【名古屋市緑区】隅棟瓦の段数不足を解消!土を撤去し熨斗瓦を追加する積み直し工事で耐震性と防水性を強化【隅棟修復】
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
名古屋市緑区の屋根雨漏り修理|隅棟の瓦段数不足を解消!土撤去と積み直しで耐震化
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
工事のきっかけ
名古屋市緑区にお住まいのお客様から、築30年になるご自宅の雨漏りについてご相談をいただきました。
長年にわたり雨漏りに悩まされ、特に強い雨の日には室内にも水滴が落ちてくるほどだったそうです。
複数の業者に相談されたものの、どの業者も具体的な解決策や費用について明確な説明がなく、お客様は不安を抱えていらっしゃいました。
そんな中、当社のホームページをご覧いただき、「ここなら安心して任せられそう」とご連絡くださいました。
早速、現地調査に伺ったところ、雨漏りの原因は隅棟(すみむね)と呼ばれる屋根の角の部分にあることが判明しました。
詳細に調べた結果、棟瓦を積み重ねる際に使われる熨斗瓦(のしがわら)という平たい瓦が一段不足しており、さらに瓦の取り付け角度も不適切な状態でした。
このわずかな不備が、雨水が侵入する隙間を生み出していたのです。
私たちは、単に不足している瓦を一段追加するだけでなく、根本的な解決を目指し、隅棟全体の解体と**葺き直し(ふきなおし)**をご提案しました。
葺き直しとは、古い瓦を一度すべて取り外し、下地から補修して新しい漆喰を塗り、瓦を積み直す作業です。
この方法であれば、再発のリスクを最小限に抑えることができます。
私たちの丁寧な説明と明確な見積もりにご納得いただき、お客様は工事をご依頼くださいました。
長年の雨漏りの悩みを解消し、安心して快適な生活を送っていただきたいという想いを胸に、私たちは工事に取り掛かりました。
もし、ご自宅の雨漏りでお悩みでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。
お客様の不安に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。
建物の状況
築年数 ・・・ 築30年以上
工事費用・・・ 約40万円ほど
施工期間・・・ 約3日ほど
建物種別・・・ 木造戸建て
ビフォーアフター

☞

名古屋市緑区の皆様、こんにちは。
ご自宅の屋根の「隅棟(すみむね)」、瓦は何段積まれていますか?
先日、雨漏りのご相談をいただいた現場では、瓦の段数が足りていないことが原因でした。
私たちは、表面的な修理ではなく、一度すべての瓦を解体し、内部の重い土を撤去してから積み直しを行いました。
不足していた熨斗瓦(のしがわら)を新しく追加し、正しい角度と高さに修正。
さらに、見えない内部には針金を通して固定する、地震対策も万全の工事です。
雨漏りを止め、家を軽く強くする、職人のこだわり施工を詳しくレポートします。
目次
- 1 名古屋市緑区の屋根雨漏り修理|隅棟の瓦段数不足を解消!土撤去と積み直しで耐震化
- 2 【築30年の屋根】その「重さ」大丈夫?寄棟屋根の隅棟(すみむね)に隠された土と耐震性の話
- 3 【屋根の点検】隅棟の「段数」足りていますか?雨漏りを防ぐ熨斗瓦(のしがわら)3段積みの重要性
- 4 【屋根の軽量化】棟の積み直しは「土」の撤去から。熨斗瓦(のしがわら)を追加するための丁寧な解体作業
- 5 取り外した熨斗瓦と一段分新しく追加したのし瓦を使って隅棟を付け直しします
- 6 【工事完工】屋根の上の「立つ鳥跡を濁さず」。隅棟(すみむね)葺き直し、清掃をもって完了です
- 7 FAQ(よくある質問)
- 8 各地域で屋根や棟部の修理などの点検やメンテナンスを行ったブログ記事
- 9 名古屋市緑区と同じ地域の現場施工事例
- 10 現場ブログ・現場の施工事例・お客様の声 一覧ページ。
【築30年の屋根】その「重さ」大丈夫?寄棟屋根の隅棟(すみむね)に隠された土と耐震性の話

現場で調査を行っていると、築30年以前の建物で非常によく見かける屋根の形状があります。
それは、寄棟屋根(よせむねやね)の角部分、「隅棟(すみむね)」の施工方法です。
具体的には、平らな熨斗瓦(のしがわら)を二段積み上げ、その上に半円状の冠瓦(かんむりがわら)を被せているタイプです。
見た目は立派ですが、実はこの形状を維持するために、瓦の内側には大量の「土」が詰め込まれています。
この土の重さが、現代の基準では屋根全体の重量を増大させ、耐震性の懸念材料となることがあります。
もし、これからお住まいのリフォームや修繕工事をお考えであれば、まずはご自宅の屋根が「土で積まれた重い構造」なのかどうかを知ることが重要です。
現状を正しく理解し、地震に強い軽い屋根へと見直すきっかけにしていただければと思います。
【屋根の点検】隅棟の「段数」足りていますか?雨漏りを防ぐ熨斗瓦(のしがわら)3段積みの重要性

