【瓦屋根葺き替え】名古屋市瑞穂区 雨漏り診断から耐震補強・防水施工まで!お客様の安心を考えた屋根葺き替え工事の全工程
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
屋根葺き替え工事の全貌。名古屋のプロが魅せる、診断から完工までの軌跡
工事のきっかけ
長年、家族の歴史と共に風雨に耐えてきた、愛着のある我が家。
しかし、先日の台風の夜、これまで感じたことのない不安が胸をよぎりました。
「最近、雨漏りのニュースをよく見るけど、うちは大丈夫だろうか…」。
そんな思いが頭を離れませんでした。
そして数日後、リビングの天井の隅に、指先ほどの小さな、しかし見過ごすことのできないシミを発見したのです。
それは、家が静かに上げていた悲鳴のように思えました。
すぐにインターネットで信頼できそうな地元の業者さんを探し、藁にもすがる思いで無料診断をお願いしました。
約束の日、来てくださった担当者の方は、まず私たちの不安な気持ちにじっくりと耳を傾けてくれました。
そして、家全体を丁寧に見て回り、屋根に登って隅々まで調査してくれたのです。
しばらくして見せていただいた写真には、私たちが想像していた以上に深刻な、瓦の大きなズレや無数のひび割れ、そして塗装が剥がれて水を吸い込み、変色してしまった屋根の痛々しい姿が写っていました。
「このままでは、次の大雨で大規模な雨漏りが起きてもおかしくありません」。
その言葉に、私たちは息を呑みました。
しかし、担当者の方は決して不安を煽るだけではありませんでした。
部分的な修理から、将来の地震のことも考えた屋根全体の葺き替えまで、複数の選択肢をそれぞれのメリット・デメリットと共に、分かりやすく説明してくれたのです。
私たちは、この先もこの家で安心して暮らし続けるために、そして子どもたちの世代に負の遺産を残さないために、屋根を根本から生まれ変わらせる「葺き替え工事」を決意しました。
あの日見つけた一つのシミは、我が家の未来を見つめ直す、大切なきっかけとなったのです。
建物の状況
築年数 ・・・ 築40年以上
工事費用・・・ 約300万円ほど
施工期間・・・ 約15日間ほど
建物種別・・・ 戸建て(木造)
ビフォーアフター

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「天井のシミ」「瓦のズレ」「塗装の剥がれ」。
これらは、あなたの住まいが発している危険なSOSサインかもしれません。
名古屋市で屋根のリフォームや修理を考えたとき、多くの不安が頭をよぎるのではないでしょうか。
「どんな工事が必要なの?」「費用はどれくらい?」「悪質な業者に騙されたくない…」。
この記事は、そんなあなたの不安や疑問に全てお答えするための一つの答えです。
先日、名古屋市のお客様から雨漏りのご相談をいただき、実際に屋根全体の葺き替え工事を完工するまでの一連の流れを、専門用語の解説を交えながら、余すところなく記録しました。
無料診断から始まり、最適なプランのご提案、そして見えない部分の構造補強や鉄壁の防水処理、最新の屋根材を使った仕上げ工事、さらには完工後のお客様との約束まで。
この記事を読み終える頃には、あなたは屋根工事の重要なポイントをすべて理解し、本当に信頼できる業者を見極める「目」を養うことができるはずです。
私たちの仕事のすべてを、ぜひご覧ください。
目次
敷地に余裕がなくてもご安心を。事前の現場調査と道路使用許可


先日、雨漏りのご相談をいただき、お客様のお宅へ屋根の無料診断に伺いました。
屋根の状態を詳しく調査すると同時に、私たちは工事全体の段取りを見据え、敷地や周辺の環境確認も必ず行います。
今回のお宅は、敷地いっぱいに建物が建てられており、工事車両や資材を置くスペースの確保が難しい状況でした。
名古屋市内の住宅地では、このようなケースは決して珍しくありません。
どうぞご安心ください。弊社では、ご契約後に管轄の警察署へ「道路使用許可」の申請を代行し、前面道路での作業スペースを合法的に確保いたします。
工事の技術的な品質はもちろん、こうした事前の準備や法的な手続きまで、すべて責任を持って対応すること。
それこそが、お客様に本当の安心をお届けするプロの仕事だと考えています。
その瓦のズレや汚れ、放置は危険な劣化のサインです


