【天窓修理】常滑市 滑りやすい屋根瓦の天窓修理!水下スカートの浮きは雨漏りの危険サイン!安全な作業でコーキング接着固定
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
「滑る屋根」の危険性。天窓修理と雨漏りを防ぐ水下スカート補修。
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『常滑市【天窓修理】なぜ足場が必要?滑りやすい屋根瓦の危険性と、安全な工事のためのプロの点検・修理方法を解説』
工事のきっかけ
「屋根にある天窓の下側が、なんだか浮いているように見えるのですが…」。
先日、愛知県常滑市にお住まいのお客様から、このようなご心配な連絡をいただきました。
早速、現地へ調査にお伺いしました。まず私たちが確認したのは、屋根全体の状況です。
屋根材は表面に光沢のあるタイプで、これは専門家から見ても非常に滑りやすく、作業には細心の注意が必要な屋根瓦でした。
さらに、屋根はかなりの急勾配であることも判明しました。
安全な点検と確実な修理を行うため、お客様には状況をご説明し、有料とはなりますが部分的な仮設足場を設置させていただくことをご提案し、ご納得いただきました。
安全を確保した上で屋根に登り、問題の天窓(トップライト)を詳細に診断します。
まず、雨漏りの原因となりやすいガラス窓と枠の接合部を確認しましたが、ここは過去に修繕されたコーキングがしっかり効いており、直近のリスクは低いと判断しました。
しかし、お客様がご指摘された天窓の下側、「水下スカート」と呼ばれる板金部分を確認すると、明らかに波打つようにめくれ上がっていました。
これは過去の強風の影響である可能性が非常に高く、この隙間から雨水が浸入すれば、そのまま雨漏りに直結する非常に危険な状態でした。
点検後、お客様にはスマートフォンで撮影した写真をお見せしながら、「問題はここで、このまま放置すると雨漏りの危険があります」と現状をご報告しました。
修理方法として、この浮いている水下スカートの内部に強力なコーキングボンドを充填し、接着固定する作業をご提案。
お見積もりをご確認いただき、正式にご依頼をいただく運びとなりました。
建物の状況
築年数 ・・・ 築25年ほど
工事費用・・・ 約35万円ほど
施工期間・・・ 約4日ほど
建物種別・・・ 戸建て(木造)
ビフォーアフター

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ご自宅の屋根、表面がツルツルと光沢のある瓦ではありませんか?
実はその屋根、プロでも警戒するほど滑りやすく、点検や修理には大きな危険が伴います。
今回は、そんな滑りやすい屋根に設置された天窓(トップライト)の修理事例です。
お客様が気づいた「板金の浮き」。
それは「水下スカート」と呼ばれる部分で、放置すれば雨漏りに直結する危険なサインでした。
安全な足場の上でさえ油断せず、「空雑巾」で足元を清掃するプロの安全対策とは?
そして、雨漏りを防ぐための確実なコーキング接着の秘訣、さらには業者選びの重要性まで、天窓修理の全容を詳しく解説します。
目次
プロも警戒する「光沢のある屋根瓦」。その滑りやすさの危険性とは

今回の常滑市の現場で使用されていた屋根瓦は、私たち専門業者が作業する上でも、特に注意を払う必要がある屋根材でした。
実はこの屋根瓦、新築時のきれいな状態であっても、足元が非常に滑りやすく、危険を感じるタイプのものなのです。
その主な原因は、瓦の表面が「光沢」を持つように(ツルツルと)仕上げられているためだと考えられます。
さらに危険性が増すのは、屋根の上で作業を行う時です。
例えば、瓦を交換・補修するために切断加工した際に出る「粉塵」が、この光沢のある表面に付着したとします。
一見ただの粉に見えますが、この粉が乗った部分を踏んだ拍子に、靴底のグリップが一気に失われ、滑落事故につながる危険性が格段に高まるのです。
過去には、今回の屋根材と同様の製品として、薄い青緑色をした屋根瓦など、同じ理由で「非常に滑りやすく危険」とされるものが存在しました。
ご自宅の屋根がこうした光沢系の場合は、安易に登ろうとせず、点検や修理は必ず専門家にご相談ください。
「滑る屋根」はプロでも危険!経年劣化で増す危険性と安全な点検方法

