瓦をただ積むだけじゃない!「見えない針金」が屋根を守る命綱

01.名古屋市南区 瓦修理 屋根頂点部に南蛮漆喰で土台を作ります。

「瓦って、ただ重ねてあるだけじゃないんですね」
修理中の様子をご覧になった神社の関係者様も、その複雑な構造に驚かれていました。

名古屋市南区の現場にて、解体した大棟(おおむね)の復旧作業が進んでいます。
使うのは、最新の「南蛮漆喰」と、昔ながらの「針金」。

この2つを組み合わせることで、地震や台風にも動じない、強靭な棟を作り上げます。

前回の現場ブログ記事は?

【名古屋市南区】神社屋根修理|棟を崩して直す!積み直しと瓦差し替えで完全復旧

writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔 急がば回れ!棟を「一度壊す」ことが最も確実な修理法でした 「やっぱり、上から被せるだけじゃダメなんですね」 …

こちら現場での初回点検の様子は?

初動調査での様子を現場ブログ・第一話目で書いています!

【名古屋市南区】神社屋根修理|突風で瓦が破損!不適切な「応急処置」のリスクとは

writer by ヤマムラ建装株式会社 代表取締役 山村康輔 神社の屋根に木の枝が直撃!見つかったのは意味のない「板金」でした 「突風で木の枝が折れて、屋根に落ちたんで…

棟瓦の修理はスピードが命?専門職人さんの技術をご紹介

02.名古屋市南区 瓦修理 積み上げる棟の土台となる棟瓦。
03.名古屋市南区 瓦修理 互いの棟瓦を針金線で緊結していきます。

棟の復旧作業で最も重要なのが、熨斗瓦(のしがわら)の取り付けです。
熨斗瓦とは、屋根の頂点部分で何段にも重ねて積み上げる、板状の瓦のことです。
この熨斗瓦を積み上げていく上で、土台となる一段目の取り付けが特に重要になります。

私たちは、この一段目の熨斗瓦を、隣同士で隙間なくきれいに並べていきます。
そして、瓦の内部に埋め込まれた穴に針金を通して、瓦同士をしっかりと結びつけて固定します。
この作業を「緊結(きんけつ)」と呼びます。

この緊結作業がなぜ重要かというと、棟瓦の修理は、通常1日から2日で完了させる必要があるためです。
使用する南蛮漆喰(なんばんしっくい)が完全に乾く前に次の作業を進める必要があるため、針金で瓦同士を強く引っ張り合って固定することで、不安定な状態を防ぎ、全体の強度を高めることができるのです。

見た目には分かりにくい部分ですが、この緊結作業を丁寧に行うことで、強風や地震に強い屋根が完成します。

棟瓦の積み直し作業!専門職人さんが語る瓦の秘密

04.名古屋市南区 瓦修理 二段目以降も棟瓦を使って積み上げて行きます。

熨斗瓦とは、屋根の頂点に積み上げる平らな瓦のことで、棟の強度を高める重要な役割を担っています。
一段目の熨斗瓦は、横幅が広い一枚物を使用しますが、二段目以降は半分に割ったものを使用します。

この作業には理由があります。
詳しくは専門的な話になりますが、簡単に言うと、瓦を半分にすることで、全体のバランスを保ち、より強度を高めることができるためです。
寺社仏閣など、建物の種類によっては積む段数が異なりますが、基本的には同じ手順で行います。

まず、一段目の熨斗瓦の上に、次の段を固定するための南蛮漆喰(なんばんしっくい)を置きます。
南蛮漆喰は、防水性と接着力に優れた漆喰で、瓦をしっかりと固定する役割があります。

その後、半分に割った熨斗瓦を一枚ずつ横に並べていきます。
瓦を並べ終えたら、瓦に開いた穴に針金を通して、瓦同士をしっかりと結びつけて固定します。
この緊結(きんけつ)作業を丁寧に行うことで、地震や強風に強い、丈夫な棟が完成します。

屋根の修理は、見た目ではわからない部分にこそ、職人の技術と経験が詰まっています。
お客様の大切な住まいを長く守るため、私たちは一つひとつの工程を丁寧に進めます。

05.名古屋市南区 瓦修理 互いの棟瓦の間に南蛮漆喰を塗り込んでいきます。 
06.名古屋市南区 瓦修理 棟全体の転倒防止で緊結する針金線を設置します。

熨斗瓦とは、屋根の頂点に積み上げる平らな瓦のことです。
二段目の熨斗瓦を針金でしっかりと緊結(きんけつ)したら、瓦同士の隙間に南蛮漆喰(なんばんしっくい)を塗り込んでいきます。
南蛮漆喰は、防水性と接着力に優れているため、瓦同士を強固に固定する役割を果たします。

