writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
「隣が解体されたら自宅の屋根を見る合図」普段見えない死角に危険が潜んでいました

「お隣が更地になったので、今のうちにうちの屋根も見てほしくて…」
名古屋市南区のお客様より、非常に賢明なご相談をいただきました。
障害物がなくなった今こそ、屋根の健康状態をチェックする絶好の機会です。
調査の結果、立派な日本瓦の表面が剥がれていたり、過去の補修跡が逆に雨漏りの原因になりかけていたりする事実が判明しました。
プロの診断で見えてきた、屋根のSOSサインをご紹介します。
見た目は綺麗でも油断禁物!専門家が見つける瓦屋根の危険信号


梯子をかけて屋根に上がると、全体的にとても綺麗に施工されている印象の瓦屋根が広がっていました。
こちらの屋根に使われていたのは「釉薬陶器瓦」という種類の瓦です。
これは陶磁器の素地にガラス質の釉薬(ゆうやく)を塗って焼き上げることで、瓦の表面に美しい色と艶を生み出しています。
しかし、専門家の視点で細かく調査を進めると、一部の瓦の表面が剥がれている箇所を発見しました。
剥がれた部分からは、瓦内部の素地であるオレンジ色が見えてしまっています。
原因は、おそらく瓦を葺いた際の施工方法にありました。
瓦同士の間隔を詰めて施工しすぎたため、瓦が互いに圧迫し合い、その力で表面が剥がれてしまったと考えられます。
このように、一見問題がないように見える屋根でも、専門家でなければ気づかない劣化や施工の問題が隠れていることがあります。
屋根の瓦が欠けている!原因不明のその欠け、放置は危険です

屋根の点検を進めていくと、切妻屋根の最も端の部分である「ケラバ」と呼ばれる箇所で、専用の瓦の一部が欠けているのを発見しました。
このような瓦の欠けが発生する原因は、一つとは限りません。
例えば、近隣の解体工事の際に何かが当たってしまった、あるいは工事の振動が影響したという可能性が考えられます。
また、新築時に瓦を設置する際、運搬中などに生じた小さな欠けに気づかず、そのまま施工されてしまったケースも残念ながら存在します。
正直なところ、後から原因を一つに特定することは非常に難しい場合がほとんどです。
しかし、お客様にとって最も大切なことは、原因が何であれ、その瓦の欠けを放置しないということです。
ほんの小さな欠けやひび割れであっても、そこから雨水が浸入し、屋根の下地や建物の構造を傷めてしまう恐れがあります。
良かれと思ったその修理が雨漏りの原因かも?瓦屋根コーキングの落とし穴


屋根の点検を進めていると、過去に補修された跡が見つかることがあります。
今回も、ひび割れ(亀裂)が入った瓦がコーキングで応急処置されていました。
本来、破損した瓦は新しいものに交換するのが基本ですが、様々な理由でこのような処置がされているケースは少なくありません。
しかし、さらに注意が必要なのはコーキングを塗る場所です。
別の箇所では、瓦の谷になっている部分に、べったりとコーキングが打たれていました。
これは台風対策のつもりかもしれませんが、実は雨漏りを引き起こす非常に危険な施工方法です。
瓦の谷部分は、雨水がスムーズに流れるための大切な通り道です。
ここをコーキングで塞いでしまうと、行き場を失った雨水が瓦の下に浸入し、屋根内部の劣化や雨漏りを引き起こしてしまいます。
もし台風対策で瓦を固定するのであれば、瓦の山側に最小限で塗布するのが正しい方法です。
間違った知識での修理は、かえってお住まいの寿命を縮めることになりかねません。
見て納得!写真でご報告する私たちの安心な屋根点検プロセス

屋根の点検作業が完了しましたら、お客様にご報告をさせていただきます。
普段お客様ご自身の目で直接見ることが難しい場所だからこそ、私たちは丁寧で分かりやすい説明を何よりも大切にしています。
点検中に撮影した多数の写真をモニターなどで一緒にご確認いただきながら、現在の屋根の状態、劣化が見られる箇所、そしてその原因について専門家の視点から詳しく解説いたします。
口頭での説明だけでなく、実際の写真をご覧いただくことで、お客様にもご自宅の屋根の状況を正確にご理解いただけます。
その上で、今回であれば複数箇所で見られた瓦の破損について、部分的な差し替え交換といった最適な修理方法をご提案させていただきました。
後日、詳細な内訳を記載したお見積書を作成し、改めてご提出いたします。
お客様が十分にご納得いただいた上でご判断いただけるよう、その場で契約を急がせることは一切ございませんのでご安心ください。
FAQ(工事に関するよくある質問)
隣の解体工事で自分の家が傷つくことはありますか?
振動や飛来物で瓦が割れたりズレたりする可能性はゼロではありません。工事が終わったタイミングで点検しておくと、因果関係もはっきりしやすく安心です。
瓦の表面が剥がれるのはなぜ?
今回のケースでは、新築時に瓦同士を詰めすぎて施工したため、長年の圧力で接触部分が弾けてしまった(剥離した)と考えられます。
コーキング補修はダメなのですか?
コーキング自体は有効ですが、「塗る場所」を間違えると危険です。水の通り道(谷部)を塞いでしまうと、雨水が逆流して雨漏りの原因になります。
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