お住まいの屋根材の中には、材質や表面加工の特性上、非常に「滑りやすい屋根瓦」が存在することをご存知でしょうか。
新築時からすでに滑りやすいものもありますが、危険性が増すのはむしろ数年経過してからです。
屋根は常に雨風や砂埃にさらされているため、年月とともに埃や汚れ、あるいはコケなどが屋根瓦の表面にこびり付いてしまいます。
こうなると、元々滑りやすかった屋根材がさらに危険な状態へと変化し、専門家であっても足元が滑って身動きが取れなくなる可能性さえあります。
だからこそ弊社では、このような滑りやすい屋根、あるいは急勾配の屋根に安易に登って点検することは、非常に「危険な行為」であると認識しています。
お客様の大切なお住まいを安全かつ確実に診断するため、状況に応じて、部分的な「仮設足場」を設置して詳細な調査を行ったり、地上や道路から離れた安全な場所から望遠カメラなどを用いた「目視による建物診断」を行ったりするなど、安全を最優先した点検方法を選択しています。
足場の上でも油断大敵!滑る屋根でプロが行う「空雑巾」の安全対策

安全のために仮設足場を設置しても、屋根工事の危険がすべて無くなるわけではありません。
特に今回のような光沢のある滑りやすい屋根瓦の場合、足場から屋根に移った後も、瓦自体の滑りやすさは変わらないためです。
そこで私たちは、屋根の上でさらなる安全対策を講じます。
まず、乾いた雑巾(空雑巾)やタオルを使い、目的の天窓(トップライト)までの「歩行ルート」となる屋根瓦の表面を丁寧に拭き、滑りの原因となる埃や砂を徹底的に取り除いていきます。
同時に、私たちが履いている建築関係専用の靴の裏(靴底)も、同じく空雑巾で拭き、グリップ力を最大限に確保します。
この地道な「拭き掃除」の工程を経て、ようやく屋根の上を安全に歩行し、作業箇所まで辿り着くことができるのです。
ちなみに、ここで一つ重要な注意点があります。
それは、間違っても「タオルを濡らして拭かない」ことです。
綺麗にしたい一心で濡らしてしまうと、瓦の表面に水の膜ができてしまい、摩擦が極端に失われ、余計に滑って身動きが取れないほど危険な状態に陥ってしまいます。
乾いた布で拭くことが、プロの鉄則です。
天窓の「浮き」や「めくれ」は雨漏りのサイン?放置の危険性

ご自宅の天窓(トップライト)の周り、特に下側の板金部分が浮いたり、めくれたりしていませんか?
その部分、「水下スカート」と呼ばれるのですが、そこにもし「めくれ」や「浮き」といった症状が出ている場合、その多くは過去の台風や強風が原因である可能性が非常に高いです。
実際、私たちが車で走行中に他の建物を見ていても、この水下スカートが明らかにめくれ上がっている状態の屋根を見かけることがあります。
この状態を「少し浮いているだけ」と放置してしまうと、大変危険です。
まず、お住まいの美観を損なうだけでなく、その隙間が新たな風の入り口となってしまいます。
次に強風が吹いた際、そこから風が入り込むことで、さらに大きくめくれ上がり、破損につながる恐れがあります。
そして最大のリスクは、そこから雨水が屋根内部に浸入し、室内の雨漏りを引き起こす可能性が格段に高くなることです。
屋根工事はどこに頼んでも同じ?天窓修理でわかる「業者選び」の重要性