一般的な寄棟屋根(よせむねやね)の構造において、屋根の角にあたる「隅棟」は、通常であれば熨斗瓦(のしがわら)を3段積み上げ、その上に冠瓦を被せるのが基本の施工です。
しかし、既存の建物を調査していると、この熨斗瓦が「2段」しか積まれていないケースに遭遇することがあります。
たかが1段の違いと思われるかもしれませんが、高さが足りないと雨の跳ね返りを十分に防げず、棟の内部へ雨水が浸入しやすくなるリスクがあります。
なぜ、あえて段数を減らしたのでしょうか。
その多くは、過去の新築時に段数を減らすことで一回り小さな鬼瓦を使用し、材料費などのコスト削減を優先した結果であると考えられます。
建物を長く守るためには、やはり基本通りの段数が必要です。
そこで私たちは、足りない分の新しい熨斗瓦をメーカーから取り寄せ、既存の瓦と組み合わせて1段追加して積み上げる葺き直し工事をご提案しています。
この方法であれば、屋根全体を替えることなく、最小限の費用で正規の防水性能を取り戻すことが可能です。
住宅リフォームや修繕をご検討の際は、ぜひ「棟の段数」にも目を向けてみてください。
【屋根の軽量化】棟の積み直しは「土」の撤去から。熨斗瓦(のしがわら)を追加するための丁寧な解体作業


雨漏りを防ぐために隅棟(すみむね)の高さを上げ、熨斗瓦(のしがわら)を一段追加して積み直す。
そのための第一歩は、既存の棟を丁寧に解体することから始まります。
私たちは、決して乱暴に崩すことはしません。
棟瓦を上から一段ずつ、再利用できる部材を傷つけないよう慎重に取り外していきます。
瓦を外すと、内部には大量の屋根土(葺き土)が詰まっています。
今回の葺き直し工事では、この古くて重い土も全て撤去します。
手作業で土嚢袋に詰め込み、現場を汚さないよう配慮しながら地上へと降ろしていきます。
古い土を完全に取り除くことで、屋根の頭頂部が軽くなり、建物の重心が下がるため耐震性にも良い影響を与えます。
新しい土台を作るために、まずは古いものを完全にリセットする。
この下準備をどれだけ丁寧に行えるかが、その後の工事の品質を決め、お客様に安心して長く住んでいただける丈夫な屋根へとつながります。
ただ「足す」だけでは直らない?瓦の「角度」を修正する、本気の葺き直し工事

解体後の最初の一手は、瓦を取り外した周辺の徹底的な清掃から始まります。
埃や土が残っていては、どんなに良い工事も台無しになってしまうからです。
今回、私たちが一度すべての瓦を解体したのには、深い理由があります。
単に不足している熨斗瓦(のしがわら)を足すだけなら、古い瓦の上に積み増せば済む話かもしれません。
しかし、詳細な調査の結果、今回の雨漏りの原因は瓦の枚数不足だけではなく、既存の瓦の「取り付け角度」が悪く、雨水が内部に侵入しやすい状態になっていたことだと判明しました。
だからこそ、私たちは手間を惜しまず一度リセットし、水がスムーズに流れる正しい角度で付け直し作業を行う道を選びました。
表面上の補修ではなく、根本から不安を取り除く。これが、私たちが考える住宅リフォームの誠実なあり方です。
取り外した熨斗瓦と一段分新しく追加したのし瓦を使って隅棟を付け直しします

隅棟の土台となる屋根土と屋根漆喰を丁寧に塗り、その上から一段目の熨斗瓦を設置していきます。
屋根土を置く際には、周辺に埃や砂が残っていると、屋根土が上手く定着しません。
そのため、前工程では周辺を丁寧に清掃しておくことが非常に重要です。
住宅リフォーム・修繕工事をお考えの方にとって、この作業は屋根の耐久性を高めるために欠かせないポイントとなります。
清掃を怠らず、丁寧に作業を進めることで、長く安心してお使いいただける屋根を実現できます。
【耐震施工の裏側】屋根の「背骨」を通す。隅棟(すみむね)を一本の針金で守る、崩れない仕組み

新しい熨斗瓦(のしがわら)を積み上げていく過程で、私たちは必ずある「仕込み」を行います。
それは、瓦と瓦の間に固定用針金をあらかじめ内部に設置しておくことです。
これは単なる仮止めではありません。
棟を最後まで積み上げた際に、この針金を使って瓦全体を上から縛り上げ、隅棟を土台とガッチリと一体化させるための、いわば屋根の「命綱」のような存在です。
地震や台風で棟が崩れてしまう原因の多くは、瓦がバラバラに動いてしまうことにあります。
だからこそ、私たちは粘り強い銅線やステンレス線を芯に通し、隅棟全体を一つの塊としてしっかりと固定することにこだわります。
このひと手間を加えるだけで、屋根の安定性は劇的に向上し、万が一の揺れにも耐えうる強度が生まれます。
住宅のリフォームや修繕工事において、本当に大切なのは表面の美しさよりも、こうした内部の安全対策です。
見えなくなる場所にこそ、家の寿命を延ばす鍵が隠されています。
隅棟(すみむね)を「階段状」に積み上げる理由

