【名古屋市緑区】お寺で屋根瓦点検!参拝者の安全を守る落下防止対策と金具による破損原因を調査【瓦落下寸前】
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
名古屋市緑区の屋根点検|瓦の落下防止と安全対策を施工者が徹底解説
先日、名古屋市緑区にある由緒ある寺社へ、緊急の屋根点検のご依頼をいただき伺いました。
ご相談内容は「本堂の入り口付近の瓦が割れており、万が一落下して参拝者様に当たったら大変だ」という切実なものでした。
多くの人が集まる場所において、屋根の不具合は重大な事故につながる恐れがあります。
私たちは現地で詳細な調査を行い、単に割れた部分を見るだけでなく、「なぜ割れたのか?」という根本的な原因を構造から探りました。
すると見えてきたのは、雨樋を支える金具と屋根の意外な関係でした。
地域の皆様の安全を守るために行った徹底的な診断の様子と、私たち施工者のこだわりをお伝えします。
お寺の屋根瓦点検|参拝者様を守るための落下防止対策と安全確認

先日、日頃からお付き合いのある建築会社様よりご紹介をいただき、名古屋市緑区にある由緒ある寺社へ屋根点検のご依頼を承りました。
今回のご相談は、「本堂の出入り口付近にある瓦が割れており、もし落下して参拝者様に当たったら大変なことになる」という、安全確保に関する緊急の案件です。
多くの人が行き交う場所だけに、屋根の不具合は重大な事故につながりかねません。
屋根のトラブルは雨漏りだけでなく、こうした「建物の周りにいる人の安全」にも直結します。
私たちとしての経験を活かし、単に割れた部分を見るだけでなく、なぜ割れたのか、他にも危険な箇所はないか、下地の状態まで含めて徹底的に調査いたします。
地域の皆様が安心して参拝できるよう、責任を持って診断します。
もしご自宅でも「瓦がズレている気がする」「屋根の状態が不安」と感じることがあれば、被害が出る前に私たち専門の施工者へお気軽にご相談ください。
目次
【屋根の安全対策】人が集まるお盆や法要の前に|瓦の落下防止と漆喰(しっくい)点検の重要性


本堂への出入り口がある建物は、普段は静かでも、お盆や法要の時期になると多くの参拝者様が行き交います。
ご住職様が最も心配されていたのは、そうした混雑時に「万が一、屋根瓦が落下して人に当たったら」という事故のリスクでした。
私たちはその切実な思いを受け止め、直ちに現地にて目視点検を行いました。
玄関口から屋根を見上げて詳細を確認したところ、瓦の破損リスクに加え、屋根の重要な化粧である屋根漆喰(しっくい)が一部剥がれ落ちている箇所が見つかりました。
漆喰の劣化を放置すると、瓦の固定力が弱まり、落下の危険性がさらに高まります。
今後の対策として、単に割れた瓦を交換するだけではなく、仮設足場をしっかりと設置した上で、漆喰の塗り直し工事も同時に行うプランを検討しています。
一度の足場設置でまとめてメンテナンスを行うことは、費用の無駄を省き、建物の寿命を延ばすことにも繋がります。
私たち施工者は、建物の利用状況やコスト効率まで考えた、最適な修繕方法をご提案いたします。
雨樋金具の接触と棟の重み|複雑な原因を構造から読み解く


今回の現場調査で、和瓦が破損している特定の一箇所に目が留まりました。
詳しく原因を探ると、銅板製の雨樋を支える鉄製の金具(樋吊り)が、瓦に接触し強く圧迫していたことが分かりました。
なぜ金具が下がってしまったのか。
それは、建物両側の屋根全体が経年により沈み込み、その影響で金具の位置も下がってしまったと考えられます。
さらに、上部にある隅棟(すみむね)からの荷重がちょうどこの一点に集中してかかっており、複合的な力が加わって瓦を割ってしまったようです。
単に割れた瓦を差し替えるだけでは、また同じ原因で割れてしまいます。
私たち施工者は、こうした「なぜ割れたのか」という根本的な原因を構造や力の掛かり方から読み解き、二度と同じトラブルが起きないような確実な修繕プランを組み立てます。
金具の接触と瓦の交換|現場判断で最小限の修理をご提案


