【名古屋市瑞穂区】築30年の屋根は要注意!ケラバ袖瓦落下と雨漏り原因は水切り板金の不備?腐食を防ぐ点検【セメント瓦修復】
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
築30年超の家を守る!ケラバ袖瓦のズレと雨漏り原因・水切り板金対策を徹底解説
ふと見上げた我が家の屋根。
「あれ?端っこの瓦がズレているかも…」と感じたことはありませんか?
特に築20〜30年が経過したお住まいでは、屋根の側面である「ケラバ」部分のトラブルが急増しています。
瓦が落下しそうになっていたり、軒裏に不気味なシミができていたりするのは、家が発しているSOSのサインです。
「まだ大丈夫だろう」と放置してしまうと、見えない部分で木材の腐食が進み、気づいた時には大規模な修繕が必要になることも少なくありません。
今回は、なぜケラバの瓦がズレてしまうのか、その意外な原因である「水切り板金」の重要性と、雨漏りから家を守るための正しい対策について、実際の現場写真を交えて分かりやすくご紹介します。
築年数が経過した切妻屋根の住宅ではケラバ袖部でトラブル多発!

屋根の瓦がずれていたり、落下しそうになっていたりするのを見つけて、「うちの屋根、もしかして危ないかも?」と不安に感じていませんか?
そう感じたら、放置せずに専門家へご相談ください。
今回は、築20年以上のお住まいでよく見られる、屋根のトラブルと雨漏りの原因についてご紹介します。
屋根の端の部分をケラバ(けらば)と呼び、ここに使われている瓦をケラバ瓦といいます。
ケラバ瓦は、雨水や風の影響を受けやすいため、経年劣化で固定が緩み、ズレたり落下したりすることがあります。
瓦の落下は、ご家族や近隣の方、そして車などにも被害を及ぼす可能性があり、大変危険です。
また、瓦がずれてできた隙間から雨水が浸入し、屋根の下地を腐らせてしまうと、雨漏りの原因にもつながります。
「まだ大丈夫だろう」と見過ごしてしまうと、被害が拡大し、より大がかりな修理が必要になることも少なくありません。
大切な住まいとご家族、そしてご近所の安全を守るためにも、早めの点検と対策が不可欠です。
私たちは、お客様のご不安に寄り添い、屋根の状況を丁寧に診断させていただきます。
名古屋市および近郊で屋根のトラブルでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
[toc]
ケラバ袖瓦トラブルと雨漏りの原因と対策

切妻屋根の側面に取り付けられた袖瓦が、先端からズレ落ちそうな状態になっていました。
地面から確認したところ、袖瓦は一枚ずつ釘で固定されているようでした。
しかし、釘を打ち込んでいる角材ごと、袖瓦と一緒に外れてしまっているようでした。
角材と袖瓦が一体化していたため、複数の袖瓦が連なって落下しかけていると考えられます。
【軒下の雨染みはSOSのサイン】屋根の上から忍び寄る雨漏りの原因と対策

普段あまり意識することのない軒下の天井板(軒裏ボード)ですが、ふとした時に「黒ずみ」や「輪じみ」を見つけたことはありませんか?
実はその雨染み、屋根からのSOSかもしれません。
軒先の裏側にくっきりと水が回った跡が確認できました。
軒裏に染みが出ているということは、すでに屋根の内部に雨水が侵入し、時間をかけて建物の先端まで伝ってきている可能性が高いといえます。
多くの場合、原因は屋根材の隙間や、雨水を逃がすルーフィング(防水シート)の劣化、あるいは雨樋の詰まりによるオーバーフローにあります。
表面上の染みを隠すだけでは根本的な解決にはなりません。
大切な住まいを支える木材が腐食してしまう前に、どこから水が入り込んでいるのかを正確に突き止めることが、修理費用を抑え、家を長持ちさせる一番の近道です。
天候が良くなることで屋根上での目視点検

屋根の傾斜が比較的緩やかで、はしごを安全にかけられたので、天気の良い日に屋根に上がって雨漏りの点検をしました。
地上から見ただけでも、袖瓦が落ちかけている原因はなんとなく分かっていましたが、実際に屋根に上がってみると、原因がはっきりと特定できました。
【ケラバ部分に水切り板金が設置されていませんでした】
和風の瓦ではなく、洋風の瓦を使用している屋根のケラバ部分(屋根の両端)には、雨水を適切に流すための水切り板金を取り付ける必要があります。
しかし、築20年以上前の分譲住宅や、モニエル瓦などのセメント系の瓦を使用している屋根では、重要な水切り板金が取り付けられていないケースがよく見られます。
その理由はいくつか考えられます。
- 全ての分譲住宅に当てはまるわけではありませんが、コスト削減のために下請け業者に安価な工事を依頼し、業者が手抜き工事をした可能性があります。
- 安価な工事費用で請け負うために、経験の浅い新人作業員が担当した可能性があります。
- そもそも、正しい施工方法を知らない業者が工事を行った可能性があります。
セメント瓦の屋根や、切り妻屋根で洋風瓦を使用している場合は、一度、地元の専門業者に屋根の点検を依頼することをお勧めします。
天井から雨漏りが確認できた時には、屋根の被害がかなり進行している可能性があります。
【洋風瓦の落とし穴】屋根の側面「ケラバ」からの雨漏りと破風板の腐食を防ぐポイント