下地が整った隅棟(すみむね)に、いよいよ新しく取り寄せた熨斗瓦(のしがわら)を積み上げていく工程です。
今回は瓦をしっかりと補充し、本来あるべき重厚な三段の高さへと仕上げていきます。
ここで私たちが最も神経を使うのが、積み上げる際の「幅」の調整です。
ただ垂直に積むのではなく、一段上がるごとに棟の芯の幅をわずかに内側へ狭めていきます。
こうして作られる美しい階段状のフォルムは、屋根全体の見た目を引き締めるだけでなく、雨水を効率よく流し、建物を守るための耐久性を高める重要な役割も担っています。
もし幅のバランスが悪ければ、遠くから見た時に屋根が歪んで見えてしまいます。
屋根の美しさは、こうした細部の積み重ねで決まります。
長年の経験で培った感覚を頼りに、一枚一枚、息を詰めるような慎重な作業で、理想のラインを描き出しています。
強さは「力加減」で決まる。隅棟(すみむね)を締め上げる、最後の仕上げ作業


積み上げてきた隅棟(すみむね)の総仕上げとして、最上部に半円状の冠棟瓦(かんむりむねがわら)を一直線に据え付けます。
ここからが、この工事で最も神経を使う瞬間です。
内部から通しておいた固定用針金を使い、瓦がズレないよう一本ずつ巻き上げ、結束していきます。
しかし、ただ力任せに縛れば良いわけではありません。
施工直後の屋根土はまだ水分を含んでおり、完全に固まっていない状態です。
もしここで締め付ける力が強すぎると、その圧力で棟全体が浮き上がり、せっかく積んだ瓦が内部から崩れてしまう恐れがあるのです。
「緩すぎず、締めすぎず」。
指先に全神経を集中させ、絶妙な力加減で慎重に固定していく。
この繊細な感覚こそが、地震や強風にも負けない強い屋根を作り上げます。
【工事完工】屋根の上の「立つ鳥跡を濁さず」。隅棟(すみむね)葺き直し、清掃をもって完了です


すべての瓦を積み終え、張り詰めていた緊張感がふっと和らぐ瞬間ですが、私たちの仕事はまだ終わりではありません。
まずは、屋根の上で使用した道具や余った材料を、一つひとつ慎重に地上へと降ろしていきます。
安全を確保し、現場を片付けることも施工の一部です。
そして、本当の最後に行うのが、屋根全体の丁寧な清掃です。
作業中に出た細かな土埃や瓦の破片が残らないよう、ブロワーや清掃用具を使って徹底的に綺麗にします。
普段はお客様の目に入らない場所だからこそ、「来た時よりも美しく」して立ち去るのが、現場を預かる私たちの流儀です。
こうして、今回の隅棟(すみむね)の葺き直し工事は、無事にすべて完了いたしました。
まっすぐに通り直った棟のラインは、建物の美観を引き立てるだけでなく、今後の雨風から住まいを守る頼もしい存在となります。
これで雨漏りの心配もなく、安心して快適にお過ごしいただけることと思います。
FAQ(よくある質問)
Q1. なぜ瓦の「段数」が雨漏りに関係するのですか?
A. 隅棟の瓦が低いと、屋根面を流れてきた雨水が跳ね返った際に、瓦の内側へ入り込みやすくなるからです。
段数を増やして高さを出すことで、この浸入を防ぐことができます。
Q2. 「屋根土」を撤去しても大丈夫なのですか?
A. はい、むしろ推奨されます。
昔は土で固定していましたが、今は漆喰や針金、ビスで固定する工法が主流です。
重い土をなくすことで屋根が軽くなり、耐震性が向上します。
Q3. 「熨斗瓦(のしがわら)」とはどの部分ですか?
A. 棟(屋根の頂上や角)を形成するために積み上げられる、短冊状の平らな瓦のことです。
これを何段重ねるかで、棟の高さと防水性が決まります。
Q4. 積み直し工事の期間はどれくらいですか?
A. 隅棟の長さや本数にもよりますが、数日から1週間程度で完了することが多いです。
雨漏りしている場合は、養生を行いながら迅速に進めます。
Q5. 針金で固定するのはなぜですか?
A. 地震や台風の揺れで瓦が崩れるのを防ぐためです。
棟の内部に芯となる針金を通し、瓦全体を縛り上げることで、一つの塊として強固に固定します。
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
お客様にご協力していただいたアンケート(お客様の声)はこちらから読めますよ↓↓↓