天窓(トップライト)の水下スカートの「めくれ」を放置するリスクは、雨漏りだけにとどまりません。
もし、めくれた状態でさらに強風にあおられ続ければ、板金自体が疲労して破れてしまうことさえあります。
こうなると、水下スカートが本来持つべき防水の役割を完全に失ってしまいます。
しかし、問題はこうした経年劣化や自然災害によるものだけではありません。
私たちが様々な現場を拝見する中で、残念ながら「施工自体が適切でなかった」と思われるケースに遭遇することもあります。
世の中には「屋根工事屋さん」と名乗りながらも、雨漏りを防ぐための最も重要な「雨仕舞い」の知識や技術が十分でない業者や作業者がいることも事実です。
屋根の構造や雨水の流れを理解していないまま作業を行うと、修理したはずが、かえって雨漏りの原因を作ってしまうことにもなりかねません。
大切なお住まいを守るためのリフォーム工事です。価格だけでなく、その業者が本当に屋根の専門知識と確かな技術を持っているのか、しっかりと見極めた上で依頼することを強くお勧めします。
天窓の雨漏り診断!「修復すべき箇所」を的確に見極めるプロの目

天窓(トップライト)の点検を行う際、私たちが特に注意深く確認する「雨漏りしやすい箇所」がいくつかあります。
その代表的な一つが、「ガラス窓」そのものと、「窓周りを囲んでいる枠」との間の接合部分です。
今回の現場でも、まずこの部分の状態を詳細に確認しました。
すると、過去に修復されたようで、コーキングボンドがしっかりと塗られて固定されており、目視で確認する限りでは直近の雨漏りの危険性はないと判断しました。
このように、天窓全体の状態を多角的に診断した上で、「どこが本当に問題なのか」を特定することが、専門家としての重要な役割です。
その結果、やはりお客様が発見された「水下スカート」部分が波打つようにめくれ上がっていることが、強風や雨水の浸入経路となる最大の危険箇所であると特定しました。
そのため、今回の修理工事として、この水下スカート部分を確実に接着・固定する修復作業が最適であると判断し、お客様にご提案させていただきました。
ご提案から作業開始まで。天窓修理と「空雑巾」での安全確保

前回の目視による点検結果に基づき、お客様へ天窓(トップライト)の具体的な修復作業をご提案させていただきました。
主な内容は、強風で波打っていた「水下スカート」の補修です。
さらに、天窓の枠部分と水下スカートが接地する(接している)部分も、防水性を強化するためにコーキングボンドによる修復を行うことをご提案いたしました。
これらの提案内容と作業工程をまとめたお見積りを作成し、お客様にご確認いただいたところ、正式にご了解をいただくことができました。
いよいよ修復作業の開始です。
まず、作業に必要な道具や材料を準備し、屋根に上がります。
この屋根は非常に滑りやすいため、前回同様、乾いた雑巾(空雑巾)で足元の屋根瓦を再度丁寧に拭きながら、安全を確保します。
この一手間を惜しまず、慎重に天窓が設置されている場所まで辿り着きました。
確実な接着の秘訣!天窓修理におけるコーキング前の下地処理


いよいよ天窓(トップライト)の修理作業の核心部分に入ります。
今回は、強風でめくれていた「水下スカート」と、それが接地していた屋根瓦の表面との隙間にコーキングボンドを充填し、強力に接着固定する作業を行います。
この作業で最も重要なのが、確実な接着を行うための「下準備」です。
まず、コーキング材を奥までしっかりと行き渡らせるため、浮いていた水下スカートの前面(先端部分)を、指で通常よりも少し多めにめくり上げ、作業のための隙間を作ります。
次に、めくり上げて露出した屋根瓦の表面(=接着面)を、乾いたタオルや空雑巾を使って丁寧に拭き掃除します。
ここには目に見えない埃や砂が付着しており、そのままコーキングを塗っても十分な接着力が得られません。
接着力を100%発揮させるため、この清掃作業は絶対に省略できない一手間です。
この下地処理を終えて、ようやくコーキングボンドを塗布できる状態が整いました。
コーキングの接着力を最大化する「清掃」と「塗布幅」のルール


