writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔
「修理したはずなのに…」他社が逃げ出した雨漏りの原因は詰め込まれたコーキングでした

「数年前に直してもらったんですが、また天井にシミができて…」
名古屋市瑞穂区のお客様より、切実なご相談をいただきました。
以前の業者に連絡しても対応してもらえず、お困りの末に弊社へ。
屋根に登って調査すると、雨漏りの原因である「谷板金(たにばんきん)」には、無残にもコーキングが塗りたくられていました。
なぜ「コーキング修理」では直らないのか?
プロが教える、屋根修理の落とし穴について解説します。
- 1. 「修理したはずなのに…」他社が逃げ出した雨漏りの原因は詰め込まれたコーキングでした
- 2. 【雨漏り原因の特定】瓦は問題なし?プロが突き止める屋根の弱点
- 2.1. その雨漏り修理、数年で再発していませんか?コーキングだけの補修の落とし穴
- 2.1.1. 【屋根の豆知識】寺社仏閣の銅板屋根は長持ちするのになぜ住宅だと雨漏りの原因になるのか?
- 2.1.2. 【雨漏りの意外な原因】屋根の「瓦」と「金属」の相性が引き起こすトラブルとは?
- 2.2. 【屋根の構造と雨漏り】「雨だれ」が屋根に穴を!?谷部分の修理と対策
- 3. 【雨漏り点検のご報告】写真で原因を徹底解説。再発させないための修理提案
- 4. FAQ(工事に関するよくある質問)
- 4.1.1. 次回の現場ブログ記事の内容は?
- 5. 同じ地域で行った施工事例記事!
- 6. 類似した作業で施工した現場ブログ記事!
【雨漏り原因の特定】瓦は問題なし?プロが突き止める屋根の弱点


天井にできた雨漏りのシミの位置から、私たちは屋根のどのあたりから雨水が侵入しているのかを推測します。
今回のケースでは、屋根の面と面が合わさる「谷」と呼ばれる部分に原因がある可能性が高いと判断しました。
実はこの谷部分は、構造上、雨水が集中しやすいため、住宅全体の雨漏り原因で最も多い箇所なのです。
さっそく屋根に登り、まずは全体の点検から始めます。
お客様が心配されがちな屋根瓦の状態を隅々まで確認しましたが、瓦の割れやひび、ズレといった直接的な異常は見当たりませんでした。
そうなると、やはり雨漏りの原因は当初予測していた「谷」にあると考えられます。
一見して瓦に問題がない場合でも、雨漏りは発生します。
正確な原因を突き止めるには、専門家による丁寧な調査が欠かせません。
その雨漏り修理、数年で再発していませんか?コーキングだけの補修の落とし穴

雨漏りの原因と目される屋根の谷部分を調査し、私たちはその施工状態に思わず言葉を失いました。
そこには、以前の修理が根本的な解決になっていなかったことを示す、明確な跡が残されていたのです。
確認すると、本来交換すべき経年劣化した谷板金はそのままに、雨漏りの原因と思われる穴の上にコーキング(シーリング材)を塗って塞いだだけの応急処置がされていました。
これでは、一時的に雨漏りが止まっても、数年で再発するのは当然です。
コーキングは紫外線などの影響で劣化し、その寿命は10年ほどしかありません。
さらに、今回は材質の相性も悪く、板金に穴が開きやすい状態でした。
大切なのは、なぜ雨漏りが起きたのかという根本原因を見極め、適切な材料と工法で修理することです。
その場しのぎの修理は、結局、再工事の費用がかさむことにも繋がります。
【屋根の豆知識】寺社仏閣の銅板屋根は長持ちするのになぜ住宅だと雨漏りの原因になるのか?

お寺や神社などで見かける、趣のある緑青の銅板屋根。
何十年、何百年もの風雨に耐え、建物を守り続けています。
しかし、同じ銅板でも一般住宅の屋根に使用されると、穴が開いて雨漏りの原因となってしまうケースがあります。
この違いは一体どこにあるのでしょうか。
その大きな理由の一つに、銅板そのものの「厚み」の違いが挙げられます。
寺社仏閣のような歴史的建造物に使われる銅板は、建物を長期にわたって保護するため、非常に厚く頑丈なものが選ばれています。
一方、過去に一般住宅の屋根工事で使われた銅板には、残念ながらコストを抑えるために規格よりも薄い材料が使用されてしまった例が見受けられます。
屋根材が薄いと、長年の酸性雨や飛来物の影響に対する耐久性が低下し、やがて小さな穴が開いてしまうのです。
材質の特性を理解し、適切な厚みの材料を選ぶことが、長持ちする屋根には不可欠です。
【雨漏りの意外な原因】屋根の「瓦」と「金属」の相性が引き起こすトラブルとは?

