名古屋市南区【谷交換作業】瓦を剥がして発覚した衝撃の施工ミス!谷樋・防水紙の正しい工事と二度と再発させない技術
writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
名古屋市の屋根修理|雨漏りの原因「施工ミス」を正す全工程
前回の調査報告に続き、今回は名古屋市南区で実施した屋根の雨漏り修理工事の全貌をお届けします。
瓦を剥がして見えてきたのは、プロの目から見ても信じがたい衝撃の施工ミスでした。
なぜ雨漏りが止まらなかったのか?
その根本原因と、二度と再発させないために私たちが行った「正しい防水工事」の一部始終を写真付きで徹底解説。
あなたの家の屋根は大丈夫ですか?
【名古屋市南区の屋根修理】瓦を剥がして発覚!信じられない施工ミスの実態

先日の雨漏り調査をご報告した名古屋市南区のお客様より、正式に修理工事のご依頼を賜りました。
早速、雨漏りの大きな原因となっていた「谷樋(たにどい)」の交換工事に着手しました。
谷樋周りの瓦を丁寧に取り外していく中で、私たちは目を疑うような光景を目の当たりにしました。
なんと、雨漏りを防ぐ最後の砦であるべき防水紙(ルーフィング)が、雨水を排水する谷樋の上に被さるという、通常ではありえない施工がされていたのです。
これでは防水紙を伝ってきた雨水が谷樋に流れず、屋根の下地へ直接染み込んでしまいます。
築30年以上が経過したお住まいでは、残念ながら当時の業界背景もあり、このような施工が見受けられることがあります。
特に1998年以前に建てられ、一度も大規模なメンテナンスをされていないお住まいは、見えない部分に問題を抱えているかもしれません。
このような隠れた瑕疵は、大きな被害が出る前に対処することが重要です。
私たちヤマムラ建装株式会社では、名古屋市を中心に屋根の無料点検も実施しております。
ご自宅の屋根に少しでも不安がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
前回の現場ブログはこちらから読み戻れます↓↓↓
『名古屋市南区【谷交換作業】スパニッシュ瓦の意外な弱点とは?谷樋の施工不良から防水紙の劣化まで解明!放置は危険です』
目次
雨漏りを根本から断つ谷樋の正しい防水処理とは


雨水の通り道となる谷の中心部分は、本来であれば防水紙(ルーフィング)で隙間なく覆われていなければなりません。
しかし、この現場では谷の中心に届く手前で防水紙が切断されており、屋根の下地である「野地板」がむき出しの状態でした。
これでは、谷樋板金の裏側に回った雨水が何の抵抗もなく野地板に達し、雨漏りを引き起こしてしまいます。
そこで私たちは、この雨漏りの根本原因を断ち切るため、まず正しい防水処理から行いました。
野地板が露出していた谷部全体に、新しく高性能な防水紙を丁寧に貼り付けていきます。
屋根の最も高い部分から軒先まで、一枚の防水層としてしっかりとつなげることで、水の侵入経路を完全に遮断します。


まず、屋根の低い軒先側から高い大棟に向かって、新しい谷樋板金を一枚ずつ丁寧に重ねながら取り付けていきます。
この順序と重ね方を守ることで、水の流れをスムーズにし、つなぎ目からの漏水を防ぎます。
そして、ここからが雨漏りを二度と起こさないための、私たちのこだわりの一手間です。
設置した谷樋板金の両脇に、「水密材」と呼ばれるスポンジ状の防水部材を隙間なく取り付けていきます。
これは、台風や集中豪雨などで想定以上の雨水が谷樋に流れ込んだ際、水が勢い余って瓦の下に浸入するのを防ぐための防波堤の役割を果たします。
見えなくなる部分だからこそ、防水紙と谷樋本体に加えた二重三重の対策を施す。
美しさと安全は細部に宿る。職人がこだわる瓦の葺き直し


いよいよ仕上げの工程となる「瓦の葺き直し」作業に入りました。
雨漏りを止めるのはもちろん、元の美しい外観を取り戻すための、職人の丁寧な仕事が光る場面です。
工事の際に一度取り外した瓦には、一枚ずつ「石筆」という専用のチョークで番号を振ってあります。
瓦は焼き物であるため、同じ製品でも微妙な色合いや形が異なります。
元の位置に戻すことで、修理した箇所だけが浮いて見えることなく、自然な仕上がりを実現します。
なお、石筆で書いた番号は、時間が経てば雨や日光で自然に消えていくため、屋根を汚す心配はありません。
また、谷樋の形状に合わせて小さく加工した瓦は、地震の揺れや強風でズレやすいため、特に念入りな固定が必要です。
名古屋市屋根修理伝統の漆喰仕上げと最新の南蛮漆喰


まず、取り外していた棟の中心部に、瓦を固定するための土台となる「屋根土」を隙間なく塗り固めていきます。
そして、この屋根土を雨水から保護し、瓦同士を強力に接着させるために、上から「漆喰」を丁寧に塗り重ねて仕上げます。
この伝統的な工法によって、棟全体の強度と防水性が確保されるのです。
ちなみに、最近では屋根土と漆喰の機能を併せ持ち、より高い防水性と耐久性を備えた「南蛮漆喰」という高機能な材料も普及しています。
私たちは、このような最新の建材知識も常にアップデートしつつ、お住まいの状態や構造に合わせた最適な工法をご提案しています。
【名古屋市南区の屋根修理が完工】雨漏りを再発させない!最後のひと手間とは

長きにわたりお伝えしてきた名古屋市南区の雨漏り修理工事も、いよいよ最終工程を迎えました。
今回は、屋根の頂点である「大棟」に冠瓦を戻し、工事を完成させる様子をご報告します。
最後の仕上げとなる冠瓦の固定では、雨漏りを絶対に再発させないための、念には念を入れた処理を施します。
まず、瓦に複数ある釘穴のうち、使用しない穴を一つひとつ防水性の高いコーキング材で丁寧に塞ぎます。
そして、瓦を固定する際には、ゴムパッキンが付いた特殊なビス釘を使用。
これにより、釘を打ち込んだ穴の隙間からのわずかな水の浸入も確実に防ぎます。
こうして全ての瓦を元通りに設置し、屋根や敷地周辺の清掃を徹底して、全ての工事が無事に完了いたしました。
長年の雨漏りの原因となっていた数々の問題点を解消し、美しく蘇った屋根を見て、お客様にも大変お喜びいただけました。
一連の工事ブログをご覧いただき、誠にありがとうございました。
名古屋市近郊で屋根のことでお困りの方は、原因の徹底調査から完璧な修理まで、ぜひ私たちにお任せください。
初動調査の雨漏り点検から作業の流れまでを施工事例で紹介しています↓↓↓
『【谷交換作業】名古屋市南区 瓦の下に防水紙がない?衝撃の施工ミスを完全修復!原因調査から谷樋・棟の工事までの全貌』

