writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
室内の雨染みは「氷山の一角」屋根の下ではもっと深刻な事態が起きていました

「天井のクロスが剥がれてきて、シミもあるんです…」
名古屋市昭和区のお客様より、雨漏りのご相談をいただきました。
急いで駆けつけ、屋根の谷(谷樋)周辺を調査すると、板金の劣化を確認。
しかし、それだけではありませんでした。
瓦の下に隠されていたのは、30年ほど前に一部で流行した「発泡スチロール」の屋根下地。
この特殊な構造と、過去の防水処理の甘さが、雨漏りを複雑にしていました。
プロが紐解く、少し特殊な雨漏り点検の様子をレポートします。
- 1. 室内の雨染みは「氷山の一角」屋根の下ではもっと深刻な事態が起きていました
- 2. 雨漏り修理で判明!屋根瓦の下に隠されていた意外な原因とは?
- 2.1.1. その屋根、大丈夫?30年前に流行した発泡スチロール屋根下地の注意点
- 3. 再発する雨漏り…その場しのぎの修理が招いたトラブルとは?
- 3.1. 屋根を剥がして発覚。雨漏りの本当の原因は防水処理の欠落でした
- 4. ゲリラ豪雨にも備える!雨漏りを再発させない谷樋交換工事とは
- 5. ただ元に戻すだけじゃない!屋根修理の品質を決める瓦の復旧作業
- 6. 「頼んでよかった」その一言のために!工事完了後の丁寧な報告と清掃
- 7. FAQ(工事に関するよくある質問)
- 7.1.1. 次回は施工事例になります!
- 8. 同じ地域で行った施工事例記事!
- 9. 類似した作業で施工した現場ブログ記事!
雨漏り修理で判明!屋根瓦の下に隠されていた意外な原因とは?


「天井にシミができて、雨漏りが始まったようだ」とのご相談を受け、早速お住まいの屋根調査にお伺いしました。
原因を調べてみると、屋根の谷部分にある「谷樋(たにどい)」という板金が、長年の紫外線や風雨の影響で劣化し、穴が開いている状態でした。
これが雨漏りの直接的な原因であることは間違いありません。
谷樋を交換するため、周辺の屋根瓦を一時的に取り外す作業を進めます。
その際、瓦を元の位置に正しく戻せるよう、「石筆(せきひつ)」という道具で番号を振っておきます。
この石筆で書いた文字は、工事が終わる頃には自然に消えるため、跡が残る心配はありません。
そして、瓦を一枚ずつ丁寧に剥がしていくと、現在ではほとんど見かけることのない、発泡スチロール製の屋根下地材『ユカルーフ』が姿を現しました。
約30年前に「屋根全体が軽くなる」という利点で一部使用されましたが、耐久性などを考慮すると、専門家による定期的な点検が望ましい建材です。
その屋根、大丈夫?30年前に流行した発泡スチロール屋根下地の注意点

発泡スチロール製の屋根下地材。
軽量という利点から一時的に採用されましたが、私たち専門家の視点から見ると、お住まいの安全を守る上でいくつか注意すべき点があります。
まず、この下地材は瓦の形に合わせてくぼみが作られているため、屋根の形状に合わせた細かな瓦の調整が困難です。
また、瓦を接着剤で固定する工法が主流でしたが、接着剤は永久に持つものではなく、経年劣化により瓦がズレたり、剥がれたりする危険性も考えられます。
さらに、万が一、屋根の隙間から雨水が内部に侵入してしまった場合、発泡スチロールが水分を含んで劣化し、断熱性能が低下する恐れもあります。
材質的に熱にも弱いため、屋根が高温になった際の影響も無視できません。
現在では、下地に防水紙(ルーフィング)をしっかり施工し、桟木を打ってから瓦を一枚一枚固定していく工法が主流です。
この方が、防水性・耐久性ともに高く、長期にわたってお住まいをしっかりと守ることができます。
再発する雨漏り…その場しのぎの修理が招いたトラブルとは?

「何度修理しても雨漏りが直らないんです」という切実なご相談を受け、現場へ調査に伺いました。
屋根を拝見すると、雨水を集める重要な部分である「谷樋(たにどい)」に、複数の穴が開いてしまっている状態でした。
原因は、谷樋に使用されていた銅板と屋根瓦の相性によるもので、素材の組み合わせによっては化学反応が起こり、金属の腐食を早めてしまうことがあります。
お客様にお話を伺うと、以前に建築を依頼した業者にコーキング剤で穴を埋める修理をしてもらったものの、すぐに雨漏りが再発。
その後、業者と連絡が取れなくなってしまい、大変お困りとのことでした。
コーキングによる補修はあくまで一時的な応急処置であり、残念ながら根本的な解決にはなりません。
雨漏りの修理は、原因を正確に突き止め、その場所に合った適切な材料と工法でなければ、大切な住まいを長期的に守ることは難しいのです。
業者選びを間違えてしまうと、問題が悪化してしまうケースも少なくありません。
屋根を剥がして発覚。雨漏りの本当の原因は防水処理の欠落でした