丸みのある洋風瓦はそのデザイン性が魅力ですが、実は施工において細心の注意が必要な箇所があります。
それが、屋根の端にあたるケラバ(屋根の側面)の仕上げです。
本来、この部分は瓦の丸い頂点を揃えて設置するのが正しい形です。
しかし、今回お伺いした現場では、水の通り道となる「谷」の部分で加工されていたため、雨水が外側に溢れ出しやすい状態になっていました。
さらに、本来あるべき水切り板金が設置されていなかったことで、溢れた水が直接内部へ浸入し、深刻な雨漏りを引き起こしていました。
この状況を放置した結果、屋根の側面を守る破風板(はふいた)はひどく腐食し、瓦を固定するための下地材までもが外れて、袖瓦が落下しかけるという非常に危険な状態でした。
「少し雨染みがあるだけだから」と後回しにすると、気づかぬうちに建物の骨組みまで傷めてしまうことがあります。
私たちは現場の一つひとつの違和感を見逃さず、正しい施工基準に基づいた確実な修繕を行います。
大切なご自宅を長く守るために、まずは現在の屋根の状態を正しく把握することから始めてみませんか。
ケラバ袖部には水流れ用の水切り板金を取付けるべきです

以前、別の現場で行った屋根の側面(ケラバ袖部)に、雨水をスムーズに流すための板金を取り付ける作業の様子をご紹介します。
今回のお客様の屋根も同様に、基本的な作業の流れは同じです。
まず、屋根の側面に取り付けられている破風板に、防水シート(ルーフィング)を立ち上げて巻き込みます。
これは、雨水が内部に浸入するのを防ぐための重要な工程です。
【見えない場所こそ丁寧に】雨漏りを防ぐ要、ケラバの「水切り板金」と確かな施工工程


屋根の側面、いわゆるケラバ(袖部)の修理において、私たちが何よりも大切にしているのが水切り板金の確実な設置です。
本来、屋根は瓦だけで雨を防いでいるわけではありません。
瓦の隙間から入り込んだわずかな雨水を、建物の内部へ侵入させずに外へと逃がす道筋が必要です。
もしこの板金が設置されていないと、雨水は野地板(屋根の下地材)をじわじわと腐らせ、最終的には屋根裏から深刻な雨漏りを引き起こしてしまいます。
今回の現場では、まず破風板(はふいた)に沿って新しく水切り板金を取り付け、雨水の逃げ道を整えました。
特にこだわったのは、板金の先端部分です。
雨水が壁を伝うことなくスムーズに雨どいへと流れ落ちるよう、軒先の形状を細かく加工して調整しました。
こうした細かな手仕事こそが、数年後の住まいの耐久性に大きな差を生みます。
私たちは、お客様の大切な資産である家を長持ちさせるため、見えない部分の防水処理に一切の妥協をせず、誠実な施工をお約束いたします。
少しでも屋根の端に傷みや不安を感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。
【野地板に大きな穴が…】屋根裏の腐食を止める「水切り板金」による雨漏り改善のご提案

屋根の不調は、目に見える場所だけで起きているとは限りません。
先日調査にお伺いしたお宅では、屋根の隙間から入り込んだ雨水が長い年月をかけて内部を蝕み、屋根の土台である野地板(のじいた)がひどく腐食して、大きな穴が開いてしまっている状態でした。
これほどまでに被害が広がった原因は、屋根の側面から浸入した水を逃がす仕組みが整っていなかったことにあります。
屋根の内側に大量の水が回り込み、乾燥する間もなく木材を腐らせてしまったのです。
このままでは建物全体の寿命を縮めかねないため、私たちは表面的な補修ではなく、根本的な解決に向けた雨漏り対策をご提案しました。
具体的には、傷んだ下地をしっかりと補強した上で、屋根の側面(ケラバ部)に新しく水切り板金を設置する工事です。
雨水をスムーズに外へと誘導する「水の通り道」を正しく作り直すことで、二度と同じ場所から浸入させない仕組みを整えました。
大切なお住まいを守るためには、現場の状況に合わせた適切な判断が欠かせません。
私たちは一軒一軒の傷み具合を自分の目で確かめ、将来まで見据えた誠実な施工を積み重ねていくことを大切にしています。
FAQ(よくある質問)
Q1. 屋根の「ケラバ」とはどこの部分ですか?
A. 屋根の側面、雨樋が付いていない側の端の部分を指します。
風雨の影響を受けやすく、築年数が経つと瓦のズレや雨漏りが発生しやすい箇所です。
Q2. 軒裏にシミがあるのですが、雨漏りでしょうか?
A. その可能性が非常に高いです。
軒裏のシミは、屋根内部に浸入した水が伝ってきた証拠であることが多いため、早めの点検をお勧めします。
Q3. 築30年の家ですが、水切り板金が入っていないことはありますか?
A. はい、残念ながら珍しくありません。
当時の施工基準や業者の知識不足により、必要な板金が省かれているケースが多々見受けられます。
次回の現場ブログはこちらから読み進めます↓↓↓