三段目も同様に、熨斗瓦を並べて緊結し、南蛮漆喰を隙間に塗り込んでいきます。
このとき、二段目で緊結した針金に、少し長めの針金を結びつけておきます。
これは、最終的に棟の最上段に取り付けられる冠瓦(かんむりがわら)を固定するための重要な準備です。

冠瓦は、棟の最も高い位置にある瓦で、強風や地震で飛ばされないよう、しっかりと固定する必要があります。
この長い針金は、冠瓦を棟にしっかりと結びつけるための、いわば命綱のような役割を果たします。

このように、屋根の修理は、一つひとつの工程に深い意味があります。
見た目ではわからない部分にこそ、建物を守るための緻密な工夫が凝らされているのです。

棟瓦の最終仕上げ!冠瓦の設置と屋根掃除

07.名古屋市南区 瓦修理 棟の最上段の冠瓦を一列に並べていきます。
08.名古屋市南区 瓦修理 ブロアー

棟瓦の最終工程、冠瓦(かんむりがわら)の設置です。
冠瓦は、積み上げた熨斗瓦(のしがわら)の最上段を覆う瓦で、雨水の侵入を最終的に防ぐ重要な役割を担います。
二段目以降の熨斗瓦は、半分に割って使用するため、中央部分にわずかな隙間ができます。
この隙間をしっかりと塞ぐために、冠瓦をかぶせていきます。

冠瓦は、ただ置くだけでは強風で飛ばされてしまう危険があります。
そのため、私たちは、事前に準備しておいた長い針金を、冠瓦の釘穴に通し、一本ずつしっかりと結びつけて固定します。
この作業を丁寧に行うことで、屋根全体の強度を高め、台風や強風にも強い屋根が完成します。

棟の復旧作業がすべて完了したら、屋根の上をきれいに掃除します。
使用した工具や資材をすべて片付け、ブロワー(送風機)を使って、屋根に残った小さなゴミや瓦の破片などを吹き飛ばします。
お客様に安心して過ごしていただくために、最後の掃除まで気を抜きません。

屋根修理の最終工程:コーキング作業と工事完了のご報告

09.名古屋市南区 瓦修理 鬼瓦の背中部にコーキングボンドを塗布します。

瓦の交換、そして棟(むね)の積み直しが完了したら、屋根の防水性を高めるための最終仕上げに入ります。
それが、コーキングボンドを使った隙間埋め作業です。

まず、冠瓦(かんむりがわら)を固定した釘穴にコーキングボンドを丁寧に注入していきます。
これにより、わずかな隙間からの雨水の侵入を防ぎます。
また、鬼瓦(おにがわら)と積み上げた棟が合わさる部分にも、施工上どうしても隙間ができてしまいます。
この隙間も同様に、コーキングボンドをしっかりと充填し、完璧な防水対策を施します。

これらの作業が完了し、すべての工程が終了しましたら、お客様に工事完了のご報告をさせていただきます。
修理前後の写真を比較しながら、どのような状態だったか、そしてどのような工事を行ったのかを分かりやすくご説明しました。

今回は、強風で折れた木の枝が屋根に落下したことが原因でした。
屋根の上に樹木がある限り、今後も同様の被害が発生する可能性はゼロではありません。
しかし、今回しっかりと修繕を終えたことで、お客様には大変喜んでいただくことができました。

屋根の不具合は、ご自身では気づきにくいことが多く、放置すると雨漏りなどの大きな被害につながります。
私たちは、お客様に安心して暮らしていただくため、丁寧な施工と分かりやすいご説明を心がけています。
屋根のことでお悩みでしたら、どんな小さなことでも、お気軽にご相談ください。


「緊結(きんけつ)」とは何ですか?

瓦同士を針金などで強く結びつけて固定することです。ただ積み上げるだけでは地震の揺れで崩れてしまいますが、緊結することで棟全体が一体化し、倒壊を防ぐことができます。

針金は錆びませんか?

屋根工事には、錆びにくい銅線やステンレス線を使用します。長期間にわたって強度を維持できる素材を選んでいます。

南蛮漆喰(なんばんしっくい)の効果は?

従来の屋根土(泥)に比べて防水性が高く、固まると非常に硬くなるため、接着剤としての役割も果たします。雨水の侵入を防ぎながら、瓦をガッチリ固定します。

次回は施工事例になります!


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