調査を進めると、鉄製の樋吊り(雨樋を支える金具)が、屋根の頂上にある冠棟瓦(かんむりむねがわら)に強く接触していることが分かりました。
瓦は焼き物ですので非常に硬く、接触した金具の方が負けて曲がって押し出されている状態でした。
しかし、その一点に強い力が加わり続けた結果、頑丈な瓦でも耐えきれずに破損してしまったようです。
原因の一つとして、上部にある隅棟(すみむね)全体が経年劣化で下がり、金具と接触してしまったことが挙げられます。
通常、屋根が沈むと部材同士が噛み合ってしまい、修理が難しくなるケースも多いのですが、今回は幸いでした。
現場で職人として詳しく隙間を確認したところ、なんとか破損した瓦だけを取り除き、新しい瓦へと交換(差し替え)できるスペースが確保できそうです。
大掛かりな解体をせずとも、この隙間を活かしてピンポイントでの修繕が可能と判断しました。
私たちは、こうした現場ごとの状況を冷静に見極め、お客様にとって負担の少ない最適な施工方法を選択します。
入母屋屋根の隅棟が下がる原因とは?構造から見る経年変化の正体

今回の点検中、ふと見上げた隣の本堂の屋根に、ある異変を感じ取りました。
入母屋屋根(いりもややね)の角部分にあたる隅棟(すみむね)が、今回調査している建物側へ寄り添うように沈み込み、落ちかけていたのです。
この現象の原因は、屋根の骨組みを支える重要な隅木(すみぎ)が、何らかの要因で前方へとズレてしまったことにあると考えられます。
以前、修復された箇所とのことですが、木造建築は長い時間をかけて動くものです。
今回のズレも長い年月によるゆっくりとした変化ですので、今すぐに屋根が崩落するような緊急性は低いでしょう。
しかし、こうした予兆を見逃さないことが建物を守る鍵です。
私たち施工者は、ご依頼いただいた箇所だけでなく、周囲の構造がどう変化しているかまで目を配り、建物全体の健康状態を冷静に見極めます。
【屋根点検の報告】写真で見る現状と「異常なし」の診断|納得できる見積もり作成まで

屋根全体を隅々まで詳しくチェックしましたが、最初にご相談いただいた箇所以外には、新たな破損や割れなどは特に見当たらず、健全な状態であることが確認できました。
私たち施工者にとって、修理が必要な場所を見つけることと同じくらい、「修理が不要な場所」を明確にお伝えし、お客様に安心していただくことも重要な責任だと考えています。
点検調査の終了後は、屋根の上で撮影した現場写真をモニターでご住職様にご覧いただきながら、現在の状況を一つひとつ丁寧にご説明しました。
普段は見上げることしかできない屋根の上だからこそ、言葉だけでなく実際の画像を見ていただくことで、状況を正確に共有できるよう努めています。
今回の修繕にあたっては、高所作業での安全性確保と、漆喰の塗り直しも含めた確実な施工を行うために、仮設足場の設置が必要不可欠であることをお伝えしました。
その内容を踏まえ、無駄のない最適なプランでお見積りを作成し、ご提出いたしました。
お客様が納得できる「根拠のある提案」を常に心がけています。
FAQ(よくある質問)
Q1. 瓦が1枚割れているだけでも点検してもらえますか?
A. はい、もちろんです。
たかが1枚と思っても、そこから雨水が入ったり、今回の記事のように構造的な原因が隠れていることもあります。
大きな被害になる前にご相談ください。
Q2. 雨樋の金具が原因で瓦が割れることはよくあるのですか?
A. 経年劣化で屋根全体が沈み込むと、稀に金具と瓦が干渉して割れることがあります。
単に交換するだけでは再発するため、私たちのような構造を理解した施工者による判断が重要です。
Q3. 漆喰(しっくい)の剥がれは見つけたらすぐ修理すべきですか?
A. 漆喰は瓦を固定する重要な役割があります。
剥がれると固定力が弱まり、地震や台風で瓦が落下するリスクが高まるため、早めのメンテナンスをお勧めします。
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