様へ屋根漆喰での修繕をご提案しました。
具体的には、越屋根から軒先までの一区画を、新しい屋根瓦で葺き替えるというものです。
後日、詳細なお見積書を作成し、住職様へお届けにあがりました。
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『名古屋市緑区 葺き替え修繕工事で安全対策の一環で足場を屋根の上まで設置!100年以上が越えたお寺の雨漏りの修繕工事』
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