まず建物の周りをくまなく歩き、地上から目視できる範囲で全体の状態を注意深く確認することから始めます。
築年数が経過したお宅では、多くの場合、劣化のサインがはっきりと現れています。
例えば、今回の一階屋根に見られた「瓦のズレ」。これは単に見た目が悪いだけでなく、瓦同士の噛み合わせが外れ、雨水が容易に侵入できる隙間ができている危険な状態を示唆しています。
また、「汚れ」が目立つ状態も要注意です。
その多くはカビや苔であり、瓦表面の防水性能を著しく低下させ、素材そのものを脆くしてしまいます。
これらの症状から、屋根が耐用年数を大幅に超え、いつ雨漏りが起きてもおかしくない状態だと判断しました。
屋根塗装の「防水効果」は本当?美観と防水は別問題です


地上からの点検に加え、実際に屋根に登り、より詳細な調査を行いました。
そこで確認できたのが、過去に屋根瓦の表面に施された塗装の深刻な剥がれです。
表面の化粧が剥がれ落ち、劣化した瓦の素地が露出していました。
ここで、屋根塗装に関する非常に重要な事実をお伝えします。
屋根材への塗装の第一目的は、あくまで「美観の回復」であり、塗装そのものに雨漏りを防ぐ「防水効果」はほとんど期待できません。
屋根の防水は、瓦などの屋根材自体の性能と、その下に敷かれた防水紙(ルーフィング)が担っています。
劣化した屋根材の上に塗装をしても、素材自体の防水機能は回復しないのです。
そのため、「塗装すれば雨漏りも直ります」といった説明をする業者には注意が必要です。
私たち専門家は、美観のための塗装と、防水性能を回復させるための葺き替え工事とを明確に区別し、最適なご提案をいたします。
一軒一軒に最適な解決策を。複数の選択肢をご提示する理由

屋根の診断を進める中で、隣家の外壁から伸びる古い板金など、一軒一軒異なる複雑な状況に遭遇することは少なくありません。
私たちは、まず写真などを用いて現状をありのままにお客様にご報告し、問題点を分かりやすくご説明することから始めます。
その上で、私たちは決して一つの工法を押し付けることはいたしません。
お客様のご予算、今後のライフプラン、そしてどこまでの安心を求めるかによって、最適な解決策は異なるからです。
そのため、現状の課題を解決する部分的な修繕工事から、お住まいの資産価値を高め、長期的な安心を実現する屋根全体の葺き替え工事まで、複数の選択肢をそれぞれの利点と共に、お見積もりとしてご提示いたします。
ご契約から解体初日まで。安心を支える徹底した事前準備


先日のご提案の中から、屋根を全面的に刷新する葺き替え工事をお選びいただき、誠にありがとうございます。
ご契約後、万全の準備を整え、いよいよ工事着工の日を迎えました。
私たちの仕事は、工事当日に始まるわけではありません。
お客様にご安心いただくため、施工チームとの綿密な打ち合わせ、管轄警察署への道路使用許可の申請、作業車両のための近隣駐車場確保など、あらゆる事前準備を徹底して行います。
工事初日は、古い屋根瓦や屋根土の撤去から開始。
許可を得た道路にはカラーコーンを設置し、専門の交通誘導員を配置して、ご近所の皆様の安全と円滑な通行を確保しながら、慎重に作業を進めます。
【屋根葺き替えと耐震補強】見えない骨組みから、住まいの安心を再構築する


屋根の葺き替え工事は、単に表面を新しくするだけでなく、普段は見ることのできない屋根の骨組みの状態を確認し、強化できる絶好の機会です。
特に築年数が経過したお住まいの場合、私たちは将来の長期的な安心を見据え、屋根の構造部である「垂木(たるき)」の補強工事を計画に含めてご提案することがあります。
まず、既存の屋根材と古い野地板をすべて撤去し、屋根の骨組みを完全に露出させます。
その上で、既存の垂木の側面に新しい垂木を添わせるように設置し、ビスで強固に一体化。
この一手間を加えることで、屋根全体の強度が格段に向上し、地震や台風に対する住まい全体の耐久性を高めることに繋がります。
長年の歪みを矯正。一本の糸が実現する「真っすぐな屋根」


屋根の骨組みを強化する垂木補強工事では、新しい垂木を既存の垂木に添わせ、それを支える「母屋(もや)」という太い横木にしっかりと固定していきます。
しかし、長年の荷重で既存の骨組みには、目に見えない歪みなどが生じています。
そこで、完璧に真っすぐな屋根面を再構築するために、私たちは「水糸(みずいと)」という一本の基準糸を用います。
この水糸を屋根の左右にピンと張り、新しい垂木の高さを一本一本、この糸に寸分の狂いなく合わせて固定するのです。
これにより、古い骨組みの歪みが矯正され、まっさらで平滑な新しい屋根の下地が生まれます。
真っすぐな骨組みの上に築く、強固な野地板と防水紙