屋根の谷に使われた銅板に穴が開いてしまう原因は、銅板の厚みだけではありません。
実は、「瓦」と「銅板」の相性が、雨漏りを引き起こすもう一つの重要な要因となっていることがあるのです。
聞き慣れないかもしれませんが、昔の瓦、特に表面に美しいツヤを出すために使われていた釉薬(ゆうやく)には、「鉛」が含まれているものがありました。
この鉛を含んだ瓦の上を流れた酸性の雨水が、谷部分の銅板に流れ着くと、化学反応(電蝕)が発生します。
これは、性質の異なる金属が水分を介して接触することで、一方の金属の腐食が急速に進んでしまう現象です。
これにより、銅板が徐々に溶かされ、やがて穴が開いて雨漏りに繋がってしまうのです。
なお、現在の瓦の釉薬では鉛が使用されることはほとんどありませんが、古いお住まいでは注意が必要です。
【屋根の構造と雨漏り】「雨だれ」が屋根に穴を!?谷部分の修理と対策

銅板屋根の雨漏りの原因は、材質の厚みや化学的な相性だけではありません。
瓦屋根特有の「雨水の流れ方」という、物理的な要因も大きく関係しています。
「雨垂れ石を穿つ」ということわざがあるように、弱い力でも同じ場所に集中し続ければ、やがては穴を開けてしまいます。
屋根の谷部分でも、これと同じことが起こり得るのです。
瓦屋根では、屋根瓦の隙間から流れ落ちる雨水が、下の谷板金の一点に集中して当たり続けます。
この長年の衝撃が、特に薄い金属板を少しずつ摩耗させ、最終的に穴を開ける原因となるのです。
このようなリスクを防ぐため、現在の屋根工事やリフォームでは、谷部分の材料選びが非常に重要視されています。
錆びにくく耐久性の高いステンレス鋼板やガルバリウム鋼板を選んだり、もし銅板を使用する場合でも、十分な厚みを持つ高耐久な製品を選定したりするのが一般的です。
適切な材料と施工で、お住まいの弱点をしっかり守ります。
【雨漏り点検のご報告】写真で原因を徹底解説。再発させないための修理提案

屋根点検の完了後、お客様には私たちが調査時に撮影した写真をお見せしながら、雨漏りの原因を一つひとつ丁寧にご説明いたしました。
以前に行われた修理は、数年間は雨漏りを止める効果があったかもしれませんが、残念ながら長期的な耐久性は考慮されておらず、再発のリスクが非常に高い応急処置に近い状態でした。
きちんと直したと思っていた箇所が原因だったことを知り、お客様がショックを受けられるのも無理はありません。
そこで私たちは、この先何年も安心して暮らしていただくために、その場しのぎの補修ではない根本的な解決策をご提案しました。
原因となっている古い谷板金を完全に取り除き、耐久性の高い新しい板金に交換する工事です。
後日、工事内容の詳細と内訳を明記したお見積書を作成し、改めてご説明にお伺いすることをお約束いたしました。
お客様にご納得いただくことが、私たちの第一歩です。
FAQ(工事に関するよくある質問)
なぜ「谷板金(たにばんきん)」は雨漏りしやすいのですか?
屋根の雨水が全て集まって流れる場所(排水路)だからです。水量が多いため負担が大きく、板金が錆びたり穴が空いたりすると、即座に大量の雨漏りに繋がります。
穴をコーキングで塞ぐのはダメなのですか?
あくまで「一時的な応急処置」ならOKですが、修理として行うのはNGです。コーキングは数年で劣化して剥がれますし、板金自体の寿命がきている場合、別の場所にまた穴が空く「イタチごっこ」になります。
昔の「銅板」の谷はなぜ穴が空くのですか?
酸性雨の影響や、瓦の釉薬から出る成分との化学反応(電蝕)、そして滴り落ちる雨水の衝撃(雨垂れ石を穿つ)によって、銅板が溶けるように薄くなり、穴が空いてしまうことが多いです。
次回の現場ブログ記事の内容は?
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