雨漏りの原因となっていた古い谷樋(たにどい)を交換するため、慎重に解体作業を進めていくと、私たちは言葉を失うような光景を目の当たりにしました。
なんと、谷樋の下にあるはずの防水紙(ルーフィング)が全く施工されておらず、屋根の下地である野地板に直接、谷樋が取り付けられていたのです。
防水紙は、谷樋や屋根材で防ぎきれなかった雨水を建物内部に入れないための「最後の砦」ともいえる非常に重要な部材です。
この二次防水がなければ、雨漏りを根本的に防ぐことはできません。
このような施工がされてしまった背景には、以前の記事でも触れた発泡スチロール製の下地材『ユカルーフ』の影響も考えられます。
この建材は、谷部のような複雑な形状の部分では加工が難しく、結果として最も重要な防水処理が省略されてしまったのかもしれません。
見えない部分だからこそ、正しい知識に基づいた丁寧な作業が、お住まいを雨漏りから守るためには不可欠です。
長年直らなかった雨漏りの原因が、実はこのような施工不良だったというケースは少なくありません。
ゲリラ豪雨にも備える!雨漏りを再発させない谷樋交換工事とは


雨漏りの根本原因を特定し、いよいよ本格的な修理工事に取り掛かります。
ただ元通りにするだけでなく、将来にわたって安心してお過ごしいただけるよう、丁寧な施工を徹底します。
まず、長年の雨漏りによって腐食してしまった屋根の野地板をしっかりと補強します。
その上から、建物を水から守る生命線となる新しい防水紙(ルーフィング)を隙間なく丁寧に敷き詰めていきます。
この下地処理が、雨漏りを二度と再発させないための最も重要な工程です。
防水処理を万全にした上で、耐久性の高いガルバリウム鋼板製の新しい谷樋を設置します。
そして、ここでさらに一手間加えるのが弊社のこだわりです。
近年のゲリラ豪雨など、想定を超える激しい雨が降った際に谷樋から水が溢れるのを防ぐため、縁の部分に「水密材」という専用の部材を取り付けます。
この対策により、万が一の際の浸水リスクを大幅に低減させることができます。
見えない部分だからこそ一切妥協せず、将来起こりうるリスクまで見据えた施工を行うこと。
ただ元に戻すだけじゃない!屋根修理の品質を決める瓦の復旧作業

新しい谷樋の設置と万全な防水処理が完了し、雨漏り修理工事もいよいよ大詰めです。
最後は、工事の品質と美観を決定づける、屋根瓦の復旧作業に取り掛かります。
工事の初めに、破損しないよう慎重に取り外し、安全な場所に保管しておいた屋根瓦を、一枚ずつ元の位置へと丁寧に戻していきます。
あらかじめ瓦に振っておいた番号の通りに葺き直していくことで、工事前と変わらない美しい状態に復元することが可能です。
この作業は、単に瓦を元に戻すだけではありません。
私たちは、一枚一枚の瓦にズレやガタつきがないかを細かく確認しながら、しっかりと固定していきます。
もしここにわずかな隙間があれば、強風時に雨水が吹き込む原因になったり、瓦が飛散するリスクを高めたりするからです。
見えない部分の防水工事から、目に見える最後の仕上げまで、一切妥協しないこと。
それが、お客様に長く安心して暮らしていただくための、私たちのこだわりです。
こうして全ての瓦が元通りに収まり、強く美しい屋根が蘇りました。
「頼んでよかった」その一言のために!工事完了後の丁寧な報告と清掃


全ての屋根瓦を元の位置に正確に葺き直し、長かった雨漏り修理工事が完了しました。
屋根の上から工具を慎重に下ろし、最後に行うのは周辺の清掃作業です。
作業中に出た細かなゴミやホコリを、業務用のブロワーという送風機で隅々まで吹き飛ばし、工事前よりも美しい状態でお引き渡しすることを常に心がけています。
そして、私たちが最も大切にしているのが、お客様へのご報告の時間です。
普段は見ることのできない屋根の上での作業だからこそ、工事中に撮影した各工程の写真をお見せしながら、「どこに問題があり、どのように修理したのか」を一つひとつ丁寧にご説明します。
この作業内容の「見える化」が、お客様の不安を安心へと変える大切なステップだと考えています。
「谷樋がこんなに綺麗になって。
これでもう雨の日も安心して過ごせます」と、お客様からいただいた安堵の表情と喜びの言葉が、私たちにとって何よりの励みです。
名古屋市で屋根のお悩みがあれば、どんな小さなことでも結構です。
お客様の不安に寄り添い、安心をお届けしますので、いつでもお気軽にご相談ください。
FAQ(工事に関するよくある質問)
天井にシミができたら、かなり重症ですか?
はい。雨水が屋根材(一次防水)と防水シート(二次防水)を突破し、断熱材や天井板まで到達している状態です。見えない屋根裏では、木材の腐食やカビがかなり進行している可能性が高いです。
「発泡スチロール下地」とは何ですか?
約30年前に、断熱性や軽量化を目的に採用された建材です。しかし、経年劣化するとボロボロになりやすく、一度雨水が入るとスポンジのように水を溜め込んでしまう等のデメリットがあり、リフォーム時には特別な注意が必要です。
防水処理の欠落とは?
本来あるべき防水シート(ルーフィング)の立ち上がりが足りなかったり、重要な部分に施工されていなかったりする状態です。新築時や過去の補修時のミス(手抜き)が原因であることが多いです。
次回は施工事例になります!
初動調査から作業の完了までの一連の流れになります!
同じ地域で行った施工事例記事!
類似した作業で施工した現場ブログ記事!

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