垂木の補強と矯正によって、真っすぐで強固な屋根の骨組みを再構築しました。
次はこの新しい骨組みの上に、屋根の土台となる「野地板」を設置する工程です。
屋根全面に、強度に優れた構造用合板を隙間なく張り、補強した新しい垂木に専用の釘打機で確実に固定。
これで、安定した平滑な下地が完成します。
そして、この新しい野地板の上に、雨漏りを防ぐ最後の砦である「防水紙(ルーフィング)」を敷き詰めます。
施工で最も重要なのがシート同士の「重ね幅」です。
メーカーの規定を遵守し、重なりを十分に確保することで、水の浸入経路を完全に断ち、屋根全体を一枚の防水層として機能させます。
強固な野地板と、完璧な防水紙。
この二重の守りこそが、新しい屋根の性能と寿命を支える礎となります。
性能を引き出す、正確な「桟木」の割り付け


屋根の防水紙の施工が完了したら、次はいよいよ新しい屋根材を取り付けるための土台となる「桟木(さんぎ)」を設置していきます。
この桟木は、屋根の仕上がりの美しさと防水性能を左右する、非常に重要な部材です。
桟木を取り付ける間隔は、勘や経験だけで決めるものではありません。
今回使用する新しい屋根材の寸法から、一枚一枚が正しく重なり合うための最適な寸法を正確に計算し、割り出していきます。
この計算に基づいて屋根全体に桟木を設置することで、屋根材がずれずに真っすぐなラインを保ち、製品が持つ本来の防水性能を最大限に引き出すことができます。
万が一の雨漏りを防ぐ、ケラバの「隠れた水路」

屋根の側面にあたる「ケラバ」は、横殴りの雨や風の影響を最も受けやすい、非常に重要な部分です。
私たちは、この重要箇所に万が一の事態を想定した、二重の防水対策を施します。
屋根材で表面を覆う前に、ケラバの内部に専用の「水流れ板金」という部材を取り付けます。
これは、いわば「隠れた水路」の役割を果たすものです。
想定を超えるような猛烈な台風などで、万が一、屋根材の内側に雨水が侵入してしまったとしても、この隠れた水路がその水を確実に受け止め、軒先の雨樋まで安全に導き、排出します。
この一手間が、下地の木材を腐食から守り、長期にわたる雨漏りのリスクを限りなくゼロに近づけます。
軒先は鳥から、壁際は雨から。葺く前の重要作業


新しい屋根材を葺き始める前に、まず屋根の周囲、すなわち「境界線」の守りを固める重要な工程があります。
今回は軒先と壁際、二つの重要箇所への対策をご紹介します。
まず、屋根の先端である「軒先」。屋根材の形状によって生まれる隙間は、雀などの鳥が巣を作る格好の侵入経路となります。
これを防ぐため、専用の「面戸板金」を取り付けて物理的に隙間を塞ぎます。
次に、雨漏りの最重要警戒ポイントである「壁際」。
ここには、壁を伝う雨水を確実に受け止め、安全に排水させるための「水流れ板金」を設置します。
壁内部への漏水を防ぐ、まさに生命線とも言える部材です。
害獣から、そして雨水から。
あらゆるリスクを想定し、先回りして対策を講じる。
この徹底した下準備こそが、安心して長く住まえる屋根の土台を築くのです。
屋根の頂点「大棟」を、建物の構造躯体に直接固定する

屋根工事の要となる、頂点の「大棟(おおむね)」。
ここは、家の美観を決定づけると共に、地震や台風の際に最も大きな力を受ける部分でもあります。
私たちはこの重要な棟の土台として、従来の工法に代わり「強力棟」という専用部材を使用します。
これは、最終的に取り付ける棟瓦の高さや通りを完璧に整えるための、精密な土台の役割を果たします。
最も重要な点は、その固定方法です。この強力棟を、先日補強した屋根の骨組みである「垂木」に対し、強力なビス(ネジ釘)を使って直接固定します。
これにより、屋根の棟が単に上に乗っているのではなく、建物の構造躯体とがっちりと一体化するのです。
一枚一枚を確実に固定。地震と台風に強い屋根を作る