いよいよ、清掃した屋根瓦の表面にコーキングボンドを塗っていきます。
水下スカート(板金)が被さる範囲を計算し、そこにコーキング材を充填します。
ここで、コーキング作業で最も重要なポイントをお伝えします。
これは屋根修理だけでなく、例えばご家庭でお風呂の浴槽や窓枠の隙間をご自分で補修しようと思った時にも役立つ知識ですが、コーキング材は「塗る前の清掃」が命です。
簡単でも良いので、必ず周辺を綺麗にしてから作業してください。
コーキング材の使用上の注意書きにもありますが、接着面にゴミや埃、油分などが残っていると、接着能力が著しく低下してしまいます。
せっかく補修しても、すぐに剥がれてしまっては意味がありません。
私たちはプロとして、この下地処理を徹底した上で作業を行います。
今回の天窓修理では、塗っていく幅の目安を「水下スカートの横幅一杯」とし、端から端まで隙間なく接着剤が行き渡るように塗布していきます。
天窓修理の仕上げ!水下スカートの圧着とコーキング硬化の目安

屋根瓦の表面にコーキングボンドを塗布した後、いよいよ最後の仕上げ、接着固定の工程に移ります。
めくれ上がっていた「水下スカート」を、波打ちや歪みがないよう元の正しい位置に真っすぐに戻し、先ほど塗ったコーキング材の上に重ねるように被せます。
そして、浮きが出ないよう、上から均等に力を加えてしっかりと押さえつけ、板金と屋根瓦とを圧着させます。
これで、今回の修復作業は完了です。
あとは、このコーキングボンドが完全に硬化するのを待つだけです。
硬化にかかる時間は、実は季節や気温によって異なります。
例えば、気温の高い夏日であれば、半日ほどで表面は乾き始めますが、冬場であれば完全に硬化・接着が完了するまでに2~3日ほどかかる場合もあります。
このように、しっかりと時間をかけて自然に乾燥させることで、水下スカートは強固に固定され、強風でも浮き上がらない安心の状態に戻ります。
見落としがちな天窓の弱点!「枠」と「水下スカート」の隙間からの雨漏りを防ぐ


天窓(トップライト)の点検・修理において、私たちは「水下スカートの浮き」と同時にもう一つ、非常に重要な箇所をチェックしています。
それは、「天窓の枠」と「水下スカート」とが接している部分(接合部)です。
この接合部分も、長年の紫外線や雨風にさらされることで経年劣化が進み、やがて剥がれて隙間が発生することがあります。
一見小さな隙間でも、そこは雨水にとって格好の浸入口となります。
ひとたび雨水が入り込むと、屋根内部を伝って、場所によってはそのまま室内の雨漏りへと直結してしまう危険な箇所なのです。
そのため弊社では、雨漏りを未然に防ぐ観点から、この「枠」と「水下スカート」の間にコーキングボンドをしっかりと流し込む(充填する)作業も併せて行います。
これにより、部材同士を強力に接着させると同時に、隙間を完全に塞いで防水性を高めます。
この一手間が、お住まいを長期的に雨漏りから守ることにつながります。
写真で納得!天窓修理の完了報告とお客様の安心

天窓(トップライト)の枠部分と、雨仕舞いの要である水下スカートが取り付けられている部分。
この両方の接合部に、コーキングボンドを隙間なく流し込み、しっかりと接着固定を行いました。
この最終工程をもって、今回の修復作業は無事完了となります。
その後、屋根の上からすべての道具や資材を慎重に降ろし、安全対策のために設置していた部分的な仮設足場も速やかに解体・撤去して、すべての作業が終了しました。
弊社が大切にしているのは、作業後のご報告です。
お客様からは見えない屋根の上での作業だからこそ、工程ごとに撮影した写真をお客様にお見せしながら、どのような作業を行ったのか、どこが問題だったのかを丁寧にご説明させていただきました。
修理が完了し、浮きがなくなってしっかりと固定された状態をご確認いただき、お客様にも大変喜んでいただけたご様子で、私たちも安心いたしました。
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『常滑市【天窓修理】なぜ足場が必要?滑りやすい屋根瓦の危険性と、安全な工事のためのプロの点検・修理方法を解説』