いよいよ、新しい屋根材を葺き上げる工程です。
今回採用したのは、KMEW社の誇る高性能な軽量屋根材「ROOGA(ルーガ)」。
これまでの全ての下地準備は、この屋根材の性能を最大限に引き出すためにあります。
ROOGAは、従来の瓦の半分以下の重さで、住まいの耐震性を大幅に向上させることができる、建物に優しい屋根材です。
私たちは、このROOGAを一枚一枚、事前に計算された「桟木(さんぎ)」の上に設置し、専用の固定釘で強固に打ち付けていきます。
この一枚ずつ下地と一体化させていく確実な工法によって、ROOGAの優れた軽量性に加え、台風時の強風にも負けない高い耐風性能も実現します。
「軽くて地震に強く、固定されて台風にも強い」。
お客様に長く安心していただける屋根が、こうして着実に完成していきます。
屋根の端「ケラバ」を守る、緻密な加工と防水対策


屋根材を葺き上げる作業も、いよいよ端の部分「ケラバ」の施工です。
ここは、風雨に最もさらされる場所であり、職人の丁寧な仕事が問われる重要な仕上げの工程となります。
まず、屋根材をケラバの寸法に合わせて、一枚一枚、現場で正確に加工(カット)しながら葺き進めます。
隙間なく、美しく仕上げるための、まさに職人技です。
そして、その屋根材の先端ギリギリの位置に、強力な粘着力を持つ「水密材」を貼り付けます。
これは、横殴りの雨が屋根材と、この後取り付ける袖瓦との隙間に吹き込むのを防ぐための、非常に重要な防水の壁となる部材です。
職人による緻密な加工と、高性能な防水部材の設置。
この二つを組み合わせることで、屋根の弱点となりやすい端の部分を、最も強固な部分へと変えるのです。
頂点から軒先まで、一本の防水ラインで壁際を守る


新しい屋根材ROOGA(ルーガ)を葺き終え、いよいよ壁際の最終的な防水処理(雨仕舞)に入ります。
ここでの施工が、雨漏りを防ぐための最後の鍵となります。
壁際の水切り板金の下地部分に、屋根材の表面から強力な防水テープ「水密材」を貼り付け、水の浸入を防ぐための「壁」を構築します。
この防水の壁は、屋根の頂点である「大棟」との接合部から、先端の「軒先」まで、一切の途切れなく一本の線として繋げていきます。
部分的な対策ではなく、ラインで守るのが鉄則です。
この連続した防水ラインが、壁の裏側へ雨水が回り込むのを完全にシャットアウトし、すべての水を安全に軒先の雨樋へと導きます。
大棟の防水から最終固定まで、安心の仕上げ工程


屋根材ROOGA(ルーガ)を軒先から一枚ずつ葺き上げ、いよいよ屋根の頂点「大棟(おおむね)」の仕上げ工事に入ります。
まず、棟の土台となる木材を、専用の粘着式防水材で完全に包み込みます。
この防水材が、屋根材と棟下地の間にできる隙間を埋め、万が一の雨水の浸入を堰き止める「ダム」の役割を果たします。
この万全な防水処理を施した上から、大棟専用の屋根材を一本ずつ丁寧に被せ、強力なビス(ネジ釘)で下地にしっかりと固定。
これにより、美観を整えるだけでなく、台風の強風や地震の揺れにも負けない、強固な棟が完成します。
緻密な防水層の構築と、ビスによる強固な固定。
この二段構えの施工こそが、長期にわたって住まいを守る「屋根の王冠」を築き上げるのです。
【工事完了】「屋根が強くなって、軽くなって嬉しい」。お客様の笑顔が私たちの誇りです


先日よりご紹介してまいりました屋根の葺き替え工事が、すべての工程を終え、無事に完工いたしました。
古い屋根を骨組みの状態まで解体し、構造を補強した上で、新しい屋根材ROOGA(ルーガ)を葺き上げる大規模なリフォームでした。
完了後、お客様へご報告に伺い、作業工程ごとに撮影した写真をお見せしながら、見えない部分の施工内容まで丁寧にご説明させていただきました。
「屋根を補強してもらって、屋根も新しく軽くなって本当に嬉しいです」。
お客様からいただいた、この喜びのお言葉が、私たちの仕事のすべてを物語っています。
目に見えない構造部分の安心と、目に見える美しさと軽さ。
その両方にご満足いただけたことが、私たちにとって最高の誇りです。
この度は大切な住まいをお任せいただき、誠にありがとうございました。
初動調査でもあるこちらの現場ブログの一番始まりはこちらから読めますよ↓↓↓
『名古屋市瑞穂区【屋根葺き替え】屋根点検で判明した危険な劣化サイン!瓦のズレ・塗装剥がれ・雨漏りは葺き替え修理で解決!』

